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飲食店の開店時間と閉店時間を決めるときのポイントとは

福島 悠(ふくしま ゆう)経営コンサルタント/公認会計士

お店の開業にあたり、開店時間・閉店時間をどのように決めればよいのでしょうか。何も考えずに決めてしまうと利益を圧迫してしまい、厳しい経営状態になってしまう可能性があります。そうならないためにも、今回は開店・閉店時間を決める際の2つのポイントをご紹介します。これらを押さえて、お店の利益を最大化させる開店・閉店時間を決めましょう。

この記事の目次

開店時間と閉店時間を決めるときの2つのポイント

お店の経営で利益を出すためには、「売上」と「経費」を考えなければなりません。その中で開店・閉店時間を決めることは、お店のコンセプトを考えることと同じくらい大切な要素です。24時間営業をしていれば売上の取りこぼしはなくなりますが、人件費をはじめ経費は膨らみます。開店時間、閉店時間を決めるには、①外的要因②内的要因の2つの観点があります。では次から詳しく説明していきます。

外的要因「お客さまの動向を考える」

まずは、お店の立地はどのような状況かを観察します。なぜならばお客さまのいる時間帯にお店を開ければ売上は上がり、いない時間帯に開けていても売上は上がらないからです。

例えば、駅前か郊外か、住宅街かによって人が活動する時間帯は変わってきます。大事なことは一般論だけで判断せず、「足で稼いで細かくチェックする」ことです。立地、商圏調査ではスニーカーを3足履き潰すくらい歩けば正解が見えてくると言われています。

ある店舗は、通行量の多い商業地域の中に飲食店を出店しました。通常であれば、「ランチタイム」「イブニング~ディナータイム」がコアタイムになりますが、夜の時間帯の売上が一向に上がってきません。

曜日や時間帯を変えながら近隣を歩いてみました。するとその商業施設は被服・装飾関連商品を扱う店舗が多く、80%以上の店舗が20時には閉店していました。この商業施設に対するお客さまの印象は「服を買う商業地域」であって、「夜の時間帯に飲食をする」認識をもっていないことが分かりました。このように、一見「イブニング~ディナー」の時間帯の売上が見込めそうでも、つぶさに街を観察してみると意外な事実が分かる可能性があるのです。

このように観察を行って、その場所に集まるお客さま予備軍がどの時間帯に飲食店を利用したいのかを考えます。1日を「モーニング(5時-10時)」「ランチ(11時-14時)」「ティー(14時-17時)」「イブニング(17時-19時)」「ディナー(19時-23時)」「ミッドナイト(23時-5時)」の6つに分解して、どの時間帯が強い地域なのかを判断します。

もしも近隣に同業他店舗があれば参考にします。加えて立地のちょっとした違いで時刻設定を変える、差別化のためにラストオーダーを30分遅らせるといったことも押さえておきましょう。

内的要因「コスト(人件費)を抑える」

営業時間によってかかってくるコストは変わります。一番影響を受けるのは人件費です。お客さまのいない時間帯にスタッフを働かせる必要はないため、人件費と開店・閉店時間のバランスも考えることが重要です。

営業時間内にはオーナーも含めて必ず1名のスタッフはいなければいけません。営業時間が長ければ長いほど、常駐させるスタッフの労働時間は増えていきます

加えて、営業時間中だけにスタッフがいればよいということだけではありません。開店前、閉店後各1時間程度は「仕込み・ピーク前準備」と「後片付け・明日の準備」という業務があり、その分の労働時間が加算されます。

例で考えてみます。営業時間は、

  1. 11:00~22:30ラストオーダー、23:00閉店(12時間営業)
  2. 11:30~22:00ラストオーダー、22:30閉店(11時間営業)

スタッフが働く時間は、

  1. 10:00~24:00(14時間)
  2. 10:30~23:30(13時間)

とします。分かりやすくするために時給は1,000円で計算してみると、営業時間が②よりも1時間多い①の店舗では、時間×1,000円×30日営業=30,000円/人分の人件費が上乗せされます。一般的には30,000円の利益を出すための売上額は約2~3倍かかるとすると、月に6~9万円の売上高を確保する必要があります。

営業時間の変更で気を付けたいこと

開店直後、閉店直前の集客が思うより悪く、営業時間を変更しようと思い立ったとします。時間帯をずらす、減らすという告知は、最低1か月前にはお客さまや食材の納品をしてくれる取引先などに告知をしておきましょう。また新営業時間を開始した後3か月程度は新営業時間を掲示しておきましょう。大切なことは、1時間早く営業時間を終了したことを知らないお客さまが来店されたときに閉まっていたら、「お店を辞めてしまったのでは」という誤解を防ぐことです。新しい営業時間をお客さまに慣れてもらうことを意識しましょう。

まとめ

  • 売上を確保するためにお客さまの動向をよく観察する
  • 利益を確保するために人件費コストを事前に検証する
  • 営業時間の変更は必要に応じて必要だが最低1か月前には告知する

開店、閉店時間を決めるということは、商圏や立地、競合店という外的要因と、人件費、人材募集採用やスタッフコミュニケーション力など内的要因で構成されるため、総合的に売上と利益を左右する重要な判断項目です。「地域の皆さまの胃袋を握る」というような戦略方針を立てた場合、どのように表現していくか、形を表すことの一つに開店、閉店時刻、営業時間の決定があります。一日でも早く地域に溶け込めるようにしましょう。

※この記事は公開時点、または更新時点の情報を元に作成しています。

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この記事を書いた人

Airレジ マガジン編集部

Airレジ マガジン編集部

自分らしいお店づくりを応援する情報サイト、「Airレジ マガジン」の編集部。お店を開業したい方や経営している方向けに、開業に向けての情報や業務課題の解決のヒントとなるような記事を掲載しています。

この執筆者の記事一覧

福島 悠(ふくしま ゆう)経営コンサルタント/公認会計士

公認会計士、税理士。経営改革支援認定機関/SOLA公認会計士事務所 所長。

上場企業の顧客向け税書類の監修や経営コンサルティング、個人事業の事業戦略支援と実行支援まで幅広く対応。顧客収益最大化を理念に掲げ起業家を徹底サポート。多種多様な企業の税務顧問と年間約30件の戦略立案を行っている。

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