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【飲食店】商品開発マニュアルを作成するときに失敗しないための進め方を解説

笠岡 はじめ(かさおか はじめ)販売促進士/飲食マーケター

商品を開発する_飲食

飲食店で、お客様に提供するフードやドリンクを考える商品開発。お店の規模によっては何十種類、あるいは100種類以上も用意する必要があり、どんな順番で考えれば良いのかわからない、と悩む人も多いのではないでしょうか。
この記事では、飲食店の商品開発で絶対に外せないポイントや、失敗しないための進め方を4つのSTEPに分けて解説します。

この記事の目次

【STEP1】「ウリ」となる商品を決める

飲食店を作る時には、自分のお店のコンセプトを明確にする必要があります。商品開発においても、このコンセプトに沿って考えていくことを大前提とし、最初のSTEPは「ウリ」となる主力商品を決めることです。
まず“4番バッター”を決めて、その後に周りの商品を決めるのが基本の流れです。お店のコンセプトに沿った商品で、かつ、お客様を呼べるものを考えていきます。

今までに飲食店で働いた経験があって独立したのであれば、前のお店のスペシャリテ(お店を代表する料理)や自分の得意料理にする人もいますし、「自分の開業したい飲食店は〇〇屋さんだから、〇〇にしよう」とイメージしていく人もいます。
ちなみに、ウリとなる商品から決める理由は、お店のコンセプトからブレないためです。
ウリの商品はまさにお店の顔となるもので、コンセプトを体現するフードやドリンクといえます。これを決めることで、今後のお店の販促やメニューブック(お客様がオーダーする商品を選ぶ際に使ってもらう、メニュー情報を掲載したファイル)を展開する上での軸も固まるのです。

また、ウリの商品は1~4個くらいを目安に決めましょう(最終的に、大体1~2個に絞られることが多いです)。

【参考】ウリとなる商品の開発方法はこちらの記事をご参照ください。
お店の「顔」となるメニューはどうやって開発する?4STEPで解説

【STEP2】カテゴリを決めて商品一覧を作る

商品を開発する_飲食

このSTEPでは、STEP1で決めた商品以外を決めていきます。ここでは、いきなり商品から考え始めるのではなく、まず「カテゴリ」から決めていきます。

定番のカテゴリとウリのカテゴリ

商品カテゴリは、次の2つに分かれます。

  • 定番のカテゴリ:例えば居酒屋さんだとしたら、揚げ物、煮込み、サワー、など誰もが想像するカテゴリ。
  • ウリのカテゴリ:ウリの商品が入っている、カテゴリの主役。

ウリのカテゴリを明確にすることで、お店のコンセプトがさらにハッキリしてきます。カテゴリを一から考えるのが難しそうであれば、同じジャンルの他店のメニューを見るなどしながら、どのようなカテゴリがあるのかを参考にして決めていきましょう。

また、ウリのカテゴリは基本的に1店につき1つであることが多いですが、定番のカテゴリはお店によって変わります。席数が多い大規模店であればその分商品数も増えるので、カテゴリ数も多くなりますし、小規模店では少なくなる傾向にあります。

【カテゴリ数が増えるほど、客単価が上がりやすい?】
ワンポイントとして「カテゴリ数は多い方が、客単価が上がりやすい」と覚えておくとよいでしょう。
なぜなら、お客様は「1カテゴリにつき1つオーダーする傾向にある」からです。(皆さんも例えば居酒屋さんに行ったら、メニューブックの見開きごとに1商品ずつ選んでいくことがあると思います)

商品一覧の作り方

カテゴリを決めたら、カテゴリごとに商品一覧を作っていきましょう。以下のように進めていくのがおすすめです。

  1. まずはその業態の定番商品を調査してピックアップ。「和食のお店ならこの商品はあるだろう」とお客様が期待していそうな商品を挙げていきます。
  2. ピックアップした全ての商品を提供できるわけではないので、提供したいものを絞り込んでいきます。オーナーの意志に沿って優先順位を決める、あまりにオペレーションが大変なものを削るなどの判断方法があります。また、場合によっては原価や材料などから、他のメニューとのバランスを考えて削っていくこともあります。
  3. ここで、カテゴリ分けを見直します。例えば、サラダを「野菜カテゴリ」に入れたけど、種類が多いから「サラダカテゴリ」を新たに作るといったことがよくあります。
  4. カテゴリごとの主役商品を決めます。例えば、揚げ物カテゴリの商品が10品あったら、その中での主役を1、2個決めます。
  5. 概算金額を仮で決めていきます。この価格ならお客様が選んでくれるかな? という視点で考えてみましょう。

【なぜカテゴリ内で主役を決めるのか?】
人は、メリハリがあった方が商品を選びやすいものです。メニューブックの中で、全ての商品が同じ大きさで書かれていると全体を読まなければならず決めづらいのですが、主役を目立たせることで選びやすくなります。また、主役を示すことで、お客様にどんなお店なのかが伝わりやすくなり、コンセプトを体験してもらいやすいという効果もあります。

【STEP3】食材業者を選んで試作・試食する

商品を開発する_飲食

このSTEPでは、商品開発をより現実的なところまで落とし込んでいきます。次の手順で進めていきましょう。

1.食材業者を選ぶ

カタログ、見積もり、サンプルを取り寄せて食材業者を選びます。
まだこの段階ではどの業者か確定しないため、複数の業者に相談しても構いません。

2.試作しながら味・盛り付け・ポーションを決める

サンプルを取り寄せたら、試作と試食を。その際、味や盛り付け、ポーション(量)を決めます。

3.原価を計算する

試作に基づき原価を計算し、STEP2で仮決めした値段に対して原価が合っているか判断します。
原価と見合わずに、商品を変えるか値段を変えるかとなった時は、基本的に商品を改善します(値段を上げても売れないことが多いためです)。
一皿の量を変える、原材料・仕入れ先を変えるなどで調整をしましょう。

4.レシピを作る

レシピを紙や動画など、自分で作ったフォーマットに落としていきます。試作時の写真も添えると良いでしょう。
ここでしっかり“見える化”しておくことが重要です。そうしないと、例えば食材を変更しようと思った時など、変更前と後でどの程度見た目や量が変わるか分からなくなってしまうからです。

5.食材業者と仕入れ食材を確定する

食材業者と仕入れ業者を決める際は、できるだけ取引する食材業者の数を絞った方が受発注管理や在庫管理の手間が省けます。
その他、以下のポイントも事前に踏まえておくことで、開店後の受発注や食材管理がやりやすくなります。

  • 注文方法の確認:FAX、電話、メール、LINEなど。FAXのみ等、決まった方法しか受け付けていない場合もある。
  • 注文受付時間の確認:曜日や時間帯。土日はNGという業者も少なくない。
  • リードタイムの確認:注文してからどのくらいで届くのか、週何回配達があるのか。冷蔵庫の中身を計算しなければならないので、配達の頻度の確認は重要。
  • 決済方法の確認:初めての場合は先払い、など決まっているところも。
  • 送料の確認:送料も原価に含まれるので忘れずに。注文金額や配送方法によって送料がかかる場合も。

【必要に応じて、オペレーションの改善も】
試作の段階で調理に手間がかかることが判明したら、オペレーションの改善も重要です。提供しやすいようにレシピや盛り付けを改善しましょう。インスタ映えする見た目にしたいなどもあると思いますが、全ての商品に適用するのは現実的ではありません。そうした工夫はウリの商品のみにするなど、ここでもメリハリを。

【STEP4】商品を最終決定する

商品を開発する_飲食

STEP3で試行錯誤したら、あとは最終的にどの商品をお店のラインナップとするか決定するだけです。

このタイミングで起きがちな問題は、「仕入れの関係で変更せざるを得なくなる」ことです。じっくり考えた上で商品を決定しても、例えばあなたのお店が配達ルート上でないため無料配達できない等、予期せぬ原因で仕入れられない食材が発生する、といったことも珍しくありません。

また、上記のような問題をクリアしたのちに、もう一度全体のオペレーションを想像してみましょう。例えば「AとBの注文が同時に入った時に、厨房はパニックにならないだろうか」のように考えていくと、商品を絞ったほうがいいケースもあります。

これらの内容も含めて、商品を最終決定します。

商品は決定後も変わり続けるもの

オープン時には1、2週間分の食材を仕入れて、開店後に注文が入る数を見ながら調整していきます。「自分が思ったようには出なかった」ということはよくあります。(お店によって冷蔵庫・冷凍庫の容量が変わるので、一概にどれくらいの量を仕入れるのが良いとは言えません。お店の状況に合わせて調整をしてください)
最初から、考えた商品を全て提供する必要はありません。オープン時には商品数を絞って、「慣れてきたらこれとこれを追加しよう」「1カ月くらい回してからこれを始めよう」のように、段階的に追加していくことも可能です。

商品は決定後も常に変わり続けるものです。仕入れの状況や出数、お客様の反応を見ながら調整を重ね、商品やお店を、常に進化させていきましょう。

まとめ

  • お店のコンセプトに合った「ウリ」となる商品をまず決める
  • 主力以外の商品開発は、商品の「カテゴリ」から固めていく
  • 試作・試食しながら採用する商品を絞り込む
  • 商品の最終決定前に、全体のオペレーションを確認する

商品開発で重要な「ウリを決めること」と「メリハリのつけ方」を中心に、商品開発の進め方をお伝えしました。お客様がどんな商品に魅力を感じてくれるか、どんなラインナップだったら喜ばれるか、想像しながら考えてみてください。
商品開発で迷ったら、またこの記事を読み返していただけたらと思います。

※この記事は公開時点、または更新時点の情報を元に作成しています。

この記事を書いた人

古閑 信気(こが としき)編集者・ライター

広告代理店勤務を経て、現在は編集プロダクションにて編集・執筆に従事。旅行、ライフスタイル、恋愛からビジネスまで幅広いジャンルの記事に携わる。「読者が記事を読んだ後に、刺激を受けて行動に移すこと」を目指してコンテンツ制作に取り組んでいます。

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笠岡 はじめ(かさおか はじめ)販売促進士/飲食マーケター

飲食店販売促進コンサルタントを育成する一般社団法人販売促進士日本フードアドバイザー協会代表理事。同協会にて飲食店販売促進コンサルタント育成のための資格講座と飲食店販売促進コンサルタントである「販売促進士」を認定する資格の提供している。また、年間3桁の全国の飲食店の売上・収益アップのコンサルティングや開業支援、業態開発、業態転換、通販事業構築などを行う。著書に「売れまくるメニューブックの作り方(日経BP社)」等。セミナー・研修は年間30〜100本。メディア掲載も年間数十件。ITコーディネータとしてITの専門家としても活躍中。また、飲食店専門コンサルティング会社の株式会社飲食店繁盛会の代表でもある。(「販売促進士日本フードアドバイザー協会」、「飲食店繁盛会」FacebookやTwitterでの友達申請歓迎)