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「販売奨励金やリベート」を支払う場合、消費税率の区分はどうする?

中野 裕哲(なかの ひろあき)起業コンサルタント(R)

「販売奨励金やリベート」を支払う場合、消費税率の区分はどうする?

メーカーや卸売業者などが小売業者に対して販売奨励金を支払うことがあります。このリベートの対象に、軽減税率の対象商品とそれ以外の商品が含まれている場合、販売奨励金にかかる消費税はどのように処理すればよいのでしょうか? 計算方法や請求書の記載方法などを解説します。

この記事の目次

販売奨励金は対象商品の税率に応じて計算する

販売奨励金とは、販売業者に対して自社の商品をより多く販売してもらうために、販売業者に対して渡すお金のことです。販売奨励金はリベートやインセンティブと呼ばれることもあります。

飲食料品や日用雑貨を扱う卸売業者が販売奨励金を支払う場合、対象となる商品に、軽減税率の対象商品とそうでない商品が混在していることがあります。販売奨励金は、基本的にどの商品をどれだけ販売すればいくら支払うかということが、あらかじめ取り決められています。そのため、軽減税率の対象商品に対するリベートであれば8%、そうでなければ10%の税率が適用されます。

ただし、販売奨励金の支払額の取り決めの方法上、どの商品にかかる販売奨励金なのか明確に区分できない場合(例えば売上全体の〇〇%を支払うといったケース)は、それぞれの税率にかかる税込金額の合計額で販売奨励金を按分して計算します。

例えば、売れた商品一つに対して、税込価格の1割が販売奨励金として支払われるとします。「軽減税率の対象品目である商品A(税込1,080円)」が10個、「軽減税率の対象品目ではない商品B(税込1,100円)」も10個売れた場合の計算を考えてみます。

▼販売奨励金の金額が商品Aの税抜金額の10%と決められているケース
<税率がわかる場合の請求書(または支払通知書)記載事項>
8%対象:販売奨励金1,000円(内消費税額74円) ★
合計請求額 1,000円(内消費税額74円)

▼販売奨励金の金額が売上の税抜金額全体の5%と決められているケース
<税率がわからない場合(販売奨励金を按分した場合)の請求書(または支払通知書)記載事項>
8%対象:1,000円[*] × 10,800円/21,800円 = 495円(内消費税額36円)★
10%対象:1,000円[*] × 11,000円/21,800円 = 505円(内消費税額46円)★

※「★」印は請求書や支払通知書に記載すべき税込額。
*:売上全体の5%。

支払通知書 販売奨励金の金額が商品Aの税抜金額の10%と決められているケース

クリックして大きな画像で見る(pdfが開きます)

支払通知書 販売奨励金の金額が売上の税抜金額全体の5%と決められているケース

クリックして大きな画像で見る(pdfが開きます)

販売奨励金は消費税の計算上は、値引きや返品と同じよう扱われます。値引きや返品については、相手から請求書等を発行してもらうことは手間をかけてしまいますので、請求書等の発行について消費税上は求められていません。ただし、会計ソフトなどの帳簿上には、どのような商品に対する販売奨励金なのかということを明記しておく必要があります。

売上から相殺することも可能である

販売奨励金は値引きのようなものなので、必ず相手からの商品代金の支払いがあります。また、どの商品を売れば販売奨励金を支払うのかということもあらかじめ決まっています。そのため、相手から総額を支払ってもらい、別途相手に対して販売奨励金を支払うという方法ではなく、代金の総額から販売奨励金を相殺した金額を相手から支払ってもらうという方法を取ることがあります。

この場合、支払う相手が処理しやすいように、それぞれの税率ごとに相殺する販売奨励金の金額を請求書に明記しておけば問題ないでしょう。ただし、販売奨励金を相殺する前のそれぞれの税率ごとの税込金額は明記する必要がありますので、相殺後の金額のみを記載することは認められません。

まとめ

  • 販売奨励金の支払いについては、請求書等の発行は不要であるが、帳簿に対象となる商品の記載が必要となる
  • 販売奨励金の支払い方法には、相手が支払う販売代金から相殺する方法や、相手からは総額の支払いを受けた後に単独で相手に支払う方法がある
  • 販売奨励金を相殺する場合、請求書には相殺後の金額だけでなく、相殺前の税込金額を税率ごとに記載しなければならない

販売奨励金は、支払方法や、相殺する場合の請求書への記載方法など、軽減税率の開始前に事前に確認しておきましょう。

※この記事は公開時点の情報を元に作成しています。

メールにて「軽減税率対策ツール」のダウンロードリンクをお送りします。

この記事を書いた人

中野 裕哲(なかの ひろあき)氏

中野 裕哲(なかの ひろあき)起業コンサルタント(R)

起業コンサルタント(R)、税理士、特定社労士、行政書士、CFP(R)。起業コンサルV-Spiritsグループ/税理士法人V-Spirits代表。年間約200件の起業相談を無料で受託し、起業家をまるごと支援。起業支援サイト 「DREAM GATE」で6年連続相談数日本一。「一日も早く 起業したい人が『やっておくべきこと・知っておくべきこと』」など、起業・経営関連の著書・監修書多数。http://v-spirits.com/

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