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セーフティーネット保証制度と危機関連保証制度とは?利用する条件や申込の流れを解説

中野 裕哲(なかの ひろあき)起業コンサルタント(R)

危機関連保証制度

セーフティーネット保証制度・危機関連保証制度とは、突発的な災害や大規模な経済危機、大型企業の倒産による連鎖倒産、金融機関の破綻などにより、経営危機に直面している中小企業に対し、自治体が危機状況を認定することで、信用保証協会からの保証を受けやすくし民間金融機関から融資を促進する制度です。どのような制度なのか見ていきましょう。

この記事の目次

セーフティーネット保証制度の概要

セーフティーネット保証制度とは、突発的な災害や金融機関の破綻、大企業の破綻による連鎖倒産など、自社では統制不可能な危機に直面している中小企業に対し、信用保証協会による保証制度により、民間金融機関からの融資を受けやすくする制度です。経済産業省が発動することで利用することができます。1号から8号まで下記のような認定があります。

1号:連鎖倒産防止
2号:取引先企業のリストラ等の事業活動の制限
3号:突発的災害(事故等)
4号:突発的災害(自然災害等)
5号:業況の悪化している業種(全国的)
6号:取引金融機関の破綻
7号:金融機関の経営の相当程度の合理化に伴う金融取引の調整
8号:金融機関の整理回収機構に対する貸付債権の譲渡

新型コロナウイルス感染症拡大については4号と5号が発動されています。

セーフティーネット保証4号

突発的事由(今回の新型コロナウイルス感染症含む)により、経営の安定が難しい中小企業者への資金供給の円滑化を図るため、信用保証協会が通常の保証限度額とは別枠で借入債務の100%を保証する制度です。以下のいずれにも該当する中小企業者が対象になります。

  1. 指定地域において1年間以上継続して事業を行っている
    (創業後1年未満の方は、業歴が3か月以上1年1か月未満の場合も、以下の条件を満たせば認定できます。)
  • 直近1か月または最近6か月の平均の売上高等が、直近1か月を含む最近3か月間の平均売上高等と比較して、各基準以上に減少していること。
  • 直近1か月または最近6か月の平均の売上高等が、令和元年12月の売上高等と比較して各基準以上に減少しており、かつ、その後2か月間を含む3か月間の売上高等が令和元年12月の売上高等の3倍と比較して各基準以上に減少することが見込まれること。
  • 直近1か月または最近6か月の平均の売上高等が、令和元年10月から12月までの平均売上高等と比較して、各基準以上に減少しており、かつ、その後2か月間を含む3か月間の売上高等が令和元年10月から12月までの売上高等と比較して各基準以上に減少することが見込まれること。
  1. 災害の発生に起因して、当該災害の影響を受けた後、原則として最近1か月または最近6か月の平均の売上高等が前年同月または前年6か月間の売上高等平均に比して20%以上減少しており、かつ、その後2か月を含む3か月間の売上高等が前年同期に比して20%以上減少することが見込まれること

セーフティーネット保証5号

全国的に業況の悪化している業種に属する中小企業者で、経営の安定が難しい中小企業者への資金供給の円滑化を図るため、信用保証協会が一般保証とは別枠で融資額の80%を保証する制度です。以下のいずれにも該当する中小企業者が対象になります。

  1. 指定業種に属する事業を行っており、最近3か月間の売上高等が前年同期比5%以上減少している中小企業者
  2. 指定業種に属する事業を行っており、製品等原価のうち20%を占める原油等の仕入価格が20%以上、上昇しているにもかかわらず、製品等価格に転嫁できていない中小企業者

なお2020年5月1日より一部例外業種を除く原則全業種の方々がご利用できるようになりました。

参考:セーフティネット保証5号の指定業種

危機関連保証制度の概要

危機関連保証制度とは、突発的な災害や大企業の破綻による連鎖倒産、取引金融機関の破綻、大規模な経済危機等により、経営の安定に支障を生じている中小企業について、通常の保証やセーフティーネット保証と別枠で信用保証を行う制度です。

突発的な災害(今回であれば新型コロナウイルス感染症)による売上減少により、資金繰りや金融取引に支障を来している中小企業で、原則として以下の両方に当てはまる企業が認定を受けることができます。

  • 最近1か月間の売上高等が前年同月比で15%以上減少している
  • その後2か月間を含む3か月間の売上高等が前年同期比で15%以上減少することが見込まれる

セーフティーネット保証・危機関連保証の利用できる対象や条件

利用できる対象

セーフティーネット保証・危機関連保証は、信用保証協会の保証対象となっている中小企業者であれば利用できます。中小企業者とは、常時使用する従業員数または資本金のいずれか一方が下記に該当している場合です。

業種 資本金 従業員数
製造業等 3億円以下 300人以下
卸売業 1億円以下 100人以下
小売業 5,000万円以下 50人以下
サービス業 5,000万円以下 100人以下
医療法人等 300人以下

ソフトウェア開発や情報サービス業や旅行業、宿泊業など一部の業種は別途定められた規模要件があります。(出典:東京都信用保証協会

利用できる条件

新型コロナウイルス感染症拡大の影響をうけ、上記の要件のように売上が減少している、減少が見込まれる中小企業が、地方自治体から認定を受け、信用保証協会により保証決定を受けることにより利用することができます。

保証限度額

セーフティーネット保証・危機関連保証の保証限度額はそれぞれ2億8千万円(普通保証2億円、無担保保証8千万円)です。通常の一般保証とは別枠となります。

セーフティーネット保証・危機関連保証の申請期限と申込みの流れ

申請期限

新型コロナウイルス感染症拡大に関し、セーフティーネット保証の場合、4号認定は2021年6月1日まで、5号認定は2021年6月30日までとなっています。危機関連保証は2021年6月30日までとなっています。

認定の流れ

  1. 自治体へ必要書類を提出
    認定を受けるためには、本店所在地や主たる事業所の所在する市区町村の商工担当課など市区町村の窓口に必要書類を持参します。
  2. 面談
    中小企業診断士や経営相談員などの専門家の面談を受けます。業況や売上減少状況などが聞かれ、書類により売上減少が確認されます。原則対面で面談しますが、郵送の場合は面談が省かれたり、電話で行われる場合もあります。
  3. 認定証発行
    認定要件を満たすことが確認とれた場合は認定証が発行されます。多くはその場で発行されますが、後日受け渡しか郵送になる場合もあります。

<必要書類>

東京都品川区の場合

  1. 4号認定申請書(区指定様式) 2部
  2. 確定申告書の控えと決算書一式(2期分、電子申告の場合はメール詳細を添付)
  3. 履歴事項全部証明書(発行から3か月以内のもの) (個人の場合は、開業届)
  4. 「新型コロナウイルス感染症」の発生を受けた後、最近1か月間の売上高等を表示した帳票類
  5. 前年同期(3か月間)の売上高を表示した帳票類
  6. 会社実印(個人の場合は認印)

認定証が発行されたら、金融機関に申し込みを行い、金融機関と信用保証協会の審査を受け、審査にパスすれば、セーフティーネット保証・危機関連保証を利用した融資を受けることができます。

セーフティーネット保証・危機関連保証に関する注意点

セーフティーネット保証と危機関連保証は別の制度になります。どちらも併用することが可能ですが、その場合にはセーフティーネット保証の認定証と危機関連保証の認定証どちらも取得する必要があります。

セーフティーネット保証と危機関連保証ともに保証限度額は2億8千万円ですが、売上高や資産状況など会社の規模や決算状況によりその企業の保証限度額が決定します。どの企業も限度額いっぱいまで保証が受けられるわけではない点に注意しておきましょう。

まとめ

  • セーフティーネット保証制度とは、自社では統制不可能な危機に直面している中小企業に対し、民間金融機関からの融資を受けやすくする制度である
  • 危機関連保証制度とは、経営の安定に支障を生じている中小企業について、通常の保証やセーフティーネット保証と別枠で信用保証を行う制度である
  • セーフティーネット保証と危機関連保証はそれぞれ別枠として利用することができる

セーフティーネット保証と危機関連保証は、新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受けた中小企業が利用できる制度です。これにより金融機関から融資を受けやすくなります。まもなく期限を迎える制度なので、資金繰りに懸念がある中小企業は利用を検討してみてはいかがでしょうか。

※この記事は公開時点、または更新時点の情報を元に作成しています。

この記事を書いた人

中野 裕哲(なかの ひろあき)氏

中野 裕哲(なかの ひろあき)起業コンサルタント(R)

起業コンサルタント(R)、税理士、特定社労士、行政書士、CFP(R)。起業コンサルV-Spiritsグループ/税理士法人V-Spirits代表。年間約200件の起業相談を無料で受託し、起業家をまるごと支援。起業支援サイト 「DREAM GATE」で6年連続相談数日本一。「一日も早く 起業したい人が『やっておくべきこと・知っておくべきこと』」など、起業・経営関連の著書・監修書多数。http://v-spirits.com/