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【医療サロン】事業を成功に導く売上管理・レジシステムを準備しよう

売上管理・レジシステムを準備する_医療

事業計画書の作成などを通して、売上の計画はイメージできたかもしれません。しかし開業が近づき、実際の売上や現金の管理について具体的に考えるようになると、実はよく分からないことも多く悩んでいる方もいるのではないでしょうか。そこで、本記事では日々の売上管理をどのようにおこなっていくかを説明していきます。

この記事の目次

売上管理はなぜ重要か?

売上を毎日記録することは、労力もかかる地道な作業といえるでしょう。しかし、もし売上管理がまったく行われない場合、実は売上が落ち込んでいても気付くことができず、原因が分からないため対応策も取れず、事業存続の危機となることもあり得ます。

そのため売上管理はとても重要な業務です。売上が好調なときも不調なときも、原因を分析して先々の計画に役立てるために必要となります。

また売上管理を適切に行うことは、会計窓口での誤りや不正防止、適正な申告・納税にもつながります。こちらの観点からも、売上管理は重要な業務なのです。

売上管理 売上管理とは、日々の売上情報を記録、時には分析を行うことを指す
売上管理の目的 事業計画で立てた売上目標の達成に向けて、現状を細かく把握し、達成までに必要な対策の分析を可能にすること

売上管理の方法

売上管理・レジシステムを準備する_医療

売上管理の流れ

売上管理の大きな流れをまとめると、

  1. サービスの提供(商品販売)
  2. お金の受領(決済、顧客ごとの精算)
  3. 日々の記録
  4. 帳簿の記入
  5. 1年間の決算

となります。

売上を管理するレジスターの種類

治療院やサロンにおいては、支払い(決済)を受付のレジスターによって行うケースがほとんどではないでしょうか。そのため、開業に向けて売上管理を行うには、レジスターをどのように選ぶかを考える必要があります。

レジスターは大きく分けて、従来型のレジスター(キャッシュレジスター)とPOSレジ(ポスレジ)があります。それぞれの特徴を以下で説明します。

1.従来型のレジスター(キャッシュレジスター)

キャッシュレジスターとは、サービス・商品の対価として、顧客と金銭のやり取りをする際に、販売商品の登録、金額の計算、金銭の保管を簡易的に行うための機器です。
一定期間の売上を記録し、累計額を確認するといった集計機能は備わっています。ただし、複数店舗を運営する場合で、各店舗の会計データを一元管理したいと思ってもそれはできません。レジ内だけに会計データが保存されてしまうためです。

この様に、キャッシュレジスターは簡単な機能はあるものの、これ以上のことをする場合は、別途表計算ソフト、システム導入、アプリのダウンロード等で売上管理をする必要があります。

ほんの数年前までの主流のレジスターで、現在でもこれを使用している事業者は多く存在します。

2.POSレジ(ポスレジ)

POSレジとは、従来型の計算機能に加え、POSシステムを組み込んだ多機能なレジスターのことです。
POSとは、「Point Of Sales(販売時点情報管理)」の頭文字を取ったもので、売上が発生した時点でのリアルタイムな販売情報を把握することができます。

POSレジには多くの機能があり、以下のようなメリットがあります。

POSレジのメリット
販売したすべての商品の自動計算 現金で売った商品、キャッシュレス決済で売った商品の売上も併せて自動で計算してくれるため、業務の効率化を図れる
データ収集と分析をリアルタイムに自動化 データ収集と分析が端末によって自動かつリアルタイムに実施できる
ミスや不正の防止 商品の金額や情報をあらかじめ設定できるので、精算時の再入力による間違いがない。また誰がいつ会計作業を担当したのかが記録されるため、レジ担当者による不正を防ぐことにつながる
売上データを一元管理 売上データをクラウド(インターネット)上に一元管理するため、色々な端末から確認できる。また複数のレジや多店舗展開などで規模が大きくなっていっても管理しやすくなる

このように多くのメリットがあるPOSレジですが、仕組みを理解したり操作を覚えたりするのが難しいという課題もあり、普及のスピードは早くはありませんでした。ただ、現在は導入が進み、POSレジがレジスターの主流になってきています。

POSレジの選び方

以下でPOSレジの選び方を詳しく説明していきます。
POSレジを選ぶにあたっては、店舗の設置スペースを考慮する必要があります。また店舗の規模や今後の事業展開(出店計画)によって必要な機能も異なります。また、自分自身はもちろんスタッフが感じる使いやすさ、導入コスト(初期費用と月額費用)、サポート体制を確認しましょう。

これらを踏まえて、POSレジの種類とPOSレジを導入する目的に応じて選んでいく必要があります。

種類(型)での選び方

①ターミナル型POSレジ(一体型)

POS専用に作られたレジで、バーコード読み取り機などさまざまな機能とPOS機能が一体となっており、コンビニやスーパーマーケットなど多くの店舗で使用されています。
最近は形状やサイズなど種類が豊富になり、店舗スペースに合わせて選ぶことができるようになりました。
ただし導入コストは高くなるため、商品を多く取り扱う小売業など、多店舗向けだといえます。

②タブレット型POSレジ(クラウド型)

タブレットなどにPOSシステムをインストール(またはアプリをダウンロード)することで、POSレジとして活用できます。他の機能を持つ様々な機器と接続できるため、ターミナル型POSレジ(一体型)に近い機能を低コストで手軽に導入できる点もメリットです。そのため開業したばかりの事業者や、小規模事業者向けだと言えます。

目的(機能)での選び方

POSレジの基本的な機能は、決済機能、売上分析機能、商品(サービス)管理機能、在庫管理機能、顧客管理機能となります。

その他に「どんな機能が必要か?」「他のシステムとの連携はできるのか?」を考えて検討しましょう。
ただし、機能を追加すればするほどコストがかかるため、使う機能と使わない機能の見定めを、導入目的からしっかりと判断できるようにしておきましょう。

①他システムとの連携

  • 予約管理システム
  • レセプトコンピューター(診療報酬請求を効率的に行うもの)
  • 電子カルテ
  • 勤怠管理
  • ECサイトの売上管理

②周辺機器との接続のしやすさ

  • キャッシュドロワー(現金を入れるための引き出し)
  • プリンタ(レシート発行)
  • ICカード・バーコードリーダー(キャッシュレス決済:クレジットカード、交通系マネー、QR・バーコード)

レジの運用方法

治療院やサロンにおける、一般的なレジの運用手順は、以下の通りとなります。

(1)開店準備

営業が始まる前に、前日のレジ締め時と当日のレジ内の現金に相違がないかを確認し、釣り銭の準備をします。基本的に、責任者からキャッシュBOX(ミニ金庫)を受け取り、受付スタッフが行います。

(2)営業中

受付スタッフが顧客ごとに精算を行います。登録してある商品を選択し、現金やキャッシュレス決済を行い、お釣りやレシートを渡します。POSレジでは日計表(1日でどれだけ取引が行われたか把握できるもの)が自動作成されますが、従来型のレジスターの場合は、取引ごとに日計表(または窓口ノート)を作成できるようにしましょう。

(3)閉店作業(レジ締め)

一日の終わり(閉店時)に売上を集計し、レジ締めを行います。
POSレジでは自動計算されますが、従来型のレジスターの場合はレシートを出力し手計算で売上合計金額を計算します。

基本的なレジ締めの手順は以下となり、基本的に受付スタッフが行います。

  1. レジ内のすべての現金の合計額を集計する
  2. お金を種類別に数える(1万円札〇枚、千円札〇枚、硬貨ごとに○枚)
  3. はじめに釣り銭として用意しておいた金額を引き、1日で現金がいくら増えたか算出し、売上額とレジ内の現金額が一致しているか確認する
  4. 売上と釣り銭を分けて、キャッシュBOXに保管する
  5. 翌日に使用するレジ内の釣銭(規定の金額)を揃えておく
  6. 受付スタッフから責任者にキャッシュBOXを渡す

売上と帳簿・管理会計

売上管理・レジシステムを準備する_医療

お店の運営では、日々の売上を管理した日計表などをもとに、「帳簿」に反映させていく必要があります。
以下の「帳簿」から「決算書」が作成され税金が計算されるため、開業して事業を行っていく場合には必須となる業務です。

売上に関する帳簿は以下の通りです。

  • 総勘定元帳:事業で行った取引やお金の流れを勘定科目ごとにすべて記載したもの
  • 現金出納帳:現金での入出金を表すもの
  • 預金出納帳:預金口座の入出金を表すもの
  • 売掛帳:いずれ受け取ることが決定している売上を表すもの、クレジット売上や保険振込など
  • 買掛帳:いずれ支払うことが決定している仕入れ代金を表すもの

ただし、現在では手書きやExcelなどで帳簿や決算書を作成することはあまりせず、会計ソフトを利用して処理を行うことがほとんどです。

売上を分析する

日々の売上を蓄積した記録(データ)はそのままにせず、分析に活用していくことが非常に重要です。分析することで売上がなぜ良いか・悪いかの原因を探る手掛かりとなり、以下のような改善活動が可能となるためです。

  1. 売れている商品(サービス)、売れていない商品を分析し、さらに売れるようにするか、提供をやめようかなど、メニュー構成の判断につながる
  2. 曜日、季節、天候、時間帯で何が売れて何が売れていないか分かるため、原因を追求することでイベントやキャンペーンの施策のヒントになる
  3. 一緒に購入されているサービス(商品)が分かり、なぜ一緒に売れているかを把握することで、セットメニューや併売行動を勧めやすくなり、客単価向上につながる
  4. 施策(キャンペーンや広告など)の効果が分かることから、無駄な施策を廃止するなど利益率のアップにも活用できる

また、顧客データと売上を結び付けて分析することで、顧客分析もできます。

売上管理 よくあるQ&A

ここからは、売上管理についてよく質問を受ける内容に具体的にお答えします。

Q.開業時は従業員が自分1人のため、わざわざ記録しなくても肌感覚で売上を把握できそうですが、精緻な売上管理は必要ですか?

A.開業時は「この日は売上が良かった」「この日は悪かった」と一喜一憂する日々が続きますが、実際に一カ月などの期間を区切って数字を見ると、感覚と大きなギャップがあることが多いです。キチンとデータで把握することはとても重要です。

Q.会計知識がないため、決算は税理士さんに丸投げしても大丈夫ですか?

A.開業当初は業務効率化できるためそれでも良いと思いますが、少しずつ決算書類などの意味を理解し、会計ソフトなどを使用して自身で行いましょう。それにより数字に基づいた経営観を養っていくのが理想のオーナー像です。

Q.レジのお金が合わないときはどうしたらいいですか?

A.一致しない場合には、1日の売上と照合して、計算ミス、釣り銭の間違え、不正など原因を見つけることが重要です。また再発防止のために、日々のレジのチェックは一人に任せず複数人で行う、朝だけでなく昼・夕方など複数回チェックする、日計表などに名前の記載・確認印を押印するなどのルールを作りましょう。

Q.レジ金の売上を普通預金へ入金するのはどのくらいのペースがいいですか?

A.毎日、またはまとめて1週間に1回などで行います。定期的に行うことで不正も起きにくくなります。

まとめ

  • 売上管理は、売上の現状把握や原因の特定、今後の対策のために重要な業務である
  • POSレジは店舗の規模や設置スペース、使いやすさやコストなどに配慮して選ぶ
  • レジは(1)開店準備、(2)営業中の精算、(3)閉店作業の手順で運用する
  • 売上の日計表をもとに帳簿を作る。また記録を分析し改善施策に活かすことも重要である

日々の売上管理を通して、年間の決算イメージはできたでしょうか?
売上管理の業務は多いですが、選択するレジシステムや会計ソフトの連携で大きく効率化されます。
また、日々の売上データを活用することは、開業後の経営判断の材料になります。開業前に売上管理を通して何を実現したいか、イメージしておくとよいでしょう。

※この記事は公開時点、または更新時点の情報を元に作成しています。

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この記事を書いた人

飯塚 伸之(いいづか のぶゆき)株式会社BE NOBLE 代表取締役

株式会社BE NOBLE 代表取締役、法政大学経営大学院特任講師、MBA(経営管理修士)
整形外科等の勤務経験を活かし、施術ビジネス(治療院・接骨院など)業界のコンサルティング事業、企業・法人向けの健康経営コンサルティング事業、出張施術サービス事業をおこなっている。中小企業診断士/健康経営エキスパートアドバイザー/キャリアコンサルタント/産業カウンセラー/鍼灸師/柔道整復師等の資格を保有。HP:https://benoble.co.jp/

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