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【飲食店の経営指標】「ABC分析」とは?売れ筋・死筋商品を見極めよう

中野 裕哲(なかの ひろあき)起業コンサルタント(R)

店舗開業をしたばかりで日々の売上をどのように分析すればいいのか分からず悩んでいませんか? そんなときはABC分析を活用してみましょう。もともとABC分析は製造業の在庫管理で行われていたものですが、飲食店の売上分析に応用することができます。今回は飲食店のABC分析をわかりやすく解説していきます。これであなたもお店の売れ筋商品、死筋商品、どちらでもない商品をカンタンに見極めることができるようになります。

この記事の目次

飲食店のABC分析とは?

飲食店のABC分析とは、売れ筋商品・死筋商品・どちらでもない商品の3つに分けることをいいます。ABC分析によって商品の現状を認識すること、そして分類された商品ごとに異なる販売戦略をたてれば、売上を改善することができるようになります。そのために、まずはABC分析を行い商品をランク付けする必要があります。売れ筋の基準を売上の大きさで測る場合は、以下3つの視点でABC分析を行うことになります。

  1. 販売個数
  2. 売上金額(原価が分かれば販売金額でも可)
  3. 売上構成比

ABC分析の具体的な方法は後ほど解説していきますが、上記3つの軸を元にすべての商品を以下のランクに分類します。

  • Aランク(売れ筋商品):累計売上構成比0~70%
  • Bランク(どちらでもない商品):累計売上構成比70~90%
  • Cランク(死筋商品):累計売上構成比90~100%

それでは次に、このように分類した商品をどのように経営に活かすことができるのかを見てきましょう。

ABC分析は何のためにするの?

ABC分析はお店の経営を改善するために行うものです。「売れ筋だ」「死筋だ」と感覚値で捉えていた商品を、データに基づいて見える化することで、実際は売れ筋だった、思ったより売れていなかったなど、現状を正確に把握することが出来るようになります。

たとえば、Aランク商品(売れ筋商品)をメニューに大きく目立たせることで、さらに売上を伸ばすことができるようになります。また、Cランク商品(死筋商品)は思い切ってメニューから外すなどの判断も可能になります。

また、もっとも粗利貢献する商品がBランク(どちらでもない商品)だった場合、Aランク商品にするための施策を考えるなどもできるようになります。

ABC分析の方法

それでは実際に、以下の手順でABC分析を行ってみましょう。今回は売上の大きい商品を売れ筋商品と位置づけて、月次ABC分析を行います。

  1. 調べたい商品の1か月分の売上金額を用意します。
  2. 次に売上金額が高い順に商品を並べ替えます。
  3. 1つ前の商品を足しながら、累積売上を計算していきます。
  4. 1番最後の累積合計額を使って、商品それぞれの売上構成比を算出します。
  5. ④で算出した売上構成比でAランク(0~70%)、Bランク(70~90%)、Cランク(90~100%)に分けます。

たとえばランチメニューの月間売上が以下だったとします。

  • Aランチ 200,000円
  • Bランチ 150,000円
  • Cランチ 240,000円
  • Dランチ 400,000円
  • Eランチ 180,000円

そして、売上の高い順に商品を並べ替え(手順2)、累積売上と売上構成比を算出すると(手順3,4)、以下のようになります。

  売上 累積売上 売上構成比

Dランチ

400,000円   400,000円 34%
(400,000円/1,170,000円)
Cランチ 240,000円 640,000円 55%
(640,000円/1,170,000円)
Aランチ 200,000円  840,000円  72%
(840,000円/1,170,000円)
Eランチ 180,000円 1,020,000円 87%
(1,020,000円/1,170,000円)
Bランチ 150.000円   1,170,000円 100%
(1,170,000円/1,170,000円)

上記の状況でABC分析を行うと以下のようになります(手順5)。

  • Aランク(0~70%):Cランチ、Dランチ、
  • Bランク(70~90%):Aランチ、Eランチ
  • Cランク(90~100%):Bランチ

AランクのCランチとDランチは売れ筋商品であるため、積極的なご案内や、品切れにならないように仕入を確保しなければならないことがわかります。

まとめ

  • ABC分析とは【売れ筋商品・死筋商品・どちらでもない商品】の3つに分けることである
  • ABC分析をすることで売上を改善することができる
  • ABC分析は売上だけでなく在庫管理などお店の経営改善に役立てることができる

ABC分析を活用すれば、店舗開業したばかりの人でもカンタンに日々の売上を分析することができるようになります。今回は1カ月の売上実績データでABC分析を行いましたが、季節や週単位で分析することでまた違った結果を導き出すことができます。お店の形態に合わせた内容で分析し、戦略的な経営をするツールとして是非活用してみてください。

※この記事は公開時点、または更新時点の情報を元に作成しています。

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この記事を書いた人

Airレジ マガジン編集部

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この執筆者の記事一覧
中野 裕哲(なかの ひろあき)氏

中野 裕哲(なかの ひろあき)起業コンサルタント(R)

起業コンサルタント(R)、税理士、特定社労士、行政書士、CFP(R)。起業コンサルV-Spiritsグループ/税理士法人V-Spirits代表。年間約200件の起業相談を無料で受託し、起業家をまるごと支援。起業支援サイト 「DREAM GATE」で6年連続相談数日本一。「一日も早く 起業したい人が『やっておくべきこと・知っておくべきこと』」など、起業・経営関連の著書・監修書多数。http://v-spirits.com/