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在庫と利益の関係は? 在庫が利益につながるカラクリ

中野 裕哲(なかの ひろあき)起業コンサルタント(R)

在庫と利益の関係は? 在庫が利益につながるカラクリ

飲食店や雑貨屋においては日々仕入れが発生します。仕入れたものの中には、売れるものもあれば、在庫として残るものもあります。しばしば「在庫が増えれば利益が増える」といわれます。この在庫と利益はどのような関係性なのでしょうか?

この記事の目次

売上原価と期末在庫の関係

個人事業主の確定申告や会社の決算では、売上からさまざまな経費を差し引いた利益に対して所得税や法人税といった税金がかかります。

この利益には、売上総利益、営業利益や経常利益などいくつかの種類があります。このうち、売上から売上原価を引いた利益を売上総利益といいます。売上原価とは売上を上げるために直接かかった費用のことです。

この売上原価の計算方法が分かれば、在庫と利益の関係も分かります。

売上原価と期末在庫の関係 在庫と利益の関係

飲食店などの仕入れを伴うビジネスにおいては、在庫が発生します。さすがに毎日の在庫を確認するのは大変ですが、少なくとも個人事業主は毎年12月31日の営業終了時点での期末在庫、会社は決算日の営業終了時点での期末在庫を数える必要があります。

売上原価は売上を上げるために直接かかった費用ですが、飲食店などモノを仕入れてお客様に提供するビジネスにおいては、売上原価は「売れた分に対応する仕入れ」を指すのが一般的です。つまり、仕入れても売れていない分(在庫)は、売上総利益の計算上では売上原価に含めてはいけないということになります。

飲食店のように多くの種類のものを大量に仕入れたり、仕入れたものを加工してお客様に提供したりするビジネスでは、一つ一つの売上に対して原価を計算することは非常に大変です。そこで、このようなビジネスで売上原価を計算するには、仕入れた総額から期末在庫の金額を引きます。

売上原価と期末在庫の関係 売上原価は「売れた分に対応する仕入れ」を指す

在庫が増えれば利益が増える?

売上原価の計算方法が分かれば、「在庫が増えれば利益が増える」という言葉の意味も分かります。期末在庫は仕入れから引くため、その分売上総利益が大きくなるのです。

例えば、売上100万円、仕入れ110万円、期末棚卸在庫20万円の場合、
売上総利益=100万円 − (110万円 − 20万円) = 10万円
となります。

在庫が増えれば利益が増える? 例:売上100万円、仕入れ110万円、期末在庫20万円の場合

在庫は少ないほうがいい

「在庫が増えれば利益が増える」のであれば、在庫を増やせばよいのでしょうか? 答えはNoです。

そもそも在庫は期末に残っている在庫なので、あくまで期中に仕入れたもののうち売れ残ってしまったものです。モノを仕入れるためにはお金が必要です。自由にできるお金を手元に置いておくほうが資金繰りで有利です。

例えば、110万円を仕入れて20万円分の期末在庫が残るよりも、95万円を仕入れて5万円分の期末在庫が残るほうが、同じ売上原価でも出ていくお金が少ない分、資金繰りの上で有利です。

先ほどの例の数字を使うと、売上100万円、仕入れ110万円、期末棚卸在庫20万円の場合、売上総利益は黒字であっても、お金という面では10万円の赤字です(100万円 − 110万円 = マイナス10万円)。

加えて無駄な在庫を持たないということは、食品であれば期限切れ、雑貨であれば流行遅れにより現金化できないというリスクも減らせますし、保管スペースも小さくて済みます。在庫は最終的に現金化して、ようやくその役目を果たせます。どれだけ在庫の金額が大きくても、最終的に現金化できなければ、ただのモノです。

「在庫が増えれば利益が増える」というよりは、残ってしまった在庫は売上原価を計算するうえでは除く必要がある、という意識が必要です。

まとめ

  • 売上総利益を求めるために、期末に残っている在庫は売上原価を計算するうえで除く必要がある
  • 期末在庫を仕入れから除くため、期末在庫の分だけ売上総利益が大きくなる
  • 資金繰りのためにも、できる限り在庫を少なくすることが重要である

飲食店などの店舗系ビジネスにおいては、資金繰りは重要な要素です。日々の仕入れを適切に行い、日々の在庫の量をある程度把握しておきましょう。

※この記事は公開時点の情報を元に作成しています。

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この記事を書いた人

中野 裕哲(なかの ひろあき)氏

中野 裕哲(なかの ひろあき)起業コンサルタント(R)

起業コンサルタント(R)、税理士、特定社労士、行政書士、CFP(R)。起業コンサルV-Spiritsグループ/税理士法人V-Spirits代表。年間約200件の起業相談を無料で受託し、起業家をまるごと支援。起業支援サイト 「DREAM GATE」で6年連続相談数日本一。「一日も早く 起業したい人が『やっておくべきこと・知っておくべきこと』」など、起業・経営関連の著書・監修書多数。http://v-spirits.com/

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