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飲食業の離職率はコントロールできる 離職率を下げるための対策とは

中野 裕哲(なかの ひろあき)起業コンサルタント(R)

従業員がすぐに辞めてしまう理由がわからず、お悩みではありませんか? 合計で何人辞めたではなく、一定期間に何人辞めたか離職率として数字を出すことで、現状を知ることからはじめてみましょう。あらかじめ設定した離職率を目指すために何をすべきかを考え、それに向けた取り組みを行うことができます。人手不足の解消にもつながる離職率のコントロールについてみていきます。

この記事の目次

離職率とは?

離職率とは、一定の期間にどのくらいの人数が退職したかを数値化したものです。正社員やアルバイトごとに算出することで、雇用形態別の離職率を求めることができます。

離職率を求める計算式

離職率を求める計算式は以下の通りです。

任意の日から一定期間における退職した人数)÷(任意の日に在籍していた人数)×100

ここで注意してほしいのが、算出期間中に採用した人を含めると正しい離職率が求められなくなるため、考慮しないということです。飲食業で重要な戦力にあたるアルバイトは学業と併用していることが多く、正しい離職率が求めにくいため、基本業務習得までに必要な期間を例えば3ヵ月と決め、その期間をもとに離職率を求める方法もあります。

飲食業界における離職率

平成25年3月新規大学卒業者の3年後の離職率が厚生労働省から発表されました。

厚生労働省:新規学卒者の離職状況

全体の離職率は31.9%になっている一方で、産業別における宿泊業・飲食サービスの離職率は50.5%と、いかに飲食業の離職率が高いか知ることができます。

離職率に関係する要因とは?

飲食業の離職率が高い要因は勤務体系や人間関係などが挙げられます。どのような要因が考えられるのでしょうか。

負担になる勤務体系

飲食店は土・日・祝日に多くのお客様が来店するため、世間一般の休日に休みが取りにくいです。会社員の友人との予定が合わない、週末のイベントに参加できないなど、我慢する場面が多くなります。同僚が急な休みを取った時には、別の従業員の補充は難しく、人員不足のまま働かなければなりません。ピーク時以外にもお客様が引かない場合は、そのまま延長勤務になることもあり、気が付くと長時間労働していたということも少なくありません。曜日の制約、仕事のしわ寄せ、長時間労働などを負担に感じて辞めてしまう人が多いのです。

従業員同士のコミュニケーション不足

多くの飲食店では、正社員よりもアルバイトやパートの方が多いのではないでしょうか。それぞれがシフト制で働いているため、顔を合わせることが少なくコミュニケーションがとりにくくなります。夜の清掃が不十分なことにより、朝の仕事が増えることがあり、要望を伝えることもできずに負担と仕事に対する不満が増えるということもあります。

やりがいにつながりにくい

飲食店の仕事はルーチンワークになることが多く、賃金も上がりにくいのが現状です。評価体制もしっかりしておらず、やりがいを感じることが少なくなり、将来の不安から離職へとつながります。

離職率はコントロールできる?

離職率はコントロールでる部分もあります。働きやすくやりがいを感じられる職場を作ることで、従業員の満足度が上がり、最終的には離職率の低下にもつながるのです。どのような取り組みが必要になるのか詳しく紹介します。

休日の希望に応える

平日に休みたい人もいれば、休日に休みを取りたい人もいます。休みを取りたいという従業員の気持ちを汲み取ったシフトを組み、しっかりと休める職場を作ることも大切なのです。人員不足のため休みの日を減らしてまで出勤させることなく、余裕を持った人材管理も重要なポイントになります。

評価制度を導入する

モチベーションアップは仕事ぶりも変わり、顧客満足度につながります。まずは従業員満足度を優先して、頑張った分だけ評価する制度を導入してはどうでしょうか。従業員からの仕事における改善点の提案、店内デコレーションのアイデアなど、従業員の視点ならではの発見を評価し、給与へと反映させる制度の導入も有効です。お店の一員として必要とされていると思ってもらうことも、離職率を下げるための取り組みの一つになります。

従業員が働きやすい環境を作るために、こちらもご覧ください。

接客のストレスは意外と大きい? 従業員が働きやすいお店づくりのために

まとめ

離職率をコントロールするために必要なポイントは以下の通りです。

  • 離職の要因とされる勤務日数、勤務時間、人間関係、賃金などを理解する
  • 勤務体系や人間関係において従業員にストレスを感じさせない取り組みが、働きやすい職場になる
  • 従業員に対する評価を給与へ反映させることで、従業員満足度がアップし、離職率の低下につながる

離職率として数値で見ることで、取り組みがどの程度の効果を上げられているか判断することができます。離職率をコントロールし、人手不足に陥らないお店づくりも必要になります。

※この記事は公開時点、または更新時点の情報を元に作成しています。

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この記事を書いた人

Airレジ マガジン編集部

Airレジ マガジン編集部

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この執筆者の記事一覧
中野 裕哲(なかの ひろあき)氏

中野 裕哲(なかの ひろあき)起業コンサルタント(R)

起業コンサルタント(R)、税理士、特定社労士、行政書士、CFP(R)。起業コンサルV-Spiritsグループ/税理士法人V-Spirits代表。年間約200件の起業相談を無料で受託し、起業家をまるごと支援。起業支援サイト 「DREAM GATE」で6年連続相談数日本一。「一日も早く 起業したい人が『やっておくべきこと・知っておくべきこと』」など、起業・経営関連の著書・監修書多数。http://v-spirits.com/