データが示すキャッシュレス決済のメリット 顧客ニーズと訪日客対応――店舗オーナー向けセミナー
キャッシュレス化の波が押し寄せる中、「お金もかかるし、ニーズも感じない。だから導入したいと思わない」と考える店舗オーナーさんからの声がよく聞こえてきます。でも本当にそうなのでしょうか。キャッシュレスに対応することのメリット、また機器選びについて聞いてきました。
この記事の目次
なぜキャッシュレス決済なのか?
去る3月7日に東京・田町にある株式会社マネーフォワード社内にて「いよいよ軽減税率がはじまる! 店舗ビジネスはキャッシュレス・ペーパーレス化で商機をつかめ!」という各社合同セミナーが開催されました。
このうちのひとつのプログラム「キャッシュレス対応のメリットとは? Airペイ・Airペイ QR のご紹介」にて講師を務めた株式会社リクルートライフスタイルの島津藍美氏から下記内容の講演があったのでご紹介します。
- キャッシュレス決済に対応する理由
- Airレジと併せて使える3つの決済・ポイントサービス
- キャッシュレス化推進事業の取り組み
キャッシュレス決済は乱立 しかし顧客は望んでいる
“キャッシュレス決済”と一口に言っても、大きく分けて4種類が存在します。
- クレジットカード
- 電子マネー
- モバイル決済
- ポイントサービス
VISAやMasterなどのクレジットカードは、最も馴染みのあるキャッシュレス決済かもしれません。また、Suicaなどの交通系ICカードによる電子マネーは、無意識のうちに利用する人も多いでしょう。
最近話題なのは、PayPayやLINE PayなどスマホにQRコードを表示させ(もしくはスマホでQRコードを読み込んで)支払うモバイル決済。ポイントサービスは、T-POINTやPontaなど、普段の買い物でいつの間にか貯まったポイントを支払いに利用する、という決済手段です。
このような気軽で便利な方法で支払いができれば、顧客にとってはうれしいところ。確かに、決済手法は乱立しているので、店舗側としてはひとつひとつに対応していられない事情もあるかと思います。もっともメジャーなクレジットカードにさえ対応していない店舗はまだまだあります。
では、店舗側が導入していない理由とは一体何なのでしょうか?
顧客と温度差があったキャッシュレス決済
リクルートライフスタイル社が実施したアンケート(※注1)によると、店舗と顧客の間にかなりの温度差があることが判明したそうです。
※注1:全国の店舗、およびクレジットカードもしくは電子マネーを月1回以上利用する消費者にそれぞれアンケートを実施。
「クレジットカード決済のニーズを感じていない」(59%)が「手数料が高い」(42%)よりも多い結果だったとのこと(複数回答)。半数以上のオーナー様が、導入する必要を感じていなかったのです。
また、クレジットカード未導入による失客の頻度についての質問には、「年にほとんどない」(71%)と回答。オーナー様の7割が、クレジットカード未導入でも影響がないと考えられていることがわかります。
では、顧客側はどう考えているのでしょうか?
「お店を選ぶ際、クレジットカードを確認しますか」の問に、「毎回」(16%)、「頻繁に」(15%)、「たまに」(43%)確認する人の合計が74%と高い割合で存在するという調査結果となりました。
つまり、「店舗が感じる顧客の振る舞い(表の顔)」と「実際の顧客の振る舞い(裏の顔)」は大きく違っているということになります。
クレカ非対応では機会損失している
実際、クレジットカードに対応しているかどうかをスタッフにたずねることはまれ。店頭のステッカーやレジ前の掲示を確認してから、買い物をするかどうか決める人のほうが多いのではないでしょうか。
アンケートによれば、クレジットカードを使えるかどうかを店員に聞くのは10%でした。このようなデータから、「そのような店舗様の意識とお客様の意識のズレから機会損失が生まれている」と島津氏は指摘しました。
外国人観光客(インバウンド)はキャッシュレス決済が当たり前
最近では、クレジットカードをも含んだキャッシュレス決済が進んでいます。この背景には、インバウンドに対応したいという政府の方針もあります。外国から多くの観光客が訪れることが見込まれる2020年までに対応を済ませたい、というのが政府が推進する理由です。
クレジットカードやモバイル決済などキャッシュレスで購買している個人消費者は、韓国では73%、カナダで68%、中国でも55%と高い割合になっています。
特に中国ではAlipayというモバイル決済での決済率が高く、4人に3人が使っているとか。病院から自動販売機まで利用できるそうです。
島津氏は、「(中国では)お札が汚れている。日本円にして1万円程度の買い物でも大量のお札を持って歩く必要がある(高額紙幣がない)ことなどが、モバイル決済普及の背景にあります」と解説。「そのため、かなり早い段階からモバイル決済が取り入れられてきたのです」と説明がありました。
「2020年には4,000万人の外国人が訪日する」と政府は試算しています。現時点で、訪日外国人の消費額の6割がショッピングと飲食に使われていることを考えると、インバウンド対策としてキャッシュレス決済に対応しておくことが、商機をつかむ方法だといえます。
では、どのようにキャッシュレスに対応していけばいいのでしょうか。
- Airで、商いの未来を変える。その現在地とは? ――「Airレジカンファレンス2018」レポートvol.1
- ウェルカムの気持ちで『外国人観光客をおもてなし』――店舗オーナー向けAirレジミニセミナー開催
- 多様化する決済方法と顧客ニーズをまとめて解決!――「Airレジ カンファレンス 2016」レポートvol.3
端末ひとつでキャッシュレス決済に対応するAirシリーズ
登壇された島津氏から、自社の決済サービスである「Airペイ」「Airペイ QR」「Airペイ ポイント」の紹介がありました。
この3つのサービスは、タブレットPOSレジ「Airレジ」をはじめとする業務支援サービスのシリーズです。クレジットカード、電子マネー、QR決済(モバイル決済)、ポイントサービスといった4種類のキャッシュレス決済が可能となっています。
「専用カードリーダー」1台だけでキャッシュレス決済に対応
用意するのは「iPhoneまたはiPad」と「専用カードリーダー」のみ。Airペイならオールインワン。見た目が良くなるだけでなく、運用がシンプルなため、店舗側の混乱も避けられます。また、導入時にさまざまな端末をそろえなくて済むため、物理的・心理的なハードルも下がります。
複数の決済に対応するからと言って、レジ周りが煩雑になるのは避けたいところです(機器類がゴチャついているお店は結構ありますよね)。
【Airペイ】決済手数料が業界最安水準、月額固定費が0円
5~6%が平均的といわれている決済手数料ですが、Airペイでは3.24%もしくは3.74%と業界最安水準。
VISA、MasterといったクレジットカードやSuica、PASMOといった交通系電子マネー、Apple Pay、QUICPayといった決済方式にも対応しています。
振込回数は月に3回から6回。店舗の資金繰りにも優しい精算サイクル。「キャッシュ周りの改善に寄与できればということで、このような仕組みになっている」とのことです。
今後、訪日外国人が増えるにつれ、クレジットカード決済も増えてきますが、スキミング犯罪などが多い国からの旅行客にとって、クレジットカードをバックヤードなどに持って行かれるのは不安感をあおってしまいます。オールインワンのカードリーダーならワイヤレスで持ち運べるため、お客様の目の前で決済可能。安心してお買い物を楽しめる環境を提供できそうです。
また、固定費がかからないため、使わなければ0円というところもうれしいですね。
【Airペイ QR】QRコード決済対応で客単価アップ
QRコードを使ったモバイル決済はAirペイ QRが対応しています。3月の時点ではAlipay、WeChat、LINE Pay、d払いの4ブランド。年に1~2つずつ対応ブランドが増えています。
メリットは、iPhoneまたはiPadのカメラを使ってお客様が差し出すQRコードを読み取るだけなので、端末を追加購入しなくて済むことです。
なお、前述のとおり、中国ではAlipay使用率が高く、訪日中国人も普段使いしていることから、Alipayでの決済を好む傾向にあります。
また、Alipayを使わない場合と比べて、Alipayを使った場合の客単価は2.6倍もの差があるというデータがあります(※注2)。Alipayに対応していることをレジ前や店外に掲示することで、来店客数が増え、単価も上がるという相乗効果が得られるとのことです。
※注2:Airペイ導入事例 より。
【Airペイ ポイント】各種共通ポイント対応で販促・リピーター増に
店舗独自のポイントカードではなく、一般消費者が広く利用しているPontaカードやT-POINTを導入できるのがAirペイ ポイント。
販促支援のサービスですが、こちらも専用カードリーダーとiPhoneまたはiPadだけではじめられます。
各地で広がるキャッシュレス決済によるインバウンド対応
次に紹介されたのは、キャッシュレス化推進事業の取り組み。さまざまな地方で導入されていますが、富士山のお膝元である富士吉田市の取り組みが紹介されました。
欧米からも人気の高い観光地、ということで、富士吉田市では宿泊施設やタクシーだけでなく、山小屋や土産物店でもカード決済とQR決済を開始。こちらも客単価のアップに役立っているとのことでした。
まとめ
- キャッシュレス決済は店舗側が考えている以上に顧客ニーズがある
- キャッシュレス決済を導入すれば、機会損失を防ぎ、インバウンドにも対応できる
- キャッシュレス決済を楽に導入できるサービスを検討すべき
小規模な個人店でも安価にキャッシュレス決済を導入可能なこと、またそれによって得られるメリットについてもよく分かりました。わたし自身もお店に入る前には、クレジットカードに対応しているかを店外のステッカーで確認するので、お話を聞いていて納得させられました。
セミナー終了後には、Airレジのデモ機を試しながら質問している参加した方々の姿もあり、関心の高さがうかがえました。
店舗側としては、商機を逃さないためのキャッシュレス決済への対応。そして、今後ますます増えると予想される訪日外国人観光客に対しては、欲しいものを気兼ねなく買える仕組みの提供。軽減税率対策補助金を受けられる可能性もあるこの機会に検討してみてはいかがでしょうか。
※この記事は公開時点、または更新時点の情報を元に作成しています。
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この記事を書いた人
渡辺 まりか (わたなべまりか)ライター
ガジェットをこよなく愛するフリーライター。福島県郡山のビジネス専門学校で約10年、MS-Accessなどの講師を務めた経験あり。自ら足を運び、目で見て、手で触って取材するのが好きな行動派。小型船舶操縦士免許2級、乗馬5級、普通自動二輪免許取得を取得するなど趣味多し。