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社会保険の加入条件を押さえよう!法改正による加入条件の変更も

中野 裕哲(なかの ひろあき)起業コンサルタント(R)

従業員を雇うようになり、従業員が長期的に働いてくれるようになって、初めて従業員の社会保険について考えるようになったという経営者の方も多いでしょう。より従業員を集めるためにも、「社保完備」を行っていることは重要な条件のひとつとなります。社会保険の加入条件について理解し、従業員の社会保険について適切な対応ができるようにしていきましょう。

この記事の目次

社会保険の種類

店舗経営者が従業員のために押さえておくべき社会保険には、以下のように様々な種類があります。

  • 健康保険
  • 厚生年金
  • 雇用保険
  • 労災保険
  • 介護保険

健康保険は「国民健康保険」とは違い、事業者側が費用を折半するものです。厚生年金は、国民年金に上乗せして給付される年金のことを言います。雇用保険や労災保険は、従業員が仕事を辞めたり、仕事をしていてケガなどをしてしまったりした場合に使われるものです。介護保険は、40歳以上の従業員が支払うものになり、こちらも事業者側が費用を折半します。

これらの社会保険は、それぞれ以下のように強制加入の要件が設定されており、要件を満たしていて加入を行っていない場合には、雇っている事業者側が罰則を受けることもあります。

健康保険と厚生年金

常時5人以上の従業員を雇っている場合には、必ず加入をしなければなりません。また、事業所が法人成りをしている場合には、従業員の数に関係なく加入が義務付けられています。

雇用保険

週の労働時間が20時間以上の場合、加えて31日以上雇用の状態が続いているような場合には、強制加入となります。

労災保険

従業員を1人でも雇っている場合には、その勤務時間の長短に関係なく必ず加入しなければなりません。

介護保険

40歳以上になった場合には、従業員等関係なく全国民が強制加入となります。

社会保険の加入条件

パートやアルバイトなどの場合、正社員と違ってその多くは「健康保険」と「厚生年金」という二つの社会保険に加入することができません。しかし、パートやアルバイトなどの方が希望し、かつ以下のすべての加入条件を満たしている場合には、パートやアルバイトであっても社会保険に加入することが可能です。

その事業所が社会保険に加入しているか

事業所自体が社会保険加入を行っていなければなりません。事業所自体が社会保険加入の手続きを行っていない場合、パート等を含めた従業員が希望することで事業者は新規に保険加入手続きをしなければならない可能性もあります。

労働時間が条件を満たしているか

週の労働時間が30時間を超えている場合には、雇用形態に関係なく社会保険への加入が強制になります。

雇用期間が31日以上あるか

31日以上にわたって雇用期間が継続している場合、保険への加入は強制的に行われることになります。 これらを満たすことができていれば、雇用形態に関係なく社会保険への強制加入が必要とされるのです。例えば学生のアルバイトであっても、週20時間以上働いている実態があれば、ほかの条件も当てはまっていれば社会保険への加入が義務となっています。

加入条件については、以下の記事も参照しておきましょう。

要確認!社会保険の加入条件とは?経営者が知っておくべき加入条件をご紹介

社会保険の加入条件に関する注意点

前述したパートなどの社会保険への加入条件は、2016年9月までのものです。2016年10月からは加入条件が変更され、加入対象者の範囲がこれまでよりも広くなります。

改正される基準では、501人以上の企業に勤めており、1年以上働く予定であり、かつ月の給与が8万8,000円を超えている方は、週20時間以上勤務している場合に社会保険への加入が義務化されます。

社会保険は、労働者の権利を手厚く補償する頼れる味方なのですが、当然給料から天引きという形で保険料は引かれることになります。特に、扶養控除の範囲をわずかに超える額で働いているような方は、保険料を支払うことで家計が苦しくなってしまうことも考えられます。

事業者側は、これらの加入条件をよく理解したうえで、勤務時間を調整するなどして従業員側の意向を汲みながら、保険に加入するかしないかを調節していく必要があるでしょう。

保険料については、以下の記事も参照しましょう。

健康保険料はどうやって決まるの?加入条件とメリットデメリット

まとめ

社会保険の加入条件については、以下のような点を押さえることが重要です。

  • 社会保険には種類によって強制加入条件が設定されており、条件を満たしていても加入していない場合には罰則を受けることもある
  • パートやアルバイトの社会保険の加入条件は、2016年10月から変更され、501人以上の企業に勤めており、1年以上働くことが予定されており、かつ月の給与が8万8,000円を超えているパートなどの方は、週20時間以上働いていれば社会保険への加入が義務化される
  • 扶養控除の範囲内で働きたいなど、従業員の希望を汲んで加入条件に当てはまらないよう勤務時間を調整する必要がある

社会保険の加入条件は法律で決まっていますので、一度理解してしまえば円滑に運用していくことが可能でしょう。従業員の希望を考えて、勤務時間などを調整していくことも事業者側の役割のひとつです。

※この記事は公開時点、または更新時点の情報を元に作成しています。

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この記事を書いた人

Airレジ マガジン編集部

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中野 裕哲(なかの ひろあき)氏

中野 裕哲(なかの ひろあき)起業コンサルタント(R)

起業コンサルタント(R)、税理士、特定社労士、行政書士、CFP(R)。起業コンサルV-Spiritsグループ/税理士法人V-Spirits代表。年間約200件の起業相談を無料で受託し、起業家をまるごと支援。起業支援サイト 「DREAM GATE」で6年連続相談数日本一。「一日も早く 起業したい人が『やっておくべきこと・知っておくべきこと』」など、起業・経営関連の著書・監修書多数。http://v-spirits.com/