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アルバイト雇用手続き5ステップ。雇用主の義務や保険・契約書の流れ<チェックシート付>

アルバイト雇用

「アルバイトを雇いたい!」と思っても、アルバイトを雇うには何をすればよいのか、また雇用主としてどんな義務があるのかわからないという事業主も多いかと思います。そこで、雇用主として知っておくべき法律的な義務や、雇用手続き、必要な書類などについて解説します。
必要書類の手続きの流れ(チェックシート付き)や、雇用に関するよくあるトラブルとその防止策も紹介たしているのでぜひ参考にしてください。

この記事の目次

アルバイト雇用でも労働基準法が適用される

労働基準法はアルバイトでも適用されます。「アルバイトには労働基準法は関係ない」という誤解を持っている方もいるかもしれませんが、たとえアルバイト雇用であっても、法律をきちんと理解し対応する必要があります。

具体的にどのようなことに注意をすべきか、3つのポイントを解説します。

(1)アルバイトでも残業代は支払う

1日8時間または1週40時間を超えた場合は、通常の賃金の25%増しの割増賃金を支払います。また、午後10時から午前5時までの間に働いた場合も、25%の割増賃金を払わなければなりません。

(2)アルバイトでも労働条件通知書を手渡す

「労働条件通知書」は、労働基準法で交付が義務づけられている書類のことです。労働条件を記載して、アルバイトに説明をし、双方で確認をして交付をする必要があります。

(3)アルバイトでも有給休暇はある

アルバイトでも次の要件を満たす労働者には、有給休暇を与えなければなりません。

  • 週1日以上または年間48日以上勤務する
  • 雇用の日から6カ月以上継続勤務している
  • 決められた労働日数の8割以上勤務している

アルバイト雇用にあたって雇用主が決めるべきことは、11個ある

アルバイトを雇おうと決めたら、「こんな業務をお願いしたい」「時給は●円くらい」など、アルバイトにどのように働いてもらいたいかを具体的に考えるでしょう。

雇用主がアルバイトを雇用するにあたり決めるべき項目は、法律で定められています。それは労働基準法で定められた「絶対的明示事項」と呼ばれる7つと、短時間労働者および有期雇用労働者を対象とした「パートタイム・有期雇用労働法」によって定められた4つです。

アルバイトを雇用する際は、最低限この11の項目を事前に決めておく必要があります。

労働基準法で定められた明示事項
項目 詳細
①労働契約期間 ・期間は、無期か有期か
・有期の場合は、期間を明記し、さらに更新についても記載
②就業の場所や従事する業務内容 雇い入れ時の就業場所と従事すべき業務を明示
③始業時刻・終業時刻 ・始業時間は実際に仕事を始める時間ではなく、準備時間や着替え時間も含む
・交代勤務の場合は、その旨を記載
④所定労働時間を超える労働時間の有無 残業の有無
⑤休日や休暇、休憩時間 交代勤務の場合は、就業時転換に関する事項を記載
⑥賃金の決定、計算及び支払方法、賃金の締切及び支払時期に関する事項 時給はいくらか、賃金の締め日はいつでその支払いはいつになるのか
⑦退職に関する事項 解雇の事由及び手続、解雇の事由等明示
パートタイム労働法によって定められた明示事項
項目 詳細
①昇給の有無 ・有無だけ記載
・実際に全ての支給がなくても問題はない
②退職手当支給の有無
③賞与制度の有無
④相談窓口について

最低相談の担当者を記載

この内容は労働条件通知書にも記載する必要があり、書面を交付して明示しなければなりません。

アルバイトの採用前に「地域別最低賃金」を必ず確認!

アルバイト雇用

前述の「決めるべき11項目」の中に「賃金の決定」がありましたが、賃金を決めるときに気をつけなければいけないのが「地域別最低賃金」です。

地域別最低賃金とは、最低賃金法に基づき国が賃金の最低限度を定めたものです。事業主は、その最低賃金額以上の金額を支払わなければなりません。

地域別最低賃金は都道府県ごとに定められていて、パートタイマー、アルバイト、臨時、嘱託など雇用形態や呼称に関係なく、産業や職種にかかわりなく、都道府県内の事業所で働くすべての労働者とその事業主に対して適用されます。

地域別最低賃金の対象とする賃金は、残業代やボーナスなどをのぞいた毎月支払われる基本的な賃金です。最低賃金に達していない賃金を支払っている場合は、最低賃金法違反として、50万円以下の罰金が科せられます。

最低賃金は、毎年10月1日に変更されますので、必ず確認をしておきましょう。厚生労働省の特設サイトで確認できます。
参考:厚生労働省特設サイト「必ずチェック最低賃金

アルバイト雇用で法律上必須となる書類は最低3つ

アルバイトを雇用するにあたり、法律上最低でも以下3つの書類が必須です。

  • 労働条件通知書兼雇用契約書
  • 労働保険関係成立届
  • 労働保険概算保険料申告書

その他、アルバイトの労働時間によって必要となる書類があります。詳細について説明します。

用意する人 項目 必要な条件
雇用主が準備するもの

労働条件通知書兼雇用契約書

 

労働保険関係成立届

 

労働保険概算保険料申告書

 

雇用保険適用事業所設置届

雇用保険に加入する場合

雇用保険被保険者資格取得届

雇用保険に加入する場合

健康保険・厚生年金保険新規適用届

社会保険に加入する場合

被保険者資格取得届

社会保険に加入する場合
アルバイトに用意をしてもらうもの

マイナンバー

雇用保険に加入する場合

雇用保険被保険者証

雇用保険に加入する場合
かつ、以前にアルバイトが雇用保険に加入していた場合

基礎年金番号(年金手帳)

社会保険に加入する場合

雇用主が準備するもの

アルバイトに週何時間働いてもらうかによって、必要な書類が異なります。
週20時間以上であれば雇用保険に加入しなければならず、関連書類の提出が必要です。週30時間以上であれば社会保険にも加入します。

なお社会保険の加入は、法人の場合は強制です。
個人事業で飲食店や接客業など非適用業種の場合は、常時5人以上の労働者を使用する場合に強制加入になります。5人未満の場合は要件を満たしていても加入する必要はありません。

ちなみに労働保険とは「労災保険」と「雇用保険」、社会保険とは「健康保険」と「厚生年金保険」を指します。

労働条件通知書兼雇用契約書

労働条件通知書兼雇用契約書は、アルバイトの働く条件を確認するための書類です。
労働条件通知書は、労働条件を雇用主が一方的に通知するものなので、あとから条件について食い違がおこることはよくあります。口頭で説明をして「言った」「聞いてない」とならないために、「労働者の合意を得た」という雇用契約書を結ぶとよいでしょう。

雇用契約書は別途用意する必要はなく、「労働条件通知書兼雇用契約書」の1枚で済みます。この書式は、1枚になっていますので別々に結ぶ必要はありません。労働者にも一部渡しておきます。

労働保険関係成立届

労災保険の適用を受けるための書類です。
一人でも労働者を雇用した場合は必須です。雇用してから10日以内に労働基準監督署に届け出ます。

労働保険概算保険料申告書

加入した年度の労災保険料を前納するための計算の書類です。
雇用後50日以内に労働基準監督署に提出します。

雇用保険適用事業所設置届

雇用保険の適用を受けるための書類です。
雇用保険の対象者(1週間の所定労働時間が20時間以上で、31日以上の雇用が見込まれる)がいる場合に必要となる書類です。書類は、ハローワークのホームページからダウンロードできますし、直接ハローワークで入手できます。雇用後10日以内にハローワークに届け出ます。

雇用保険被保険者資格取得届

雇用保険の適用を受けるための書類です。雇用保険の対象者(1週間の所定労働時間が20時間以上で、31日以上の雇用が見込まれる)がいる場合に必要となります。
資格取得の事実があった日の翌月10日までにハローワークに届け出ます。

「雇用保険被保険者資格取得届」は通常、前項の「雇用保険適用事業所設置届」とセットでハローワークに届け出ます(雇用によって事業所設置届が必要となり、労働者が資格を取得することによって資格取得届が必要となるため)。

健康保険・厚生年金保険新規適用届

社会保険の適用事業所となるための書類です。
年金事務所に届け出ます。届出書は、年金事務所のホームページからダウンロードできますし、直接年金事務所で入手することもできます。法人の場合は、社長一人でも届け出が必要となります。

健康保険・厚生年金保険被保険者資格取得届

健康保険・厚生年金保険の適用を受けるための書類です。
対象者(1週間の所定労働時間と1カ月の所定労働日数が一般社員の4分の3以上)がいる場合に必要となる書類です。書類の入手方法は「健康保険・厚生年金保険新規適用届」と同じです。
資格取得日の翌月10日までに年金事務所に届け出ます。

なお提出書類とは性質が異なりますが、常時雇用する労働者が10人以上の場合、「就業規則」も作成義務があります。就業規則は労働基準監督署に提出しなければなりません。
10人未満であれば作成の義務はありませんが、会社のルールとしてまたトラブル回避として重要な意味がありますので、ない場合は作成していくことをおすすめします。

アルバイトに用意をしてもらうもの

週20時間未満であれば、法律上必要となる書類は何もありません。

ただし、前述のように、週20時間以上働いてもらうのであれば雇用保険への加入、週30時間以上であれば社会保険への加入が必要となり、アルバイト側にも用意してもらう書類があります。

マイナンバー

雇用保険に加入するための書類です。
雇用保険の対象(1週間の所定労働時間が20時間以上で、31日以上の雇用が見込まれる)となる場合に必要となる書類です。マイナンバーのコピーを用意してもらいましょう。

雇用保険被保険者証

雇用保険に加入するための書類です。
雇用保険の対象(1週間の所定労働時間が20時間以上で、31日以上の雇用が見込まれる)となる場合、かつ、以前に雇用保険に加入していたことがある場合、アルバイトがすでに保険証を所有していると思われるので、提出してもらいます。

基礎年金番号(年金手帳)

社会保険に加入するための書類です。基礎年金番号を確認するために必要となります。

法律上必須ではないが必要となる書類は3つ

アルバイトを雇用するうえで、法律上は必須ではありませんが、必要となる書類が3つあります。

  • 身元保証書
  • 交通費・通勤経路申請書
  • 住民票記載事項証明書
用意する人 項目 必要な条件
雇用主が準備するもの

身元保証書

 

交通費・通勤経路申請書

 

給与振込口座の記入書類

給与を振り込みで支払う場合
アルバイトに用意をしてもらうもの

住民票記載事項証明書

 

免許証

バイクや自動車を運転する場合

雇用主が準備するもの

採用を決めたら、身元の保証人を確認するための書類と、通勤経路を申請する書類を用意します。必要に応じて給与振込口座を記入する書類も用意します。
それらをアルバイトに渡して記入してもらいます。

身元保証書

アルバイトの身元を誰が保証するのかを明らかにするための書類です。特に決まった書式はありませんが、アルバイト本人と保証人のサインや押印があるのが一般的です。「万が一会社に損害を与えた場合に保証人と共に責任を負う」といった旨を記載します。

交通費・通勤経路申請書

徒歩や自転車など交通費が不要な場合でも、労災の通勤災害の認定に関わるため、すべての人に申請してもらう必要があります。また交通費を支払う場合には、金額を計算するためにも必要な書類となります。

給与振込口座の記入書類

給与を振り込みで支払う場合、振込先の口座情報を確認するために必要な書類です

アルバイトに用意をしてもらうもの

アルバイトには、雇用主が作成した上記の書類を記入してもらいます。またアルバイト自身が用意する書類としては、下記の1つまたは2つとなります。

住民票記載事項証明書

アルバイトが身分を偽っていないかを確認するための書類です。

免許証

バイクや自動車を運転する必要がある場合は、必ず確認をします。特に有効期限には注意をしてください。本人の同意を得たうえで、念のためコピーをとっておくとよいでしょう。

アルバイト雇用準備。契約手続きまでの7ステップ

アルバイト雇用

アルバイトを雇用するにあたっての事前準備と契約手続きについて、時系列に沿って解説します。

(1)アルバイトの労働条件を決める

アルバイトにお願いしたい仕事の内容、場所、労働時間、賃金などを決めます。
具体的に決めるべき内容は、前述の「アルバイト雇用にあたって雇用主が決めるべきことは、11個ある」の項を参照してください。

なお賃金を決める際は、アルバイトが働いている事業所の地域の最低賃金を確認します。最低賃金は毎年10月に変わりますので、最新のものを必ず確認します。
参考:厚生労働省特設サイト「必ずチェック最低賃金

詳細は前述の「アルバイトの採用前に「地域別最低賃金」を必ず確認!」の項を参照してください。

アルバイトの労働条件を決める際のチェックポイント

チェック項目 チェック
労働基準法・パートタイム労働法によって定められた11項目を決めた
賃金は地域の最低賃金以上の金額になっている

(2)労働条件通知書兼雇用契約書を用意する

労働条件通知書兼雇用契約書のひな形は、インターネット上から可能です。それらを利用して、ひな形を用意します。

たとえば厚生労働省のサイトには「労働条件通知書」のひな形があるので、これを使ってもよいでしょう。

ひな形は「一般労働者用」「短時間労働者用」などがあり、それぞれ「常用、有期雇用型」「日雇型」に分かれています。アルバイトは「一般労働者用」「常用、有期雇用型」を利用するのが一般的ですが、内容に合わせて選びましょう。

ただし厚生労働省のサイトから入手できるひな型は「労働条件通知書」です。「雇用契約書」も兼ねるためには、労働条件通知書の最後に「上記の労働条件で労働します」などの文言を付け加える必要がありますので注意してください。
参考:厚生労働省「主要様式ダウンロードコーナー

前述の「アルバイト雇用にあたって雇用主が決めるべきことは、11個ある」の項で記載したとおり、明示事項は労働基準法で決められています。用意したひな形がそれを網羅しているかどうか確認をし、抜けている箇所があれば追加します。

また、たとえば休憩時間の使い方に決まりがある場合や昼食の補助がある場合など、独自で記載しておいた方がよい記載項目などがあれば、ひな形に修正追加します。

労働条件通知書兼雇用契約書を用意する際のチェックポイント

チェック項目 チェック
厚生労働省や各都道府県労働局のサイトなどからひな形を入手した
入手したひな形には、決めるべき11項目がすべて記載されている
自社の内容に合わせて、ひな形の項目を調整した
(厚生労働省などの)「労働条件通知書」のひな形を使う場合、通知書の最後に「上記の労働条件で労働します」という文言を入れた

(3)決定した条件でアルバイトを募集する

ハローワークや、ネット上の求人サイト、フリーペーパー、新聞の求人チラシなど、さまざまな媒体を利用して募集をします。

(4)応募者の面接をして労働条件などを確認する

応募者と条件が合わないことがあるかもしれません。その時は、条件を譲歩するなりして臨機応変に対応することも必要でしょう。

応募者との面接の際のチェックポイント

チェック項目 チェック
応募者との面接で労働条件などについて確認した

(5)採用予定者と労働条件通知書兼雇用契約書を交わす

労働条件通知書の内容は必ず口頭で説明します。(4)で条件の確認をしていれば、このステップで大きな齟齬はないかと思います。採用予定者と雇用主の双方が内容を確認し、食い違いがないことを確かめたら、相手に日付、署名、押印をもらいます。

労働条件通知書兼雇用契約書を交わす際のチェックポイント

チェック項目 チェック
労働条件通知書兼雇用契約書について口頭で説明した
採用予定者に日付、署名、押印をもらった

(6)雇用に必要な公的書類を届け出る

「労働保険関係成立届」「労働保険概算保険料申告書」を労働基準監督署に届け出ます。

また、雇用保険の対象者がいる場合には「雇用保険適用事業所設置届」「雇用保険被保険者資格取得届」をハローワークに、社会保険の対象者がいる場合には「健康保険・厚生年金保険新規適用届」「被保険者資格取得届」を年金事務所に届け出ます。

詳しくは、前述の「アルバイト雇用で法律上必須となる書類は最低3つ」の項を参照してください。

公的書類を届け出る際のチェックポイント

チェック項目 チェック
「労働保険関係成立届」「労働保険概算保険料申告書」を労働基準監督署に届け出た
雇用保険に加入する場合、「雇用保険適用事業所設置届」「雇用保険被保険者資格取得届」をハローワークに届け出た
社会保険に加入する場合、「健康保険・厚生年金保険新規適用届」「被保険者資格取得届」を年金事務所に届け出た

(7)勤務に際して必要な書類を確認する

「身元保証書」「交通費・通勤経路申請書」「住民票記載事項証明書」などの書類を準備し、採用予定者に記入してもらいます。
詳しくは、前述の「法律上必須ではないが必要となる書類は3つ」の項を参照してください。

必要書類を確認する際のチェックポイント

チェック項目 チェック
「身元保証書」「交通費・通勤経路申請書」「住民票記載事項証明書」を用意し、採用予定者に記入してもらった
給与を振り込みで支払う場合、給与振込口座の情報を提出してもらった
バイクや自動車を運転する場合、免許証を確認し、コピーをとった

※本項目内の各ステップのチェックポイントはPDFダウンロードが可能です。

アルバイト雇用準備&契約手続きチェックシート(PDFファイルが別画面で開きます)

ありがちなミス・トラブル事例と注意点4選

アルバイトを雇用する場合にありがちなミス・トラブル事例とその回避策、注意点を列挙します。

1.通勤手当を含んで最低賃金に達している場合は、法律違反となる

よくある問題となるケースが、時給に1日分の通勤手当を含んで最低賃金に達している場合です。通勤手当は除かなければいけませんので、注意をしてください。

もし発覚した場合は、労働基準監督署の指導が入ります。ただし指導に従って修正をすればそれ以上の問題にはなりません。

2.労働条件通知書に記載した就業場所や仕事の内容を勝手に変えることはできない

アルバイトを雇用したあと、何かしらの都合でアルバイトの就業場所や仕事の内容が変わることはよくあることです。しかし、契約期間の途中で勝手に雇用主が変えることはできません。必ず本人の同意を得てから変えましょう。

ただし、アルバイトの場合は有期契約ですので、次の更新のときに条件を変えて契約することは可能です。

3.アルバイトでも会社の都合で解雇することはできない

会社からの一方的な申し出により労働契約を終了させることを「解雇」といいます。アルバイトであっても突然解雇されれば、見込んでいた賃金をもらえず生活上困ることもあるでしょう。そのため、アルバイトだからといって、勝手に解雇はできません。

解雇は雇用主が自由に行えるものではなく、社会の常識に照らして納得ができる理由が必要です。

労働契約に関する基本的なルールを定めた「労働契約法」では、「やむを得ない事由がある場合でなければ、その契約期間が満了するまでの間において、労働者を解雇することができない」としています。やむを得ない事由とは、天災事変により事業の継続が不能となった場合や、労働者がケガや病気で働けない場合を指します。
たとえば「勤務態度が悪い」といった理由で解雇が認められるのはかなり難しいのが現実です。

4.有期雇用で期間満了の場合は、退職願はいらない

アルバイトの場合、有期雇用契約が多いものです。そのため期間満了で退職する人もいます。しかし、期間満了で辞める場合は、退職願をもらう必要がありません。反対に書いてもらうとトラブルになります。

期間満了で退職した場合と自己都合で退職した場合では、失業手当の受給期間が異なるためです。

期間満了にもかかわらず退職願を出すと自己都合扱いとなり、受給期間が短くなってしまいます。ハローワークで失業手当の受給に関してトラブルになりますので、退職届はもらわないようにしましょう。

まとめ

  • 労働基準法はアルバイトに対しても適用される。採用時に労働条件通知書を手渡す必要があり、残業代や有給休暇も適用される
  • 労働条件通知書には「労働基準法で定められた明示事項」「パートタイム労働法によって定められた明示事項」」の計11項目を記載する必要がある
  • アルバイト採用時には最低でも「労働条件通知書兼労働契約書」「労働保険関係成立届」「労働保険概算保険料申告書」の3つの書類の提出が必要
  • アルバイトの労働時間によっては、雇用保険や社会保険の手続きも必要となる

アルバイトを雇用するうえで知っておくべき法律的なことや必要書類について説明をしました。
法律的なことでは、労働基準法や労働契約法、パートタイム労働法は、トラブルを回避する意味でもざっと目を通しておくとよいでしょう。また、社会保険関連の書類に関しては、それぞれの機関の窓口で書き方等説明をしてくれますので、わからなければ訊くことです。
アルバイトを雇用することは、事業を拡大するうえで必須ですので、わからないからと躊躇するのではなく、優秀な人材には社会保険加入も視野にいれて採用しましょう。

※この記事は公開時点、または更新時点の情報を元に作成しています。

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この記事を書いた人

菅田 芳恵(すがた よしえ)特定社会保険労務士

社会保険労務士・キャリアコンサルタント・産業カウンセラー・ファイナンシャルプランナー・ハラスメント防止コンサルタント等13の資格を活かして、人事労務コンサル、研修講師、カウンセリング、労働トラブル相談等様々な分野で活躍している。

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