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健康保険の扶養って何?条件は?従業員の加入手続き方法を解説

Airレジマガジン編集部

中野 裕哲(なかの ひろあき)起業コンサルタント(R)

健康保険の手続きの際に、扶養という言葉を聞いたことがありますか?従業員の妻や子供が扶養に入ることができるのは何となく知っていても、詳しい条件などがわからないということはありませんか?今回は扶養に関する詳しい条件や手続き方法を説明していきます。扶養の手続きに詳しくなれば、従業員の扶養の手続きをする時も安心です。

この記事の目次

健康保険における扶養の定義とは

社会保険とは、一般的に健康保険と厚生年金保険など、会社で働く際に加入する保険の総称として使われる言葉です。自営の個人経営の場合は、社会保険に加入せずに国民健康保険と国民年金に加入する場合が多いです。

しかし、法人であったり、個人経営でも常時5名以上の従業員を雇う場合(業種による)には、この社会保険に加入する義務があります。国民健康保険では扶養という概念はありませんが、この社会保険の健康保険には扶養という制度があります。扶養には、「生活できるように世話をすること」という意味があります。

健康保険では、この扶養手続きをすることによって条件を満たす家族を、健康保険の扶養に入れることができます。これは、健康保険の被保険者である従業員のために事業主が手続きを行うことによって、従業員の家族に保険証が発行されて、家族が健康保険を使うことができる制度です。

扶養の加入条件を知ろう

扶養したい方の扶養可否については、以下のフローチャートでご確認ください。

扶養可否フローチャート

扶養に入れる手続きができる家族の条件は、以下の通りです。

条件①:被保険者の収入で生計を立てている三親等内の親族

被保険者の、三親等内の親族(同居・別居により条件異なる)で被保険者の収入で生計を立てている人。

親等とは親族関係を表す単位です。家系図を書いて直接つながれば一親等、一親等の人を介して繋がれば二親等…というようになります。三親等の範囲については以下の図をご覧ください。また、被保険者の収入で生計を立てているとは、被保険者の収入により生計が維持されているということですが、健康保険の扶養については、主に収入の状況から、被保険者の収入によって生計を維持しているかどうかを判定しています。具体的な判定基準は以下の通りです。

同一世帯の場合 対象者の年間収入が130万円未満(60歳以上または障害厚生年金を受けられる程度の障害者の場合は180万円未満)であって、かつ、被保険者の年間収入の2分の1未満である場合。
別居の場合 対象者の年間収入が130万円未満(対象者が60歳以上またはおおむね障害厚生年金を受けられる程度の障害者の場合は180万円未満)であって、かつ、被保険者からの仕送りによる収入額より少ない場合。

三親等内の親族

条件②:年間の収入が130万円未満

年間の収入が130万円未満(60歳以上の場合は180万円未満)で、被保険者の年間収入の半分を超えない。

同居している配偶者を例に計算してみましょう。

<同居している配偶者のケース>

  • 被保険者の年収 300万円
  • 配偶者の年収 120万円(月収10万円)

<配偶者の状況>

  1. 年間の収入120万円<130万円
  2. 毎月の収入10万円<108,334円(130万円を12で割った金額)
  3. 配偶者の年収120万円<被保険者の年収300万円×1/2

この場合は、3つの収入要件を満たすので、扶養に加入することができます。

被扶養者の年収は、過去の収入状況ではなく、扶養に入れようとする日から向こう1年間の見込みで判断します。

会社規模によっては扶養から外れる場合も…

健康保険と厚生年金保険を含んだ社会保険に入るための条件が、2016年の10月に改正されました。また、2017年4月1日からは「従業員規模500人以下の企業」でも、労使との合意があれば、以下の条件を満たすパートが社会保険に加入することができるようになりました。

  • 20時間以上働いている
  • 賃金月額が8.8万円以上(年収106万円以上)
  • 勤務期間が1年以上を予定している

しかし、政府は扶養を外れて社会保険に入ることができる人の条件の幅を広げていく方針です。今後も条件が変わっていく可能性がありますので、経営者として最新情報を知っておくようにしましょう。

手続きの流れと必要書類

扶養の加入申請から認定までの流れは、以下のようになります。

Step 内容
1 書類の提出:被保険者が申請に必要な書類を記入・取り寄せし、会社の社会保険業務担当へ提出。
2 書類の転送:会社が内容を確認のうえ、事業主印を押印して健保へ提出。
3 健保で審査:書類の内容で、質問や追加書類の依頼は全て健保から会社経由で連絡。
4 保険証の発行:認定された場合は、家族の保険証を会社へ送付(認定されなかった場合は、会社へ通知し、会社から被保険者へ連絡します)。
5 保険証の送付:会社が保険証を被保険者へ送付

扶養に入れる手続きの届け出先は、事業所所在地を管轄している年金事務所(健康保険組合に加入している場合は健康保険組合)になります。必要な書類は、収入状況と家族関係の状況を示すもので、以下のような書類の提出を求められることが多いです。

収入状況確認に必要な書類

被扶養者の状況 提出書類 備考
  • 無収入
  • 学生
  • 所得・非課税証明書
  • 学生証
学校へ行っていない16歳以上の子は、「所得・非課税証明書」を提出します。
働いている 直近3ヵ月間の「給与明細書」、または「収入見込証明書」  
退職して1年以内
  • 離職票1・2
  • 雇用保険資格喪失確認通知書
  • 雇用保険の未加入証明…源泉徴収票など
失業保険は非課税保険ですが収入とみなされ、失業保険基本日額が3,612円以下であることが認定条件です。
年金をもらっている 年金振込通知書(年金改定通知書など)  
個人事業主 「確定申告書」と「収支内訳書」  

続柄確認に必要な書類

  • 被保険者の戸籍謄(抄)本(被保険者との続柄がわかるもの)
  • 被保険者の住民票(被保険者が世帯主で、被扶養者と同一世帯である場合に限る)

手続きの際には、書類の提出が遅れるとそれだけ保証の発行に時間がかかります。保険証がないと、病院に行く際に困ってしまうのでとても不便です。扶養の手続きが必要な状況になった場合には、速やかに従業員から必要書類を提出してもらいましょう。事業主は、提出された書類を添付して、加入している健康保険組合に必要な届け出をしてください。

ただし、被保険者と被扶養者のマイナンバーと、会社側で続柄を確認済みの旨を届出書に記載すれば、上記の書類は提出不要となります。

まとめ

会社の経営に必要な知識の一つとして、社会保険の扶養の手続きについて以下のことを知ることが大切です。

  • 三親等の親族で被保険者の収入で生計を立てている、かつ条件に適合すれば扶養に入れる
  • 年間の収入が130万円未満(60歳以上の場合は180万円未満)で、被保険者の年間収入の半分を超えない場合扶養に入れる
  • 従業員501人以上の会社に勤めている場合は、年間収入106万円以上の人は扶養に入れなくなる

従業員の結婚や出産などによる家族の増加で、経営者は扶養の手続きをする必要が出てきます。経営者として扶養に関する正しい知識を把握していくことが大切です。扶養に関する正しい知識を知っていれば、必要な時に安心して手続きをすることでき、従業員の福利厚生の向上にも繋がります。

※この記事は公開時点の情報を元に作成しています。

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この記事を書いた人

Airレジマガジン編集部

「0円でカンタンに使えるPOSレジアプリ『Airレジ』」のメディア「Airレジ マガジン」の編集部。お店を経営している方向けに、業務課題の解決のヒントとなるような記事を制作しています。

中野 裕哲(なかの ひろあき)氏

中野 裕哲(なかの ひろあき)起業コンサルタント(R)

起業コンサルタント(R)、税理士、特定社労士、行政書士、CFP(R)。起業コンサルV-Spiritsグループ/税理士法人V-Spirits代表。年間約200件の起業相談を無料で受託し、起業家をまるごと支援。起業支援サイト 「DREAM GATE」で6年連続相談数日本一。「一日も早く 起業したい人が『やっておくべきこと・知っておくべきこと』」など、起業・経営関連の著書・監修書多数。http://v-spirits.com/

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