電話予約とウェブ予約の違いは?改めて比較してみよう
中野 裕哲(なかの ひろあき)起業コンサルタント(R)
飲食店や理美容院において、最近はウェブ上での予約も一般的になりました。しかし、電話予約も多くのメリットがあります。両者の特性を理解した上で、事業の内容に合わせて効果的に予約受付を行う方法について考えましょう。
この記事の目次
電話予約とウェブ予約の概要と比較
電話受付とは、直接店舗に電話をしてから予約を受け付けるものです。対するウェブ予約はインターネット上の受付フォームや予約システムを使用して予約を受け付けます。ここでは、電話予約とウェブ予約の概要と差異について比較します。
電話予約とウェブ予約のメリット・デメリット比較
まずは、電話予約とウェブ予約のメリット・デメリットを比較してみましょう。
予約の種類 | メリット | デメリット |
電話予約 |
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ウェブ予約 |
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電話予約のメリットとデメリット
電話での予約は、直接店員と話すため細かな要望を伝えられます。また、リアルタイムで返事をもらえる即時性の高さも大きなメリットです。
一方で、通常業務と並行して電話対応することも多く、スタッフが混乱する可能性があります。また、お客様の中には電話や会話が苦手な方もいるため、電話予約が障壁になってしまうケースもあります。電話という媒体の特性上、後々お客様と「言った・言わない」のトラブルに発展する可能性もあります。電話対応はスタッフへのトレーニングが必要であり、その分コストがかかる点もデメリットといえます。
また、美容院やネイルサロンなどを一人で運営している場合、問い合わせの電話がかかってくるたびに店内で対応中のお客様を待たせてしまいます。
ウェブ予約のメリットとデメリット
ウェブ予約のメリットは、営業時間に関わらず、365日24時間受付が可能な点です。ライフスタイルの多様化が進む昨今、こうした予約方法はますますニーズが高まっていくと思われます。業種にもよりますが、予約する際に「この日は埋まっているがこの日は空いている」というような情報も一目で確認でき、来店日程を調整する必要がある業種のお店では、予約管理がしやすくなります。また、一人で店舗を運営している事業者にとっても、ウェブで予約を受け付けることによって、店内にいるお客様の対応に集中できます。
外食業やサービス業であれば、ホームページ上の画像を見ることで、メニューを選択しやすくなるメリットもあります。さらに、予約受付完了メールや画面を保存しておくことで、正しい予約受付情報をいつでも確認できることで、予約日時を間違えたり、注文内容を間違えたりすることを防ぐこともできます。
一方、デメリットとしては、人が対応するわけではないので細かな要望に応じられない場合がある点や、サーバーの問題によって予約がうまく完了できないままになってしまう点等が考えられます。特にウェブ予約に慣れていない人が予約を行う場合、予約の最終確認画面に到達した時点で「予約完了」と勘違いしてしまい、確認ボタンを押さずにページを離脱してしまうこともあります。
電話予約が向いている業態は?
電話予約を行った方が良い業態にはどんなものがあるか、それぞれ業態別にご紹介します。
飲食店
飲食店は全般的に電話対応に向いているといえます。特に、宅配サービスやテイクアウトサービスを行っている飲食店においては必須です。
宅配寿司や宅配ピザなどすぐに宅配をお願いしたい場合に、スマートフォンやパソコンから情報を入力して注文するのが「面倒だ」と感じる人も一定数存在します。電話であれば、口頭で住所などの情報を伝えられるほか、細かいオーダーを受けたりアレルギーを確認したりといったやりとりも可能です。
ホテル・宿泊業
ホテルや旅館といった宿泊業の場合、お客様からの細かい要望が多い傾向にあります。したがって、電話予約が向いているといえます。宿泊人数やお部屋の希望(喫煙可能か、ペットも宿泊可能か、眺めはどうか、ベッドサイズなど)、金額の上限などを確認することで、相手の希望に合わせたお部屋を案内することができます。電話を通していわば「コンシェルジュ」的な対応が可能となります。
ハウスクリーニング
ハウスクリーニングでは、室内の状態や作業時の注意点(騒音や時間帯)など細かな事前打ち合わせが必要です。したがって、電話予約の方が向いているといえます。室内の広さや利用したいサービスを聞き取り、場合によっては電話中に大体の見積もりを口頭で伝えることも可能です。ウェブ予約の場合だと、文字を打ったりする必要が出てきますが、電話予約であればそうした手間を省けます。
便利屋・家事代行サービス業
便利屋や家事代行サービス業も電話予約に向いています。こうしたサービスは、高齢者の利用も多く、こうした方々にとってウェブ予約は障壁となってしまいます。便利屋の場合は、その日のうちに対応が必要な仕事の依頼もあるため、電話の方がスピーディーに対応できます。
ウェブ予約が向いている業態は?
続いては、ウェブ予約が向いている業態について見ていきましょう。
飲食店
レストランや居酒屋など飲食店では、ウェブ予約も向いています。営業時間中に予約の電話が何度も鳴ると、接客が手薄になってしまったり、電話応対が疎かになってしまったりすることもありますが、そうしたリスクを減らせます。また、レストランや居酒屋など営業時間帯が決まっている飲食店の場合、ウェブ予約なら営業時間外でも予約を受け付けられるため、お客様が予約をしやすくなる良さもあります。
理容室・美容院/エステティックサロン・ネイルサロン
理容室・美容院や、エステティックサロン・ネイルサロンはウェブ予約が向いています。どの日時が予約で埋まっているか、お客様が一目で確認できるためです。また、こういった店舗では、接客中にスタッフと会話を楽しまれるお客様もいます。会話の最中に何度も予約の電話が入ってしまうと、会話が途切れ途切れになってしまいます。お客様と深くお話をしたい場合には、ウェブ予約を用意しておくと会話がスムーズに運びます。
ホテル・宿泊業
ホテル・宿泊業は電話予約が向いていると紹介しましたが、実はウェブ予約にも向いています。一見矛盾しているように思われるかもしれませんが、ケースによって向いている予約方法は変わります。
例えばホームページ上からお部屋の予約をお客様がする場合、お部屋の写真を確認しながら予約を行えます。またどの部屋がいつまで埋まっているのか、といった情報もウェブ予約であれば一目瞭然です。また、忙しいビジネスパーソンのように、公共交通機関で移動中の隙間時間で予約をしたい方を取り込みたい場合もウェブ予約は効果的です。
レンタカー
レンタカーのウェブ予約では、借りたい車種の空き時間を一目で確認できます。また、それぞれの車のスペックをカタログ的に閲覧できるので、お客様が用途に合わせて自分の使いたい車種を選びやすくなります。どの車を何時に予約した、という情報も残しておくことができるため、いざ借りに行く時も手間取ることがありません。
映画館
映画館は、お客様それぞれの要望に答えるなど、個人に合わせた細かなサービスが求められることはあまりありません。そのため、ウェブ予約が向いています。席の場所の確認や空き具合の確認も予約時に行えるため、お客様にとっては親切だといえます。
電話予約とウェブ予約を補完的にうまく使うコツは?
ここでは、電話予約とウェブ予約を補完的にうまく使うコツについて見ていきます。それぞれの良さをうまく組み合わせて、お客様に納得してもらえる予約方法を作りましょう。
予約を基本的にウェブ予約のみへ
電話予約の対応に時間をあまり割けないお店の場合、予約は基本的にウェブ予約のみにしておき、別途細かなオーダーがある方のみ電話で対応する組み合わせがおすすめです。
ウェブの予約受付フォームは、今までのお客様からの予約に基づいた項目を反映したものにすることで、予約のほとんどをウェブでまかなえるようにします。また、受付フォームでは表現できない要望に関してのみ、電話で受け付けるようにします。こうすることで、ウェブでの予約受付を無人化できる一方で、電話による細かな対応も可能となります。双方のメリットを活かした方法です。
直近の予約は電話で
美容室やエステサロンなど、時間単位で予約をするお店に急ぎの予約をする場合、お客様は電話で予約を行いたいものです。この場合、例えば基本的にはウェブ予約で対応し、当日や前日の予約の場合は「電話OK」とアナウンスする方法があります。この方法によって、電話予約の対応にかかる労力を最小限に抑えられます。
電話・ウェブどちらの予約方法でもメリットが活かされる方法で
ホテルや旅館のように、幅広い年齢層をターゲットにした業種は特に予約方法の組み合わせが重要となります。
例えば、ウェブ予約に不慣れな方や細かなご要望のある方には、電話で様々な聞き取りを行い、ご希望に合わせたお部屋の予約ができるようにします。
一方、ウェブ予約をされる方には、クーポンを利用してお得感を味わっていただけるようにします。こうすることで予約対応の方法を分けつつも、それぞれの予約方法にメリットを感じてもらえるでしょう。
まとめ
- 電話対応はスタッフの手間がかかるものの即時性があり柔軟な対応が可能
- 電話対応はお客様に急ぎの対応や細かな要望がある業態に向いている
- ウェブ予約は細かな要望を聞き取ることは困難だが年中予約受付が可能
- ウェブ予約は電話応対が困難なサービス業や外食業に向いている
- 電話予約とウェブ予約の良いところを合わせた予約受付を行うことが必要
電話とウェブそれぞれの予約受付方法を、単純に「古い予約受付方法」「新しい予約受付方法」と捉えていると、本質を見誤りかねません。それぞれにメリット・デメリットがあり、それらを見極めることが重要です。最終的にはお客様の利便性を考えて決めるようにしましょう。
※この記事は公開時点、または更新時点の情報を元に作成しています。
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この記事を書いた人
Airレジ マガジン編集部
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中野 裕哲(なかの ひろあき)起業コンサルタント(R)
起業コンサルタント(R)、税理士、特定社労士、行政書士、CFP(R)。起業コンサルV-Spiritsグループ/税理士法人V-Spirits代表。年間約200件の起業相談を無料で受託し、起業家をまるごと支援。起業支援サイト 「DREAM GATE」で6年連続相談数日本一。「一日も早く 起業したい人が『やっておくべきこと・知っておくべきこと』」など、起業・経営関連の著書・監修書多数。http://v-spirits.com/