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補助金とは?助成金との違い、中小企業向けの補助金リスト、申請方法

中野 裕哲(なかの ひろあき)起業コンサルタント(R)

お店の開業をするときの資金調達方法として最も有名なのが公的な創業融資制度ですが、それ以外にも、返済が不要な「補助金」という制度もあります。資金調達が難しい開業時期に少しでも補助がもらえたらいいですよね。ここでは補助金について解説していきます。

この記事の目次

補助金とは?

補助金とは国(経済産業省)や自治体などが、何らかの政策目的達成のために税金を使って起業家や中小企業を支援する制度です。例えば、起業家を増やしたい、商店街を活性化させたい、新技術を発明する中小企業を増やしたいなどの政策目的です。

補助金と助成金の違い

補助金と助成金は管轄する省庁が違います。補助金は経済産業省、助成金は厚生労働省です。

補助金と助成金の違い

補助金は申請内容を審査され、採択(合格)と不採択(不合格)があり、申請すれば誰でも貰えるものではありませんが、助成金は要件を満たし書類に不備がなければ、基本的に給付されます(貰えます)。

詳しくはこちらのページをご覧ください。

【補助金と助成金の違いとは?】特長を理解して賢く資金を集めよう

補助金の5つの特長

補助金制度には、共通した特徴があります。まずは、その基本的な特徴を見ていきましょう。

1.原則返済不要

補助金は国(経済産業省)や自治体が主体で行います。財源は税金です。融資とは異なり原則として返済不要です。返さなくてもいいのですから、大変魅力的といえます。

2.募集期間が決まっている

多くの補助金は、いつでも応募できるものではなく、募集期間が決まっています。また募集期間が1~3ヶ月程度で、準備に掛けられる期間が短いです。この期間に事業計画書を書き進めたり、補助金によっては商工会議所や認定支援機関の確認をもらったりする必要があり、迅速な準備、申し込みをしなければなりません。

3.審査がある

補助金は申し込めば必ずもらえるわけではありません。応募資格があるかという形式的な審査のあと、審査員により、申請書類の内容審査や補助金によっては面談審査があります。

4.使える経費に制限がある

補助金により対象となる経費が決まっています。創業系の補助金であれば、家賃や人件費、広告費などが一般的です。また合格し手続きを経てから使う経費が対象になります。すでに発注しているものや支払い済のものは原則として経費として認めてもらえません。

補助金は先に自分で対象経費を支払い、実績を報告してからお金をもらうキャッシュバック方式です。お金が入ってくるまでの間、自分で建て替えておかなければなりません。最終的に使った対象経費の1/2や2/3が戻ってきます。

5.実績報告が必要

補助金には、補助金をもらった後、経過の報告が必要なものがあります。だいたい5年程度は、補助金を使った結果、事業がどのように展開できたのかを書類で報告する義務があります。

補助金募集のピークは4~6月

補助金は、国や自治体で決められた予算から実行されます。国の予算は4月からの年度予算と、景気対策や災害対策など年度予算だけでは足りない場合に行う、補正予算があります。

年度予算の場合、4月に入ってから募集になるものが多く、4~6月くらいが年度予算の補助金のピークになります。補正予算は例年9月くらいから国会審議が始まり、秋口頃に決まります。決定後早ければ直ぐに募集、遅くなると翌年の2~4月あたりに応募が始まります。

開業者・中小企業が申請できる補助金にはどんなものがある?

ここでは、開業者が利用しやすい補助金の一例をあげてみましょう。

1.創業に関する補助金

創業に関する補助金は、家賃や人件費、広告費といった創業に係る経費が対象になります。

補助金の種類 概要
東京都創業助成事業 東京都内で起業する場合に、家賃や人件費、広告費などの経費が最大で300万円補助される。
港区新規開業賃料補助 港区内で創業後1年未満の場合、事務所等の月額賃料の3分の1(最大5万円)が1年間補助される。

2.IT関連の補助金

IT関連の補助金は、業務用のパッケージソフトやクラウドサービスの導入や、軽減税率に対応したレジを導入する場合などが対象になります。

補助金の種類 概要
IT導入補助金 販売管理や勤怠管理なその業務用のパッケージソフトやクラウドサービスを導入する場合に最大450万円が補助される。
軽減税率対策補助金 複数の税率に対応したPOSレジを導入する場合、レジ1台あたり最大20万円が補助される。

3.販促に関する補助金

販促に関する補助金は、ホームページやチラシ・カタログ制作、雑誌広告などの経費が対象になります。

補助金の種類 概要
小規模事業者持続化補助金 ホームページやチラシやカタログの作成、雑誌広告などを行う場合に最大50万円が補助される。
豊島区ホームページ作成支援 新たに開設する独自のホームページの作成にかかる外部委託経費が最大で5万円補助される。

4.店舗設備などに関する補助金

店舗設備に関する補助金は、店舗の内外装工事や設備・備品の購入経費が対象になります。

補助金の種類 概要
東京都商店街起業・承継支援事業 都内の商店街で新たに開業し、店舗の内外装工事や、設備・備品の購入等を行う場合に最大150万円が補助される。
東京都若手・女性リーダー応援プログラム助成事業 都内の商店街で新たに開業する女性や若手男性で、店舗の内外装工事や、設備・備品の購入等を行う場合に最大400万円が補助される。
東京都インバウド対応力強化支援補助金 施設・店舗の案内表示・設備の利用案内などの多言語化や、無線LAN環境の整備、トイレの様式化などを行う場合に最大300万円が補助される。

補助金応募の流れ

応募から補助金を得るまでの流れは、概ね次の通りです。

応募してから審査され、無事に採択となったら補助金の事業を進められます。補助金の事業が終わり次第実績報告書を提出し、事務局で内容の検査をした後に補助金が得られます。この間概ね半年から1年程度と長期に渡ります。

1.事前の情報収集

補助金についてまずは事前の情報収集を行います。まず意図する補助金の募集があるのかどうか、あるとすればいつごろかという情報を入手します。これらがあると事前に準備ができます。事前の情報収集は次のところで行います。

  • 経済産業省のホームページ
    年度予算・補正予算とも概算要求内容が経済産業省のホームページに掲載されます。金額の減額はあるにしても政治的に大きな変化がない限り、ほぼ実施されると考えていいでしょう。担当部署に電話して問い合わせるのも良い確認方法です。
    経済産業省│経済産業政策の重点、概算要求・税制改正要望について
  • 専門家からの情報収集
    顧問税理士や中小企業診断士といった補助金支援を行っている専門家に動向を聞いてみる方法もあります。セミナーや無料相談を参加している専門家もいますので、積極的に足を運んで見るのもいいでしょう。

2.応募

募集が開始されると各補助金に事務局が設置されます。事務局のホームページに募集要項があるのでよく読んで応募書類を揃えます。

補助金により応募書類はまちまちですが、指定されたものをもれなく作成・収集しましょう。支援機関から書類をもらう場合は発行までに時間がかかるため、早めに準備をしておきましょう。作成が難しい場合は専門家の支援を仰ぐと良いでしょう。

応募書類ができあがったら期日までに応募します。多くの場合は郵送ですが窓口に持参の場合もあります。また締め切りが締切日当日の消印有効であったり、必着であったりまちまちです。募集要項をよく確認しましょう。

3.審査と結果発表

応募書類が審査されます。審査は事務局内ではなく外部の有識者会議に掛けられます。有識者複数が書類審査をするのが一般的です。補助金によっては面談審査もあります。(審査期間は概ね1~3ヶ月です)

補助金では合格のことを「採択」といいます。採択発表は事務局のホームページに採択者一覧が表示されますし、応募した事業者には個別で結果が郵送されます。採択された段階ではまだ経費を使うことはできません。

4.交付申請と交付決定

採択された後は、交付申請という手続きを行います。交付申請は、実際にどのような経費を、何に、いつまでに使うのかを交付申請書としてまとめ提出します。交付申請書の内容を事務局で精査され、問題がなければ交付決定通知書が送られてきます。こちらに記載されている日付から実際に経費を使うことができます。(採択されてから交付決定通知書が出るまで概ね1ヶ月です)

5.補助事業の実施

交付申請書の申請通りに補助事業を進めていき、平行してかかる経費も消化していきます。この際見積書や発注書、請求書、払込受領書など、後の完了報告に必要な書類を整備しておきます。

6.実施報告

補助事業をどのように進めたか、報告書を提出します。見積書や発注書、契約書、請求書、払込受領書などの書類も事務局からの指示の通りにファイリングし、提出します。(事業完了日から概ね1ヶ月以内が提出期限です。)その後計画通りに事業が行われたかどうか、対象経費の使い方が適切かどうか、指定された書類がしっかりと整備されているかどうかを事務局で検査します。(検査期間は概ね1~2ヶ月です)

7.請求書発行・入金

事務局検査で補助金額が査定され補助金額が決定します。請求書を発行し補助金額が振り込まれます。(請求書発行から入金まで概ね1ヶ月です)

まとめ

  • 補助金は原則返済不要のため、条件が合えば積極的に利用したい資金調達手段
  • 補助金は4月からの年度予算、秋の補正予算の時期に募集がかかることが多い
  • 補助金は応募してからもらえるまでかなり時間がかかる、後払いの制度
  • 起業家向けの補助金を国や自治体で実施することがある。情報収集を忘れずに

募集の期間が短く、審査もあり、使える経費が決まっていて、報告書も作成する必要があり、準備は大変かもしれません。しかし、準備をすることで、原則返済不要という大きなメリットもあるため、開業時には積極的に補助金を活用しましょう。

※この記事は公開時点の情報を元に作成しています。

メールにて「軽減税率対策ツール」のダウンロードリンクをお送りします。

この記事を書いた人

中野 裕哲(なかの ひろあき)氏

中野 裕哲(なかの ひろあき)起業コンサルタント(R)

起業コンサルタント(R)、税理士、特定社労士、行政書士、CFP(R)。起業コンサルV-Spiritsグループ/税理士法人V-Spirits代表。年間約200件の起業相談を無料で受託し、起業家をまるごと支援。起業支援サイト 「DREAM GATE」で6年連続相談数日本一。「一日も早く 起業したい人が『やっておくべきこと・知っておくべきこと』」など、起業・経営関連の著書・監修書多数。http://v-spirits.com/

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