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いざという時困らないために電話対応の基本を確認しよう

中野 裕哲(なかの ひろあき)起業コンサルタント(R)

どんな事業所であっても丁寧な電話対応は基本です。電話をかける場合も受ける場合も、対応次第で事業所の印象が決まります。本記事では、知っているようで知らない電話対応の基本について解説します。電話をかける際、受ける際それぞれの対応方法やマナーを押さえて、電話先のお相手に良い印象を与えましょう。

この記事の目次

電話をかける際の基本的な流れ

まずは電話をかける際の基本的な流れについてケース別に見ていきます。

電話に出た相手が本人だった場合

電話に出た相手が本人だった場合の流れは、下記の通りです。

  1. 名乗る
  2. 何の件で電話したか伝える
  3. 今、電話が可能かどうか尋ねる
  4. 用件を簡潔に伝える
  5. 電話を切る

まず、電話に出た相手が挨拶を終えたら、社名(所属事業所名)と自分の名前を名乗り「いつもお世話になっております」などと添えましょう。その後、何の件で電話したか伝えます。

次に、先方に電話をしても可能な状況か聞き、可能であれば「○分ほどお時間いただけますか」と尋ねましょう。通話可能な時間を聞いておくことで、相手に時間を取らせないよう配慮できます。

用件を簡潔に伝えたら、忙しい中、電話に出てくれた先方に感謝を伝え「失礼いたします」と述べ、電話を切りましょう。電話を切る際は、かけた側から切るのがマナーです。しかし、相手がお客様の場合は、相手が電話を切ったことを確認してから電話を切りましょう。また、固定電話の場合、電話を切る際は受話器を丁寧に置くことが大切です。受話器を乱暴に置くと、大きな音がして相手を驚かせたり、悪い印象を与えてしまう可能性があります。

電話に出た相手が別の人だった場合

電話に出た相手が別の人だった場合の流れは、下記の通りです。

  1. 名乗る
  2. 何の件で電話したか伝える
  3. 相手が在室(在席)かどうか聞き、在室(在席)の場合は取り次いでもらう
  4. 不在の場合は戻り時間を尋ね、電話をかけ直すと伝える(急ぎの要件の場合は折り返していただくよう伝える)
  5. 電話を切る

電話に出た相手が別の人だった場合、まずは名乗った上で先方に相手が在室(在席)しているかどうかを確認しましょう。相手が在室(在席)していれば取り次いでもらいます。相手が不在、もしくは取り込み中の場合、相手の戻り時間を尋ね、電話をかけ直す旨を伝えましょう。急ぎの要件の場合は折り返していただくようお願いしても良いでしょう。

対応していただいた方に感謝の気持ちを伝えることも忘れてはいけません。電話を切る際は「失礼いたします」と述べ、受話器をそっと置きましょう。

先方の用件で電話を折り返した場合

先方の用件で電話を折り返した場合は、以下の通りです。

  1. 名乗る
  2. 本人以外が出た場合「先方用件の電話であること」を伝え、取り次いでもらう
  3. 本人が不在だった場合、折り返しの連絡を依頼する
  4. 電話を切る

先方の用件で電話をかけ直した場合は、電話に出た人に先方用件の電話であることを伝えましょう。もし先方が不在の場合は、相手の都合がつく時間に折り返しの電話がほしい旨を伝えます。もう一度社名と名前を名乗り、連絡先を伝えてから電話を切りましょう。

電話をかける際の注意点

電話をかける際に注意すべき点について、いくつか見てみましょう。

かける時間帯に注意する

まず、電話をかける時間帯に注意します。例えば、連休が明けたばかりの午前中は、忙しいことが想定されるため、そのような時間帯に電話をかけるのはなるべく避けましょう。また、営業開始時間や営業終了時間に近い時間も避けるべきです。やむを得ず業務時間外に電話をかける際は、「業務時間外に失礼いたします」と一言添えるのがマナーです。

飲食店関係者に電話をかける場合は、ランチやディナーの営業時間帯は避けましょう。ランチタイムとディナータイムの間の午後2~4時ごろが良いでしょう。

あらかじめ伝える情報を整理しておく

電話をかける前に、伝えたい情報を整理することは大切です。特に、伝える情報が複雑な場合は、前もって紙に書くなどして整理しましょう。整理をした上で丁寧に伝えることで、無駄な時間を相手に取らせずに済みます。

要件を簡潔に伝える

要件を伝える際は、簡潔に伝えます。伝える内容が複雑になると、何が重要なことなのかが理解できません。通話時間も長くなり、相手に迷惑をかけてしまいます。相手の立場に立ち、要件を簡潔に話すことが重要です。

電話を受ける際の基本的な流れ

ここでは、電話を受ける際の基本的な流れについて見ていきます。

基本的な流れは、以下の通りです。

  1. 挨拶
  2. 名乗る
  3. 先方の社名と名前の復唱
  4. 電話の取り次ぎ
  5. 取り次ぐ相手が不在の場合は、その旨を伝える
  6. 電話を切る

まず、電話に出たら挨拶します。午前11時までは「おはようございます」と挨拶しましょう。それ以外の時間帯であれば「お電話ありがとうございます」と述べた後、社名と名前を名乗ります。3コール以上鳴ってから電話をとった場合は、「お待たせいたしました」と一言添えてから名乗りましょう。

挨拶の後、先方が名乗られたら、先方の社名と名前を復唱します。特定の人物への取り次ぎを依頼されたら少しお待ちいただき、取り次ぎましょう。取り次ぐ相手が外出中で電話に出られない場合は、不在であることを伝えます。そのうえで、折り返す旨を伝えるか、用件や伝言を伺うようにしましょう。電話を切る際は、相手が電話を切るまでそのまま待つのが基本です。

電話を受ける際の注意点

電話を受ける際にも、注意すべき点があります。具体的に見ていきましょう。

コール数に気をつける

電話がかかってきたら、基本的に3コール以内に受話器を取りましょう。コール数が長いと相手を待たせてしまうため、スタッフは普段から受話器が取りやすい位置に居るようにしてください。

第一声に気をつける

電話を受ける際には、第一声に気をつけなければいけません。電話では表情は伝わらないため、声に元気がなかったり暗かったりすると、それが会社全体のイメージダウンにつながります。普段よりも声のトーンを一段と明るくし、また語尾を少し高い声にするよう意識すると良いでしょう。電話で話す際は意識しないと語尾が下がり、暗い印象を持たれがちなので注意してください。

聞き取れない場合は必ず確認する

先方が名乗っているときや要件を伝えているときに、声が聞き取りづらい場合があります。そういった際は、必ず先方に確認しましょう。

例えば「恐れ入りますが、少々お電話が遠いようなので、もう一度お名前をおっしゃっていただけますか?」と聞き返します。「声が小さいので聞き取りにくい」など相手を責める言い方は厳禁です。

また、先方が名乗らない場合は必ず確認しましょう。名前を尋ねる場合は、先に自分が名乗ります。

復唱してメモを取る

伝言を受ける場合や折り返しの連絡先を伺う場合、相手の言った内容を復唱し、メモを取ることが重要です。復唱することで、メッセージを正しく受け取っているか相手に確認してもらえます。

基本的に電話を取る際にメモは必須です。しかし、筆記用具を探すのに時間を取られると、その間相手を待たせてしまいます。そのため、メモ帳と筆記用具は普段から服のポケットの中など取り出しやすい場所に入れ、常備しておきましょう。固定電話で電話を取ることが多い場合は、電話の近くにメモ帳と筆記用具の置き場を作っておくと良いです。

取り次ぐ場合は保留にする

電話を取り次ぐ場合は、一度保留にするのがマナーです。取り次ぐ人が近くにいたとしても必ず保留してください。

保留は30秒程度が目安です。もしそれ以上待たせてしまいそうな場合は、折り返す旨を伝えましょう。「電話を待たせた分だけ、相手の貴重な時間を奪う」という意識を常に持つことが大切です。

基本的な例文をご紹介

電話の際によく使う例文をケース別でご紹介します。

電話をかける場合

電話をかける場合の例文を見てみましょう。

  • 本人 (電話をかける相手) が出たとき
    「いつもお世話になっております。(事業所名)の(自分の名前)と申します。〇〇の件でご連絡させていただきました。今からお時間○分ほど頂戴してもよろしいでしょうか?」
  • 別の人が電話に出たとき
    「いつもお世話になっております。(事業所名)の(自分の名前)と申します。〇〇の件でご連絡させていただきました。(相手の所属部署名)の(相手の氏名、もしくは肩書)様はいらっしゃいますでしょうか?」
  • 相手が外出中で不在だったとき
    「恐れ入りますが、お戻りは何時ごろのご予定でしょうか?」
    (戻り時間を聞いた後)「それでは後ほど、改めてご連絡差し上げます。丁寧にご対応いただきありがとうございました」

電話を受ける場合

電話を受ける場合の基本的な例文について見てみましょう。

  • 電話に出たとき
    「お電話ありがとうございます。(事業所名)の(自分の名前)でございます」
  • 3コール以上鳴ってから電話に出たとき
    「お待たせいたしました。(事業所名)の(自分の名前)でございます」
  • 相手の名前を復唱するとき
    「(相手の事業所名)の(相手の名前)様でいらっしゃいますね。いつも大変お世話になっております」
  • 先方が取り次ぎたい相手が休んでいる場合
    「申し訳ございません。本日(不在者の名前)は休みを取っております。明日は出社いたしますので、明日(不在者の名前)からお電話するようにいたしますがよろしいでしょうか?」
    「申し訳ございません。本日(不在者の名前)は休みを取っております。私でよろしければ代わりにご用件をお伺いいたしますが、いかがいたしましょうか?」
  • 先方が名前を名乗らないとき
    「恐れ入りますが、お名前を教えていただけますでしょうか?」
  • 先方の声が聞き取りにくいとき
    「恐れ入りますが、少々お電話が遠いようでございます。もう一度おっしゃっていただけますでしょうか?」

先方の用件で電話を折り返した場合

  • 先方の用件で電話を折り返しかけたとき
    「(事業所名)の(自分の名前)と申します。いつもお世話になっております。(相手の所属部署名)の(相手の氏名、もしくは肩書)様に先ほどご連絡をいただき、折り返しお電話いたしました」
  • 先方が不在だったとき
    「恐れ入りますが、(相手の名前)様のご都合のつくお時間にお電話をいただきたいとお伝えいただけますでしょうか。私は(事業所名)の(自分の名前)と申します。電話番号は(自分の電話番号)です」

すぐ使える例文

電話対応の際に使いやすいフレーズをご紹介します。

  • 「左様でございます」
    「そうです」に代わる言葉として使え、丁寧な印象を与えます。同じ意味を持つ言葉として他に「おっしゃる通りです」もあります。相手の言葉を肯定する際に使いましょう。
  • 「承知いたしました」
    「分かりました」を表す「了解しました」は、上司や目上の人、取引先の人に対して使うフレーズとしてふさわしくありません。「承知いたしました」や「かしこまりました」を使います。
  • 「恐れ入りますが」
    相手に少し待ってもらう際など、お願いしたり謝罪したりする場面で使いやすいフレーズです。こうした場面で言ってしまいがちなのが「すみませんが」や「申し訳ありませんが」といったフレーズ。「すみませんが」は電話の相手に使う言葉としてふさわしくありません。「申し訳ありませんが」は多用すると謝ってばかりいる印象を与えます。
  • 「私(わたくし)」
    電話対応では男性も女性も一人称は「わたし」が基本ですが、「私(わたくし)」とした方がより丁寧になります。

間違えやすい例文

電話対応の際に使ってしまいがちなものの、実は間違っている例についてご紹介します。

  • 「とんでもございません」
    電話の相手から謝られた場合に返す言葉としてよく聞く「とんでもございません」。正しくは「とんでもないことでございます」です。省略されて広まっていますが、間違いなので気をつけましょう。似た言葉として「とんでもないです」がありますが、これも「滅相もない」を表す言葉として使用できます。
  • 「お名前を頂戴します」
    相手の名前を聞く際の「お名前を頂戴します」というフレーズは間違いです。「頂戴」はもらうことを意味する言葉ですが、名前はもらうものではありません。正しくは「お名前を教えていただけますか」です。
  • 「今、お時間よろしかったでしょうか」
    「よろしかったでしょうか」は過去形ですので、「今、お時間頂いてもよろしいでしょうか」が正しい尋ね方です。
  • 「〇〇様でございますね」
    相手のお名前を復唱する際に、ついつい言ってしまいがちなフレーズですが、「ございます」は自分に対して使う言葉です。正しくは「〇〇様でいらっしゃいますね」です。

まとめ

  • 電話対応はその事業所の印象につながる
  • 電話をかけるときは時間帯に注意した上で要件をシンプルに伝える
  • 電話を受けるときは相手の時間を無駄にしないよう速やかに対応する
  • 電話対応の際に間違った言葉遣いをしていないか気をつける

電話対応は、その事業所のイメージを左右します。長い間待たされたり、言葉遣いが悪かったりするとイメージは悪くなり、売り上げにも影響を及ぼしかねません。電話をかける際も受ける際も相手の立場に立った対応を心がけて、スムーズなやり取りを目指しましょう。

※この記事は公開時点、または更新時点の情報を元に作成しています。

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この記事を書いた人

Airレジ マガジン編集部

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この執筆者の記事一覧
中野 裕哲(なかの ひろあき)氏

中野 裕哲(なかの ひろあき)起業コンサルタント(R)

起業コンサルタント(R)、税理士、特定社労士、行政書士、CFP(R)。起業コンサルV-Spiritsグループ/税理士法人V-Spirits代表。年間約200件の起業相談を無料で受託し、起業家をまるごと支援。起業支援サイト 「DREAM GATE」で6年連続相談数日本一。「一日も早く 起業したい人が『やっておくべきこと・知っておくべきこと』」など、起業・経営関連の著書・監修書多数。http://v-spirits.com/