【接客マナーの基本】接客応対と対応の違いやホスピタリティのある接客を解説
中野 裕哲(なかの ひろあき)起業コンサルタント(R)
接客マナーには基本的な考え方があるのをご存じですか? 接客応対の基本を見落としてテクニックだけで接客しても、本当の意味でお客様を満足させることはできません。今回は接客応対の基本を改めて確認し、ホスピタリティとは何かというところまで掘り下げて接客応対を解説していきます。接客応対の基本が分かれば、お客様に心地よい気分を味わってもらうだけでなく、再来店率を上げて売上を伸ばすことができるようになります。
この記事の目次
そもそも接客対応と接客応対は何が違うのか?
接客対応と接客応対の決定的な違いは、取り扱うのがお客様かそれ以外かという点です。
対応相手や情況に応じて事をすること。応対相手になってうけこたえすること。 出典:広辞苑第四版
接客対応とは状況やモノに対して応じることです。接客対応の具体的な例として下記のようなものが挙げられます。
- お会計における接客対応とは、お会計という状況に応じること
- オーダー時の接客対応とは、注文をとるという状況に応じること
- クレーム対応とは、お客様からいただいたクレームに対して返品や交換などで応じること
お客様とのやり取りの中で具体的な作業が発生するのが接客対応ということがいえます。
一方、接客応対とはお客様に対してコミュニケーションをとることを意味します。接客対応のような具体的な作業は発生しないものの、お客様に対して思いやりの気持ちをもってコミュニケーションをとるというのが接客応対となります。接客応対という広いカテゴリーの中に接客対応が位置づけられていると考えることができるでしょう。接客対応と接客応対の違いを明確にしておかないと、お客様をモノとして扱うことになってしまいます。これがいわゆる典型的なマニュアル対応の接客と呼ばれるもので、お客様をモノや状況として捉えてしまったことによる失敗例なのです。
接客応対の基本が盛り込まれていない接客対応マニュアルでは、けっしてお客様の気持ちに寄り添うことはできません。それでは、接客応対の基本にはどのようなものがあるのでしょうか。
接客応対の基本とは?
接客応対の基本とは、接客マナーと呼ばれるものです。接客マナーには下記のようなものがあります。
- 丁寧な動作
- 言葉遣い
- 身だしなみ
- 立ち居振る舞い
具体的にどのような点に気を付ければよいのかを1つずつ解説していきます。
丁寧な動作
丁寧な動作は、お客様に満足感を与えることができます。丁寧な動作には下記のようなものがあります。
- 両手で手渡す(受け取る)
- 物音を立てない
- 指を揃える
- ゆっくりと提供する
お会計をするときにこれらの動作を気を付けるとどのようになるのかを確認していきましょう。お客様から何かを受け取るときは、両手で受け取るようにします。お金などは両手で受け取る習慣があると思いますが、伝票などはつい片手で受け取ってしまいがちなので気を付けましょう。また、受け取った伝票をカウンターへ無造作に置いてしまうこともあります。物音を立てることによって粗野な印象を与えてしまうため、何かを置くときは物音を立てずに作業するようにしましょう。そして、お客様へお釣りをお渡しするときも、紙幣だけでなくお渡しする両指を揃えてゆっくりお渡しすることで、丁寧な印象を与えることができるようになります。
言葉遣い
言葉遣いは、接客マナーの重要な役割を果たしています。尊敬語や謙譲語、丁寧語の正しい使い方や接客用語の基本を確認したい場合は、こちらの記事でご確認いただけます。
【接客マナー】接客用語や敬語は大丈夫?今日から使える接客用語まとめ
身だしなみ
髪型やメイクはお客様好みになっていますか?店舗のイメージとお客様の好みのバランスをうまくとることがポイントとなります。髪型についてはこちらの記事を参考にしてみてください。
【接客マナー】髪型まで意識していますか?好感度を上げる3つのコツ
メイクについてはこちらの記事で具体的な事例を紹介しています。
【接客マナー】メイクは大丈夫?お客様の好みに合わせる方法と事例紹介
立ち居振る舞い
立ち居振る舞い一つで、お客様へ与える印象を良くすることができます。姿勢や歩き方など、常に見られていることを意識するのがポイントです。
接客応対におけるホスピタリティとは何のこと?
接客応対でのホスピタリティとは、接客における思いやりのことをいいます。ホスピタリティのある接客とは、お客様に喜びを与えるマニュアル以上の接客ということになります。
常連客へのホスピタリティとは?
常連のお客様に対してマニュアルどおりの接客を行うことは、思いやりがあると言えるでしょうか。気心の知れた常連のお客様であっても、もちろん失礼のないように接客する必要はありますが、必要以上に丁寧な接客はお客様をがっかりさせてしまうこともあります。かといって、常連のお客様でもある程度の距離を保って接客してほしいと思っていらっしゃる方もいるでしょうから、状況に応じて判断する必要があるといえるでしょう。
非言語コミュニケーションを活用したホスピタリティとは?
非言語コミュニケーションとは言葉を使わないコミュニケーションのことで、下記のようなものがあります。
- 表情
- 口角
- 目の動き
- 眉間のしわ
- 声のトーン
- 話すスピード
- 視線
いくら丁寧で正しい接客用語を使っていたとしても、視線がレジに落ちたまま早口で接客してしまえば、スタッフから思いやりの気持ちを感じ取ることはできません。マニュアル以外のオペレーションが発生したときに眉間にしわが寄ってしまえば、スタッフが感じた本音が見事に表れてしまいます。反対に、どうしたらお客様に喜んでもらえるかという姿勢でスタッフが接客していれば、多少言葉遣いが間違っていても許せてしまうものです。
ホスピタリティのある接客を可能にするために必要なものとは?
ホスピタリティのある接客をするためには、現場スタッフと責任者の信頼関係が必要になります。イレギュラーな対応をお客様から求められた場合に「上の者に相談してみます。」とスタッフが快く引き受けることができるかどうかは、日ごろからの店長やオーナーとの信頼関係が大きく関係するからです。
ホスピタリティのある接客事例
ホスピタリティのある接客の具体的な事例は下記のようなものがあります。
- 子どもの誕生日が近いことはあえて告げずに食事をしていたところ、テーブルから聞こえてくる会話で誕生日が近いことを察知しデザートをサービスした
- お客様が糖質制限ダイエットをしていることを知り、次回来店時にご飯を減らす代わりに副菜をサービスした
- ブッフェ形式で食事を提供するスタイルをとっているが、離乳食として食べられるように食材を細かくして提供した
どれもマニュアルの接客だけでは対応しきれない内容ですが、プラスαの接客を行ったことでお客様に喜びを与えることに成功しています。是非参考にしてみてください。
まとめ
接客応対は下記の3つにまとめることができます。
- 接客対応は状況やモノに応じることである点で接客応対とは異なる
- 接客応対の基本とは、接客マナー(言葉遣い・身だしなみ・立ち居振る舞い)のことである
- ホスピタリティとは、マニュアルを超えた期待以上の接客のことである
接客対応だけではマニュアルどおりの接客しかできません。接客対応に接客応対を加えることで、状況ではなくお客様に対応することができるようになります。これらの基本が身についてこそ、お客様に喜びを与えるホスピタリティのある接客をすることができるようになるのです。
※この記事は公開時点、または更新時点の情報を元に作成しています。
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この記事を書いた人
Airレジ マガジン編集部
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中野 裕哲(なかの ひろあき)起業コンサルタント(R)
起業コンサルタント(R)、税理士、特定社労士、行政書士、CFP(R)。起業コンサルV-Spiritsグループ/税理士法人V-Spirits代表。年間約200件の起業相談を無料で受託し、起業家をまるごと支援。起業支援サイト 「DREAM GATE」で6年連続相談数日本一。「一日も早く 起業したい人が『やっておくべきこと・知っておくべきこと』」など、起業・経営関連の著書・監修書多数。http://v-spirits.com/