飲食店の在庫管理!シェルフライフとホールディングタイムとは?
中野 裕哲(なかの ひろあき)起業コンサルタント(R)
飲食店の在庫管理はルールが多すぎて、徹底するのが大変だという経営者の方の声も多く聞かれます。食品を扱う飲食店だからこそ、在庫管理では様々なルールを守る必要がありますが、基本的なルールを守ることでシンプルに在庫管理をすることが可能です。飲食店の在庫管理のポイントを知ることで、過剰な発注をしたり食材を無駄にしたりすることなく、また食品事故や食中毒が起きないように対策することもできます。
この記事の目次
飲食店の在庫管理の大原則とは?
食中毒や食品事故を未然に防ぐため、飲食店の在庫管理の大原則は保管のルールを徹底することです。特に気をつけるべきポイントは下記の二つです。
- 食材、半製品及び製品を区分けして保管する必要がある
- 基本はすべてに「日付」を書くこと
食材、半製品および製品を区分けして保管するのは、できあがった製品と食材が接触し、肉や魚介類をはじめとする食材のドリップなどが付着しないようにするためです。清潔なバットやふた付き容器、ビニール袋などを活用し、食材と半製品、製品がそれぞれ接触しないように管理しましょう。
また食品管理では納入日、解凍日、開封日、賞味(消費)期限、使用期限などを表にし、日付を記載するルールを徹底しましょう。
飲食店の在庫管理に肝心のシェルフライフとホールディングタイムとは?
シェルフライフとは主に原料の消費期限のことを言い、ホールディングタイムとは半製品や製品の賞味期限のことを言います。
シェルフライフはこれ以上経過したものは人体に悪影響を与えかねない期限のことで、一方のホールディングタイムは規定期間を過ぎると品質の変質や美味しさの低下を招く、品質保持可能期間のことです。
飲食店の在庫管理を行う際は食材、半製品、製品を分けた上で、それぞれのシェルフライフとホールディングタイムを把握して管理することが大切です。
シェルフライフとホールディングタイムの管理法とは
シェルフライフとホールディングタイムの管理法としておすすめなのが、在庫管理の帳簿を作る方法です。それぞれの原料や半製品、製品ごとに、在庫管理の帳簿へ下記の項目を記入します。
- 仕入日
- シェルフライフもしくはホールディングタイム
- 仕入量
- 残量(1日の終わりや新しい原料を開封した日など、決められたタイミングで確認)
- 残量を確認した担当者
在庫管理の帳簿に基づいて、シェルフライフやホールディングタイムを過ぎた食品は速やかに廃棄しましょう。
食材を入荷する際に気をつけるべきことは?
食材を入荷する際は責任者が立ち会い、専用の検品場所で行うように気をつけましょう。
食品を扱う飲食店である限り、食品の品質管理や異物の混入については細心の注意を払う必要があります。責任の所在を明らかにするためにも、検品や入荷時にはアルバイトなどではなく店舗の責任者が立ち会い、食材の品質や鮮度、異物の混入等がないか最終確認しましょう。
また配送用の段ボールには流通段階で汚れや細菌が付着している可能性があるため、検品する際は調理台の上ではなく専用の検品場所で行うようにしましょう。事前に検品場所を決めておき、担当者が異なる場合でも常に同じ場所で検品することが大切です。
飲食店の棚卸でおさえておくべきポイントとは?
飲食店の棚卸でおさえておくべきポイントは下記の4点です。
- 誰でも同じように棚卸できるよう、在庫の保管場所を決定して共有し、棚卸表を使って管理する
- 先に入荷したものは先に使用する先出先入法を意識し、新しく入荷したものを奥に保管する
- 正確性を担保するため、2人以上の担当者によるダブルチェックを行う
- 最低でも月に1回は行い、使用頻度が高い在庫は棚卸の頻度も多くする
そもそも棚卸とは、厨房や倉庫内に管理している食材や半製品、製品の在庫高を確認し、その品質に問題がないか確認することです。
棚卸は実際に目で見て品質に劣化がないかをチェックするとともに、在庫の実数を管理するためにあり、飲食店において非常に大切です。上記のポイントを守って棚卸を行うようにしましょう。
まとめ
飲食店の在庫管理の基本として、おさえておくべきポイントは下記の4つです。
- 食材、半製品及び製品を区分けして保管し、すべてに日付を書く
- それぞれの在庫のシェルフライフとホールディングタイムを把握し、それに基づいて管理する
- 食材を入荷する際は責任者が立ち会い、専用の場所で検品する
- 棚卸をする際は棚卸表を使い、ダブルチェックなどのルールを徹底する
これらを徹底することで適切な在庫管理ができるようになり、食材を無駄にすることや食品事故、食中毒を防ぐことにも役立つでしょう。
※この記事は公開時点、または更新時点の情報を元に作成しています。
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この記事を書いた人
Airレジ マガジン編集部
自分らしいお店づくりを応援する情報サイト、「Airレジ マガジン」の編集部。お店を開業したい方や経営している方向けに、開業に向けての情報や業務課題の解決のヒントとなるような記事を掲載しています。
中野 裕哲(なかの ひろあき)起業コンサルタント(R)
起業コンサルタント(R)、税理士、特定社労士、行政書士、CFP(R)。起業コンサルV-Spiritsグループ/税理士法人V-Spirits代表。年間約200件の起業相談を無料で受託し、起業家をまるごと支援。起業支援サイト 「DREAM GATE」で6年連続相談数日本一。「一日も早く 起業したい人が『やっておくべきこと・知っておくべきこと』」など、起業・経営関連の著書・監修書多数。http://v-spirits.com/