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登記簿謄本や登記事項証明書のオンライン申請方法とメリットや注意点

中野 裕哲(なかの ひろあき)起業コンサルタント(R)

店舗経営者は、慣れない登記や税金に関する手続きもしなければなりません。「忙しくて時間が足りない」「もっと時間を有効に使えたらいいのに」と感じている経営者が多いと思います。そんな忙しい経営者を助けてくれるのが『登記・供託オンライン申請システム』です。自宅や事務所から登記や証明書の交付請求できるので、時間を有効に使うことができます。それでは『登記・供託オンライン申請システム』の内容を見ていきましょう。

この記事の目次

登記簿謄本や登記事項証明書とは

登記事項証明書や登記簿謄本とは、商号や本店所在地、役員の氏名など、会社の基本的情報が載っている書類のことです。特に電子化されたあとの登記簿謄本のことを登記事項証明書と呼んでいます。銀行口座の開設や、不動産契約など、さまざまな場面で必要になります。
登記事項証明書には以下の4種類あります。

  1. 履歴事項証明書
    変更履歴を含めて、最も多くの情報が載っている登記事項証明書です。
    登記事項証明書と言われたら、とりあえず履歴事項証明書を取得すればよいでしょう。
  2. 現在事項証明書
    変更があれば変更後の現在有効な情報が載っている登記事項証明書です。
    変更の履歴は載りません。
  3. 閉鎖事項証明書
    清算や本店移転などで閉鎖された登記事項証明書です。
  4. 代表者事項証明書
    会社の代表者を証明するための登記事項証明書です。

さらに、代表者事項証明書以外は、すべての事項を証明する全部事項証明書と、役員や資本金といった一部の事項だけを証明する一部事項証明書に分かれます。

登記簿謄本や登記事項証明書の申請方法

登記事項証明書などの受け取り方法は、法務局の窓口で受け取る方法とオンラインで受け取る方法、申請書を郵送して返送してもらう方法があります。

  1. 窓口で受け取る方法
    法務局備え付けの申請書に記入することで、全国どこの法務局でも登記事項証明書を即日発行してもらえます。ただし、閉鎖された登記事項証明書や登記簿謄本については、閉鎖した法務局でしか入手できませんので、注意しましょう。
  2. 郵送で受け取る方法
    法務局のホームページから申請書をダウンロードして、所定の事項を記入して印紙を貼り付けます。あとは返信用封筒を入れて法務局に郵送すれば、数日で登記事項証明書が郵送されてきます。
  3. オンラインで受け取る方法
    いかに述べるオンライン申請システムを利用して登記事項証明書を入手する方法です。電子化される前の古い登記簿については利用できませんが、利用方法さえ覚えれば非常に手軽に登記事項証明書を取得することができます。

登記・供託オンライン申請システムとは?

登記・供託オンライン申請システムとは登記と供託に関する手続きをネットで行うシステムです。事務所や自宅からオンラインで手続きすることができるのでわざわざ登記所や法務局に出向かなくて済みます。登記所や法務局に行かなくても手続きできるということは下記のようなメリットがあります。

  • 法務局までの往復交通費を節約することができる
  • 法務局と事務所の往復にかかる時間を有効に活用することができる
  • 混雑している窓口で待たなくて済む

さらに手数料が安く済むのが登記・供託オンライン申請システムの特徴です。たとえば窓口で登記時効証明書を交付請求する場合は600円の手数料がかかります。しかし登記・供託オンライン申請システムを利用すると下記のように手数料が割引きされます。

  • オンラインで請求し郵送で受け取ると480円
  • オンラインで請求し窓口で受け取ると500円

登記・供託オンライン申請システムは下記の2つで構成されています。

  1. 登記手続きができる登記ねっと
  2. 供託手続きができる供託ねっと

登記簿謄本や登記事項証明書のオンライン申請方法

登記事項証明書などのオンライン申請には、利用者登録などの手続きが必要です。インターネットのサイトからログインして申請するため、ソフトウェアのダウンロードは不要です。実際の利用方法については法務局のサイトで詳しく載っていますので、そちらを参考にしましょう。

https://www.touki-kyoutaku-online.moj.go.jp/flow/kantan/gaiyo.html

発行のための手数料は前払いとなっています。ネットバンキングやATMのペイジーというメニューから手数料を納付すれば、その日(納付の時間によっては翌日)に法務局から指定の住所に登記事項証明書が郵送されるということになります。

登記事項証明書のオンライン申請のメリットと注意点

登記事項証明書をオンラインで請求すれば、法務局まで取りに行かなくてもオフィスや自宅から請求することが可能です。取りに行く時間がない人にとっては、非常に便利なシステムです。また、窓口で取得する場合に比べて、100円だけ手数料が安くなっています。
ただし、登記事項証明書は郵送で送られてくるため、入手までどうしても1日以上かかります。どうしてもその日に必要という場合は、法務局まで取りに行く必要があります。

登記ねっとで出来ることは

登記ねっとでは登記手続き登記事項証明書の交付請求の2つを行うことができます。

登記手続きできる種類

  • 不動産登記
  • 商業/法人登記
  • 動産譲渡登記
  • 債権譲渡登記
  • 成年後見登記
  • 電子公証手続

実際に使用するためには申請用総合ソフトのインストールや電子証明書を用意する必要があります。

登記事項証明書の交付請求ができる種類

  • 不動産登記
  • 商業/法人登記
  • 動産譲渡登記
  • 債権譲渡登記

証明書の交付請求をするだけであればかんたん証明書請求で申請用総合ソフトのインストールや電子署名は不要です。申請者IDさえ作成すれば各ステップにしたがって請求処理をかんたんに行うことができます。登記事項証明書がどのようなものなのかはこちらの記事でご確認ください。

供託ねっとで出来ることは

供託ねっとでは供託手続きをオンラインで行うことができます。供託とはその人の支払いたいという意思を実現するための行為です。普段何気なく代金を支払っていますがそれは相手が受け取ってくれるという前提条件があるからです。相手が受け取ってくれなければ代金を支払うという行為は突然できなくなってしまいます。相手が受け取ってくれないという状況は以下のような事例があります。

    • 地主さんとトラブルがあり地賃を受け取ってもらえない場合
    • 家主さんが行方不明で家賃を受け取ってもらうことができない場合

受け取ってもらえないからといって支払わなくて済むということにはなりません。 供託という支払い方法を選択することによってその人の義務を果たすことができるのです。 また複数の相続人から家賃の支払いを請求されて誰に支払ったらよいのかわからない場合なども供託の方法で支払うことができます。

ちなみに会いたくないからなどの理由で供託をすることはできません。こういう場合は供託することができるというようにあらかじめ法律で定められているときにだけ供託が認められているからです。

まとめ

登記・供託オンライン申請システムに関するポイントをまとめましょう。

  • 登記事項証明書は、窓口、郵送、オンラインの3種類の取得方法がある
  • 登記・供託オンライン申請システムを使えば時間とお金を有効に活用することができる
  • 登記ねっとは【登記手続き】と【登記事項証明書の交付請求】ができる
  • 供託ねっとは【供託手続きをオンラインで行う】ことができる

登記・供託オンライン申請システムを使用すれば忙しい経営者の時間を有効活用することができます。

※この記事は公開時点、または更新時点の情報を元に作成しています。

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この記事を書いた人

Airレジ マガジン編集部

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中野 裕哲(なかの ひろあき)氏

中野 裕哲(なかの ひろあき)起業コンサルタント(R)

起業コンサルタント(R)、税理士、特定社労士、行政書士、CFP(R)。起業コンサルV-Spiritsグループ/税理士法人V-Spirits代表。年間約200件の起業相談を無料で受託し、起業家をまるごと支援。起業支援サイト 「DREAM GATE」で6年連続相談数日本一。「一日も早く 起業したい人が『やっておくべきこと・知っておくべきこと』」など、起業・経営関連の著書・監修書多数。http://v-spirits.com/