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小売業の「商品ロス」とは?対策を考え、勝ち残るお店を作ろう

専田 政樹(せんだ まさき)中小企業診断士

「商品ロス」という言葉をご存じでしょうか?お店を開業した後、営業を続け成長していく為には、あらゆる活動の基となる利益を出す事が重要で、その為には、売上を伸ばすか、費用を抑えるか、どちらかのアクションが必要です。「百害あって一利なし」の費用が「商品ロス」ですが、多くの場合あまり気にされず、後から後悔をする経営者が多くいます。商品ロスの基本と対策を押さえて、お店の利益を最大化していきましょう。

この記事の目次

商品ロスとは

商品ロスとは、お店に並んでいる商品、つまり在庫から発生するロスのことを指します。簡単にいうと、商品がなくなってしまうことです。帳簿上は10個あるはずが8個しかないという場合を指し、会計処理では棚卸減耗損と呼ばれます。

商品ロス(棚卸減耗損)と商品評価損は違う

近いものに商品評価損があります。これは、時間の経過等により、商品価値が下がってしまうものを指しています。流行の商品が市場にいきわたることで値下がりしてしまう、などの場合です。こちらの場合、値下げという形で嫌でも目につくため、小売店を営む側は比較的高い意識をもってみています。

分かりやすい商品評価損と異なり、普段目につきにくく、気が付きにくいのが商品ロスですが、お店には想像を超えるダメージを与えます。例をあげて考えてみましょう。

例:100円で粗利率50%の商品の場合

① 商品評価損の場合
値下げ(商品評価損)を行い、半額にして10個販売した。
商品ロスは50円×10個で500円発生していますが、仕入れ原価の50円で販売している為、元である500円分は現金化しています。値下げ前に販売した分の利益は手元に残っています。

② 商品ロス(棚卸減耗)の場合
商品在庫の数を数えたところ10個あるはずが8個しかありませんでした。
売価でいえば100円×2個分の損害が発生しています。原価50円の商品が2個なくなったという状況です。

①では原価分を取り戻していますので1円も儲からなかっただけですが、②の場合は100円分失っています。この100円を他の売上から取り戻さなければなりません。

小売業の場合は家賃や人件費など様々な経費をかけているため、売上に対する利益額は5%あれば超優良店舗と言えます。つまり100円売って5円の利益が手元に残るということです。

この状態で100円分の損失をだしてしまうと、利益を取り戻すためには20個販売する必要があります。失った2個分の損失を取り戻すのに10倍売る必要があるのです。

商品ロスは、目につきやすい値下げロス(商品評価損)よりも何倍も恐ろしい存在と言えます。

商品ロスの3大発生原因

この恐ろしく、そして見つけにくい商品ロスには大きく3つの発生原因があります。

  1. 外部ロス
  2. 内部ロス
  3. 管理ミス

1つ目は外部ロスです。これは簡単にいうと万引き被害の事です。店の外から訪れる人によって発生する為「外部」と呼ばれます。衣料品関連では若者の犯行が多く、食品関連では近年、高齢化が進んでいる状況です。

2つ目は内部ロスです。これは従業員不正などを指しています。販売している商品を従業員が持ち帰るケースや、ひどい場合は横流し・転売などに発展してしまうケースもあります。

3つ目は管理ミスです。これは処理を誤ってしまうケースを指しています。レジでの釣銭間違いや、商品の数え間違いなど様々なものがあります。

商品ロスを防ぐには?

被害を防止するには、それぞれの原因に対し対策が必要です。

  1. 外部ロス対策:お客様への目配り、気配り、心配り
  2. 内部ロス対策:店内ルールの徹底
  3. 管理ミス対策:マニュアルの徹底・改善活動

1.外部ロス対策

外部ロス対策には接客が効果的です。万引犯人にとって当然つかまる事がリスクです。

入店時にしっかりとお声かけをする事で、「あ、この店は見ているな。」と感じれば、数あるお店の中からわざわざあなたのお店を選んで犯行には及びません。

開業前にレイアウトを組む段階で、入店時のお客様へ目配りしやすいよう視野を確保する事や、一定の立ち位置にいると店全体が見渡せるポジションを設計し、お客様へアプローチしやすいよう通路を確保しておくなどが有効です。接客を推進する効果もある為、売上アップ施策との相乗効果をもたらします。いかに「商品を魅力的に伝えるか」を店舗レイアウトに落とし込むVMD計画を組む際に、視野の確保等も考慮する事が効果的です。

また柱の影など、どうしてもできてしまう死角には、防犯カメラだけではなく、ミラー等の器具設置も検討し、「あ、この店はやめておこう」と思われる仕掛けをする事で、より効果が高まります。

2.内部ロス対策

内部ロスの対策には、店内ルールを徹底することが重要です。例えば入店退店時の私物チェックや、就業時間中の買い物の許可制などです。購入後の商品なのか、否かがわからないような状況をそもそも作らない事が重要です。

3.管理ミス対策

管理ミス対策は、マニュアル等の基本動作の厳守や、ミスが多発するものへの改善活動が効果的です。ミスが発生しないやり方を全員が徹底してする事で発生数が減少していきます。

まとめ

  • 商品ロスはお店に大きな損害
  • 商品ロスの発生原因は外部、内部、管理ミス
  • 外部対策は接客強化
  • 内部対策はルールの徹底
  • 管理ミスは基本動作で発生防止

これから開業する、あなたのお店を成長発展させるためには、しっかり利益を出す事が重要となります。売上を伸ばして利益を稼ぐ以外にも、利益が漏れださないアクションが重要です。開業時にバランス良く仕組み作りを行い、長くお客様に喜んでもらえるよう、勝ち残ることができるお店を作りあげましょう。

※この記事は公開時点の情報を元に作成しています。

この記事を書いた人

専田 政樹(せんだ まさき)中小企業診断士

7&ⅰグループ出身、中小企業診断士。店舗の現場にて店舗運営管理、スタッフ教育等を経験後、本部スタッフとしてSV職、VMD職、マーケティング職などの専門職を担う。2015年に独立し、ダイバーシティコンサルタントとして企業の成長支援コンサルティングや、研修等による人材育成にあたる。㈱せんだ兄弟社 代表取締役。

【店舗コンサルタント監修!】お店とお客様を損させない為に!レジギャップの事例集と対策方法

レジ締め時に「あるべき現金と実際の金額が合わない!」というレジギャップの経験は店舗経営者なら一度はあるかと思います。しかし、レジギャップとはお店かお客様が損をしているということです。このコラムでは、誰にも損をさせないための具体的な対策法を紹介しています。

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