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【2026年最新版】融資の成功確率を上げる事業計画書の書き方!必要項目やコツを解説

事業計画書

「資金調達や開業に向けて事業計画書を作らなければならないけれど、何から手をつければいいかわからない……」と、お悩みではありませんか?
頭の中のアイデアを具体的な「設計図」として落とし込む事業計画書は、金融機関からの融資や、補助金の審査において、結果を左右する重要な書類の一つです。
本記事では、これまで100社以上の事業計画書作成を支援してきた経営コンサルタントが、作成方法を記入例つきでわかりやすく解説します。

この記事の目次

事業計画書とは

事業計画書は、事業内容を具体的に示し、利益を得るまでのプロセスを可視化した書類です。事業の目標や戦略を整理するロードマップとして機能し、事業の合理性を客観的に証明することで、対外的な信用を得やすくなります。

金融機関からの融資をはじめ、投資家やベンチャーキャピタルからの資金調達、補助金・助成金の申請時のプレゼンテーションに欠かせません。

なぜ必要?事業計画書を作成する目的

事業計画書には、経営者がアイデアをビジネスに落とし込み、事前にリスクや課題を洗い出す役割があります。

また、資金調達を成功させ、ステークホルダーから信頼と協力を得るためにも重要な役割を持ちます。いわば、事業の成功確率を高める“羅針盤”です。

目的【1】事業内容の具体化・可視化

事業計画書は、経営者が思い描く事業に必要な体制やプロセスを具体化し、期待できる成果を可視化する目的があります。

競合分析や資金繰りにおけるリスクや課題を把握し、具体的に事業の展望をイメージすることで、事業の成功確率を高めます。

目的【2】金融機関や投資家から融資・投資を受けるため

事業を展開するためには、一定の資金が必要です。手元の資金で賄いきれない場合は、金融機関からの融資により不足資金を調達しなければなりません。資金調達を申入れる際に、金融機関や投資家からの信用を得る目的でも事業計画書が必要です。

特に金融機関は、融資に際して返済能力を重視します。担保に供する資産がない場合は「事業を着実に展開し、利益が確実に得られる見込みがある」という根拠を示すことが信用の獲得につながります。

目的【3】国や地方自治体から補助金や助成金を得るため

国や地方自治体は、企業経営を支援する目的で、多種多様な補助金・助成金制度を運用しています。こうした制度を活用することで、事業展開に必要な資金を確保しやすくなります。

支給を受けるには「事業内容が支援目的と合致し、補助金や助成金を活用して事業の成果を出せること」を証明しなければなりません。

その判断基準となるのが、事業計画書です。計画書を通じて、事業を推進する体制やプロセス、想定する成果を可視化します。

目的【4】ステークホルダーから理解と協力を得るため

事業を進めるチームや従業員のモチベーション向上には、ビジョンや目標を共有し、相互の共通認識を持つことが重要です。従業員は事業方針や経営者の思いを理解し、共感することで自身の役割を主体的に果たそうという意欲が生まれます。

また、円滑な事業推進には、取引先やパートナーからの協力も欠かせません。事業計画書を用いて今後の展望を具体的に伝えることが、社外からの強固な信用獲得につながります。

事業計画書はいつ作る?

事業計画書を作成するタイミングを解説するイメージ画像

事業計画書の作成に適切なタイミングは、開業時と事業拡大時です。それぞれ詳しくみていきましょう。

開業時

開業時に事業計画書を作成することで、事業をスムーズに運営できる可能性が高まります。特に初めて事業を運営する個人事業主は、開業や経営において取り組むべきことを見落としがちです。
事業計画書を作成しながら、マーケティング戦略や売上の計画を具体的に立てていくことで、開業時や事業運営で必要な取り組みが可視化されます。そうすることで抜け漏れを防ぎ、着実な事業運営ができます。
また資金調達や補助金・助成金などを利用する場合は、金融機関や地方自治体に提出する必要があります。

事業拡大時

事業拡大時も、事業計画書を作成する適切なタイミングです。融資を受ける際には収益性と返済見込みを具体的に示す必要があるためです。採用を行う場面でも、事業の目的や展望を明らかにすることで、ミスマッチを防ぎます。

事業計画書に記載すべき主要項目

事業計画書の記載項目は、作成目的や提出先の様式によって異なりますが、おもに事業の目的・内容・戦略・収支に関連する情報を具体的にまとめていきます。

ここからは、一般的に事業計画書に盛り込むべき基本項目について、記入例とともに解説します。

項目【1】企業概要や経営者(創業者)の経歴・プロフィール

「どのような事業を行う会社なのか」「事業を始める経営者がどのような経歴の持ち主なのか」を具体的に記載します。

記入例:企業概要

企業名:株式会社○○

所在地:○○県○○市○○区○○町1丁目1番11号

電話番号:○○-○○○○-○○○○

Email:○○○○@○○○○○○.co.jp

代表者名:○○○○

資本金額:○○○○万円

設立年月日:20○○年○○月○○日

事業内容:

【飲食業の場合】居酒屋○店舗を経営(屋号:○○○○)

【小売業の場合】ライフスタイル雑貨およびオリジナルアパレルの実店舗・EC販売(店舗・サイト名:○○○○)

【美容業の場合】完全個室型ヘアサロンの運営(屋号:○○○○)

【医療業の場合】地域密着型の無床診療所(内科・小児科)の運営(医院名:○○クリニック)

2016年○月○日○○県○○市○○2丁目2番22号に○○○1号店開店

2023年○月○○日○○都○○区○○3丁目3番33号に○○○2号店開店

従業員数:○○名(正社員○○名・アルバイト従業員○○名)

記入例:経営者 経歴・プロフィール

略歴:

19○○年○月○○県○○市出身

20○○年○月○○大学商学部卒業

20○○年○月○○株式会社入社。店舗用照明器具、什器備品販売に関する営業業務に従事

20○○年○○月○○株式会社退職

20○○年○月株式会社○○設立

 

保有資格:

【飲食業の場合】食品衛生責任者、日本酒検定準1級など

【小売業の場合】販売士検定、カラーコーディネーターなど

【美容業の場合】美容師免許、管理美容師など

【医療業の場合】医師免許、薬剤師免許、内科専門医など

項目【2】事業の目的・ビジョン

「事業を行う動機」「事業を展開して実現させたいこと」など、具体的に記載します。新たに会社やお店を立ち上げる「設立」の場合は、創業者の原体験や想いを。既存の企業が新たな事業を展開する「新規事業」の場合は、既存事業との相乗効果や事業成長の道筋や根拠を軸に記載すると説得力が増します。

記入例:【飲食業の場合】

■設立(独立開業)の場合

私は、前職にて店舗用照明器具・什器備品販売に関する営業業務に7年半従事したことで、飲食店経営のノウハウを習得することができました。また、出身地の○○県で農業と漁業に従事している友人がおり、同エリアの食材を安定して仕入れるルートがあります。

そこで、店舗を展開するエリアの住民に○○県の郷土料理を知ってもらうことを目的に、20○○年○月○日を目標に○○区内に居酒屋の開店を計画しています。○○県の料理や地酒を豊富に取り揃え、お客さまの口コミで店舗の知名度を向上させながら、来店者数を増やしていきたいと考えています。

 

■新規事業(新規出店)の場合

代表者の出身地である○○県の郷土料理を主軸にした居酒屋経営が軌道に乗り、多くのお客さまに味わってもらうことができました。さらに多くの人たちに○○県の郷土料理を知ってもらうとともに、○○料理の知名度を向上させることに貢献したく、都心エリアに「○○○3号店」の開店を計画しています。

今後は、現店舗で提供する○○県の料理やお酒、お客さまの声などを積極的に発信し、「○○○(店舗名)」の知名度を上げていきたいと考えています。

記入例:【小売業の場合】

■設立(独立開業)の場合
アパレルバイヤーとしての10年の経験から、優れた技術を持ちながら販路に悩む国内の職人を支援したいと強く感じました。

「作り手と使い手をつなぐ」を掲げ、伝統工芸品と現代のライフスタイルを融合させたセレクトショップを設立します。実店舗とECの連携により、持続可能な地域産業の活性化に貢献します。

 

■新規事業(新業態開発)の場合
当社は服飾雑貨の卸売業として安定したBtoB基盤を築いてきましたが、顧客の声を直接商品開発に活かす必要性が高まっています。

そこで、これまで培ってきた商品調達力を最大限に活かし、20~30代をターゲットとした自社オリジナルのD2Cブランドの立ち上げと、実店舗の新規出店を計画しています。

記入例:【美容業の場合】

■設立(独立開業)の場合
大手サロンのトップスタイリストとして10年間勤務し、月間指名○○名を維持してきました。

その中で「周りを気にせず心身をリフレッシュしたい」というニーズがあるため、忙しく働く女性をターゲットにした、全席完全個室・ヘッドスパ併設のプライベートサロンを開業します。

 

■新規事業(新ターゲット開拓)の場合
現在運営する女性向けヘアサロン3店舗はいずれもお客さまから高い支持を得ていますが、拡大する「男性の美容需要」を取り切れていない課題がありました。

そこで、既存店舗で培った接客ノウハウや教育システムを横展開し、新たに「メンズ特化型の眉毛・ヘアケア専門サロン」を立ち上げ、次なる収益の柱として成長させていきます。

記入例:【医療業の場合】

■設立(独立開業)の場合
総合病院の内科専門医として15年間勤務し、重症化前の早期発見と予防医学の重要性を痛感しました。

高齢化により「かかりつけ医」が不足する○○地区において、臨床経験を活かした地域密着型クリニックを開業します。質の高い医療を身近に提供し、住民の健康寿命延伸に貢献したいと考えています。

 

■新規事業(医療法人の多角化)の場合
当法人は整形外科クリニックとして地域の医療を担っていますが、治療後の再発予防や健康維持のための運動療法を提供する場が不足しています。

そこで新規事業として、医師の指導に基づく「メディカルフィットネス」を併設し、治療から予防までを一貫してサポートできる包括的な医療体制を構築します。

項目【3】事業概要

利益を得るためのビジネスモデルをはじめ、想定する対象、事業を進めるうえで大切にしたいコンセプトを具体的に記載します。

記入例:【飲食業の場合】

■ビジネスモデル
ビジネス街の店舗で、近隣の企業で働く人たちに向けたランチ営業と夜の居酒屋営業を行います。ランチ営業では、○○県の食材を使った和風中心のメニューを取り揃え、夜の居酒屋営業では、○○県ならではの郷土料理を地酒とともに提供します。ランチを食べたお客さまに夜の居酒屋にも足を運んでもらうことで、安定した利益を得る経営を行うことを目指していきます。

■対象
さまざまな種類の料理を少量ずつ味わいながらお酒を楽しむ「40代~50代の男性」。

■コンセプト
「日本酒を美味しく飲める料理メニューが豊富にある店」を店舗の“売り”にすることを考えています。そのため、一品ごとの量を少なめにして、多種類の料理を味わえるように展開します。

記入例:【小売業の場合】

■ビジネスモデル
実店舗での体験型販売でファンを獲得し、利益率の高い自社ECサイトでのリピート購入へ誘導します。

■対象
丁寧な暮らしに関心が高く、サステナブルな商品を選ぶ「20代~30代の男女」。

■コンセプト
「日常に小さな特別感を添える、サステナブルな日用品」
環境に配慮した素材のオリジナル商品と、生産者の顔が見えるセレクト雑貨を揃え、顧客の共感を生む店舗づくりを行います。

記入例:【美容業の場合】

■ビジネスモデル
基本施術に加え、高単価な髪質改善トリートメントやサロン専売品の販売で客単価を向上させます。

■対象
仕事帰りにも立ち寄りたい、エイジングケアに関心の高い「30代~40代の働く女性」。

■コンセプト
「あなただけのプライベート空間で叶える、極上の癒しと美髪」
完全個室の空間でリラクゼーションを提供し、一人ひとりの髪の悩みに寄り添ったオーダーメイドの施術を展開します。

記入例:【医療業の場合】

■ビジネスモデル
保険診療を軸とし、通院が難しい層に向けたオンライン診療や、自費診療(予防接種・人間ドック)を組み合わせて収益を安定化させます。

■対象
出店エリアの半径1km圏内に居住する「ファミリー層と高齢者層」。

■コンセプト
「Web予約・自動精算による待ち時間の短い、家族みんなのかかりつけ医」
デジタルツールの導入によって院内滞在のストレス(待ち時間)を軽減し、丁寧かつスムーズな診療体制を構築します。

項目【4】取扱商品・サービスの詳細

商品やサービスの価格や特徴、提供方法について具体的に記載します。

記入例:【飲食業の場合】

■価格
ランチ営業 定食800円~1,500円 / 夜の居酒屋営業 一品500円~1,800円、酒類一杯500円~800円、ソフトドリンク一杯350円~450円

■特徴
ランチ営業の定食メニューは、一皿に数種類の料理が盛られた状態で提供します。お米は○○県産のブランド米を使用します。

夜の居酒屋営業の料理は小皿で提供するメニューを多く取り揃え、地酒はグラスで提供します。

■提供方法
テーブルやカウンターに設置したタブレットを使用して料理やドリンクをご注文いただき、店員が直接お客さまのもとに料理やドリンクを届ける形で提供します。

記入例:【小売業の場合】

■価格
オリジナルTシャツ 2,000円~5,000円 / セレクト雑貨 2,000円~15,000円

■特徴
商品はすべてフェアトレード認証を取得した素材を使用しています。

■提供方法
実店舗での対面販売および、自社ECサイトを通じた全国配送を行います。

記入例:【美容業の場合】

■価格
カット 6,000円 / 髪質改善カラーコース 15,000円~

■特徴
全席フルフラットのシャンプー台を完備し、オーガニック認証薬剤のみを使用します。

■提供方法
完全予約制で、入店から退店まで専属スタイリストがマンツーマンで施術します。

記入例:【医療業の場合】

■価格
保険診療は厚生労働省が定める診療報酬点数に準拠 / 自費診療(インフルエンザ予防接種 4,000円など)

■特徴
小児科用の隔離待合室を完備し、院内感染リスクを低減します。

■提供方法
電子カルテと連動したWeb予約・Web問診システムにより、院内の滞在時間を短縮します。

項目【5】市場環境・競合分析・自社の優位性

地域の特徴や競合店などを分析し、「自社がなぜ勝てるのか(優位性)」について、客観的な事実に基づいて具体的に記載します。

記入例:市場環境

■市場環境

新店舗の出店予定地(地下鉄○○線○○駅南出口から徒歩○○分)から、半径500m圏内に150社程度の企業があり、5,000人程度が働いていると想定されます。

また、目視による現地調査では、新店舗の出店エリアに展開する同業態の店舗の多くが、平日の1.5回転~2回転の回転率を確保し、十分な需要が確認できています。

記入例:競合分析・自社の優位性【飲食業の場合】

■競合分析
同エリアに居酒屋は85店舗あり、そのうち海鮮メインは18店舗存在します。

■優位性
海鮮メインの居酒屋のなかで○○県の郷土料理に特化した店はなく、「小皿料理×地酒」の組み合わせは明確な差別化となります。

また、料理の多くを小皿で提供している店舗や地酒をメインにした店舗も現状は存在しません。「日本酒を美味しく飲める料理メニューが豊富にある店」を軸にした店舗は、競合との差別化を図る優位性だと考えます。

記入例:競合分析・自社の優位性【小売業の場合】

■競合分析
近隣に大型の商業施設があり、安価な日用品や大手アパレルブランドが多数入居しています。

■優位性
大量生産品にはない「背景にストーリーのある伝統工芸品」を扱うことで、価格競争に巻き込まれない独自のポジションを確立できます。

記入例:競合分析・自社の優位性【美容業の場合】

■競合分析
同エリアに美容室は30店舗ありますが、大半が低価格帯のチェーン店または若年層向けサロンです。

■優位性
周辺にない「完全個室・30~40代女性特化・オーガニック商材」という付加価値により、高単価・高リピート率を実現します。

記入例:競合分析・自社の優位性【医療業の場合】

■競合分析
同診療圏内に内科クリニックは4院存在しますが、いずれも開業から30年以上が経過しており、18時以降の診療を行っていません。

■優位性
「19時半までの夜間診療」「土曜午後診療」「Web予約対応」という利便性により、既存のクリニックとの明確な棲み分けが可能です。

項目【6】販売・マーケティング戦略

想定する客層に向けて、店舗やサービスの認知度向上、集客力向上、売上を最大化するためのブランディングなどを具体的に記載します。

記入例:【飲食業の場合】

■認知度向上
開店半月前から、新店舗の前や最寄り駅(地下鉄○○線○○駅)の前で、クーポンつきのチラシを配布し、開店を告知します。

また、開店半月前から、新店舗の前に開店日やコンセプト、メインメニューを紹介した大きな看板を設置してPRします。

■集客力向上
2週間に1度のペースでメニュー改定を行い、SNS会員向けに割引クーポンをセットにした配信を実施。SNSの利用頻度が少ないお客さまには紙媒体でのポイント付与を行うなど、集客向上につなげる施策を実施します。

■ブランディング
店舗で提供する料理のつくり方や日本酒との楽しみ方に関するコンテンツを日々SNSで配信し、フォロワー数を増やすことで当店のブランド力を高めます。将来的には、チルドでのインターネット販売も視野に入れています。

記入例:【小売業の場合】
■認知度向上
Instagramのターゲット広告運用と、近隣のカフェや商業施設でのフライヤー設置を行います。

■集客力向上
実店舗での期間限定ポップアップイベントや、ECサイトでの初回購入送料無料キャンペーンを実施します。

■ブランディング
商品の背景にある生産者のストーリーや、サステナブルな取組みを自社オウンドメディアで発信します。

記入例:【美容業の場合】

■認知度向上
美容系ポータルサイトへの掲載と合わせ、MEO対策(Googleマップ上位表示)を徹底します。

■集客力向上
既存客からの「友だち紹介キャンペーン」や、来店時の「次回予約」による割引特典を用意します。

■ブランディング
自宅でできるスタイリング動画やヘアケアの基礎知識を配信し、「髪の専門家」としての信頼を獲得します。

記入例:【医療業の場合】

■認知度向上
医療広告ガイドラインを遵守しつつ、開院前に地域住民へ向けた「院内内覧会(オープンハウス)」を開催します。

■集客力向上
Web予約システムとWeb問診を導入し、受診の心理的ハードルと待ち時間を削減できる点をアピールします。

■ブランディング
院長ブログや院内報を通じて予防医療の啓発を行い、地域住民から信頼される「かかりつけ医」としての定着を目指します。

項目【7】実施体制・組織図・人員計画

新規事業を推進する体制について、具体的に記載します。フォーマットが指定されている場合は、表や図式を用いて作成することもあります。

記入例:実施体制・組織図・人員計画

■実施体制
新店舗の開店準備を行うためのプロジェクトチームを社内に立ち上げます。立ち上げ時のメンバーは、代表者の○○、○○店に配置している正社員の○○氏、新規に雇用するアルバイトスタッフで構成します。

■組織図
社内に新店舗開発室を設置し、代表の○○が室長を兼任します。新店舗の店長職も代表の○○が兼任しつつ、正社員の○○氏を育成後に店長として配置する予定です。

■人員計画
新店舗開店に向けて、新店舗開店業務に従事した経験のある正社員を1名雇用。アルバイト従業員を5名新規雇用することを計画しています。

項目【8】主要な取引先・取引関係先

新規事業に関わる取引先や、取引内容について具体的に記載します。

記入例:主要取引先および関係先

■内装・設備工事関連
1号店・2号店の内装工事を行った株式会社○○に、新店の内装工事を依頼します。

■厨房機器・什器備品設置関連
1号店・2号店の厨房機器・什器備品設置のアドバイスをいただいた○○コンサルティング株式会社に、引き続きアドバイザー業務を依頼します。

■食材・飲料の仕入関連
食材・飲料の仕入に関して、1号店・2号店と同様に下記の事業者から行います。
(食材)
○○ ○○フーズからの仕入
○○ 契約農家(○○○○さん)からの仕入
……
(飲料)
○○ ○○酒造からの仕入
○○ 株式会社○○からの仕入
……

■広告関連
SNS運用を強化するため、マーケティングに明るい株式会社○○に継続的なアドバイザー業務を依頼します。また、チラシなどの紙媒体の印刷物制作に関しては、○○印刷のサービスを利用します。

項目【9】資金計画

新規事業に必要な資金や資金調達状況、借入金の有無などを具体的に記載します。フォーマットが指定されている場合は、表を用いて作成することもあります。

記入例:【飲食業(追加出店)の場合】
項目 金額(円)
物件取得費 敷金・保証金 1,560,000
前家賃 520,000
仲介手数料 280,000
(※適宜項目を記載) (※適宜金額を記載)
内装・設備工事費 空調設備 240,000
厨房工事 200,000
内装デザイン費 2,500,000
(※適宜項目を記載) (※適宜金額を記載)
厨房機器・什器備品費 冷蔵庫・製氷機 380,000
食器・グラス 150,000
POSレジ 110,000
(※適宜項目を記載) (※適宜金額を記載)
そのほか 人材募集広告 400,000
初期人件費 1,000,000
チラシ製作費 60,000
看板製作費 100,000
SNS広告 70,000
(※適宜項目を記載) (※適宜金額を記載)
単月黒字化するまでの余裕運転資金 20,000,000
合計 30,000,000

※本表は、主要項目のみを記載した概算例です。店舗の広さや立地、店舗の種類、依頼する事業者などにより金額は異なります。

記入例:資金調達・借入金状況

■外部調達
・○○銀行からの借入:10,000,000円
※借入前の借入金総残高:35,000,000円

■内部調達
利益剰余金からの繰入:15,000,000円
代表者○○からの貸付:5,000,000円

項目【10】事業の見通し・売上・損益計画

新規事業開始後の事業展開や事業成長、事業開始後の想定損益について具体的に記載します。売上の根拠を示す際は、数式を明確にして「どのような要素から売上が成り立っているのか」をひと目でわかるように記載しましょう。

記入例:収支計画

■事業開始後の事業の見通し
来店客に向けて定期的なメニュー情報やクーポンを配信することで、リピート来店の比率を高め、開店6カ月後には単月黒字化を実現。開店後2年で初期費用を回収可能と見込んでいます。

■損益の想定

1.開店から6カ月間の平均月損益
※席数60、日祝定休

●売上高:10,230,000円
(内訳)
・ランチの平均客単価1,000円
回転率(土曜日以外):1.5
回転率(土曜日):1

・夜の居酒屋の平均客単価5,000円
回転率(金曜日以外):1
回転率(金曜日):1.5
※営業日数(平日21日(内金曜日4日)、土曜日4日)

想定売上高
=ランチ売上高+居酒屋売上高
=1,000円×60席×(1.5回転×21日+1回転×4日)+5,000円×60席×(1回転×21日+1.5回転×4日)

●原価:3,580,500円(平均原価率35%)

●経費:7,420,000円

(内訳)
・人件費:○○円
・家賃:○○円
・水道光熱費:○○円
・手数料:○○円
・保険料:○○円

……

●損益:▲770,500円

2.開店から6カ月後の平均月損益

●売上高:16,980,000円

(内訳)
・ランチの平均客単価:1,000円
回転率(土曜日以外):2
回転率(土曜日):1

・夜の居酒屋の平均客単価:6,000円
回転率(金曜日以外):1.5
回転率(土曜日):2
※営業日数(平日21日(内金曜日4日)、土曜日4日)

想定売上高
=ランチ売上高+居酒屋売上高
=1,000円×60席×(2回転×21日+1回転×4日)+6,000円×60席×(1.5回転×21日+2回転×4日)
●原価:5,943,000円(平均原価率35%)

●経費:8,057,000円

(内訳)
・人件費:○○円
・家賃:○○円
・水道光熱費:○○円
・手数料:○○円
・保険料:○○円

 ……

●損益:2,980,000円

※上記は代表的な項目のみを掲載した概算例であり、合計額には他の費目も含みます。

項目【11】事業上の問題点・想定されるリスクとその解決策

事業開始後の想定リスクや対応について、具体的に記載します。

記入例
想定されるリスク 対応方法
売上が想定を下回り運転資金が枯渇する ・開店後の売上を厳しく見積もったうえで、単月黒字化するまでの余裕運転資金を多めに確保する
食中毒が発生し営業停止や風評被害に見舞われる ・衛生管理マニュアルを作成し、従業員に対する教育を徹底する
・衛生管理マニュアルが遵守されているか確認を徹底し、遵守していない従業員に対する指導を行う
・飲食店向けの賠償責任保険に加入する
従業員の退職で人手が不足する ・従業員とのコミュニケーションを密にして心理的安全性を確保しながら、福利厚生の充実を図るなど、従業員が定着する施策を実施する
・従業員のシフトをデジタル化し、人員繰りに対して先手を打ちやすい状況をつくる
競合店が出店し客を奪われる ・お客さまのニーズに対応したメニュー改定など、各種施策を実施し再来店を促す
・お得なクーポンの提供など、客のリピート動機を高める仕組みを構築する

項目【12】実行スケジュール

新規事業を開始するまでの実施手順や開業後の事業展開イメージなどを、具体的に記載します。

記入例:開業準備スケジュール~開業後の事業展開イメージ(例)
時期 フェーズ 具体的なタスク・マイルストーン 資金・収支の動き
20○○年7月 企画・準備 ・詳細な商圏調査および通行量調査
・主要な仕入先候補との交渉開始
自己資金の準備完了
20○○年8月 資金調達・物件 ・日本政策金融公庫へ融資申し込み
・創業関連の補助金の申請
・店舗物件の仮押さえ、賃貸借条件の交渉
融資面談
20○○年9月 契約・施工 ・物件の本契約、内装工事着工
・食品衛生責任者などの資格取得
融資実行(着金)
物件保証金・内装工事費支払い
20○○年10月 採用・PR ・アルバイト採用開始(3名)
・SNSでのティザー告知開始、HP開設
前家賃・採用費支払い
補助金対象経費の支払い
20○○年11月 開業 ・機材搬入、スタッフのオペレーション研修
・プレオープン(中旬)
・グランドオープン(下旬)
仕入費用の発生
売上の発生開始
20○○年(翌年)2月 安定化 ・春季限定メニューの投入
・リピーター施策(ポイントアプリ導入)
・補助金対象事業の完了、実績報告書の提出
単月黒字化の達成
20○○年(翌年)4月 資金回収

補助金の入金(後払い着金)
20○○年(翌年)11月 拡大 ・開業1周年イベントの実施
・ECサイトの立ち上げ
累積赤字の解消完了

事業計画書の作成時に多くみられる失敗パターン

事業計画書の作成に際して、問題になりやすい4つのポイントを紹介します。事業計画書を作成する際には、それぞれのポイントを意識しましょう。

【1】中身が抽象的

事業内容、実施体制、開業後のプロセスなど、具体性に欠けている。

【2】成果イメージの根拠が希薄

対象とするお客さまのニーズや売れる理由、競争優位性などの根拠が示されていない。

【3】損益予測が希望的観測に

損益の計算根拠が乏しく、経営者の希望的観測である。

【4】自身の言葉で説明ができない

専門家などのアドバイスをもとに事業計画書を作成したものの、自身の言葉で説明ができていない。

100社以上の事業計画書作成支援に携わったプロが解説!採択率を上げる説得力の高い事業計画書作成のポイント

事業計画書は、事業内容や優位性を具体的に説明するためのツールです。前章で挙げたような「内容が抽象的」「数字の根拠が希薄」といった失敗パターンに陥らないためには、書き方にいくつかのコツがあります。

ここでは、数々の事業計画書作成を支援してきた経営コンサルタントの視点から、計画書の説得力を高めるために欠かせない7つのポイントを解説します。

ポイント【1】「6W2H」などフレームワークを活用する

事業計画書は、事業実施者が思い描くイメージを具体化した書類です。とはいえ、イメージをそのまま反映してしまうと、計画書を読む相手に伝わりづらくなってしまいます。

具体的に伝えるには「6W2H」などのフレームワークを活用すると効果的です。

6W2Hとは
Who(誰が) 実施者、担当者
Whom(誰に) 商品・サービスを提供する相手、働きかける相手
What(何を) 実施内容、提供商品やサービスの内容
Why(なぜ) 実施理由や目的
When(いつ) 実施時期や期限
Where(どこで) 実施場所、対象エリア
How(どのように) 実施方法、手順
How much(いくらで) 費用、価格、予算

ポイント【2】読み手を意識して具体的かつ端的に記載する

事業計画書は、具体的かつ端的に記載する必要があります。抽象的かつ無駄の多い文章は、読み手に伝わりません。金融機関や投資家、ステークホルダーの理解が得られなければ、事業の立ち上げや推進が難しくなります。

事業内容や展開方法について根拠を示すことで、読み手は事業計画を理解しやすくなります。そのうえで無駄な言葉は省き、ポイントを絞った内容にする必要があります。

ポイント【3】自社の強み・競争優位性を明確にアピールする

事業計画書は、事業の成功可能性や実施する価値を客観的に判断するための書類です。自社の強みや競争優位性を交えて説明することがポイントです。

まだ存在しない事業を実施する場合はともかく、類似事業や競合相手が存在する場合は、ライバルとの競争に勝ち、事業が成長することをイメージできる根拠を明らかにする必要があります。

ポイント【4】客観的なデータ・数値にもとづいた根拠を提示する

事業計画書に記載する売上や経費、購買者・利用者数や購入金額などの重要な数値は、客観的なデータを根拠に記載する必要があります。

例えば、売上は

  • どの程度の人が購入・利用してくれるのか
  • (一回の購入・利用で)どの程度のお金を使ってくれるのか

などの要素により導き出されます。

その際に、市場規模・潜在顧客数・購買金額などのデータを示すことなく記載してしまうと、読み手にとって「都合よく書かれた内容」に映り、説得力に欠けてしまいます。

ポイント【5】出店エリアの地域性・商圏特性を反映させ、計画の解像度を上げる

店舗経営は、立地要件に応じて工夫する必要があります。事業を計画する前段階で、出店を予定する商圏の調査を綿密に行うことが重要です。

一般的に、立地要件とは

  • 不特定多数の人が行き来する駅前や繁華街なのか
  • 特定の人だけが行き来する住宅街なのか
  • どのような特性を持った人が行き来するのか
  • 競合店舗はどの程度存在するのか
  • 相乗効果が生まれる施設などが存在するのか

を指します。

こうした要件を分析したうえで、対象とする客層のニーズを的確に把握し、“売れる”理由を明らかにすることで、事業計画書の精度が向上します。

ポイント【6】全体の数字とストーリーに整合性・一貫性を持たせる

事業計画書は、事業開始から一定の成功を得るまでの“ストーリー”を表した書類でもあります。事業を推進する体制や手順を示し、想定される結果やその後のプロセスについて記載するため、整合性と一貫性を持たせることが重要です。

ストーリーの方向性にブレがなく、最初から最後まで筋が通った内容にするということです。

ポイント【7】加点要素や要件適合性をしっかり取り込む

補助金は、国や地方自治体が打ち出した政策の推進を目的に、対象となる取組みを企業・団体が実施する際に費用を補助する制度です。企業を選定する際には、提出された事業計画書をもとに“加点”して判断する場合があります。

例えば、賃上げ実施や女性活躍推進といった人材面、省エネや環境保護といった社会面への対応を評価する加点要件が多くみられます。こうした要件に対応する内容を事業計画書に反映させることが、採択率向上のポイントです。

【業種別】事業計画書作成のポイント

業種によって、事業計画書を作成するポイントが異なります。本記事では飲食、小売、サービス・美容、医療の4業種を例に解説します。

飲食業

飲食業は事業者が多く、競合が比較的多い業界です。そのため、「自店にお客さまが来る理由」と「確実に利益を残せる仕組み」を事業計画書で説明することがポイントです。出店する商圏の特性や競合店の営業内容を分析し、自店の独自性を具体的に説明する必要があります。

また、想定する客単価や回転率、原価率、経費などを明らかにしたうえで、利益額を算定した根拠を示すことも求められます。

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【見本あり】事業計画書の書き方は?飲食店などの店舗経営者向けに作成手順を詳しく解説

小売業

小売業は、仕入れた商品が売れずに在庫が積み重なると、資金繰りが悪化するという経営面の特性があります。そのため、継続的に商品を売ることができる仕組みを説明することが、事業計画書作成におけるポイントです。

対象となる客層を明確にしたうえで、下記について具体的に示しましょう。

  • 対象が求める商品を品揃えできる理由
  • 対象を自分の店に集客するための仕組み
  • 在庫を適正に管理するための仕組み

サービス・美容業

サービス業や美容業といった「人が生み出す価値」を主軸とした事業は、「お客さまに継続して利用してもらうことができる仕組み」を説明することが事業計画書作成時のポイントです。

小売業と同じく、対象となる客層を明確にしたうえで、下記について具体的に示しましょう。

  • 対象が求めるサービスを提供できる技術がある
  • 技術を持つ人材を確保でき、求められるサービスを提供し続けられる
  • 対象にリピートし続けてもらえる理由

医療業

医療業の大きな特徴は、売上額が診療報酬によって決められることです。保険診療に特化した経営を行う場合は、診療報酬の範囲内で利益を確保し、診療を継続する根拠を示すことが事業計画書を作成するポイントです。 

また、保険診療は売上が立ってから入金されるまでに約2カ月のタイムラグがあるため、この期間を乗り切るための余裕を持った「運転資金」の計画が必須です。

例えば、高齢者が多く住む地域とファミリー層が多く住む地域とでは、医療へのニーズが異なります。

そのうえで、下記について具体的に示しましょう。

  • 診療圏内のニーズに合った医療サービスを提供できる
  • 安定した医療サービスの提供に必要な医療人材を確保できる
  • 診療報酬の範囲内で医療設備確保のための借入金を返済できる

無料の事業計画書作成ガイド&テンプレート

ここからは、事業計画書の作成に役立つ無料テンプレートや、書式を公開しているおすすめのサイトをご紹介します。『Airレジ』では、はじめて開業される方向けに「事業計画書作成ガイド&テンプレート」を無料公開しています。

項目に沿って入力するだけで、融資の申し込みや関係者への説明に使える事業計画書がスムーズに作成できます。店舗経営の第一歩として、ぜひご活用ください。

詳しくはこちらをご覧ください。

Airレジ「事業計画書の書き方 テンプレート付き」

事業計画書のテンプレートをダウンロードできる外部サイト

事業計画書のテンプレートは金融機関や行政機関などで配布されており、ダウンロード可能です。事業計画書を作成する際にご活用ください。

日本政策金融公庫

政府系金融機関である日本政策金融公庫は、個人の起業や中小企業の事業成長を後押しすることを目的に、さまざまな融資制度を設けています。融資の審査を受ける際には、事業計画書が必要です。

日本政策金融公庫では、目的に応じた事業計画書のテンプレートを公開しています。例えば、起業目的の場合はテンプレート1-3「創業計画書」、1-4「創業計画書(記入例)」、中小企業の経営力強化の場合はテンプレート1-27「事業計画書(中小企業経営力強化関連用)」、1-28「事業計画書(中小企業経営力強化関連用)(記入例)」が活用できます。

銀行

銀行も中小企業や起業家向けに、Webサイトで事業計画書のテンプレートを公開している場合があります。

事業資金や開業資金の融資相談を行う場合は、相談する銀行が事業計画書のテンプレートを公開しているか確認してみましょう。

下記は、銀行が公開する事業計画書テンプレートの一例です。

J-Net21

独立行政法人中小企業基盤整備機構が運営するJ-Net21は、中小企業や起業家の支援を目的としたビジネス支援ポータルサイトです。

サイトでは経営に役立つさまざまな情報が公開されており、事業計画書関連の情報も公開されています。

起業時の事業計画書(創業計画書)のテンプレートや記入例をはじめ、事業計画書の書き方なども詳しく解説されています。

地方自治体

地方自治体が、中小企業や起業家向けに事業計画書のテンプレートを公開している場合があります。また、中小企業の経営や開業を支援するための窓口が設けられている場合もあるので、必要に応じて相談してみましょう。

下記に、地方自治体が公開する事業計画書のテンプレート例をご紹介します。

民間企業

ビジネスに関する各種サービスを提供している民間企業が、中小企業や起業家向けに事業計画書のテンプレートを公開しています。

下記に、民間企業が公開する事業計画書のテンプレート例をご紹介します。

事業計画書の作成に関するよくある質問(Q&A)

事業計画書を作成する際にいただく、ご質問にお答えします。

Q1.「事業計画書」「創業計画書」「ビジネスプラン」の違いとは?

A.事業計画書は、ビジネスプランを具体的な計画、戦略、数値で根拠を示し、本格的に事業を展開するうえでの設計図です。

創業計画書は、創業に必要な資金の融資を受ける際に、起業動機や事業内容、事業を推進するプロセスや想定する収益の実現を伝える書類です。

ビジネスプランは、事業のアイデアや構想を示し、事業推進後の成果をシンプルにまとめたものです。本格的に事業化を検討する際のたたき台となる書類です。

Q2.事業計画書はどのくらいのページ数が適切ですか?

A.第三者に読んでもらう事業計画書は、要点を理解してもらうためにシンプルにまとめることを心掛けましょう。

金融機関の場合は、融資後の返済能力の有無が最大の焦点となるため、3~5年先までの財務計画が必要です。とはいえ、金融機関の担当者は常に複数の案件を抱えており、特定の事業計画書をじっくりと読み込む時間がありません。読みやすく端的にまとめたうえで、多くても40ページ以内に収めましょう。

一方で、取引先や協業パートナー、従業員には、事業戦略や体制、事業を展開するプロセスを理解してもらうことが重要です。そのため、ページ数は20ページ程度以内に収めるように意識してください。

Q3.銀行などの金融機関が事業計画書を確認するポイントは?

A.金融機関がおもに注目するポイントは「数字の根拠」「資金使途」「事業の差別化」の3点です。

事業の成果である損益は、借入金の返済原資になります。そのため、売上や利益について「なぜ、この数値が実現できるのか」という根拠は、厳しく確認されるポイントです。また、金融機関は融資した資金の使い道についても徹底して確認します。

事業計画書に記載した売上や利益の実現には、自社の商品やサービスが選ばれる理由、つまり事業の差別化要素を明確に伝えられるように記載しましょう。

Q4.自分だけで事業計画書を書くのが不安な場合はどうすればよいですか?

A.インターネットなどから入手できるテンプレートを使用して内容をまとめ、専門家に相談しながらブラッシュアップする方法が効果的です。

はじめて事業計画書を作成する際には、第三者が読みやすい記載方法や根拠を示すポイントが分からないなど、不安を抱える人もいるでしょう。

自治体などが運営する創業支援や中小企業の経営支援窓口では、専門家への無料相談が可能な場合があります。適宜、活用してください。

Q5.事業計画書を相手に伝わるように説明できるかが不安です

A.事業計画書を第三者に説明する際に、「うまく説明できずに悪い印象を与えてしまった」という声をしばしば耳にします。

その要因の一つとして、事業計画書を自分の言葉で作成していないことがあります。専門家などの力を借りて事業計画書を作成する場合、一般的なビジネス用語を用いてアドバイスしがちです。

しかし、事業計画の内容を説明するのは専門家ではありません。もし、ビジネス用語を使い慣れていなければ、普段ご自身が口にする言葉に置き換えてみるとよいかもしれません。自分の言葉で作成すると、急な質問の際にも説明しやすく、相手に伝わりやすくなります。

Q6.事業計画書の完成後にやることは?

A.事業計画書の完成後は、下記のように本格的に事業を開始する準備をスタートします。

  • 金融機関への資金調達相談
  • 店舗などの物件探し、契約
  • 店舗の内装工事の業者探し、内装工事の実施計画の作成、着手
  • 店舗の設備設置の業者探し、設備設置の実施計画の作成、着手
  • 仕入先の選定
  • スタッフの募集開始

店舗の設備には、厨房の調理機器、食器、客席、照明、レジなどがあります。

店舗経営の判断に役立つレジは、アプリ上で会計、売上、在庫などの管理を一元的に行える利便性の高いサービスを検討しましょう。

まとめ

  1. 事業計画書は、「事業に対する思い」「事業の進め方」「事業に関して結果が出る根拠」などを、自分自身が納得し、協力を得たい第三者に対して説明するための書類
  2. 事業計画書は、自分自身が説明できるようにまとめないと第三者を納得させることが難しくなる
  3. 事業計画書は、量ではなく中身が重要である
  4. 事業計画書は、読み手が読みやすいことを意識したまとめ方をすることが重要である

事業計画書は、事業を迷いなく進めるための“設計図”であり、思い描いた結果が生まれなかった場合に軌道修正を図る際の“羅針盤”です。

また、新たに事業を展開する際には、金融機関や取引先、従業員などからの理解を得る必要があります。そのため、事業計画書は客観的に精査された内容としながら、事業を推進する経営者や創業者が自らの言葉で伝えられる内容にまとめることがポイントです。

※この記事は公開時点、または更新時点の情報を元に作成しています。

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この記事を書いた人

顔写真:大庭 真一郎(おおば しんいちろう)

大庭 真一郎(おおば しんいちろう)経営コンサルタント・中小企業診断士・社会保険労務士

経営コンサルタント、中小企業診断士、社会保険労務士、大庭経営労務相談所代表。東京理科大学卒業後、民間企業勤務を経て、1995年4月大庭経営労務相談所を設立。「支援企業のペースで共に行動を」をモットーに、関西地区を中心として、企業に対する経営支援業務を展開。対応分野は経営全般、マーケティング、事業後継、人材開発、労務管理など。

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