【美容サロン】スタッフも迷わない売上管理・レジシステムの考え方とは

エステサロン経営をしていく上で、売上管理は必須です。これはエステサロンに限らず、あらゆる業態のお店にでも当てはまりますが、お店の経営状況を把握することは重要ですし、より細かく分析していくことで、マーケティング施策などの有効性を判断することもできます。
そこで今回は、実際にどのように売上管理をするのが良いかわからない方向けに向けに、有効な売上管理の方法やポイントなどをまとめました。

売上管理とは

売上管理とは、売上目標を達成するために、日々の売上を集計し、分析していくことです。

売上管理はなぜ必要か

どんなにベテランのサロン経営者でも、自分の感覚と実際の売上数字が絶対に乖離しない、ということはありません。毎日の売上を記録・集計しこまめに振り返ることで、事業計画書で立てた目標の達成に繋げるのが、基本的なビジネスの方法です。

売上管理の種類

エステサロンでおすすめの集計項目は、日々の売上を集計し、年次や月次の目標達成率に加え、前月比・前年同月対比の分析など時系列で比較することです。また、サロンの売上を詳細に分析するために、売上合計だけではなく、メニュー別、顧客別、スタッフ別、商品別などでも売上管理をすると、現状の課題と対策が見えてきやすくなります。

メニュー別の売上管理

メニュー別の売上管理は、どのメニューが人気かを把握するのに役立ちます。人気メニューが分かれば、今後の新規集客でどのメニューを押し出していくかを決めやすくなり、効率的な売上目標の達成に役立ちます。メニュー変更の際には、どのメニューを無くすべきかの判断材料にもなります。

顧客別の売上管理

顧客別の売上管理では、顧客別の売上を把握し、売上の大きい顧客にはVIP顧客になっていただけるよう、さらに手厚いサービスやアフターフォローをし、逆に売上が段々と減少してきている顧客には、来店前のフォローを手厚くする必要があります。

また、最近来店自体が途絶えてしまっている顧客には、ハガキを出してご連絡してみる等のフォローも必要になります。

スタッフ別の売上管理

スタッフ別の売上管理は、各スタッフがどのくらい売上を上げているのかを把握でき、昇給やインセンティブの査定材料になります。また、売上が好調なスタッフからは成功事例を共有してもらい、売上が低迷しているスタッフには、再教育をするなどの判断材料にもなります。

商品別の売上管理

商品別の売上管理を行うと、人気商品とそうではない商品を明確にすることができます。人気のある商品はさらに積極的にお客様におすすめし、不人気な商品は、商品の入れ替えを検討する判断材料にもなります。

売上管理の方法

では、実際に売上管理は何を使い、どのように実行すればよいのでしょうか。オーナー１人で運営しているサロン、スタッフを雇って運営しているサロン、複数店舗展開しているサロンなど、サロンの状況にもよりますが、筆者の場合は開業当初から「レジアプリ」の導入を勧めています。

もちろん全く費用がかからないExcel集計や手書き集計でも管理は可能ですが、現在はレジアプリもかなり低価格で活用できる時代になりました。自動化できる部分はシステムを使って効率化し、それ以外の売上分析等に時間を集中させることをおすすめしています。

Excel集計（手書き集計）

パソコン等にExcelが入っていれば、無料ですぐに始められる売上管理の方法はExcelを活用することです。自サロンに必要な項目のみを柔軟に設定し、自サロンに合わせた売上管理表を作成できることが魅力です。しかし管理する項目が多すぎると、入力や集計の負荷がかかり、人的ミスが発生する可能性も否定できません。

レジアプリ

レジアプリとは、POSレジの機能を備えたスマートフォンやタブレットのアプリケーションのことです。様々な企業がレジアプリを出していますが、売上管理だけではなく、顧客管理、在庫管理、予約管理、在庫管理、クレジットカードや電子マネーによるキャッシュレス決済対応など、多種多様な機能を兼ね備えているアプリもあり、売上管理だけではない付加価値も得ることができます。各社レジアプリの性能を比較して、自サロンに合ったアプリの導入を決めるのがよいでしょう。

以前は据え置き型のPOSレジが一般的で、レジスターやレシートプリンターも含め導入が高価であったため、小規模エステサロンではPOSレジ導入のハードルが高い時代がありました。ですが現代では、スマートフォンやタブレットで活用できるレジアプリが登場したおかげで、導入コストは大きく下がりました。また、基本キャッシュレス対応で、レジスター自体を使わないサロンも増えており、小規模なエステサロンでも、最低限の負担額で活用できるようになっています。

売上管理のポイント

売上管理は、Excel設定やレジアプリを導入したら終わりではなく、日々継続的に行っていくものです。どのようなポイントを押さえれば、正確に、かつ効果的な売上管理ができるのでしょうか。

売上管理のルールをスタッフ全員で共有する

サロンオーナー１人で管理する場合は問題にはなりませんが、スタッフと複数人で売上管理をする際には、導入時に入力ルールを設けてスタートしないと、それぞれにとってストレスがかかってしまいます。数字の入力だけであれば、特に問題は起きにくいですが、「例外的な売上」というものも発生するので、１つ１つルールを決めておくことが大切です。

例えば、電話、メール、ライン等で化粧品の注文が入り、代引きで出荷したケース、次回来店時に決済するケースなどの売上計上のタイミング、スタッフが２人でお客様のトリートメントを担当した場合の売上計上基準、無料プレゼント分のチケット消化の売上計上基準など……意外と例外的な売上も多いものです。そのときに、どのように入力するのか？　細かいルールを、オーナーが事前に決定しておく必要があるのです。

また、売上管理は顧客管理と連動しているケースが多いため、お客様情報の申し送りについても共通のルールを作っておかないと、のちのち顧客ごとの集計が困難になります。

誰が売上管理を行っても、問題なく集計・分析できるデータになるよう、ルールを共有しましょう。

数字を定期的に振り返る

売上管理とは、数値を入力することが目的ではなく、それぞれの数値を集計・分析することで、現状のサロンの改善点を洗い出し、打ち手を考える材料とすることを目的としています。そのため、毎日朝礼や終礼で振り返ったり、毎週何曜日と決め、１週間ごとに振り返ったり、またはサロンミーティングがあるサロンであれば、そのタイミングごとに振り返るなど、できる限り頻度高く、そのサロンに合わせた方法と頻度で振り返ることが大事です。

正しく数字を振り返っていれば、売上の推移が見えてくるようになります。売上を点ではなく線で感じられるようになると、自サロンの成長が目に見えやすく、よりモチベーション高く日々の業務に励むことができるでしょう。

売上目標達成の対策をする

日々の売上の集計は、数値そのものに意味はありませんが、売上目標の達成率や前年同月対比なども計算すると、大きな意味を持ってきます。例えば、売上目標の達成率が順調であれば問題ないですが、達成が厳しそうな数値で推移しているのであればどうでしょう。その原因を見極めて対策を立て、実行に移さなければ、目標未達で終わることは目に見えています。

逆にすぐに対策を立て、実行に移せれば、売上目標を達成する可能性が高まります。売上管理をすることで、数字から逃げずに、日々数値や達成率をチェックしていれば、月末に「今月は売上目標が達成できない……」と焦るような事態を未然に防げるのです。

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