年末調整に関係する期限は4種類!あっという間に終わらせる年末調整の秘密
中野 裕哲(なかの ひろあき)起業コンサルタント(R)
年末調整を行うためには、集める書類や計算しなければならない項目がたくさんあります。何から手をつければいいのかわからず、モチベーションが落ちてしまう人もいると思います。しかし期限を目安にすれば、複数の工程を分割することができるためスムーズに作業することができます。年末調整に関する期限の種類や設定方法を解説していきます。年末調整に関する期限を理解すれば、誰でもあっという間に正しく計算することができます。
この記事の目次
年末調整の実施期限は?
年末調整の実施期限はその年最後の給与や賞与の計算をする時期が原則です。年末調整の実施期限は書類の提出期限などと異なり経営者自身が年末調整の作業を確実に終わらせなければならない期限です。年末調整で還付金がある場合はその年最後の給与や賞与で一緒に振込めば、還付金だけ振込む手間を省くことができます。
たとえば月末締め翌月25日払いで給与を支払っている場合は11月末日を過ぎてから12月の給与計算を行います。12月の給与計算と同じタイミングで年末調整の計算を行うとスムーズに作業することができます。また月末締め翌月10日払いの場合は12月10日が給与支給日となり、賞与支給日が12月25日だった場合は賞与がその年最後に支給するものとなります。この場合は賞与を計算するタイミングで年末調整の計算を行うことになります。
年末調整に必要な書類の提出期限は?
年末調整の計算を行うために従業員から提出してもらう書類の提出期限は店舗や企業で自由に設定することができます。従業員全員の年末調整を確実に実施するためには経営者の作業時間を確保しなければなりません。そのため提出期限を設定することがスムーズに作業をするための重要なポイントとなります。
提出期限はいつにすればいい?
従業員が10人の店舗と3,000人の大企業では計算する人数も異なります。そのため従業員数の多い大企業は提出期限が早めになる傾向があります。従業員数の少ない店舗であれば12月の給与計算をする時期までに提出してもらえばOKということになります。
しかし12月の給与計算を12月5日に行うと決めた場合、書類の提出期限を12月5日にするのは危険です。なぜなら書類に不備があった場合は従業員に訂正してもらわなければならないからです。実際の作業日の数日~1週間前を目安に前倒しで設定すれば、余裕をもって作業することができるでしょう。
提出期限を過ぎてしまった従業員はどうすればいい?
保険料の証明書など提出期限に間に合わなくても翌年1月31日までに提出してもらえればOKです。どうしても提出期限を過ぎてしまう従業員がいる場合は必ず1月31日までに提出してもらうようにしましょう。1月31日を過ぎてしまうと従業員が自分で確定申告する必要があることも合わせて告知するようにします。
年末調整に必要な書類や計算はこちらの記事を参考にしてみてください。
年末調整の最終期限は?
年末調整の最終期限は翌年1月末日までとなっています。年末調整をしたあとに発行する源泉徴収票を翌年の1月末日までに従業員に渡さなければなりません。そのため源泉徴収票を手渡す前であれば、再調整としてやり直しをすることができます。たとえば年末調整後にやり直しをしなければならない場面は下記のようなことが考えられます。
- 年末調整をした後に電撃結婚をした場合
- 年末調整をした後に電撃離婚をした場合
- 年末調整をした後に妻の給与収入が103万円を超えることが判明した場合
年末調整で使用した書類の保存期限は?
年末調整で使用した書類は翌年1/10の翌日から7年間が保存期限となっています。具体的には下記の書類が当てはまります。
- 給与所得者の扶養控除等申告書
- 給与所得者の保険料控除申告書
- 給与所得者の配偶者特別控除申告書
たとえば平成28年分(2016年分)の年末調整をするために使用した上記の書類は平成36年1月10日が保存期限となります。保存期間中に税務署長から提出を求められた場合は応じる必要があるため、すぐに提出できるようにきちんと整理しておくようにしましょう。
まとめ
年末調整に関する期限は下記の4種類です
- 年末調整の実施期限はその年最後の給与や賞与の計算をする時期が原則
- 年末調整に必要な書類の提出期限は店舗や企業で自由に設定することができる
- 年末調整の最終期限は翌年1月末日まで
- 年末調整で使用した書類の保存期限は翌年1月10日の翌日から7年間
年末調整は期限で工程を区切ることによってあっという間に終わらせることができます。提出期限を過ぎてしまった従業員がいても適切な対処方法を説明し、従業員の所得税を正しく計算することができます。
※この記事は公開時点、または更新時点の情報を元に作成しています。
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この記事を書いた人
Airレジ マガジン編集部
自分らしいお店づくりを応援する情報サイト、「Airレジ マガジン」の編集部。お店を開業したい方や経営している方向けに、開業に向けての情報や業務課題の解決のヒントとなるような記事を掲載しています。
中野 裕哲(なかの ひろあき)起業コンサルタント(R)
起業コンサルタント(R)、税理士、特定社労士、行政書士、CFP(R)。起業コンサルV-Spiritsグループ/税理士法人V-Spirits代表。年間約200件の起業相談を無料で受託し、起業家をまるごと支援。起業支援サイト 「DREAM GATE」で6年連続相談数日本一。「一日も早く 起業したい人が『やっておくべきこと・知っておくべきこと』」など、起業・経営関連の著書・監修書多数。http://v-spirits.com/