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お店開業の手順とお金の流れをプロフェッショナルに学ぶ!――「Airレジ カンファレンス 2016」レポートvol.5

荒木 孝一(あらき こういち)ライター

Airシリーズの導入店舗を取材していただいたエースラッシュ・荒木様に、Airレジ カンファレンス2016を来場者の方に代わってレポートしていただきました(Airレジ マガジン編集部)

この記事の目次

去る2016年12月12日、東京国際フォーラムにおいて店舗経営者・従業員や店舗開業を検討している方向けのイベント「Airレジ カンファレンス 2016」が開催されました。当日は、各業界の有識者を招いた多彩なセッション、さらには「Airレジ」を中心とした各種サービスが“見て、試して、相談できる”タッチ&トライコーナー、Airシリーズが体験できる1日限定ストアなどがオープン。いずれも来場者の関心を集めていました。今回はその中から、ビズシード 代表取締役社長 大久保幸世氏による講演「~創業のプロが教える~はじめてお店を開く人のための開業の流れとお金の講座」の内容をご紹介します。

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お店を開業するにあたって重要な3ステップ

ビズシードは、日本で会社を創業した際に必ず送られてくる無料ガイドブック「創業手帳」や飲食店版「飲食店開業手帳」の発行、創業相談サービスなどを展開している企業です。問い合わせは月間1500社、創業相談は月120件におよび、累計にすると1000件以上。また、全国各地を対象とした累計500件のセミナー、著名起業家飲食店への多数インタビューなども行っています。


大久保氏は「税金や資金調達などを創業当初から熟知している方は少ないと思います。そうした内容を1冊にまとめて無料配布しているのが創業手帳です。飲食店開業手帳は飲食店をメインターゲットとしていますが、小売店でも開業のガイドブックとしてご活用いただけます。今回はこちらの飲食店開業手帳をテキストとして、開業の流れとお金に関する解説をしていきましょう」と、講演をスタートしました。

まず最初に紹介したのが、お店を開業するにあたって重要な3ステップ「コンセプト設計」→「必要資金算出」→「資金調達」です。

1.コンセプト設計

コンセプト設計では、「誰に/なにを/なんのために/いつ/どこで/どのように/いくらで」という7つの要素チェック項目をしっかりと押さえられるかがポイントです。


大久保氏は「コンセプトが明確になっていないと資金調達に苦労することがあります」と語り、ここから会場内にいる隣の参加者同士で、どのようなお店にしたいのか話し合う1分間ワークショップタイムを実施。早期退職後に今年の4月からカフェを開店予定の方など、数名の参加者にその内容を発表してもらいました。

コンセプト設計における7つの要素チェック項目

  • 誰に ・・・ 顧客層
  • 何を ・・・ ジャンル(お店のウリは)
  • なんのために ・・・ お客様の目的(非日常的か日常か)
  • いつ ・・・ 営業時間(食事時・深夜・24時間・平日など)
  • どこで ・・・ 場所・立地
  • どのように ・・・ 提供方法
  • いくら ・・・ 価格等

 

2.必要資金算出

コンセプト設計が完了したら、次に行うのが開業に必要な資金の算出です。開業に必要な資金は「立地/広さ/過去の内装や設備が残っている“居抜き物件”かゼロから内装工事を行う“スケルトン物件”か/内装・設備・厨房造作/設計料金/給与・オーナーの生活費/採用/販売促進/不動産関係」に分けて考えることができます。

  • 資金 ・・・ 開店に必要な資金
  • 立地 ・・・ 売上・家賃に大きく影響する
  • 広さ ・・・ 売上・家賃に大きく影響する。郊外型の場合は駐車場のスペースの費用も考慮する
  • 居抜き物件かスケルトン物件か ・・・ 内装費用に影響する。居抜き物件の方が安く抑えられる
  • 内装・設備・厨房造作 ・・・ 居抜きの場合は低めに抑えられる
  • 設計料金 ・・・ 設計料も必要になる
  • 給与・オーナーの生活費 ・・・ 当然ながらオーナーの生活費も考慮に入れる必要がある
  • 採用 ・・・ アルバイト採用のための求人費用を考慮に入れる必要がある
  • 販売促進 ・・・ 開店後の販促費を考慮に入れる必要がある
  • 不動産関係 ・・・ 仲介手数料(1か月分程度)、保証金(数ヶ月~都心では10ヶ月というケースも)、開店までの家賃

 

ここで大久保氏は「資金算出の中でも、特に立地に関してのポイントは、まず自分の足で積極的に情報収集することです。客層は昼夜や平日と週末で異なるため時間帯・曜日を変えたり、あるいは幹線道路や駅からの動線ごとに分けて変化を見るのも良いでしょう。また、商工会議所や公的機関に聞くというのもお勧めといえます。こちらは客観的な情報が得られやすい上に、開店情報や流行りやすいものなどを把握するのにも大変便利です。ちなみに、早めに情報収集した方が良い情報ベスト3は『立地/不動産関係/内装』ですね。これにより、良い物件に巡り会える確率が上がったり、金額やサービス内容を定型化しづらい内装について複数業者への相見積りに余裕が出る、といったメリットが生まれます」と解説します。

3.資金調達

算出を終えたら、最後に行うのが資金調達です。大久保氏は「自己資金はもちろん、最近ではクラウドファンディングで集めるような方法もありますが、一般的には公的融資が大きなウエイトを占めているので、今回はこの公的融資に絞って解説していきます」と語ります。


公的融資の中でも皆さんが一番関係する確率が高いのが、市や区などの自治体が主導となり、金融機関(地銀信金信組)および保証協会と組んで行っている「制度融資」、そして国の銀行が実施している「日本政策金融公庫」です。日本政策金融公庫は、ひとつの金融機関で済むため比較的簡潔で、創業直後だけでなく創業前に事業計画書が上手く書けないといった方でも申し込めますので、まずは書式を取り寄せてみると良いでしょう。こうした公的融資の場合、無担保保証で低金利というケースが多いので、ぜひ活用してみてください。

また、大久保氏は「専門家の力を借りることも重要です」と語ります。
開業直後は特に忙しくなり、経理がおろそかになるケースは多いものです。しかし、資金を調達する上では必要最低限の経理が求められ、専任で担当者を雇えばそれだけコストがかかってしまいます。そうした際、税理士を雇えば経理周りをしっかりとサポートしてくれるため余裕が生まれますし、資金調達に必要な事業計画書の作成も支援してもらえるのも大きなメリットです。
「皆さんは創業後、お店のプロフェッショナルとなっていきますが、決して資金調達のプロフェッショナルではありません。専門外の部分を税理士に任せることで、自分が求める道をまっすぐ進めるようになるわけです」(大久保氏)

公的融資を活用するための3つのポイント

お店を開業するにあたって重要な3ステップに続き、大久保氏は、公的融資を活用するために必要な3つのポイント「自己資金」「物件」「事業計画」についても解説しました。


まず自己資金は、金融機関において本気度を示す尺度として捉えることもあります。そこで必要資金の3割程度の額は自己資金を確保し、それを貯める間に他の準備を整える、といった進め方をすると良いでしょう。
物件に関しては、決まっていないと融資が受けられない、創業において極めて大切な要素です。コストの中でもかなりの比率を占めるため、物件が未決のせいで進行が止まってしまう、といった事態に陥らないよう注意してください。
融資はあくまでも返済が前提条件なので、融資を受ける際の事業計画は非常に重要な材料です。こちらもほかの要素と並行して、抜けがないように進めましょう。

開業後の資金繰りに余裕を持つ

さらに大久保氏は、開業後の資金繰りについても解説しました。

 

「お金に余裕を持ってお店経営を続けていくには、開業後の資金繰りが非常に大事です。『資金調達ができる時は資金調達が要らない時、資金調達ができない時は資金調達が要る時』という言葉もある通り、必要になってから動いても手遅れです。資金に余裕を生むべく、できるだけ早めに動くよう心がけてください。特に最近は、昔と違って創業者への対応が手厚になっている傾向が強いため、1年目から積極的に動くことをお勧めします」と語ります。

また、資金に余裕を持たせる上で、下記のようなアドバイスも行いました。

ポイントを活用する

ポイントシステムの導入だけでなく、紙によるポイントカードの発行でも構いません。実際にはポイントを発行しても約半数は使われませんし、お店はリピーターをどれだけ作れるかによって利益が変わってくるため、そうした意味でも重要です。

出費は後払いに

さまざまなコストについて、最初は現金払いが多いものですが、1回目の取引が終わった後がかけ払いへ移行するチャンスです。後払いの交渉を積極的に行いましょう。

決済手段を増やす

クレジットカードなど決済手段の選択肢が少ないお店は、自分が利用する際も信頼度の面がどうしても低く見えてしまいがちです。また、クレジットカード決済を導入すると売上が上がるという統計的な要因もあるので、積極的に導入しましょう。導入コストが高い、資金サイクルが遅くなる、といったデメリットを感じる方もいますが、たとえばリクルートが提供しているAirペイは低コストかつ資金サイクルも早いのでぜひお勧めです。

最後に大久保氏は「お店を作る上で、多くの方は資金調達からスタートしがちです。ぜひ今回ご紹介した『コンセプト設計→必要資金算出→資金調達』という流れで、理想的な開業の準備を進めていってください」と語り、講演を締めくくりました。

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※この記事は公開時点の情報を元に作成しています。

この記事を書いた人

荒木 孝一(あらき こういち)ライター

1976年生まれ、埼玉県出身。ブラシレスモータの製造会社で設計に携わった後、2004年よりライターに転身。現在はライティングプロダクション「エースラッシュ」に所属し、インタビュー/製品紹介・レビュー/セミナーレポート/導入事例などIT系の記事を中心に幅広いジャンルで執筆活動中。

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