店舗の空きスペースが新たな利益に化ける!荷物預かりサービスecbo cloakとは
首都圏のコインロッカー不足は、東京へ訪れる旅行者を中心に深刻な問題となっています。スーツケースひとつ預けるのに、40分以上空きコインロッカーを探しまわる観光客も珍しくありません。このコインロッカー問題を解消する革命児が「ecbo cloak(エクボ クローク)」。荷物を預けたい人とデッドスペースを有効活用したい店舗とをつなげる荷物預かりサービスです。すでに東京を中心とした200店舗が登録されており、外国人旅行者を中心に、多くの人々に利用されています。
民宿や宿泊施設を貸し出すサービス・Airbnb、タクシーやハイヤーの配車サービス・Uberに代表されるシェアリングエコノミーのひとつとして、注目の集まる同サービスですが、店舗を経営する人にとってどのようなメリットをもたらすのでしょうか。ecbo cloakを提供している株式会社ecboの代表取締役社長・工藤さんと、実際に導入した店舗「BOOK LAB TOKYO」の店長・木村さんに話をうかがいました。
この記事の目次
ecbo cloakとは?
日本を訪れる外国人旅行者が直面するトラブルのひとつに「スーツケースを入れるコインロッカーが見つからない」というものがあります。その原因はひとえにコインロッカーの数不足。たとえば、東京・渋谷エリアにあるコインロッカーは約1400個。そのうちスーツケースが入るのは90個あまりしかありません。
コインロッカーを探し回るという時間の無駄を、テクノロジーで解消するのが「ecbo cloak」。カフェやレストランなどの店舗のデッドスペースを活用して、荷物を預かることができるサービスです。2017年1月にローンチして以来、外国人旅行者を中心に利用されており、スーツケースをはじめ、ベビーカーやギター、スキー板などさまざまな荷物が預けられています。
利用者が払う利用料はそれぞれ1日単位で計上され、バッグサイズ(最大辺45cm以内の荷物)で300円、スーツケースサイズ(最大辺45cm以上の荷物)で600円です。
店舗の空きスペースを荷物預け入れの場所として活用
店舗が「ecbo cloak」の導入に必要なのは、荷物を置ける空きスペースとスマートフォンだけ。店舗側は、利用者から予約を受けた時間帯に荷物の受取と返却を行います。荷物の取り違えがないように、スタッフは受取の際に荷物の写真をスマートフォンで撮影し、返却時にその写真をもとに本人確認をしています。
「ecbo cloak」の導入店舗は飲食店からカラオケ店までさまざま
工藤「『ecbo cloak』はカフェやレストラン、バーなどさまざまなお店に導入されています。なかにはあまりメディアに露出していない店舗もあり、『ecbo cloak』によって認知と集客の機会が増えているようです。
現在『ecbo cloak』に登録されている店舗は全国で約200店舗。飲食店を中心に、着物レンタル店や漫画喫茶、カラオケなどさまざまな店舗で導入されています。今後、全国で1万店舗まで増やしていく予定です」
「ecbo cloak」で新たな利益を得る、渋谷のコーヒースタンド「BOOK LAB TOKYO」
それでは、実際に「ecbo cloak」を導入している店舗ではどのような効果が得られているのでしょうか。東京・渋谷にあるコーヒースタンド「BOOK LAB TOKYO」の店長・木村さんにおうかがいします。
店舗内で金銭のやりとりが発生しないため手軽に活用できる
BOOK LAB TOKYO店長・木村さん(以下、木村)「もともとIT活用には積極的でしたが、導入コストがかからないことと、トラブル対応を運営会社であるecboが担ってくれることが決め手となって、2017年の2月に『ecbo cloak』の導入を決めました。
実際に「ecbo cloak」の荷物預かりサービスを行うと、直接的な金銭のやりとりがないことでスムーズな運用が実現できています。利用者は登録したクレジットカードで決済するためを行うので、店舗側が支払い方法やオペレーションをについて考える必要はありません。
値引きの交渉をされたり、料金に関するクレームを受けたりすることがほとんどないので、負担にならず運営できてがかなり軽減されています」
毎月約20組がecbo cloakを利用
木村「BOOK LAB TOKYOでは、毎月約20組ほど『ecbo cloak』を利用してくださっています。2017年2月の導入開始から利用者の数は安定。デッドスペースを活用していると考えると嬉しい数字です。
サービスの導入にあたり、スタッフに特別な研修を行う必要はありませんでした。運用マニュアルをひと通り読み合わせただけですぐに対応できるようになります。朝やランチタイムなどの忙しい時間帯にはつい焦ってしまい、オペレーションがスムーズにいかないときがあるものの、スタッフから不満が出たことはありません」
「ecbo cloak」に今後期待すること
木村「ただ利用者の8割が外国人旅行者のため、外国語でのコミュニケーションでつまずくことはあります。荷物の受け渡しだけではなく、店舗の利用を促す導入にはある程度の語学力があるとよいかもしれません。
もし、指差しだけで会話ができるような接客マニュアルのようなものがあれば、より集客に効果的なコミュニケーションがとれるのではないでしょうか。
また、『ecbo cloak』の利用者に向けて、店舗の詳細情報を掲載したり、クーポンや割引サービスといった特典をつけられれば、集客の可能性はさらに広がります。これらの新たな取り組みは現在、運営会社ecboでも検討されはじめているそうなので楽しみです」
店舗が「ecbo cloak」を利用するメリット
「ecbo cloak」は、主に旅行客の不満を解決するサービスですが、導入している店舗にもさまざまなメリットをもたらしてくれます。
1. デッドスペースが新たな利益に
工藤「ひとつ目は、デッドスペースを活用して新たな利益を生み出すことです。利用者が払う利用料の一部が店舗側に還元されるため、初期投資なしで収入源を増やすことができます」
2. 利用者との接点が増える
工藤「ふたつ目はサービス利用者との接点が増えることです。『ecbo cloak』の利用者は、荷物の受取時と返却時の2回にわたって店舗に訪れるため、集客の機会につながります。実際、荷物を預けた利用者の約3割がその店舗で飲食をしているというデータもあるんですよ」
3. インバウンド対策となり集客にもつながる
工藤「そして3つ目はインバウンド対策につながること。今後、訪日外国人の数が増えていくことが予想されるなかで、飲食店のインバウンド対策は必須です。とはいえ『何をすればいいのかわからない』という事業者の方がほとんど。しかし『ecbo cloak』はサービスが確立されているうえ、すでに多くの外国人利用者を抱えています。気軽にインバウンド対策を講じることができるのです」
トラブルを未然に防ぐための施策は?
個人の荷物を店舗が預かるというサービスの特性から、トラブルを心配されるオーナーの方も多いもの。しかし、「ecbo cloak」では、トラブルを未然に防ぐために3つの工夫を行っています。
1. クレジットカード情報の登録が必須
工藤「1つ目は、利用者のクレジットカード情報登録の義務づけです。名前や国籍、メールアドレスといった基本的な情報はもちろん、クレジットカードの情報を入手しておくことで、トラブル対処が容易になります。たとえば、利用者が預けた荷物を取りに来なかった場合、利用者のクレジットカード情報を使って配送料金や処分料金を支払うという対応が可能です」
2. 盗難や紛失に備えて保険に加入
工藤「2つ目は、荷物の盗難や紛失、破損や汚損に備えて保険に加入していること。なにかトラブルが起きた際は、『ecbo cloak』の運営会社であるecboと東京海上日動が共同開発した包括的契約保険が自動的に適用されます。荷物ひとつあたり20万円までが保障対象です。保険にはecboが代表して加入しているため、店舗側が個別で保険料を払う必要はありません。また、利用規約はあらかじめ『貴重品や高価なものを預けてはならない』という項目が盛りこまれています。これは一般的なコインロッカーやホテルのクロークと同じ基準です」
3. キャンセルされても料金が発生
工藤「3つ目は、当日キャンセルしても、ユーザが利用料を支払うこと。旅行は必ずしも予定通りに進むものではありません。多少の時間の遅れは容認していますが、当日荷物を預けに来なかった場合でも、1日分の料金が発生します。
このような工夫が施されていることで、店舗側はトラブルに対する保障やそれにかかるコストを気にすることなく『ecbo cloak』を導入することができるのです」
「ecbo cloak」は飲食店・小売店の可能性を広げてくれる
コストゼロで導入できて、利益の増加や集客、インバウンド対策といったメリットを得られる「ecbo cloak」のサービスは、店舗型の飲食店・小売店の可能性を大きく広げてくれそうです。また、利用者数も徐々に増加しているそう。盗難や紛失などのトラブルへのリスクヘッジは運営会社のecboが代わりに行ってくれるので、まずは気軽に導入してみてもいいかもしれません。
ecbo株式会社が運営する、店舗の空きスペースを利用した荷物預け・預かりサービス。アプリを使用し、事前予約または当日に予約が可能。支払いはクレジットカードでおこなう。現在、東京を中心に京都や大阪、福岡でもサービスを拡大中。
渋谷・道玄坂に店舗を構える、コーヒースタンドを並列した書店。「つくる人を応援する」をコンセプトに掲げ、品揃えは技術書やデザイン本、ビジネス書を中心にセレクトしている。カフェスペースは42席、ゆったりと座れるソファーも。
※この記事は公開時点、または更新時点の情報を元に作成しています。
カード・電マネ・QR・ポイントも使えるお店の決済サービス Airペイ
キャッシュレス対応で、お店の売上アップを目指しませんか?
Airペイ利用開始で初期費用が0円になるキャンペーン実施中
Airペイに関する資料を無料で差し上げます。
こんな内容を掲載しています
- Airペイとは
- 導入費、運用費について
- キャッシュレス導入0円キャンペーン
- 導入事例、Airペイ体験可能な店舗案内
下記フォームに必要事項をご入力いただき、ダウンロードページへお進みください。
この記事を書いた人
高根 千聖(たかね ちさと)編集者
株式会社ZINEの編集者。編集プロダクションで週刊誌の編集・ライター業務に従事。その後、制作会社にて紙媒体やWEBサイトのディレクション、編集・ライター業務に携わる。得意ジャンルはビジネスやグルメ、芸能など。