POSシステムとは?自社に合うPOSレジをご紹介
「最近POSやPOSシステム、POSレジというワードをよく耳にするけど、一体どういうものなのか?」このような疑問に対し、POSシステムの仕組みや、各種POSレジを比較し、それぞれの特徴をご紹介いたします。
この記事の目次
POSとは?
POSとは、Point of salesの略で、販売時点情報管理という意味です。具体的には各商品が「いつ、いくら、どれぐらい」売れたのかの情報を管理することを言います。また、この考え方に基づいて仕組みを構築したものをPOSシステムと言います。
POSシステムには、「ターミナルPOS」「タブレットPOS」「パソコンPOS」「ハンディPOS」等、様々な種類のものがあります。
POSシステムの仕組み
(1)店舗等から個々の売上情報を入力
POSシステムに関連したPOSレジ等へ日々の売上情報を入力します。店舗の場合には、一人一人のお会計時に売上情報として、「いつ、いくら、何個」が記録されていきます。なお、分析の精度を上げ、より細かな情報(顧客の年齢や性別等)を入力できるシステムを導入することで分析の精度が上がるため、マーケティングに活用することが出来ます。
(2)データセンター(情報を記録)にて情報収集・管理
クラウドサービスの場合には、別途サーバーを用意せずにPOSシステムの利用を開始できます。
(3)パソコンやスマートフォンにて売上情報の参照・分析
POSレジから収集した情報を閲覧し、日々の売上推移などを閲覧します。どの商品がどれだけ売れたかを分析することにより、在庫不足に備えたりすることや、マーケティング戦略を検討することが出来ます。
POSシステムの主な機能
POSシステムでの主な機能を記載します。なお、全てのPOSシステムに同様の機能が搭載されている訳ではなく、POSシステムによっては、あるものとないものがあります。
- 売上管理
キャッシャーに関する全体的な機能(決済やレシート発行等)が搭載されています。また、売上日報(日別や月別、商品別等)を閲覧することが出来ます。 - 商品管理
商品別売上を管理することに連動し、商品の在庫を逐一確認することが出来ます。機能を拡張していけば、倉庫間での入出庫管理や、得意先への発注作業も行うことが出来ます。 - 顧客管理
顧客情報を記録しておけば、再訪した日と顧客別の売上管理(いつ、どこ、いくら、何個)が可能です。最近では、販促機能として「ポイント付与」を管理してくれるものも存在します。 - 勤怠管理
アルバイト等の出勤時間や退勤時間などを管理することが出来るため、給与計算システム等と連携させることで、給与計算を簡素化します。従業員別の売上高を搭載しているシステムなら、従業員毎のボーナス査定にも役立ちます。
POSレジ(POS システム)導入のメリット・デメリット
POSシステム導入によって様々なメリットがありますが、一方で少なからずデメリットも存在します。人によってはPOSシステムの導入が馴染まないケースもありますので、メリットとデメリットを比較してPOSシステムの導入を検討してください。
メリット
お会計、レジ締めの効率化、不正操作の防止
商品管理機能が搭載されているため、お会計の時の誤入力が防止されます。また、スムーズにお会計が行えるため、業務効率が向上します。お会計を誰が担当したのかログを残しておけば、不正会計があった場合への対応にも繋がります。
さらに、レジ締め時には、売上集計を自動で行ってくれるため、手元現金と比較するだけで完了します。
リアルタイム管理が可能
販売データを逐一収集するため、商品情報や顧客情報を含めて分析することで、即座に対策を練ることが出来ます。この結果、需要と供給のバランスを把握しておけば、商品ロスなどを防止することに繋がりますので、販売機会を失わず、売上が増加します。また、POSを導入することによって集計に手間がかからないため、コスト削減にも繋がってきます。さらに、場合によっては自身でも気づかなかった分析結果(例えば、おむつを買う人はビールも併せて買うという結果など[マーケットバスケット分析])を得ることができます。
会計業務の簡略化
国税庁では、個人事業主に対して、少額な売上についても「日々の合計額」を会計記帳することを求めています。法人に対しては、原則として1つ1つの売上内容の記帳を求めています(省略の場合は申請書を提出)。
POSシステムと会計システムが連動していると、売上情報が逐一会計システムにアップロードされるため、煩雑な会計入力を簡略化することが出来ます。
参考:国税庁「個人で事業を行っている方の記帳・帳簿等の保存について」
参考:国税庁「売上に関する帳簿の記載事項の省略承認の申請」
デメリット
すべての機能を使いこなすのが難しい
POSを初めて導入する場合、慣れるまで時間がかかります。POSシステムは様々なニーズに対応するため機能が非常に多いのが特徴なので、使いこなすまでに時間がかかります。また、これに伴い初期設定する箇所も多く、導入にも時間がかかります。
選んだPOSシステムによっては機能不足の場合がある
POSシステム自体には様々な種類があり、搭載されている機能も多種多様です。小売に強いPOSシステムや飲食に強いPOSシステムもあり、自社が必要なデータを考えずに導入してしまうと、機能不足で悩まされることもあります。また、機能以外にもセキュリティ面やサポート面も異なりますので、様々な面から検討が必要になります。
設定されたデータが自動化されることによる手間
例えば消費税区分として「非課税」「軽減税率」「10%課税」の区分がありますが、商品別に消費税区分を設定する際に誤った情報を入力してしまうと、気が付くまで全ての情報が誤った情報のまま記録されてしまいます。
例えば1月に8%のものを10%で登録していて、5月に誤りに気付いた場合、1月から5月までの該当商品に関する会計処理を全て修正する必要があり、さらに誤ってお会計してしまった顧客への対応に追われます。
導入コスト
ターミナルPOSは大企業が業務効率を上げたり、定形化して漏れなくビックデータを管理できるように自社用にカスタマイズするため、100万円以上と高額です。また、パソコンPOSもパソコン購入が必要になると、導入コストは20万円以上掛かります。
種類別POSシステムの特徴と比較
様々あるPOSシステムの特徴を確認しておきましょう。
ターミナルPOS
大型チェーン店やコンビニエンスストアに導入されています。POS専用機のためエラーも起こりにくく、自動釣銭機や電子マネー決済機能などが搭載されていますので、非常にハイテクです。ゼロからプログラムを構築することになるので、自社が必要とするデータを抽出できるほか、自社の業務内容とマッチした仕組みを導入することが可能です。また、プログラムを構築するのも専門の業者が担当しますので、初期導入に際する専門知識はそこまで必ありません。しかし、端末そのものも高額で、導入コストを含めると100万円以上かかることがあります。また、一旦導入すると、POSを切り替える際、専門機自体を入れ替える必要があるため、切替コストも多額に発生します。
パソコンPOS
パソコンにPOSシステムをインストールして利用します。元々パソコンなのでExcelやメールシステム等を同時並行で使用することが可能です。パソコンと連動可能な周辺機器を用いれば、必要な範囲でレジスター機能を拡張することが出来ます。ただし、インストールやオプションの選択、セットアップなどの手間がかかります。また、ターミナルPOSと比べると自社の業務内容にマッチさせることが難しい性質を持つので、自社の業務内容にあったパソコンPOSを検討する必要があります。なお、POSシステムの切り替えに関しては、ソフトウェアを入れ替えるのみで足りますので、切替コストは安価になります。
タブレットPOS
タブレット端末にシステムをインストールして使用します。端末を元々保有していれば、導入コスト0円で利用を開始できます。パソコンPOSと同様に連動可能な周辺機器を用いれば、機能拡張も自身の判断で行うことが出来ます。また、インストールやセットアップの手間はパソコンと同様で、ターミナルPOSと比較してもパソコンPOSと非常に似た性質を持ちます。タブレット端末自体が「タッチパネル機能」を有しているため、パソコンのようなマウス操作と比較するとレジ業務をスムーズに進めることができ、業務効率は高くなります。ただしターミナルやパソコンと比べると端末CPUが比較的低いため、レスポンスが遅くなることがあります。
ハンディPOS
飲食店等の注文時に使われ、厨房へ注文データを送信するハンディーターミナルですが、注文機能のみではなく、POSシステムとしての機能を搭載したものをハンディPOSと言います。拡張性がなく、機能が限られます。ハンディPOSは特殊で、ターミナルPOSやパソコンPOS、タブレットPOSと比較するというより、レジスペースが小さい店舗、若しくは出先で決済することが多い業種の場合にマッチします。
種類 | 導入コスト面 | 機能面 | 向いている業種・業態・店舗タイプ |
---|---|---|---|
ターミナルPOS | 高(100万円以上) | 高(カスタマイズ可) | 大型チェーン店、コンビニエンスストア |
パソコンPOS | 中(20~50万円) | 中~高(拡張可) | 中小規模 |
タブレットPOS | 低(0~20万円) | 中~高(拡張可) | 中小規模 |
ハンディPOS | 中(20万円程度) | 低 | 小規模、無店舗、イベント会場 |
大量のデータを扱い、分析力を高め、即時データを取り扱うニーズが高い大企業の場合にはターミナルPOSを用いており、自社の業務内容にマッチさせながら導入しています。
導入のハードルが低いパソコンPOSやタブレットPOSは、中小企業や個人事業主の店舗に多く用いられており、その種類も豊富です。基本的な機能は同じですが、価格や細かな分析ツール、ユーザーインターフェース(見た目)が異なります。また、拡張によって事業にマッチした機能を取り入れることもできます。
POSシステムにどの程度投資を考えていて、どのような効果を得たいのかによって選ぶべきPOSシステムは変わってきます。どれも一長一短あるため、比較検討してみてください。
まとめ
- POSシステムを選ぶ際には、現在の事業規模や今後の事業計画を重視する
- POSの導入時やミス対応に手間はかかるものの、上手く使いこなせば業務を効率化できる
- POSの導入コストと機能をよく比較検討した上で、種類やサービスを選択することが大切
POSシステムは、元々大規模な企業がマーケティングに用いるために利用してきましたが、現在は身近なタブレットやスマートフォンを利用したPOSシステムも開発され、低価格で高性能なものを利用することが出来るようになりました。導入のハードルが下がった分、導入が遅れてしまえば競合に先を越され、機会損失が発生する可能性が以前より高くなっています。
ただし、自社にとって過剰な機能のPOSシステムは導入コストが高くつくため、POSシステムの導入で実現したいことと、かかるコストを比較した上で、業態や規模に合わせて選択することが大切です。
※この記事は公開時点、または更新時点の情報を元に作成しています。
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この記事を書いた人
福島 悠(ふくしま ゆう)経営コンサルタント/公認会計士
公認会計士、税理士。経営改革支援認定機関/SOLA公認会計士事務所 所長。
上場企業の顧客向け税書類の監修や経営コンサルティング、個人事業の事業戦略支援と実行支援まで幅広く対応。顧客収益最大化を理念に掲げ起業家を徹底サポート。多種多様な企業の税務顧問と年間約30件の戦略立案を行っている。