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【補助金とは?】助成金との違い・募集期間・手続きを紹介

中野 裕哲(なかの ひろあき)起業コンサルタント(R)

お店の開業をするときの資金調達方法として最も有名なのが公的な創業融資制度ですが、それ以外にも、返済が不要な「補助金」という制度もあります。資金調達が難しい開業時期に少しでも補助がもらえたらいいですよね。ここでは補助金について解説していきます。

この記事の目次

補助金の8つの特長

補助金とは国(経済産業省)や自治体などが、何らかの政策目的達成のために税金を使って起業家や中小企業を支援する制度です。例えば、起業家を増やしたい、商店街を活性化させたい、新技術を発明する中小企業を増やしたいなどの政策目的です。

補助金とは別に、助成金と呼ばれるものもあります。助成金とは、国(厚生労働省)が行っている、雇用関係の助成金を指すのが一般的です。詳しくはこちらで説明しています。
http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyou/kyufukin/

この補助金制度には共通した特徴があります。まずは、その基本的な特徴を見ていきましょう。

1.原則返済不要

補助金は国(経済産業省)や自治体が主体で行います。財源は税金です。融資とは異なり原則として返済不要です。返さなくてもいいのですから、大変魅力的といえます。

2.募集期間が決まっている

多くの補助金は、いつでも応募できるものではなく、募集期間が決まっています。補助金の実施があるという情報をいち早く掴み、準備を進めたいところです。

3.募集期間が短い

多くの補助金は、募集期間が1ヶ月あまりで、準備に掛けられる期間が非常に短いです。この期間に事業計画書を書き進めたり、補助金によっては商工会議所や認定支援機関の確認をもらったりする必要があり、迅速な準備、申し込みをしなければなりません。

4.審査がある

補助金は申し込めば必ずもらえるわけではありません。応募資格があるかという形式的な審査のあと、審査員により、申請書類の内容審査や補助金によっては面談審査があります。

5.使える経費が決まっている

補助金により対象となる経費が決まっています。創業系の補助金であれば、家賃や人件費、広告費などが一般的ですが、開発支援系の補助金では、機械設備費用や外注費、専門家謝金などが補助対象経費の中心となり、人件費は対象外であったりします。

6.合格してから経費が使える

補助金は合格し手続きを経てから使う経費が対象になります。すでに発注しているものや支払い済のものは原則として経費として認めてもらえません。補助金は、先に自分で経費を使いお金を払い、実績を報告してからお金を払うキャッシュバック方式です。お金が入ってくるまでの間、自分で建て替えておかなければなりません。

7.満額もらえるわけではない

補助金には補助率が決められていて、使った経費に対して決められた割合が戻ってきます。例えば補助率が2/3の場合、75万円使った経費に対して50万円が戻ってきます。補助金により1/2、2/3、3/4などまちまちです。

8.実績報告が必要

補助金には、補助金をもらった後、経過の報告が必要なものがあります。だいたい5年程度は、補助金を使った結果、事業がどのように展開できたのかを書類で報告する義務があります。

補助金募集のピークは4~6月

補助金は、国や自治体で決められた予算から実行されます。国の予算は4月からの年度予算と、景気対策や災害対策など年度予算だけでは足りない場合に行う、補正予算があります。

年度予算の場合、4月に入ってから募集になるものが多く、4~6月くらいが年度予算の補助金のピークになります。補正予算は例年9月くらいから国会審議が始まり、秋口頃に決まります。決定後早ければ直ぐに募集、遅くなると翌年の2~4月あたりに応募が始まります。

補助金応募の流れ

応募から補助金を得るまでの流れは概ね次の通りです。

1.事前の情報収集

補助金についてまずは事前の情報収集を行います。まず意図する補助金の募集があるのかどうか、あるとすればいつごろかという情報を入手します。これらがあると事前に準備ができます。事前の情報収集は次のところで行います。

  • 経済産業省のホームページ
    年度予算・補正予算とも概算要求内容が経済産業省のホームページに掲載されます。金額の減額はあるにしても政治的に大きな変化がない限り、ほぼ実施されると考えていいでしょう。担当部署に電話して問い合わせるのも良い確認方法です。
  • 専門家からの情報収集
    顧問税理士や中小企業診断士といった補助金支援を行っている専門家に動向を聞いてみる方法もあります。セミナーや無料相談を参加している専門家もいますので、積極的に足を運んで見るのもいいでしょう。

2.募集要項の入手

募集が開始されたら、各補助金に事務局が設立されますので、そのホームページを確認し募集要項をダウンロードします。募集要項には応募資格や応募様式、方法などが細かく書かれています。よく読んで応募書類を揃えていきます。ここでわからないところは事務局に問い合わせるか、信頼のおける専門家に支援を仰ぐのもいいでしょう。

3.応募書類の作成

補助金により応募書類はまちまちですが、指定されたものをもれなく作成・収集しましょう。支援機関からもらう書類は発行までに時間がかかるため、早めに準備をしておきましょう。作成が難しい場合は専門家の支援を仰ぎましょう。

4.応募書類の発送

こちらも補助金により応募書類はまちまちですが、多くの場合は郵送です。郵送方法が郵便限定のものや民間の宅配便が利用できるものなど様々です。締め切りも締切日当日の消印有効であったり、必着であったりと郵送する日に大きく関わります。募集要項をしっかりと確認して、間違いなく発送しましょう。応募はこれで以上です。補助金によっては面談審査がある場合もあるので、その場合は面談を受けます。(募集要項の入手から応募書類の発送まで概ね1ヶ月です。)

5.審査

応募書類が審査されます。(審査期間は概ね1~2ヶ月です。)

6.審査結果の発表

補助金では合格のことを「採択」といいます。発表は事務局のホームページに採択者一覧が表示されますし、応募した事業者には個別で結果が郵送されます。採択された段階ではまだ経費を使うことはできません。

7.交付申請書の提出

採択された後に、交付申請書を提出します。実際にどのような経費を、何に、いつまでに使うのかを申請します。

8.交付決定通知書の交付

申請していた交付申請書の内容が事務局で精査され、問題がなければ交付決定通知書が送られてきます。こちらに記載されている日付から実際に経費を使うことができます。(採択されてから交付決定通知書が出るまで概ね1ヶ月です。)

9.補助事業の実施

交付申請書の申請通りに補助事業を進めていき、平行してかかる経費も消化していきます。この際見積書や発注書、請求書、払込受領書など、後の完了報告に必要な書類を整備しておきます。

10.完了報告書の提出

補助事業をどのように進めたか、報告書を提出します。見積書や発注書、契約書、請求書、払込受領書などの書類も事務局からの指示の通りにファイリングし、提出します。(事業完了日から概ね1ヶ月で提出期限です。)

11.事務局検査

計画通りに補助事業が行われたかどうか、対象経費の使い方が適切かどうか、指定された書類がしっかりと整備されているかどうかを検査されます。(検査期間は概ね1~2ヶ月です。)

12.請求書発行・入金

事務局検査で補助金額が査定され補助金額が決定します。請求書を発行し補助金額が振り込まれます。(請求書発行から入金まで概ね1ヶ月です。)

開業者向けの補助金例

ここでは開業者が利用しやすい補助金の一例を挙げてみましょう。

1.創業補助金(国)

創業補助金とは、創業者を増やし雇用促進や経済を活性化させるために、創業者が創業時に係る資金の一部を補助する制度です。国の補助金なので全国の対象者が応募できます。

  • 対象者:募集日以降に起業する人
  • 対象経費:家賃や人件費、広告費、設備費、専門家への謝金など
  • 補助額:最高200万円
  • 補助率:1/2
  • 募集時期:4~5月

対象経費を400万円以上使うと最高で200万円キャッシュバックが受けられるとイメージしましょう。

<活用例>
家賃 30万円×5ヶ月=150万円
人件費 40万円×5ヶ月=200万円
Webサイトの構築 50万円 計400万円
 ⇒補助金200万円支給(補助率1/2)

2.創業助成事業(東京都)

創業助成事業とは、東京都が創業者を増やし雇用促進や経済を活性化させるために設けた創業者支援の独自制度です。東京都で開業する人が対象者となります。

  • 対象者:東京都内で起業する予定の個人、開業・設立5年未満の者
  • 対象経費:家賃や人件費、広告費、設備費、専門家への謝金など
  • 補助額:最高300万円
  • 補助率:2/3
  • 募集時期:5月・11月(5月のみの場合もあり)

対象経費を450万円以上使うと最高で300万円キャッシュバックが受けられるとイメージしましょう。

<活用例>
家賃 10万円×24ヶ月=240万円
人件費 5万円×24ヶ月=120万円
Web広告 90万円 計450万円
 ⇒補助金300万円支給(補助率2/3)

まとめ

  • 補助金は原則返済不要のため、条件が合えば積極的に利用したい資金調達手段
  • 補助金は4月からの年度予算、秋の補正予算の時期に募集がかかることが多い
  • 補助金は応募してからもらえるまでかなり時間がかかる、後払いの制度
  • 起業家向けの補助金を国や自治体で実施することがある。情報収集を忘れずに

募集の期間が短く、審査もあり、使える経費が決まっていて、報告書も作成する必要があり、準備は大変かもしれません。しかし、準備をすることで、原則返済不要という大きなメリットもあるため、開業時には積極的に補助金を活用しましょう。

※この記事は公開時点の情報を元に作成しています。

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この記事を書いた人

中野 裕哲(なかの ひろあき)氏

中野 裕哲(なかの ひろあき)起業コンサルタント(R)

起業コンサルタント(R)、税理士、特定社労士、行政書士、CFP(R)。起業コンサルV-Spiritsグループ/税理士法人V-Spirits代表。年間約200件の起業相談を無料で受託し、起業家をまるごと支援。起業支援サイト 「DREAM GATE」で6年連続相談数日本一。「一日も早く 起業したい人が『やっておくべきこと・知っておくべきこと』」など、起業・経営関連の著書・監修書多数。http://v-spirits.com/

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