倒産防止共済って何?知っておきたいメリット・デメリット
中野 裕哲(なかの ひろあき)起業コンサルタント(R)
安定経営に役立つ制度を活用したいと思いませんか? 今回はその手段のひとつとして「倒産防止共済」を紹介します。ここでは、連鎖倒産を防止する他、節税や資金繰りに役立つ倒産防止共済について、基本的な仕組みと主なメリット・デメリットをご説明します。いざという時に助かる公的な共済制度にまつわる知識を深めましょう。
この記事の目次
倒産防止共済とは? 基本的な仕組みを知ろう
倒産防止共済とは、取引先の倒産によって連鎖的に中小企業が倒産または経営難に陥らないようにする共済制度です。正式名称は中小企業倒産防止共済と言い、経営セーフティ共済とも呼ばれます。
倒産防止共済への加入は、1年以上事業を継続している中小企業者であることが条件です。加入要件は、製造業・卸売業・サービス業・小売業などの対象業種ごとに資本金や従業員数の範囲が決まっています。
詳細は、下記加入要件を参照してください。
掛金は月額5千円〜20万円
倒産防止共済の掛金は月額5千円から20万円までで、その範囲に収まっていれば5千円単位で自由に設定できます。掛金は途中で増やしたり減らしたりすることができ、積立て総額の上限は800万円です。
なお、掛金を一括で前納すると、1ヶ月あたりの掛金が0.005%割引されます。
解約は任意でできる
倒産防止共済の解約は、契約者の任意でいつでもできます。掛金をすでに12ヶ月以上納付している場合、納付月数に応じた解約手当金がもらえます。
節税対策にも 倒産防止共済を利用するメリット
倒産防止共済には主に2つのメリットがあります。1つ目は、掛金はすべて経費計上できるという点です。確定申告の際に所定の明細書を添付することが求められますが、掛金の上限20万円を納付すると年間240万円を経費として計上できるため、節税の対策としても有効です。
2つ目のメリットは、急に資金を要する場合に一時貸付金の支給が受けられる点です。一時貸付金は、取引先が倒産していない場合でも12ヶ月以上掛金を納めていれば利率0.9%で利用できます。貸付金額は30万円以上で、上限は納付月数に応じた解約手当金の95%です。しかも担保も保証人も不要です。
気をつけよう 倒産防止共済の3つのデメリット
倒産防止共済は、以下の3つのデメリットに気をつけてください。
①解約による元本割れ
解約すると、解約手当金として納付月数に応じた額が払い戻されますが、40ヶ月未満だと元本割れします。納付月数が12〜23ヶ月だと80%支払われる一方、12ヶ月未満で解約すると0%となるため要注意です。
②解約手当金の課税
倒産防止共済の掛金は経費計上できますが、解約する時に戻ってくる解約手当金は所得として扱われ課税の対象となります。つまり、納付時点では節税できるものの、返還時には税金を納める必要があるため、税金を納める時期を調整できるというのが厳密な意味でのメリットと言えます。
③貸付金の10%が掛金から控除
共済金の貸付けは無利子ですが、貸付額の10%にあたる額が掛金から控除されます。例えば、取引先の倒産などで売掛金の回収が困難となり800万円の貸付けを受けた場合、80万円がすでに納付した掛金から減らされます。さらに、控除された分の掛金は将来的な権利も失われるため、実質的には利子を前払いしているようなものです。
まとめ
倒産防止共済のポイントをまとめると、以下のようになります。
- 倒産防止共済とは、取引先の倒産による連鎖倒産を防ぐことができる共済制度である。
- 任意で設定できる掛金は経費計上できるため節税になる。
- 取引先が倒産していなくても臨時で一時貸付金を受け取ることができる。
倒産防止共済は、上手に利用すれば節税や資金繰りの手段として有効です。ご紹介したデメリットも踏まえつつ、不測の事態に備えて加入を検討してみることをお勧めします。
※この記事は公開時点、または更新時点の情報を元に作成しています。
カード・電マネ・QR・ポイントも使えるお店の決済サービス Airペイ
キャッシュレス対応で、お店の売上アップを目指しませんか?
Airペイ利用開始で初期費用が0円になるキャンペーン実施中
Airペイに関する資料を無料で差し上げます。
こんな内容を掲載しています
- Airペイとは
- 導入費、運用費について
- キャッシュレス導入0円キャンペーン
- 導入事例、Airペイ体験可能な店舗案内
下記フォームに必要事項をご入力いただき、ダウンロードページへお進みください。
この記事を書いた人
Airレジ マガジン編集部
自分らしいお店づくりを応援する情報サイト、「Airレジ マガジン」の編集部。お店を開業したい方や経営している方向けに、開業に向けての情報や業務課題の解決のヒントとなるような記事を掲載しています。
中野 裕哲(なかの ひろあき)起業コンサルタント(R)
起業コンサルタント(R)、税理士、特定社労士、行政書士、CFP(R)。起業コンサルV-Spiritsグループ/税理士法人V-Spirits代表。年間約200件の起業相談を無料で受託し、起業家をまるごと支援。起業支援サイト 「DREAM GATE」で6年連続相談数日本一。「一日も早く 起業したい人が『やっておくべきこと・知っておくべきこと』」など、起業・経営関連の著書・監修書多数。http://v-spirits.com/