マイナポイントはどうやったら使えるの?店舗側がやるべき事について解説
2019年10月の消費税増税に伴い、消費の落ち込みを抑えるためと、キャッシュレス決済率を増加させるためにキャッシュレス・ポイント還元事業が行われました。還元事業は2020年6月30日に終了し、続けて翌日2020年7月1日から申込みが始まったのが「マイナポイント事業」です。今回は、この事業で使われるマイナポイントについて解説します。
この記事の目次
マイナポイントってなに?実は「共通ポイント」ではない
消費活性化に加えて、マイナンバーカード※1とキャッシュレス決済の普及※2のために、総務省が実施する施策が「マイナポイント事業」、そしてこの事業で使われるポイントプログラムが「マイナポイント」です。消費者が自分のマイナンバーカードを使ってマイナポイントの申込みを行い、好きなキャッシュレス決済をひとつ選んでチャージや決済を行うと、利用料の25%分(最大5,000円)のマイナポイントが還元される施策です。マイナポイントは、消費者が個別に選んだキャッシュレス決済のポイントが付与される施策ですので、マイナポイントという共通ポイントが貯まるわけではありません。
このようにマイナポイントは、消費者向けにひとり5,000円を上限とし付与される施策なので、店舗側にはマイナポイント利用申込みなどの手続きは必要ありません。施策の対象となるキャッシュレス決済を導入していれば、消費者がマイナポイントを得るためにお買い物をしてくれる、得たポイントでまたお買い物をしてくれる、というわけです。
(※1)マイナンバーカードは、2020年9月1日時点の交付枚数は19.4%
https://www.soumu.go.jp/main_content/000706695.pdf
(※2)キャッシュレス決済比率は、2019年時点で26.8%
https://www.meti.go.jp/shingikai/mono_info_service/cashless_payment/pdf/002_03_00.pdf
マイナポイントの対象期間
2020年7月1日から既にマイナポイントの予約・申込が始まっており、ポイントの付与期間は2020年9月1日から2021年3月31日までです。この付与期間内で、消費者が選んだキャッシュレス決済でチャージ・または決済した金額の25%が付与されます。
マイナポイントの対象者
マイナポイントの対象者は、マイナンバーカードの取得が必須です。子供(未成年)の分は親が代わりに親名義のキャッシュレス決済でも申込むことが出来ます。
マイナポイントの対象キャッシュレス決済
次にどんなキャッシュレス決済が対象となっているのか説明します。2020年10月20日時点では、対象のキャッシュレス決済は119種類あります。消費者は、この中から一つだけ選んで申込みをします。
1.電子マネー
電子マネーは、交通系ICカードや、流通系ICカードなど、事前に残高にチャージして決済するサービスです。
公共交通機関を使う方であれば、ほとんどの方が所有しているサービスです。カードやスマートフォンを専用端末にタッチして決済します。
2.QRコード
QRコードやバーコードを読み取って決済するサービスです。以下の3種類の読み取り方式があり、事前にチャージして使うプリペイド型や、登録したクレジットカードで決済する方法などがあります。
- 消費者提示型:消費者が専用アプリでQRコードを表示し、店舗側で読み取る
- 店舗提示型(動的QR):店舗がタブレット等でQRコードを表示し、消費者が読み取る
- 店舗提示型(静的QR):店舗が配置しているステッカーなどのQRコードを、消費者が読み取る
QRコードの生成方法は「動的:都度生成されるQRコード」、「静的:印字済みの固定QRコード」に分かれています。どの方法で決済可能かは、決済サービスによって異なります。
3.クレジットカード
カード会社が発行している国際ブランドが付いた後払い用のサービスです。国際ブランドが付いているため、世界的の国際ブランド加盟店で利用することが出来ます。
4.デビットカード
銀行が発行している、即時払いサービスです。銀行口座の残高を利用した決済ですので、プリペイドのように事前にチャージ手間もなく、クレジットのように使い過ぎる可能性も少なくなります。
5.プリペイドカード
プリペイドカードは、事前に現金やクレジットカードでチャージをして決済する、前払いのサービスです。国際ブランドのプリペイドカード(VISA、 Mastercard、 JCB,American Express、Diners Clubといったカードブランド)や、店舗で独自に発行しているプリペイドカード(ガソリンスタンドや、飲食店など、その店舗で利用可能なプリペイドカード)があります。
店舗側が事前に準備できること
店舗側はマイナポイント利用に対して、特別な申込みなどは必要ありませんが、消費者が利用する各種キャッシュレス決済の導入が必要になります。ポイントの付与期間は2020年9月から始まっており、付与タイミングはキャッシュレス決済ごとに異なりますが、既に付与されているケースもあります。そのため、キャッシュレス決済が未導入の店舗で、導入を検討している場合はなるべく早めに準備しましょう。
なお、付与期間は2021年3月までありますが、付与されたマイナポイントの有効期限は未定となっています。
店舗側のメリット・デメリット
メリット
- 消費拡大効果
一人あたり最大5,000円分のポイント還元を得るためには、はじめに20,000円分のチャージか利用をする必要があります。合計25,000円の消費が見込まれ、キャッシュレス決済比率は増加すると予測できます。キャッシュレス決済導入済みの店舗にとっては、消費拡大に繋がる可能性が高いです。
デメリット
マイナポイント自体は店舗側にデメリットはありませんが、キャッシュレス決済の導入にあたっては以下の点に留意する必要があります。
- キャッシュレス決済導入の手間
専用の決済端末が必要になり、また、システム改修作業などが必要になる場合があり、一定の初期費用が発生します。 - キャッシュレス決済手数料が負担
キャッシュレス決済のたびに決済手数料が発生し、1決済につき数%ではあるものの、店舗にとっては大きな負担になる可能性があります。 - キャッシュレス決済の売上金の入金サイクルが多様
キャッシュレス決済の売上金は後日振り込まれますが、決済サービスごとにサイクルは異なり、資金繰りに影響がある可能性もあります。
導入のおすすめは「QRコード決済」
上記のデメリットを軽減するためには、QRコード決済の導入がおすすめです。クレジットカードなどの国際ブランド決済、電子マネー決済と比べて導入コストや決済手数料が安いのが特徴です。スマートフォンやタブレットとインターネット回線さえあれば、QRコード決済は可能です。
QRコード決済の導入は、各QRコード決済事業者に直接問い合わせをするか、取り扱っている決済代行事業者に問い合わせを行います。複数のQRコード決済を一つで対応したものもありますので、ぜひチェックをしてみてください。
例)QRコード決済対応店舗向けサービス「Airペイ QR」:https://airregi.jp/mp/
まとめ
- マイナポイントは、マイナンバーカードと、キャッシュレス決済の普及を目指した総務省のポイントプログラム
- マイナポイントは、キャッシュレス決済サービスを通じて、消費者に利用分の25%(最大5,000円分)のポイントが付与される
- 店舗側のマイナポイント申込は不要だが、消費者に利用してもらうためにキャッシュレス決済の導入が必要
- マイナポイントで消費拡大効果が期待できるが、キャッシュレス決済の導入負担がデメリット
- キャッシュレス決済の導入で費用負担が軽いのはQRコード決済
マイナポイントは全国民に配布されるマイナンバーカードを持っていれば、ひとりあたり25%(上限5,000円)とかなりの高還元ですので、マイナンバーカードの普及も、続くキャッシュレス決済比率も増加すると考えられます。キャッシュレス決済の導入が気になっていた店舗は、この機会に具体的に導入を検討してみてはいかがでしょうか。
※この記事は公開時点、または更新時点の情報を元に作成しています。
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この記事を書いた人
新関 広樹(にいぜき ひろき)FinTechコンサルタント
株式会社メンドレス代表。
アクセンチュアを経て、FinTechベンチャーのインフキュリオンにて、国内・東南アジアでのFinTech事業戦略立案、企画・実行支援に従事。
2019年にメンドレスを立ち上げ、融資・決済・送金に関わるFinTechサービスの新規事業、業務改善のコンサルティング事業を運営、大手企業から外資スタートアップまで多くの企業を支援。
現在は、シンガポールを拠点に、コンサルティングに加え、金融教育の研究、およびグローバル金融教育サービスの企画・開発も運営。
https://www.mendoless.com/