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受付システムのメリットは?業態ごとの導入適正も解説

中野 裕哲(なかの ひろあき)起業コンサルタント(R)

受付システムは進化し続けており、今や無人の受付も多く見られるようになってきました。受付システムの導入を検討されている事業者に向けて、受付システムのメリットや注意点など、業態ごとの導入適正について解説します。

この記事の目次

受付システムとは?

まずは受付システムの概要やシステム化された背景について見ていきましょう。

受付システムの概要

受付システムとは、オフィスや店舗に来客があった場合、iPadなどのデバイスを使用して無人で効率的に対応するシステムのことです。事前予約機能がついている受付システムもあり、これまで人が行っていた受付業務を担うことができます。

受付システム化の背景

受付のシステム化が進んできた背景には、様々な要因があります。

一つは、オフィスのIT化の進展です。通信技術が発達している流れを受け、受付システムを導入する会社が増えています。また、低コスト化も普及に一役買っています。特に飲食店では、人手不足や人件費上昇が背景として挙げられることから、人件費削減のために導入する店舗が増えつつあります。

受付システムを導入するメリットは?

受付システムを導入するメリットについて見ていきましょう。

人件費を削減できる

受付システムを導入すると、受付担当スタッフを常駐させる必要がなくなり、人件費を削減できます。また、電話での受付を行なっていた場合も、電話対応の手間がなくなります。

情報管理がしやすくなる

受付システムは、受け付けた情報を自動でクラウド上に登録・管理するものがほとんどで、受付担当スタッフがパソコンや用紙に情報を残す必要がありません。

また、予約システムやスケジュール管理ソフトとの連動も可能なため、予約ミスやスケジュールのバッティングを防止でき、スケジュール管理がスムーズになります。

機会損失を防ぐことができる

急な来客があった際に、来客対応中で手が離せなかったりする場合、適切な対応ができないとイメージダウンから売上機会の損失にもつながります。

しかし、受付システムを導入していれば、システムが自動で適切な対応を行なってくれます。さらに来訪者が受付システムに情報を入力してくれれば、後日フォローすることも可能となり、機会損失を防ぐことができます。

飲食店の場合は、受付システムで予約番号券を発行することで機会損失を防げます。電子機器修理を行うサービス業のように、待機時間が読みにくい業態でも予約番号券の発行は有効です。さらにスタッフの人数が少なく、来訪者の対応に手が回らないような企業でも、受付時に連絡先を入力してもらうことで後から連絡を取ることができます。

セキュリティ対策になる

受付システムでは、直接会う前に来客情報をシステムに入力してもらうことで、全く面識のない人といきなり会うことを避けられます。また、カメラのついたデバイスを通じて顔認証を行う機能がついたシステムの場合は、事前に来訪者の顔を確認することもできます。さらに入退室管理をすることでセキュリティ対策の強化にもなります。

企業イメージが向上する

受付システムを使用することで、来訪者を待たせることなく案内ができ、企業のイメージ向上につながります。

また、受付システムをiPadやロボットなどのデバイスを利用することで、IT関連の事業所であれば自社の先進性をPRすることにもつながります。

受付システムを導入するデメリットは?

受付システムにはデメリットもあります。導入を検討している場合に、押さえておきたいデメリットについて見てみましょう。

対人受付ならではの温かみが失われる

デバイスが受付業務を行うため、来訪者に冷たい印象を与えることがあります。高額商材を扱うようなお客様への手厚い対応が求められる業界では、対人受付が良い場合もあります。しかし、受付システムもその点を考慮し、来訪者の名前を呼ぶことで、できる限り来訪者を温かく迎える設計が施されています。

導入費用がかかる

新しく受付システムを導入すると費用がかかります。ただし、すでにデバイスがある場合は受付システムアプリをインストールすることで、設備費用を最小限に抑えられます。

運用方法の周知徹底が必要

受付システムを導入しても、運用方法を現場のスタッフと共有できていなければ意味がありません。そのため、運用方法を共有する時間と手間がかかります。ただし、最近の受付システムは使用法が簡単になってきているので、以前よりも運用方法を周知する時間と手間は減ってきています。

受付システムを選ぶときの注意点は?

受付システムは何を基準に選べば良いのでしょうか。費用や設置場所などの観点から解説します。

誰でも使いやすいシステムか

受付システムを扱うのは来訪者とスタッフです。そのため、そのどちらにも使いやすいシステムであることが重要です。操作が複雑だとかえって業務効率が悪くなります。

システムによっては一定期間無料で試用できるため、試験的に導入することも一つの方法です。

費用が適正か

受付システムによって金額は様々ですが、高額なものほど機能面が充実する傾向にあります。まずは最低限必要な機能を書き出し、それに見合う受付システムを見つけましょう。その上で、費用が適正か見極めてください。

最低限必要な機能の例

  • 受付機能
    (担当者の名前を検索し、呼び出せる機能)
  • 事前予約機能
    (システム内のカレンダーを用いて事前に来客予約する機能)
  • 来客情報管理機能
    (来客者の情報を残し、管理していく機能)

事業規模に合った機能がその受付システムに備わっているかも、選ぶ際の大切なポイントの一つです。

受付システムによっては、登録人数に上限が定められている場合があります。担当者の名前を多く登録する必要のある大規模なお店や事業所では、登録可能人数を事前に調べておく必要があります。また、一度に多くの来客があるお店や事業所では、来客予約時にQRコードを発行する機能があると便利です。受付の際にQRコードを端末に提示することで、一人あたりの受付時間を大幅に削減できます。海外に事業展開しており、外国からの来客者が多い場合は、さらに多言語対応機能が必要になってきます。

もちろん高機能な受付システムを導入すれば、どんな事業規模であっても対応できますが、その分費用もかかります。また、余分な機能がついていると、かえって操作が難しくなってくるため、事業規模に合った機能を備えた受付システムを導入することが重要です。

設置場所を確保できるか

受付システムは一般的にiPadなどのタブレットやロボットの形態で導入します。設置場所が確保できるか事前に検討しましょう。

受付はその事業所の顔になるため、どんなデバイスをどのように置くかによって、印象は大きく変わってきます。どんな印象を持ってもらいたいかを考え、そこから逆算して導入形態や設置方法を検討することが大切です。

セキュリティ面の問題はないか

受付システムでは、受付業務に関連する様々な情報(受付予約時間、来客者名、来客者の所属企業・部署名など)を格納できます。それは裏を返すと、情報漏洩時の被害も甚大なものになるということです。そのため、セキュリティがしっかりした受付システムを選びましょう。

サービスセンターの対応は十分か

受付システムを導入すると、操作を誤ってシステムエラーを起こしてしまったり、サーバーが突然落ちてしまったり、自分で対応できない場面があるかもしれません。特に導入直後は操作の不明点が多くなりがちなため、サービスセンターに問い合わせることが多くなります。

サービスセンターの対応がスムーズかつスピーディでなければ、せっかく導入したシステムも機能しません。そのため、サービスセンターの対応がしっかりしているかどうかは、導入の際の注意点の一つとなります。サービスセンターの問い合わせ時間帯と自社の営業時間が重なっているかも検討材料として重要です。

導入すべきタイミングは今か

受付システムを導入すべきタイミングが、今かどうかをシステムを選ぶ前に確認しましょう。店舗の開業直後のため客足がそれほど多くなく、従業員で対応が可能であれば、導入を急ぐ必要はないかもしれません。一方、忙しくなり手が回らなくなる少し前に導入し、システムに慣れておくことが良いケースもあります。

また、シーズンによって繁忙期がある店舗の場合は、忙しい時期に不慣れなシステムを導入すると混乱するため、導入のタイミングは慎重に見極める必要があります。

受付システムの導入が向いている業態は?

受付システムの導入はどんな業態に向いているのでしょうか。いくつか紹介していきます。

小売業

まず、小売業です。例えば、「オーダーメイドで紳士服を仕立てるテーラー」「コンタクトレンズの販売店」「機械修理店」「写真の現像を行う店」などは向いてます。また、百貨店のサービスカウンターのように包装や「のし」付け、郵送の作業を行う場所も向いています。

これらに共通するのは、一回あたりの接客時間が長く、順番待ちが発生しやすい点です。こうした業態に受付システムを導入すれば、順番待ちの対応がスムーズになり、機会損失を防ぐことにつながります。

外食業

回転率の早い店舗以外では、外食業でも導入のメリットがあります。土日や祝日に家族連れで満席になる店舗は、特に導入がおすすめです。待ち時間や順番を確認できる「QRコード付き番号券」が発行できるタイプが活躍しています。

待ち時間がわからないと不安な来店者は多く、受付システムを導入していれば、待ち時間の目安がわかり、安心して待つことができるため、機会損失を防ぐことができます。

サービス業

サービス業においても写真の現像や印刷店のような、待ち時間が発生しやすい店舗では導入が向いています。

また、不動産会社や結婚式場など、長い時間商談することが多い業態や繁忙期がある業態では、受付で待機してもらうことが発生しやすいため、受付システムの導入が向いています。

運送業においては、受付システムを導入することで、ドライバーの荷待ち問題を解消することができます。ドライバーは倉庫についた際に簡単な受付を行うだけで、自分の待ち時間を把握できるため、待ち時間がわからないストレスを軽減することができます。

まとめ

  • 受付システムを導入すると受付を無人化でき、業務効率が向上する
  • 対人受付特有の温かみが失われるが、人件費削減などのメリットがある
  • 導入を検討する際は操作性、費用や機能をよく調べる必要がある
  • 導入が向いているのは待ち時間が長い業態

受付システムは今や会社にとっても店舗にとっても欠かせない存在です。店舗であれば機会損失を防ぎ、売上拡大につながります。
導入する前には必要な機能と費用をあらかじめ決めておくことが大切です。適切な受付システムを導入し、売り上げアップを目指しましょう。

※この記事は公開時点、または更新時点の情報を元に作成しています。

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この記事を書いた人

Airレジ マガジン編集部

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中野 裕哲(なかの ひろあき)氏

中野 裕哲(なかの ひろあき)起業コンサルタント(R)

起業コンサルタント(R)、税理士、特定社労士、行政書士、CFP(R)。起業コンサルV-Spiritsグループ/税理士法人V-Spirits代表。年間約200件の起業相談を無料で受託し、起業家をまるごと支援。起業支援サイト 「DREAM GATE」で6年連続相談数日本一。「一日も早く 起業したい人が『やっておくべきこと・知っておくべきこと』」など、起業・経営関連の著書・監修書多数。http://v-spirits.com/