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東京都の新型コロナウイルス感染症対応緊急融資とは?特徴や条件など注意点を解説

中野 裕哲(なかの ひろあき)起業コンサルタント(R)

新型コロナウイルス感染症対応緊急融資とは、銀行や信用金庫など民間の金融機関が行う東京都の融資制度です。新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受けている東京都の中小企業や小規模事業者が利用できます。新型コロナウイルス感染症対応緊急融資は借り換え制度もあり、既存融資をこの制度で借り換えることができます。どのような制度なのか見ていきましょう。

この記事の目次

新型コロナウイルス感染症対応緊急融資の特徴

新型コロナウイルス感染症対応緊急融資制度の概要

新型コロナウイルス感染症拡大の影響をうけ、最近3か月の売上又は今後3か月の売上見込みが令和元年 12 月以前の直近同期比で5%以上減少している場合、利用することができる融資制度です。運転資金の場合 10 年以内(据置期間5年以内)、設備資金の場合15 年以内(据置期間5年以内)となっています。融資利率は融資期間に応じて、1.7%~2.4%以内です。

融資額が1億円までであれば、融資実行後3年間は全額利子補給が受けられ、保証料も全額補助が受けられます。
一般保証とセーフティーネット保証がありますが、大半は自治体の発行するセーフティーネット保証認定を受け、セーフティーネット保証を利用します。

新型コロナウイルス感染症対応緊急借換制度の概要

既存で保証協会付の融資を利用している場合に、新型コロナウイルス感染症対応緊急借換制度を利用することができます。

借換制度とは、既存の融資残高を新たな融資にまとめてくれる制度です。

例えば既存融資が融資額1000万円、返済期間5年、残高500万円 金利2%、月額返済額16万円の融資があり、追加で500万円、返済期間5年、金利1%で借りたいとします。借換制度を利用すると、1000万円を借り、既存の500万円を返済し、手取りで500万円受けとります。

借換制度のメリットは、①返済負担を減らすことができる、②金利を下げられる場合があることです。

①について、500万円を追加で借りる場合は、融資が2本となり、既存の返済16万円、追加融資分の返済8万円(500万円÷5年÷12か月(概算))がプラスされ、月額返済額が24万円となります。借換の場合は、借り換え時に1000万円の融資を受けなおす感じになるので、返済額は16万円(1000万円÷5年÷12か月(概算))となり、500万円手取りで受けたにもかかわらず、返済額は同じに抑えることができます。

②については、追加で借りる場合、既存融資の金利が2%、新規で借りる場合の金利が1%ですので、既存の2%はそのまま残ります。借り換えの場合は1%のみとなるので、金利負担を減らすことができます。

新型コロナウイルス感染症対応緊急借換制度は、新型コロナウイルス感染症拡大の影響をうけ、最近3か月の売上又は今後3か月の売上見込みが令和元年 12 月以前の直近同期比で5%以上減少しており、保証協会付の融資を利用している場合に、利用することができる融資制度です。運転資金の場合 10 年以内(据置期間5年以内)で、設備資金は利用できません。融資利率は融資期間に応じて、1.7%~2.2%以内です。

融資額が1億円までであれば、融資実行後3年間は全額利子補給が受けられ、保証料も全額補助が受けられます。事業計画書を策定し、経営改善に取り組む必要があり、一般保証とセーフティーネット保証がありますが、大半は自治体の発行するセーフティーネット保証認定を受け、セーフティーネット保証を利用します。

セーフティーネット保証認定制度

突発的災害(自然災害等)の発生や、全国的に業況の悪化している業種に属する中小企業者を支援するための措置です。

セーフティーネット保証4号認定

突発的事由(今回の新型コロナウイルス感染症含む)により、経営の安定が難しい中小企業者への資金供給の円滑化を図るため、信用保証協会が通常の保証限度額とは別枠で借入債務の100%を保証する制度です。以下のいずれにも該当する中小企業者が対象になります。

  1. 指定地域において1年間以上継続して事業を行っている
    (創業後1年未満の方は、業歴が3か月以上1年1か月未満の場合も、以下の条件を満たせば認定できます。)
  • 直近1か月または最近6か月の平均の売上高等が、直近1か月を含む最近3か月間の平均売上高等と比較して、各基準以上に減少していること。
  • 直近1か月または最近6か月の平均の売上高等が、令和元年12月の売上高等と比較して各基準以上に減少しており、かつ、その後2か月間を含む3か月間の売上高等が令和元年12月の売上高等の3倍と比較して各基準以上に減少することが見込まれること。
  • 直近1か月または最近6か月の平均の売上高等が、令和元年10月から12月までの平均売上高等と比較して、各基準以上に減少しており、かつ、その後2か月間を含む3か月間の売上高等が令和元年10月から12月までの売上高等と比較して各基準以上に減少することが見込まれること。
  1. 災害の発生に起因して、当該災害の影響を受けた後、原則として最近1か月または最近6か月の平均の売上高等が前年同月または前年6か月間の売上高等平均に比して20%以上減少しており、かつ、その後2か月を含む3か月間の売上高等が前年同期に比して20%以上減少することが見込まれること

セーフティーネット保証5号認定

全国的に業況の悪化している業種に属する中小企業者で、経営の安定が難しい中小企業者への資金供給の円滑化を図るため、信用保証協会が一般保証とは別枠で融資額の80%を保証する制度です。以下のいずれにも該当する中小企業者が対象になります。

  1. 指定業種に属する事業を行っており、最近3か月間の売上高等が前年同期比5%以上減少している中小企業者
  2. 指定業種に属する事業を行っており、製品等原価のうち20%を占める原油等の仕入価格が20%以上、上昇しているにもかかわらず、製品等価格に転嫁できていない中小企業者
    (なお2020年5月1日より一部例外業種を除く原則全業種の方々がご利用できるようになりました。)

新型コロナウイルス感染症対応緊急融資の条件と限度額

新型コロナウイルス感染症対応緊急融資は、信用保証協会の保証対象となっている中小企業者であれば利用できます。中小企業者とは、常時使用する従業員数または資本金のいずれか一方が下記に該当している場合です。

業種 資本金 従業員数
製造業等 3億円以下 300人以下
卸売業 1億円以下 100人以下
小売業 5,000万円以下 50人以下
サービス業 5,000万円以下 100人以下
医療法人等 300人以下

ソフトウェア開発や情報サービス業や旅行業、宿泊業など一部の業種は別途定められた規模要件があります。
出典:東京都信用保証協会

新型コロナウイルス感染症対応緊急融資を利用できる条件

新型コロナウイルス感染症対応緊急融資は、新型コロナウイルス感染症拡大の影響をうけ、最近3か月の売上又は今後3か月の売上見込みが令和元年 12 月以前の直近同期比で5%以上減少しており、かつ上記の利用できる人であり、信用保証審査を通過した場合に利用できます。
セーフティーネット保証の場合は自治体のセーフティーネット保証認定を受ける必要があります。

新型コロナウイルス感染症対応緊急融資の融資限度額

融資限度額は2億8千万円(普通保証2億円、無担保保証8千万円)です。セーフティーネット保証は別枠で2億8千万円(普通保証2億円、無担保保証8千万円)となります。

信用保証協会への申請期限と申込みの流れ

申請期限

セーフティーネット保証の場合、4号認定は2021年3月1日までとなっておりましたが、2021年6月1日まで延長されました。5号認定は2021年6月30日までとなっています。

申し込みの流れ

  1. 金融機関への相談
    融資を受けたい旨金融機関に相談します。保証協会へ推薦するかどうか、金融機関で協議し、問題なければ推薦するよう進めます。
  2. セーフティーネット認定証
    自治体に申請しセーフティーネット認定証をもらいます。一般に事業者が行いますが、金融機関が代理で行うこともあります。
  3. 申し込み
    一般的に金融機関を経由して行います。金融機関に信用保証協会の申込書類があるので、そちらに記入します。セーフティーネット保証を利用する場合は、認定証を合わせて提出します。

<必要書類>

新型コロナウイルス感染症対応緊急融資の申し込みには一般に次のものを提出します。審査状況により、信用保証協会や金融機関からこれら以外に追加で書類が求められる場合があります。求められたらその指示に従い提出しましょう。

  • 信用保証委託申込書
  • 信用保証委託契約書
  • 個人情報の取扱いに関する同意書
  • セーフティーネット保証認定証(原本)
  • 印鑑証明書(申込人(予定代表者個人)のもの)
  • 事業に必要な許認可書又はその写し(当該事業を営むため許可、認可、登録、届出等を必要とする業種のみ)
  • 決算書3期分
  • 直近の試算表
  • 売上減少が確認できる資料 など
  1. 審査
    信用保証協会にて信用保証を行うかどうか審査します。希望融資額が減額されたり、保証が受けられず融資が受けられない場合があります。
  2. 信用保証決定
    審査を通過すれば信用保証書が金融機関に届きます。
  3. 金融機関での手続き
    融資を行うために金融機関で必要な手続きを行います。
  4. 融資実行
    通帳や契約書などの準備が整えば融資実行になります。

新型コロナウイルス感染症対応緊急融資に関する注意点

全国共通制度から利用

東京都の新型コロナウイルス感染症対応緊急融資を利用する場合は、まず先に全国共通の制度である新型コロナウイルス感染症対応資金を利用します。新型コロナウイルス感染症対応資金は融資限度額が無担保6千万円で、3年間実質無金利の全国共通の制度です。東京都の場合、新型コロナウイルス感染症対応資金の融資限度額を超える融資を受ける場合は、新型コロナウイルス感染症対応緊急融資を利用することになります。

セーフティーネット認定があった方が良い

セーフティーネット4号・5号認定がなかったとしても新型コロナウイルス感染症対応緊急融資を利用することはできますが、認定があるとが審査上プラスになりますので、極力入手してから申し込むことをおすすめします。

まとめ

  • 新型コロナウイルス感染症対応緊急融資は、新型コロナウイルス感染症拡大の影響をうけ、最近3か月の売上又は今後3か月の売上見込みが令和元年 12 月以前の直近同期比で5%以上減少している場合、利用することができる
  • 融資額1億円まで3年間全額利子補給が受けられる
  • セーフティーネット保証と組み合わせると融資限度額が別枠で増やすことができる

新型コロナウイルス感染症対応緊急融資は、新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受ける中小企業を支える東京都の融資制度です。融資額1億円まで3年間全額利子補給が受けられます。全国で使える制度として、融資限度額が無担保6千万円で、3年間実質無金利の新型コロナウイルス感染症対応資金もありますので、活用を検討しましょう。

※この記事は公開時点、または更新時点の情報を元に作成しています。

この記事を書いた人

中野 裕哲(なかの ひろあき)氏

中野 裕哲(なかの ひろあき)起業コンサルタント(R)

起業コンサルタント(R)、税理士、特定社労士、行政書士、CFP(R)。起業コンサルV-Spiritsグループ/税理士法人V-Spirits代表。年間約200件の起業相談を無料で受託し、起業家をまるごと支援。起業支援サイト 「DREAM GATE」で6年連続相談数日本一。「一日も早く 起業したい人が『やっておくべきこと・知っておくべきこと』」など、起業・経営関連の著書・監修書多数。http://v-spirits.com/