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何から始めればいいの?起業の準備と創業資金について専門家が解説

起業においては何より事前準備が重要です。勢いだけで事業を始めても、上手くいく可能性は低いといえます。本記事では、起業を考えている方に向けて、起業前に必要な準備や必要な資金について解説します。

この記事の目次

起業の準備

まずは起業の準備について、順を追って確認していきましょう。

ビジネスモデルを明確にする

まず、ビジネスモデルを明確にしましょう。ビジネスモデルとは「誰からどうやってお金をもらうか」という仕組み自体を指します。どれほど素晴らしい商品やサービスを提供したとしても、売上代金を安定して回収できなければ、事業を存続できません。ビジネスモデルは、日々の事業活動に必要なお金を確実に稼げる方法か否かという視点で組み立ててください。

初期投資額を見積もる

ある程度採算が取れると判断したら、次に初期投資額を見積もります。事業者は、家賃や給料、仕入れといった投資を終えてから商品を売り始めます。つまり、売上の入金までには時間がかかるのです。したがって、初期投資額の見積もりが甘ければ、あっという間に資金が底をついてしまいます。初期投資額の見積りは、できる限り詳細に、かつ金額も多めに設定するほうが望ましいでしょう。

収支計画を立てる

続いて、収支計画を立てていきます。収支計画とは「収入」と「支出」を月単位で予測するものです。

収支計画で大切なことは、初期投資を何年で回収できるかという視点です。初期投資に2,000万円かかったとして、それを5年で回収するためには、少なくとも毎年400万円の利益が必要です。月にすると約33万円です。人件費や店舗家賃、広告費や消耗品費などの固定費が毎月約100万円かかるとすれば、最低でも133万円以上稼ぐ必要があります。

飲食店の場合、食材原価が一般的に約30%なので、最低でも毎月190万円(133万円÷(1-0.3))以上の売上が必要です。収支計画は、目標売上額を念頭に、客単価、見込客数、回転数の予測を立てることが求められます。

起業に必要な知識

ここでは、起業する前に最低限身につけておきたい知識について紹介します。

社員を雇うなら「労務知識」

一人でも社員を雇う必要があるなら、最低限の労務知識は必須です。近年は労働人口の減少に伴い、人材確保が難しくなっています。いかに離職を減らすか、いかに労働環境を良くしていくかは、企業を成長させるうえでのポイントといえます。そのため、福利厚生や労働安全衛生といった労働環境を整えることにつながる「労務」は、以前にも増して重要度が高まっているのです。従業員が安心して働ける環境であれば、生産性も高まり、組織の成長にもつながります。

労働環境に強く関わる「社会保険」「時間外労働」「有給休暇」や、組織を崩壊させかねない「セクハラ」「パワハラ」といった知識は最低限持っておきましょう。労務をおろそかにすると、「ブラック企業」というレッテルをはられてしまう可能性すらあります。これは中小企業にとっては致命的なことです。なお、労務に関する専門家は、社会保険労務士となります。事前に相談するのもよいでしょう。

会社の業績を把握する「会計知識」

起業すると、その瞬間からお金が入ったり、出たりを繰り返します。支払いは経費になるのか、ならないのか。売上のタイミングはいつなのか。今月利益が出ているのかどうか。これらのことが理解できないと、何かをするときに経営判断が遅れてしまうことになります。「損益と収支の違い」と「経費で認められる範囲」といった最低限の会計知識は必要です。会計に関する専門家は税理士となりますので、こちらも事前に相談されてもよいでしょう。

資金繰りを円滑にする「財務知識」

財務とは、調達と運用を計画して実行することです。資金が足りない場合は調達し、資金が余れば運用に回します。資金繰りの計画も財務に含まれるため、財務の知識を身につけることで、円滑な資金繰りを実現できます。金融機関との関係も良好となり、比較的スムーズに資金調達できるようになるでしょう。ただし、財務の専門家は残念ながらおりません。一部の税理士や財務コンサルタントといった方がサポートをしてくれます。

起業に必要な資金

創業時は「設備(開業)資金」と「運転資金」の両方が必要となります。正確に把握して、備えましょう。ここでは、それぞれについて詳しく見ていきます。

設備資金

設備資金は、始めるための初期費用全般を指します。店舗を借りる場合の不動産賃貸契約にかかる費用や内装費用、空調設備、備品、商品在庫などが含まれます。設備資金への投資は、会社で利益を出すことで中長期的に回収していくことが一般的です。

運転資金

運転資金は、日々の営業活動の中で発生する費用全般を指します。事業を始めた後からかかる商品の仕入れ、店舗の家賃、人件費、広告費、消耗品費などが含まれます。余裕のある運転資金を用意しておかないと、事業を始めた途端に資金が足りなくなるということも起こりえます。目安としては、毎月かかる固定費の3カ月分を運転資金として確保しておくと安心です。そうすれば仮に自然災害などによって売上げが大幅に減少しても、対策を十分講じられます。

運転資金は日々の売上の中から確保していくことが望ましいといえます。運転資金には借入金の返済も含まれるため、運転資金を上回る売り上げが初期投資(借入金)の返済原資となることも覚えておきましょう。

起業に関する手続き

起業することになった場合、どのような手続きが必要なのか確認していきましょう。

「会社の設立」または「開業の届出」

事業の開始にあたり「法人組織」と「個人事業」のどちらで始めるのかによって手続きの流れが変わります。「法人組織」で始める場合には、会社(法人)を法務局で登記します。個人事業の場合、税務署に「開業届」を出せば手続きは完了です。同時に多くの優遇措置がある「青色申告」の手続きも行いましょう。なお、青色申請は開業から2カ月以内に申請を出す必要がありますので期限に気を付けてください(法人の場合も同じです)。

銀行口座の開設

事業を始める前に、事業に関する入出金を管理するための銀行口座を作ります。個人事業の場合には、プライベートの口座をそのまま事業用の口座として使っても構いませんが、個人的な入出金が含まれないようにした方が確定申告時に手間が省けます。

創業資金の申込み

事業を始めるにあたり金融機関から資金調達する場合、法人設立がされてから融資を申し込みます。確実に融資を実行してもらうためにも、法人の設立前に金融機関または専門家に相談しておきましょう。

まとめ

  • 起業は事前の計画と準備が重要
  • 経営者にとって「労務」「会計」「財務」の基礎知識は必須
  • 創業資金は起業の生命線
  • 個人事業と法人で起業のプロセスは異なる

起業は、勇気と多少の自己資金が用意できれば誰にでもできてしまいます。しかし、起業することがゴールではありません。起業した後に事業を軌道に乗せることへ集中することが重要であり、そのためには起業前にしっかりとした計画を立てることが大切です。

※この記事は公開時点、または更新時点の情報を元に作成しています。

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この記事を書いた人

穂坂 光紀(ほさか みつのり)税理士

税理士法人 エンパワージャパン 代表税理士 1981年生まれ 横浜市在住

中小企業こそ日本を支える礎であるという理念から、持続可能な社会・持続可能な企業を創るための「中小企業のための財務支援プログラム」を実施することで強固な財務力を持つ優良企業に導く、中小企業の財務支援に専門特化した税理士事務所を運営するとともに、児童養護施設の児童から地域を支援する税理士へと導く「大空への翼プロジェクト」を行っている。共著「七人のサムライ」や執筆など多数。

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