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【2026年最新】開業・起業時に使える補助金、助成金は?種類や特徴を解説

記事のメイン画像:テーブルの上に置いてある電卓で開業資金を計算している様子

開業・起業時の資金負担を軽減する手段として、国や地方自治体による補助金や助成金、給付金・支援金などの制度が数多く存在しています。
これらの制度を活用することで得たお金は原則「返済不要な資金」であり、開業・起業時の資金計画を進めるうえで大きな助けとなるでしょう。しかし、申請するための事務負担が生じる、審査に通らないと資金を得られない、費用を先に立て替える必要があるなどの注意点もあります。
本記事では、2026年2月現在の情報をもとに、「開業・起業に役立つ補助金や助成金」などの制度を幅広く紹介します。
なお、これらの制度は年度ごとに内容の見直しや公募の有無が変更されることがあるため、利用を検討する際は、必ず公式サイトにて最新の情報を確認するようにしましょう。

この記事の目次

補助金、助成金、給付金・支援金とは?違いと特徴を解説

補助金や助成金、給付金・支援金は、いずれも返済不要な資金を得ることができる制度ですが、支援の対象や支給目的、管轄機関、受給要件などに違いがあります。

下記に、それぞれの違いを詳しく解説していきます。

補助金、助成金、給付金・支援金の違い

補助金と助成金の目的は、ともに「事業者が行う事業に関する取り組みを支援すること」です。一方、給付金・支援金は、「個人の生活や事業者の経営を下支えすること」が目的です。

それぞれの支給目的や管轄機関、受給要件は下記のとおりです。

補助金、助成金、給付金・支援金の違い
項目 補助金 助成金 給付金・支援金
支給目的 地域や経済の活性化、産業振興などにつながる取り組みを後押しする 雇用や人材育成などの国の政策推進につながる取り組みを後押しする 生活支援や景気刺激などの国民生活の改善を後押しする
管轄機関 おもに、経済産業省や地方自治体などの経済分野を管轄する行政機関 おもに、厚生労働省、労働局などの雇用分野を管轄する行政機関 国や地方自治体などの国民生活の改善を管轄する行政機関
受給要件 要件を満たしたうえで、審査を経て採択される必要がある 書類や手続きに不備がなく、要件を満たせば原則受給できる 自分自身で申請する必要があるものと、自動的に支給されるものがある
受付期間 期間限定。年に数回の公募が行われる 通年で受け付けているケースが多い 災害や景気悪化時など、特定の状況が起きた際に実施される

開業時には、事業拡大や設備投資を目的とした「補助金」や、人を雇う場合に活用しやすい「助成金」を中心に検討するケースが多くなります。また、給付金・支援金の支給は、災害時や景気悪化時など、特定の状況下において実施されることが多いです。

具体的にどのような制度があるのかについては、のちほど詳しく解説します。

返済不要の資金調達としてのメリット

補助金や助成金などを活用する最大のメリットは、原則返済不要である資金を手に入れられることです。

開業資金の平均額は975万円

開業時には、事務所や店舗の設置、設備の導入、スタッフの雇用、広告宣伝などのために多大な資金が必要です。日本政策金融公庫総合研究所の「2025年度新規開業実態調査」によると、開業費用の平均は975万円となっています。

これらの資金を全額自己資金でまかなえない場合、金融機関などからの借り入れに頼らざるを得なくなります。しかし借り入れを行った場合、定期的に利子を含めた返済をしていかなければならなくなり、開業後の経営に影響を及ぼす可能性があります。

出典:日本政策金融公庫総合研究所「新規開業に関する調査」

補助金や助成金で調達できれば返済リスクを低減できる

自己資金でまかなえない分を補助金や助成金でカバーできれば、開業後の借入金の返済リスクを減らすことができます。

補助金、助成金、給付金・支援金の認知度と利用状況

中小企業庁が公表する「中小企業の経営課題と公的支援ニーズに関するアンケート」によると、国や地方自治体が実施する企業の経営に対する支援策の一環としての補助金や助成金制度について、「存在を認知していない」と答えた企業の割合が、中小企業は3.8%、小規模事業者は7.4%という結果でした。一方、「利用したことがある」と答えた企業の割合は、中小企業で69.2%、小規模事業者で62.5%となっています。

出典:中小企業庁「2020年版中小企業白書(第3-2-30図)」「中小企業の経営課題と公的支援ニーズに関するアンケート(Ⅲ-58ページ)」(PDF:8MB)

多くの企業で補助金や助成金を活用している

上記の結果からわかるとおり、世の中の多くの企業が、補助金や助成金を積極的に活用しています。補助金や助成金制度の情報はインターネット検索などで容易に調べることができるので、自身の事業に合った制度があれば、活用を前向きに検討しましょう。

【事業拡大・設備投資】開業時・開業初期に使えるおすすめ補助金

ここからは具体的な補助金の一覧と概要をご紹介します。開業時(創業初期)やその後の設備投資、事業拡大に役立つ代表的な制度をまとめました。ぜひ確認してみてください。

※下記の情報は2026年2月時点のものです。補助制度は予告なく終了したり、補助内容が変更されたりする場合があります。内容の詳細や最新情報は各団体に問い合わせるか、各団体のホームページを確認してください。

小規模事業者持続化補助金<創業型>

小規模事業者持続化補助金<創業型>の概要
項目 内容
支給目的 創業初期の小規模事業者が行う販路開拓などへの取り組みを支援する
管轄機関 中小企業庁
支給対象 創業後1年以内の小規模事業者
補助対象 機械装置の購入費、広告宣伝費、ホームページやECサイトの制作費、展示会の出展費など
補助金額 補助率3分の2、補助上限額200万円(インボイス特例を活用した場合250万円)
2026年の実施 2026年3月6日(金)申請受付開始(第3回公募)
公式サイト 小規模事業者持続化補助金 創業型

小規模事業者持続化補助金<創業型>は、創業1年以内の小規模事業者を支援する制度です。第2回までは3年以内でしたが、第3回から1年以内に変更となりました。

この補助金では、おもに販路拡大に必要な広告費や設備導入などの経費に対し、最大200万円(特例活用の場合最大250万円)が補助されます。

法人・個人事業主・特定非営利活動法人が対象で、「宿泊業、娯楽業を除く商業・サービス業」は従業員5人以下、「その他の業種」では20人以下という基準が設けられています。申請方法は、商工会などの指導を受けながら経営計画を作成し、電子申請で行います。

開業直後は、認知が広がりにくい一方で、広告費に十分な予算を割けないケースが少なくありません。この補助金を活用することで、ホームページ制作やチラシ作成、展示会出展といった初期の販路開拓に必要な費用負担を抑えながら、売上アップに取り組みやすくなります。

出典:小規模事業者持続化補助金<創業型> 第3回公募 公募要領(PDF:1.2MB)

デジタル化・AI導入補助金(旧:IT導入補助金)

デジタル化・AI導入補助金の概要
項目 内容
支給目的 中小企業・小規模事業者が行う生産性向上を目的としたデジタル化を支援する
管轄機関 経済産業省
支給対象 中小企業・小規模事業者
補助対象 ITツール(ソフトウェア、サービス)の購入費用、クラウド利用料(最大2年分)、導入関連費用など
補助金額 補助率2分の1~5分の4、補助上限額は申請枠により異なる
2026年の実施 2026年3月30日(月)登録申請開始予定
公式サイト デジタル化・AI導入補助金

デジタル化・AI導入補助金は、中小企業・小規模事業者が、生産性向上を実現するために実施する業務効率化や、DX化などに向けたITツールの導入を支援する制度です。2025年までは「IT導入補助金」として実施されてきましたが、2026年から名称を変更しています。

申請にあたっては、登録されているIT導入支援事業者の支援を受けながら、経済産業省が認めたITツールを導入する必要があります。

開業直後は、会計処理や顧客管理、勤怠管理などを手作業で行い、業務負担が大きくなりがちです。本補助金を活用すれば、こうしたバックオフィス業務のIT化を、初期費用を抑えて進めやすくなります。

なお、補助率や補助上限額は申請枠や類型によって大きく異なり、小規模な事業者向けの枠では数十万~数百万円程度となるケースが一般的です。

出典:デジタル化・AI導入補助金(PDF:754KB)

ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金(ものづくり補助金)

ものづくり補助金の概要
項目 内容
支給目的 中小企業・小規模事業者の新製品や新サービスの開発、海外市場開拓を支援
管轄機関 経済産業省
支給対象 中小企業・小規模事業者
補助対象 機械装置やシステムの構築費、技術導入費、専門家経費、外注費、海外市場開拓を行う場合の海外旅費や販売促進費など
補助金額 補助率2分の1~3分の2、補助上限額4000万円
2026年の実施 第23次公募期間:2026年2月6日(金)〜5月8日(金)17時
公式サイト ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金公式ホームページ

ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金(通称ものづくり補助金)は、中小企業・小規模事業者が生産性向上や持続的な賃上げを実現するために実施する、新製品や新サービスの開発に必要な設備投資などを支援する制度です。

一定以上の付加価値向上と、賃上げをともなう新製品や新サービスの開発計画をつくることが求められます。

開業後、設備投資や新サービス立ち上げに踏み切りにくい場面で活用しやすい補助金です。事業が成長フェーズに入ったタイミングで検討されることが多いでしょう。

第23次公募以降は公表されていませんが、本補助金はこれまで継続的に公募が行われています。次回以降で活用を検討している場合は、今後の公募開始に備え、定期的に情報収集を行いながら、事業計画の整理や準備を進めておくとよいでしょう。

出典:ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金 公募要領(第23次公募)(PDF:1.4MB)

事業承継・M&A補助金

事業承継・M&A補助金の概要
項目 内容
支給目的 中小企業・小規模事業者が行う経営改革を目的とした事業承継やM&Aを支援
管轄機関 経済産業省
支給対象 中小企業・小規模事業者
補助対象 設備費、専門家活用費、システム利用料、旅費、外注費、委託費など
補助金額 補助率3分の1~3分の2、補助上限額は類型により異なる
2026年の実施 14次公募:~2026年4月3日(金)17時
公式サイト 事業承継・M&A補助金

事業承継・M&A補助金は、中小企業・小規模事業者による生産性向上や持続的な賃上げ実現を視野に入れた事業承継やM&Aの実施を支援する制度です。
既存の事業を廃業したうえで再チャレンジすることを目的とした事業承継や、M&Aの実施も対象です。

またM&Aの仲介や、M&A実施に対するファイナンシャルアドバイザー(交渉を進めることへのアドバイス)、デューデリジェンス(資産査定)に対するサービスを受けるための費用も補助の対象となります。

ゼロから事業を立ち上げるのではなく、既存の事業基盤を引き継いで早期の事業安定を目指す場合に検討されやすい補助金といえるでしょう。

なお、補助上限額は申請する類型によって異なります。例えば、専門家活用枠の買い手支援類型では、補助上限額は600万円~800万円が基本です。一定の要件を満たす場合には、上限額が引き上げられる類型もあります。

出典:事業承継・M&A補助金

【雇用・人材育成】開業時に人を雇う場合の助成金

ここでは、開業時の雇用・人材育成に活用できる代表的な助成金制度の概要を解説します。

※下記の情報は2026年2月時点のものです。制度は予告なく終了したり、内容が変更されたりする場合があります。内容の詳細や最新情報は各団体に問い合わせるか、各団体のホームページを確認してください。

キャリアアップ助成金

キャリアアップ助成金の概要
項目 内容
支給目的 非正規雇用労働者のキャリアアップや処遇改善に対する取り組みの促進
管轄機関 厚生労働省
支給対象 事業者(企業・個人事業主等)
助成対象 ・有期雇用労働者などの正社員化
・賃金規定改定
・処遇改善
・社会保険加入促進
・短時間労働者の時間延長
助成金額 1人あたり数万円~最大120万円(コースにより異なる)
2026年の実施 受付中(通年)
公式サイト 厚生労働省「キャリアアップ助成金」

キャリアアップ助成金は、非正規雇用労働者の雇用の安定やキャリア形成を支援する目的で、事業主に対して支給される助成金制度です。処遇改善やキャリアアップに関する計画書を国に提出し、計画にもとづいた取り組みを行った場合に助成金が支給されます。

特に、開業初期にアルバイトや契約社員から採用を始め、将来的な正社員化を見据えて人材を育てたい場合に活用しやすい助成金といえるでしょう。非正規雇用労働者のキャリアアップ支援に取り組む姿勢を示すことは、人材の採用や定着にもつながります。

出典:キャリアアップ助成金のご案内(令和7年度版)(パンフレット)(PDF:4.6MB)

人材開発支援助成金

人材開発支援助成金の概要
項目 内容
支給目的 従業員の職業能力向上のための計画的な教育訓練実施の促進
管轄機関 厚生労働省
支給対象 事業者(企業・個人事業主等)
助成対象 ・職務に関連した知識や技能を習得させるための教育訓練
・教育訓練のための休暇制度の導入
・デジタル人材・高度人材の育成
・新事業立ち上げなどに必要な新しい知識や技能を習得させるための教育訓練
助成金額 助成金額はコースや訓練内容により異なる
2026年の実施 受付中(通年)
公式サイト 厚生労働省「人材開発支援助成金」

人材開発支援助成金は、従業員の教育訓練を計画的に実施することを支援する目的で、事業主に対して支給される助成金制度です。

社内で実施する訓練だけではなく、社外講座の受講や外部講師派遣による訓練も対象になります。訓練実施前に計画書を国に提出し、計画にもとづいた取り組みを行った場合に助成金が支給されます。

開業後、従業員数が増え始めたタイミングや、新サービス立ち上げにあわせて必要なスキルを身につけさせたい場面で活用しやすい助成金といえるでしょう。

なお助成金額や対象範囲はコースや訓練内容によって異なりますが、人材育成支援コースの場合、1事業所あたり1,000万円(1年度あたり)を上限として助成を受けられます。実際の助成金額は、訓練内容や人数、実施日数などによって異なります。

出典:人材開発支援助成金

地域雇用開発助成金(地域雇用開発コース)

地域雇用開発助成金(地域雇用開発コース)の概要
項目 内容
支給目的 雇用機会の少ない地方などで雇用を生み出しやすくするための対応の促進
管轄機関 厚生労働省
支給対象 事業者(企業・個人事業主等)
助成対象 ・地域に居住する求職者を雇い入れるための事業場の設置や増改築、賃貸
・事業に必要な機械設備、作業工具、器具備品の購入や設置など
助成金額 50万円~最高800万円(雇用人数や設置・整備費用により異なる)
2026年の実施 受付中(通年)
公式サイト 厚生労働省「地域雇用開発助成金(地域雇用開発コース)」

地域雇用開発助成金は、雇用機会が著しく不足する地域において、雇用の推進を支援する目的で、事業主に対して支給される助成金制度です。雇用を生み出しやすくするための計画書を国に提出し、計画にもとづいた取り組みを行った場合に助成金が支給されます。

この助成金を活用すれば、雇用創出とあわせて必要な初期投資の負担を軽減できます。地方での開業や事業拡大を検討している事業者にとって、活用しやすい制度といえるでしょう。

出典:地域雇用開発助成金

トライアル雇用助成金

トライアル雇用助成金の概要
項目 内容
支給目的 就職が困難な人の雇用の促進
管轄機関 厚生労働省
支給対象 事業者(企業・個人事業主等)
助成対象 ・離職や転職回数の多い人の雇用
・離職期間が1年を超えている人の雇用
・生活保護受給者や母子家庭の親の雇用など
助成金額 1人あたり最大15万円(月額5万円×最長3カ月)
2026年の実施 受付中(通年)
公式サイト 厚生労働省「トライアル雇用助成金」

トライアル雇用助成金は、就職が困難とされる求職者を一定期間試験的に雇用したあと、正規雇用した事業主に対して支給される助成金制度です。採用難が続く状況において、開業後に人材確保を検討する選択肢の一つとして、活用しやすい助成金です。

出典:厚生労働省「トライアル雇用助成金」

特定求職者雇用開発助成金

特定求職者雇用開発助成金の概要
項目 内容
支給目的 就職が困難な人の雇用の促進
管轄機関 厚生労働省
支給対象 事業者(企業・個人事業主等)
助成対象 ・障害者の雇用
・60歳以上の高齢者の雇用
・ウクライナ難民の雇用など
助成金額 1人あたり最大240万円(対象労働者や雇用条件により異なる)
2026年の実施 受付中(通年)
公式サイト 厚生労働省「特定求職者雇用開発助成金」

特定求職者雇用開発助成金は、国が指定した特に就職困難な求職者(高齢者や障害者など)を、継続雇用する事業主に対して支給される助成金制度です。採用難が続く状況において、こちらも開業後に人材確保を検討する選択肢の一つとして、活用しやすい助成金です。

出典:厚生労働省「特定求職者雇用開発助成金」

【創業支援・地域特化】自治体独自の補助金・助成金・支援金

都道府県・市区町村が独自に実施する創業支援を目的とした補助金制度が存在します。

下記に、代表的な制度の概要を解説します。

※下記の情報は2026年2月時点のものです。制度は予告なく終了したり、内容が変更されたりする場合があります。内容の詳細や最新情報は各団体に問い合わせるか、各団体のホームページを確認してください。

自治体の創業助成事業(東京都の例)

創業助成金(東京都)の概要
項目 内容
支給目的 東京都内での創業の促進、東京都内で創業した事業者の創業初期の負担軽減
管轄機関 東京都
支給対象 東京都内での創業を目指す人、東京都内で創業後5年未満の中小企業者など
補助対象 創業初期に必要な経費(賃借料、広告費、器具備品購入費、専門家指導費、人件費、市場調査の委託費など)
補助金額 補助率3分の2以内、補助上限額400万円
2026年の実施 申請受付期間:2026年4月7日(火)~2026年4月16日(木)(令和8年度第1回)
公式サイト

東京都産業労働局 東京都創業NET「創業助成金(東京都中小企業振興公社)」

東京都の創業助成金は、東京都内での創業と、創業後の経営の安定化を支援する制度です。

申請にあたっては、東京都が指定する創業支援プログラムを終了することが必要です。家賃や広告費、人件費など、創業直後に発生しやすい固定費を幅広くカバーできる点が特徴です。自己資金だけでの立ち上げに不安がある場合や、開業後の資金繰りを安定させたい局面で検討しやすい制度といえるでしょう。

なお、同様の助成制度は、大阪府や神奈川県など、ほかの自治体でも実施されていますが、内容や要件は自治体ごとに異なります。

出典:創業助成金(東京都中小企業振興公社)

起業支援金・移住支援金(地方創生)

起業支援金・移住支援金(地方創生)の概要
項目 内容
支給目的 地方に移住したうえで社会貢献につながる事業の起業や就業の促進
管轄機関 内閣府地方創生推進事務局、都道府県・市区町村
支給対象 東京23区圏から地方へ移住し、地方での起業や就業などを行う個人
補助対象 自治体が定める起業や移住活動に関する費用
補助金額 最大支援額300万円
2026年の実施 自治体により異なる
公式サイト 内閣官房・内閣府総合サイト 地方創生「ふるさと求人・移住支援金・起業支援金」

起業支援金・移住支援金は、国の地方創生事業の一環として、東京23区圏から地方に移住し、起業や就業を行うことを支援する制度です。支援の対象や支援金額は自治体ごとに異なるため、申請前に移住する自治体に確認することが望ましいです。

地方での起業を検討する際、移住にともなう初期費用や、事業が軌道に乗るまでの生活費に不安を感じる人は少なくありません。本制度は、こうした移住・創業初期の金銭的ハードルを下げる支援策として活用しやすい制度といえるでしょう。

出典:起業支援金・移住支援金

開業時に補助金・助成金を活用するメリット

開業時に補助金や助成金を活用することで、資金繰り負担が減少する、事業計画をブラッシュアップすることができる、対外的な信用力の向上にもつながるなどのメリットがあります。

下記に、それぞれのメリットを詳しく解説します。

返済不要で資金繰りの負担が減る

前半でも述べたように、補助金や助成金は返済が不要なため、開業時の資金繰りの負担を抑えられる点が大きなメリットです。

開業当初はまとまった資金が必要となる一方、売上が安定しにくい傾向があります。そのため、初期費用の一部を補助金・助成金でまかなえると、資金面の不安を軽減でき、事業運営に集中しやすくなります。

事業計画のブラッシュアップにつながる

補助金や助成金の申請時には、事業内容や収益見込み、将来性などを事業計画として整理することが求められます。制度の目的にそって計画を見直す過程で、事業の強みや課題が明確になり、開業後の経営方針を具体化しやすくなります。

このように申請準備の過程そのものが、事業計画のブラッシュアップにつながる点も大きなメリットです。

対外的な信用力が向上する

実績のない創業期は、金融機関や取引先からの信用を得るのが困難です。金融機関が融資に対して慎重な姿勢を示したり、取引を打診された企業が判断を保留したりするケースも少なくありません。

一方で、補助金や助成金に採択された実績があれば、事業計画が公的機関に評価された証しと捉えられるため、対外的な信用力の向上につながります。その結果、融資や取引の検討が進みやすくなるなど、事業運営によい影響を与えることが期待できます。

申請前に知っておくべきデメリット・注意点

補助金や助成金は、開業時の資金負担を軽減できる制度ですが、活用にあたっては事前に理解しておくべきポイントもあります。

支給が確約されていないことや、支給前に自己資金での費用の負担が必要となること、さらに事務負担が大きいことなどを把握したうえで、自身の開業計画にあっているかを判断することが大切です。

下記では、申請前に押さえておきたい、おもなデメリットと注意点を解説します。

原則「後払い」である(資金の立て替えが必要)

補助金や助成金は、制度の対象となった事業を実施したことが確認されたあとに支給されます。そのため、事業を実施する段階では、補助金や助成金に相当する金額を、自己資金で立て替える必要があります。

なお一部の助成金制度では、概算払いとして助成金の一部を先に受給できるケースもありますが、多くの制度は後払いが基本であることを理解したうえで、資金計画を立てることが重要です。

受給要件が厳格で審査がある

補助金は、申請すれば必ず受け取れるものではなく、制度ごとに定められた受給要件を満たしているかどうかについて審査が行われます。

申請内容が制度の目的に合致しているか、事業の実現性や成果が期待できるかといった点が確認されるため、申請にあたっては、取り組み内容と制度趣旨との関係性を具体的に示すことが重要です。

事務手続き・書類作成の手間がかかる

支給申請にあたっては、国や地方自治体が指定した何種類もの書類様式に必要事項を記載し、さまざまな添付書類を揃えなければなりません。

添付書類の内容は、事業の実態を確認するための公的な証明書類、雇用の実態を確認するための雇用契約書や賃金台帳などの労務管理に関する書類、補助金や助成金の対象となった事業に対する支出額を確認するための見積書など、多岐にわたります。

これらの書類の準備や作成には、一定の時間と手間がかかる点も、あらかじめ理解しておきましょう。

受給後の実績報告や長期間の管理が必要

制度によっては、受給後も一定期間にわたって、事業の実施状況や成果について報告や管理が求められることがあります。例えば、設備の継続使用状況や雇用の維持状況などについて定期的な報告を求められたり、事業を実施したことを証明するための書類の保管義務が課されたりすることがあります。

こうした義務を怠った場合、是正指導や返還を求められる可能性があるため、受給後も含めた管理体制を想定したうえで活用を検討することが大切です。

補助金・助成金を受給するまでの一般的な流れ

補助金や助成金は、一般的に、活用を希望する企業が制度の目的に合った取り組みであることを確認したうえで申請を行います。そのあと、国や地方自治体による審査を経て、支給の要件を満たした場合に支給されます。

下記に、その流れを詳しく解説します。

STEP1.情報収集と自分に合う制度の選定

まずは、自社が予定している事業に関する取り組みに対して、活用できる制度がないかどうかを情報収集します。

情報は、インターネット上で「〇〇(取り組み内容) 補助金・助成金」などと検索することで容易に収集することができます。

開業を予定している人の場合、融資を受ける金融機関、開業後の税務申告手続きや従業員の雇用手続きを手伝ってもらう税理士・社会保険労務士などから情報を収集するやり方も効果的です。

集めた情報をもとに、事業内容や開業計画に合った制度を選定します。

STEP2.事業計画書の作成・必要書類の準備

活用する制度が決まったら、必要書類の作成と申請の準備に進みます。

それぞれの申請に対して、指定された様式での書類作成、添付書類の準備、取り組みの計画をまとめた事業計画書の作成などを行う必要があります。具体的には、事業内容や成果の見込みを記載した計画書のほか、見積書、会社・個人事業の概要や雇用・賃金支払いの実態がわかる書類などの提出が求められるのが一般的です。

STEP3.交付申請・審査・採択決定

必要書類を準備したら次は申請です。申請書を提出すると、国や地方自治体による審査が行われ、支給対象者を決定(採択決定)します。補助金や助成金の申請は、指定された窓口か電子申請で行います。

STEP4.事業実施・経費の支払い(証拠書類の保存)

採択決定が行われたあとに、国や地方自治体が対象者に対して補助金や助成金を使うことを認める通知(交付申請に対する交付決定通知)を行います。

この通知があったあとに、申請者が取り組みを実施し、経費を支払います。さらに、取り組みを実施したことや、経費を支払ったことを証明するための証拠書類の保存が求められます。

ここで重要なことは、交付決定通知があったあとに取り組みの実施と経費の支払いを行う必要があるということです。その順序が逆になった場合、交付決定通知がされたとしても補助金や助成金は支給されません。

STEP5.実績報告・支給申請・確定検査を経て入金

事業終了後、定められた期間内に実績報告と支給申請を行います。

そのあと、国や地方自治体が、報告された内容が補助金や助成金の支給要件に該当しているかどうか、最終的な支給金額がいくらになるのかなどの確認を行います。そのうえで、申請者が指定した銀行口座などにお金が振り込まれます。

ここで注意すべきことは、支給申請を行ってから実際にお金が振り込まれるまでには、通常、数カ月程度の時間を要するということです。

採択率を上げるためのポイント

補助金や助成金は、国や地方自治体から支給の対象として採択されなければ、支給申請を行うことができません。

そのため、ただ交付申請のための書類を作成するのではなく、「採択されること」を意識した対応が必要です。下記に、採択率を高めるためのポイントを解説します。

公募要領を熟読し、加点項目を意識する

補助金や助成金には公募要領というものがあり、その中で「申請時にどのような書類を揃える必要があるのか」「申請書類や計画書の中にどのようなことを記載してほしいのか」ということが具体的に書かれています。

公募要領を熟読したうえで、求められている内容が書類上、的確に記載されているか、揃えた書類に不備がないかを十分に確認したうえで申請することが、採択率を高めることにつながります。

また、補助金や助成金の中には、賃上げの実施や計画の事前認定を得た場合に、審査実施時の加点が行われるものもあります。公募要領に加点項目が明記されていた場合、その要件を満たすように申請内容を組み立てることも重要なポイントです。

専門家(認定支援機関・中小企業診断士など)のサポートを受ける

補助金や助成金の審査は、計画書などの提出書類をもとに行われます。さらに、一件ずつ十分な時間をかけて行うのではなく、限られた時間内で行われます。

そのため、取り組む内容、取り組みの実施や課題解決の方法、成功の見込みなどを、的確かつわかりやすく伝えられる書類を作成することが重要です。

わかりやすい書類を作成するためには、国や地方自治体が指定した認定支援機関や中小企業診断士など、補助金・助成金に詳しい専門家に相談することが効果的です。

これらの専門家は、採択されやすくなるためのポイントを熟知しており、申請者の取り組み内容に応じた具体的なアドバイスを受けることができます。

開業と補助金に関するよくある質問(FAQ)

下記に、開業時に活用することのできる補助金について、よく寄せられる質問とその回答をまとめました。

複数の補助金を同時に受給(併給)できますか?

一般的に、同一の取り組みに対する同一の費用支出に対して、複数の補助金を重複して受給することは認められていません。

補助金の支給申請時には、費用を支出したことを証明するための領収書などの証拠書類を添付することが求められます。そのため、一つの支出に対して複数の制度に申請することは、制度上できない仕組みになっています。

ただし、制度によっては同一の取り組みであっても、費用支出の内容が分かれている場合には、併給が認められるケースもあります。併給の可否については、それぞれの補助金の公募要領や公式サイト上に記載されているので、確認してみてください。

開業届を出していない段階でも申請できますか?

開業時に利用できる補助金の中には、開業前であっても申請できるものがあります。

補助金は、国や地方自治体から「補助金を使うことを認める」という趣旨の交付決定があったあとに、取り組みの実施や費用支出を行わなければ、支給申請できません。

そのため、開業時または開業直後に実施する取り組みに補助金を活用する場合は、開業前の段階で、補助金の対象とする取り組み計画を国や地方自治体に申請することになります。

補助金が入金されるまでの資金はどう用意すればいいですか?

補助金は原則「後払い」のため、経費の支払い時には手元資金で立て替える必要があります。現金が不足している場合は、日本政策金融公庫の「創業融資」などを利用して、事前につなぎ資金や運転資金を調達しておくという方法もあるでしょう。

店舗の開業準備をラクにする「開業支援セット」のススメ

ここまで、開業時の資金負担を軽減する補助金制度について解説してきました。資金面のメドが立ち、いざ開業となっても、店舗の準備にはまだまだやるべきことが山積みです。特に初めての開業では、店舗でどんなツールをそろえればいいかわからないという人も多いのではないでしょうか。そんな人には、Air ビジネスツールズの「開業支援セット」がおすすめです。

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まとめ

  1. 開業時に活用できる補助金、助成金制度などは数多く存在する
  2. 補助金や助成金は原則「返済不要」である
  3. 補助金や助成金は費用の「後払い」となる
  4. 補助金や助成金は交付決定後の取り組みでないと支給されない
  5. 受給後も報告や管理が必要になる

補助金や助成金は、事業者の経営支援や雇用の推進を目的とした支給であるため、返済は不要です。開業時の資金負担を軽減できる点は、大きなメリットといえるでしょう。
ただし、多くの制度は後払いが基本となっており、取り組みの実施や費用の支払いは、自己資金で立て替える必要があります。また、交付決定通知が出る前に契約や支払いを行った場合、その費用は補助対象外となるため注意が必要です。受給後も、実績報告や書類管理が求められるケースが一般的です。

補助金や助成金は制度ごとに要件や手続きが異なるため、内容に不安がある場合は、認定支援機関や中小企業診断士などの専門家に相談することも有効です。自社の状況に合った制度を見極め、無理のない形で活用を検討しましょう。

※この記事は公開時点、または更新時点の情報を元に作成しています。

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この記事を書いた人

顔写真:大庭真一郎

大庭 真一郎(おおば しんいちろう)経営コンサルタント

経営コンサルタント、中小企業診断士、社会保険労務士、大庭経営労務相談所代表。東京理科大学卒業後、民間企業勤務を経て、1995年4月大庭経営労務相談所を設立。「支援企業のペースで共に行動を」をモットーに、関西地区を中心として、企業に対する経営支援業務を展開。対応分野は経営全般、マーケティング、事業後継、人材開発、労務管理など。

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