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受付業務の仕事とは?業務内容や求められるスキルについて解説

三浦 高(みうら たかし)起業コンサルタント

会社や施設を訪れた際、まず訪れるのが「受付」です。にこやかに応対してもらえれば、誰しもその会社や施設に良いイメージを持つのではないでしょうか。「受付」は単なる窓口でなく、その会社の印象を決めてしまう大切な会社の「顔」です。
本記事では、受付業務の仕事内容や向いている人の特徴、求められるスキルや持っていると役立つ資格について解説します。また、受付業務の課題や解決方法についてもご紹介します。

この記事の目次

受付業務ってどんな仕事?

一口に受付といっても、企業や自治体のほか、病院、博物館や美術館、ショールーム、展示会場、百貨店、ショッピングモール、フィットネスクラブなど様々な施設にあります。具体的な仕事内容はその施設によりますが、まずは来訪者を迎え、必要な案内をするのが受付の基本的な役割です。

来客対応

オフィスを訪れた来客者からの用件に応じて社員や部署に連絡します。場合によっては預かっていた書類を渡すなど、受付だけで用件が済む場合もあります。飲食店の受付担当者は来客者の人数や座席の希望などを聞き、スムーズに案内することが求められます。百貨店の受付ではそれぞれの売り場を尋ねられることもあります。

いずれの業務でも、いつ、誰が訪ねてくるか分からないため、臨機応変に対応することが求められます。どんな場合でも受付の印象が良いと、訪れた人は気持ちがよくなるものです。その点で、受付は接客のプロともいえます。

電話対応

会社や施設によっては、外部からの電話対応をします。来客対応と同様、いつ、誰が、どんな用件で電話をかけてくるか分かりません。社内の部署に取り次ぐ場合も多いため、社内の各部署がどんな仕事をしているのか把握しておくべきです。

スケジュール把握

スムーズに来客対応するために、自社の幹部のスケジュールを把握しておきましょう。急な変更があった場合でも、その場で伝えることができれば、来客者はその会社が情報共有を適切に行えていると分かり、安心できます。あるいは、来客者をスムーズに案内するために、会議室やミーティングルームのスケジュールについても把握することが必要です。

セキュリティー機能

受付は会社の門番のような役割も担います。受付がいないと部外者の侵入を許し、社外秘の情報を盗まれることにもつながりかねません。また、飛び込み営業を許すことにもなり、必要のない対応に時間を取られてしまいます。来客者からは氏名や所属先、用件などを必ず聞き、担当部署に確認してから案内しましょう。身分を確認する際は失礼のないように気を付けることも大切です。

受付に向いている人って?

受付には様々な業務が求められていることが分かりましたが、実際に向いている人にはどんな特徴があるのでしょうか。いくつかご紹介します。

礼儀正しい人

礼儀正しい人は、接するだけで気持ちが良くなります。身だしなみに気を付け、姿勢正しく、常に笑顔で来客者の目を見ながら正しい言葉遣いで話すことが大切です。相手を敬う気持ちを持てる人は受付に向いています。

柔軟性がある人

受付は日々、初めて会う人に応対します。杓子定規に構えず、どんな来客者にもそれなりに対応できる柔軟性が必要です。丁寧で落ち着いた対応が基本ですが、急いでいる来客者に対しても同じように接していると、相手を怒らせてしまいかねません。応対している相手がどんな状況なのか見極め、その場に適した応対を心掛ける必要があります。

周囲の状況に気が付く人

来客者の目的はそれぞれです。商談に訪れた人から、商品・サービスの利用者まで様々なケースが考えられます。訪れた人の様子を観察し、その人に適した対応を行わなければなりません。

また受付窓口が複数ある場合、自分以外の窓口にも目を配らせ、混雑具合の様子を見てフォローに入ることも必要です。そうすることで、来客者をスムーズに案内できます。

おもてなし精神のある人

受付業務は「受け身」の業務です。相手の意向を理解し、希望に的確に応える必要があります。そのためには「おもてなし」の精神が必要です。「自分のしたことで相手が喜んでくれたら嬉しい」。こういう性分の方はぴったりです。

「人」が好きな人

受付には日々、多くの人が訪れます。対応する時間は短いかもしれませんが、対応する頻度は高くなります。人と会うのが好きでないなら、この仕事は向いていません。「人と会い、話すことが好きで、それが楽しい人」。こんな人なら受付に最適です。

身につけると役立つスキル

受付の仕事に特別な技能は必要ありません。それでも、身につけておけば役立つスキルはあります。いくつか見てみましょう。

ビジネスマナー

社会人としての基本的なビジネスマナーが存在するのと同様、受付業務で意識すべきビジネスマナーもあります。例えば、「来客者を案内する際は中央を歩いてもらい、自分は2、3歩前に歩くようにする」「見送る際にエレベーターが閉まるまでお辞儀する」などです。このように実用的なビジネスマナーを身につけておけば、来客者に対して適切な応対ができます。

パソコンスキル

パソコンやスマートフォンで社内の情報共有を行っている会社の場合、ある程度パソコンを使いこなせる技能を身につけておく必要があります。会議室の空き情報のチェックや予約なども、パソコンを通して行うことも多くなります。書類ではなく、WordやExcelを使って来客の記録を取るケースもあるため、これらのソフトを使って文書を作れるだけの基本的なパソコンスキルが必要です。

コミュニケーション能力

基本的なコミュニケーション能力はもちろん、受付業務には「接遇応対スキル」が必要です。「接遇」とは「接客の際のおもてなし」を意味します。受付業務には礼儀正しく、来客者をおもてなしできるコミュニケーション能力が求められます。このような能力は場数を踏み、経験を重ねることによって向上していきます。

語学力

ビジネスの国際化が進んだ結果、海外からの来客も珍しくなくなりました。これはビジネスに限ったことではなく、「博物館」「美術館」「会議場」「ホール」「観光施設」などには、インバウンドの観光客も大勢訪れます。外国語を話せることは大きな武器となります。

受付に生かせる資格

受付業務のために取得しなければならない資格はありません。ここでは取得しておけば役に立つものをご紹介します。

秘書検定

社会人として基本的に必要な常識を問うのが「秘書検定」です。これは主に企業の経営者や役員の秘書になるために必要な資格で、取得を推奨し、合格者には特別手当てをつけるところもあります。秘書業務に加え、「一般常識」「コミュニケーション能力」「ビジネスマナー」についても問われるため、受付業務にも大いに役立ちます。

MOS

「MOS」は「マイクロソフトオフィススペシャリスト」のこと。マイクロソフト社による公式な資格で、WordやExcelなど同社製品の利用スキルを客観的に証明できる資格です。Word、Excelについて、それぞれスペシャリストレベル(一般)、エキスパートレベル(上級)があります。実用的な能力が身につくほか、基本的なパソコンスキルを証明する国際資格なので、受付担当として就職する際に有利になります。

受付業務の改善

ここでは、受付業務のよくある課題を解説。さらに解決法の一つとして受付システムをご紹介します。

よくある受付業務の課題

受付業務を人が行い、来客者とコミュニケーションを取ることで温かみのある応対ができます。しかしその分、人件費がかかります。受付担当者は体調不良であった場合でも笑顔で応対しなければならず、大きな負担と感じてしまうこともあります。繁忙期には来客者も増え、業務量が急増することもあります。

また、受付に求められる臨機応変な対応力は、経験を重ねることによって身につきます。経験が浅い担当者ばかりだと、来客者への案内がスムーズにいかない場合もあります。人材育成にはコストがかかることも大きな課題といえます。

課題を解決するため受付システムを導入する

課題を解決する方法の一つに受付システムの導入があります。受付システムは専用の端末を置くだけですので、スペースを取らずに済み、人件費の削減にもつながります。来客の予約状況や入退室時間など、来客情報を管理できるため、繁忙期に増えがちな人為的なミスも防止できます。

また、システムの導入で経験の差による課題を解決することもできます。初期費用はかかりますが、受付担当者が入れ替わるごとにかかる人材育成のコストを抑えることができます。さらにシステムで均質な応対を行うことで、スムーズに来客者を案内することもできます。

まとめ

  • 受付は会社や施設の「顔」です
  • 来客や電話対応だけでなくスケジュール管理やセキュリティーとしての役割も求められます
  • 礼儀正しく柔軟性のある人が向いています
  • 身につけると役立つスキルや資格があります
  • 受付業務の課題解決には受付システムの導入が有効です

「受付」は社内と社外の接点となる大切な部署です。受付での対応が悪ければ、企業や施設のイメージを損ねかねません。「会社の顔」としての自覚を持ち、求められている役割を果たすよう心がけることが大切です。最初に来客者と顔を合わせる部署だからこそ、業務改善にも積極的に取り組みましょう。

※この記事は公開時点、または更新時点の情報を元に作成しています。

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この記事を書いた人

Airレジ マガジン編集部

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三浦 高(みうら たかし)起業コンサルタント

三浦 高(みうら たかし)起業コンサルタント(R)

起業コンサルタント(R)、中小企業診断士、1級販売士。V-Spirits経営戦略研究所株式会社代表取締役。これまで創業補助金検査員・審査員を従事。V-Spiritsでは資金調達担当としてクライアントの補助金や融資の獲得を支援している。各種補助金累計獲得件数は250件を超える。http://v-spirits.com/