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ネット予約システムとは?概要や機能について解説

三浦 高(みうら たかし)起業コンサルタント

予約システムは、これまで導入に多額の費用がかかっていました。しかし、多くの企業が参入し、今では基本システムを無料で提供している企業も増えていて、導入ハードルが低くなっています。
今回は、ネット予約システムの概要やメリット・デメリット、導入の際の注意点について解説します。

この記事の目次

ネット予約システムの概要

まずはネット予約システムの概要や機能について見ていきましょう。

ネット予約システムとは?

ネット予約とは、店舗の利用予約をネット上で24時間365日受け付け、クラウド上で予約状況を一元管理できるシステムのことです。ネット以外からの電話やファクスからの予約も合わせて管理できます。

基本的な機能

予約の空き状況はお客様だけでなく、店舗側もリアルタイムで確認できます。電話やファクス、来店しての予約にも、予約システムの一覧画面を出せば全体の予約状況が一目瞭然となります。また、予約情報と同時に顧客の電話番号やメールアドレスを入手することで、顧客情報を一元管理できます。

店舗とお客様が行う操作

お客様が行う操作は、予約日時を選ぶと同時に、名前や電話番号、メールアドレスなどを入力するだけです。事前にこれらの個人情報を登録したうえで、予約日時を選ぶ場合もあります。希望するサービスを選んだり、コメント欄に特別な要望を記入したりもできます。

店舗は導入時に初期設定を行わなければなりません。選択できるメニューや、予約できる時間枠の設定などが必要です。導入後は予約履歴の確認ができ、予約したお客様が新規顧客とリピート顧客のどちらなのかが分かります。メニューが変更になった場合、予約管理システムに反映させる必要があります。

どのような場合に導入を検討すべき?

ここでは、予約システムの導入を検討すべきケースについて解説します。

営業時間内に予約対応ができない

スタッフの人数が少なく、予約の電話対応が難しい場合です。オンラインで24時間受け付けるので、予約を受け付けられなかったことによる機会損失を防ぐことができます。顧客から見ても、自分の都合の良い時間に店舗を探し、予約できる点で利便性があります。

本店の近くに2号店を出店する

本店の近くに2号店を展開する場合では、それぞれのお客様をあらかじめ融通し合えます。予約システムがなければ店舗同士が電話で確認し合わなければなりませんが、予約システムがあれば両店舗の予約状況が一目瞭然になります。空いている店舗へスムーズに案内でき、お客様自身が予約システムで空いている店舗を選ぶこともできます。

メニューが豊富で在庫管理が難しい

メニューの種類が多く、在庫管理が難しい飲食店の場合、来店客を事前に把握できる予約システムは有効です。お客様が予約時にメニューを選べるシステムもあり、在庫管理の効率化につながります。

導入のメリット・デメリット

予約システムがうまく機能すれば、業務の効率化にも潜在顧客の獲得にもつながります。そのメリットは大きい一方、デメリットもいくつかあります。

店舗側のメリット

予約対応業務が大幅に削減されることが最も大きなメリットです。「予約の取りこぼし防止」や電話番号やメールアドレスなどの顧客情報の一元管理に加え、クーポンメールを配信するなどのメールアドレスを使った集客につなげることもできます。

お客様側のメリット

いつでもどこからでも予約できます。予約日時を選択する際、店舗の空き状況を確認して予約できます。また、多言語に対応しているシステムもあり、電話に比べ海外からのお客様が予約しやすくなります。

店舗側のデメリット

予約システム導入後も、従来の電話やファクスによる予約、来店しての予約がなくなるわけではありません。店舗内が忙しいときに電話や来店時の予約を受け付けた場合、システムへの入力作業が後回しになってしまいがちになります。ネット経由で同じ時間の予約を受け付けてしまうことで「ダブルブッキングになってしまった」ということも起こりえます。

また、システムの初期設定や、従業員がシステムを使いこなせるようになるための教育が手間になることもあります。

お客様側のデメリット

一番大きなデメリットは予約間違いです。予約システムを導入しても予約間違いが完全に防げるわけではありません。「予約したつもりだったのに、別の日付をクリックしており予約できていなかった」という場合もあります。ネット予約の操作に慣れていない方は、慣れるまで操作に手間取ることもあります。

導入する際の注意点

予約システムは、提供する会社によってサービスの内容も無料サービスの範囲も違います。自分の店舗に合った予約システムを導入し、適切に運営していくための注意点を見ていきます。

導入前に必要な機能は何か精査する

まずは無料サービスの範囲、そして有料サービスのプラン内容のチェックです。導入したい機能をきちんと精査したうえで、各予約システムをチェックし、「その機能が無料で使えるのか、有料なのか」を見比べる必要があります。

自分の店舗に必要な機能は何なのか精査することも必要です。機能が豊富なものは魅力的に見えますが、それだけ操作方法を多く覚えなければならず、コストもかかります。例えば、基本的な「予約管理」の機能を使うだけでよい場合は低コストで済みますが、「予約をリマインドしたい」「予約時にアンケートを取りたい」と求める機能が増えれば、それだけコストもかさみます。本当に必要な機能だけを選んで導入するようにしましょう。

メニュー説明はお客様が分かりやすくなるよう設定する

初期設定ではメニュー名とメニューの説明を設定します。お客様が分かりやすい説明は何か考えましょう。分かりにくい説明だと、お客様が離れてしまいかねません。また、業務効率化を図ってシステムを導入しても、「お客様が使ってくれず、電話や来店での予約数が変わらない」となれば、導入した意味がなくなってしまいます。

導入したことをお客様に告知する

店舗のホームページがある場合は、予約システムを導入したことを告知しましょう。また、店内に予約システムについての告知を置いておくのも効果的です。お客様の待ち時間に予約システムを始めたことを伝えるのもよいでしょう。

導入すべき業態・業種

ここでは、受付システムを導入するべき業態・業種をいくつかご紹介します。

飲食店

飲食店は予約システムが最も浸透している業態だといえます。予約システムが浸透してきたことで、ネット予約ができない店を敬遠するお客様もいる可能性があります。また、システムを導入することは、ネット上に詳しい店舗の情報を掲載することにもなり、潜在顧客の獲得につながります。

美容室・美容院

美容室・美容院などのサロンも予約システムが浸透しています。予約システムで割引メニューを提供しているサロンも多いので、お客様も予約サイトのあるサロンに流れがちです。今までと同じような顧客対応では、リピート顧客も離れてしまうかもしれません。

クリニック

クリニックも予約システムが浸透し始めています。予約やキャンセル、問い合わせ対応の時間が減るだけでなく、来院目的を入力してもらうことで、来院時の案内をスムーズに行えます。

来店相談業務を行う店舗

分譲マンションや保険の相談といった、お客様とじっくり向き合うような業態も導入に向いています。相談内容をメニューとして用意しておき、来店者に事前に選んでもらうことで、ある程度の準備ができた状態で相談に向き合えます。来店者の情報も予約時に取得でき、システム上で管理できるので、次回の相談時に生かせるでしょう。

まとめ

  • 予約システムは予約情報を一元管理できるだけでなく顧客管理のテータベースも作れる
  • 「営業時間内に予約対応できない」「在庫管理が難しい」などのケースは導入を考えるべき
  • 予約対応業務が削減できるが運用がうまくいかなければ予約のダブルブッキングが起こりうる
  • 店舗の実情に合わせて必要な機能を選ぶ
  • 「飲食店」「サロン」「クリニック」「来店相談業務を行う店舗」は導入に向いている

ネット予約は店舗側にもお客様にも様々なメリット、デメリットがあります。うまく運用できれば業務の効率化や顧客満足度も向上できます。自分の店舗が導入に向いているのかどうか、一度検討してみると良いでしょう。

※この記事は公開時点、または更新時点の情報を元に作成しています。

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この記事を書いた人

Airレジ マガジン編集部

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三浦 高(みうら たかし)起業コンサルタント

三浦 高(みうら たかし)起業コンサルタント(R)

起業コンサルタント(R)、中小企業診断士、1級販売士。V-Spirits経営戦略研究所株式会社代表取締役。これまで創業補助金検査員・審査員を従事。V-Spiritsでは資金調達担当としてクライアントの補助金や融資の獲得を支援している。各種補助金累計獲得件数は250件を超える。http://v-spirits.com/