仕入れた側が作成する書類(仕入明細書)は軽減税率でどう変わる?
仕入れにあたって、仕入先から請求書をもらう代わりに、仕入先に対して仕入明細書を作成し、仕入先の確認を受けているといったお店もあります。軽減税率制度の実施によって、仕入れた側が作成する仕入明細書にはどのような記載が必要になるのでしょうか?
この記事の目次
仕入明細書も区分記載請求書等に該当する
2019年10月の軽減税率の開始とともに、区分記載請求書等(保存方式)が導入されます。まずは、この新たに導入される区分記載請求書等について整理してみましょう。
区分記載請求書等とは?
区分記載請求書等には、請求書や納品書、領収書など、取引の際にやり取りする書類が該当します。これらはすべて仕入先の事業者が作成する書類です。
仕入明細書も区分記載請求書等に該当する
上記のほかにも、仕入れた事業者が(例えば1か月などの)期間を区切って、仕入れた商品を一覧にした仕入明細書を作成して、それを請求書に代えて使用しているということもあります。
このような仕入明細書は最終的に、仕入れた品目が間違っていないかなどを仕入先に確認してもらって、問題なければその金額で支払うという流れになります。仕入先の確認方法については、作成した仕入明細書に、サインをしてもらったり、ハンコを押してもらったりという方法が考えられます。
このような、仕入先ではなく、仕入れた事業者が作成した仕入明細書についても、仕入先の確認を受けたものについては、請求書などと同じく区分記載請求書等に該当します。
区分記載請求書等の記載事項
次に、区分記載請求書等の記載事項について見てみましょう。区分記載請求書等の記載事項は下記の通りです。
- (1)発行者の氏名や名称
- (2)取引の年月日
- (3)取引の内容(何を販売したのかということ)
- (4)相手先の氏名や名称
- (5)軽減税率の対象品目である旨
- (6)税率ごとに区分して合計した税込対価の額
これまでの請求書等に加えて、(5)と(6)の項目が追加されました。
仕入先の確認を受けた仕入明細書についても区分記載請求書等に該当しますので、上記の6つの記載事項が記載されていれば、要件を満たすことになります。特に、(5)の「軽減税率の対象品目である旨」は、軽減税率の対象品目に「※」マークを付けるなどで対応します。仕入明細書の作成の時に、ひと手間かかりますが、しっかりと対応するようにしましょう。
まとめ
- 仕入れた事業者が作成した仕入明細書で、仕入先の確認を受けたものは、軽減税率制度による区分記載請求書等に該当する
- 区分記載請求書等には、「軽減税率の対象品目である旨」や「税率ごとに区分して合計した税込対価の額」を記載する
- 「軽減税率の対象品目である旨」は、「※」マークを付けるなどして明示する
仕入明細書を作成する場合は、仕入れる事業者もどのような項目が軽減税率の対象品目なのか判断できる必要があります。自分のお店だけでなく、どのような品目が軽減税率の対象品目となるのかということを理解しておきましょう。
※この記事は公開時点、または更新時点の情報を元に作成しています。
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この記事を書いた人
中野 裕哲(なかの ひろあき)起業コンサルタント(R)
起業コンサルタント(R)、税理士、特定社労士、行政書士、CFP(R)。起業コンサルV-Spiritsグループ/税理士法人V-Spirits代表。年間約200件の起業相談を無料で受託し、起業家をまるごと支援。起業支援サイト 「DREAM GATE」で11年連続相談数日本一。「一日も早く 起業したい人が『やっておくべきこと・知っておくべきこと』」など、起業・経営関連の著書・監修書多数。http://v-spirits.com/