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厚生年金保険の加入条件 パートやアルバイト・個人事業主は?労働時間や年齢など知りたいこと全部

Airレジマガジン編集部

中野 裕哲(なかの ひろあき)起業コンサルタント(R)

厚生年金保険は、労働者の老後の生活をサポートする収入源になるため、基本的なルールは押さえておきたいものです。この記事を読めば、パートやアルバイトを含めて厚生年金保険に加入できる条件がわかり、加入手続きを適切におこなえるようになります。また、従業員を雇用したり、扶養家族ができた場合の対応もスムーズにしやすくなるため、ぜひ参考にしてください。

この記事の目次

厚生年金保険の加入条件まとめ

厚生年金保険とは、主に会社員やその家族が定年による退職後に、給与に代わってその収入を補償するための年金制度です。自営業者のための制度である国民年金に比べて、給付が手厚いのが特徴です。

厚生年金保険と国民年金の加入の違い

厚生年金保険の加入者は、第2号被保険者と呼ばれ、会社員や会社役員、公務員が加入しなければいけません(パートタイマーについては、後述の通り一定の要件を満たす場合のみ加入義務が発生します)。

個人事業主の場合、従業員が常時5名いる場合は、飲食店など一定の業種を除いて厚生年金保険への加入義務があります。

また、第2号被保険者に扶養されている配偶者は第3号被保険者といいます。第3号被保険者である期間は、国民年金保険料を負担していなくても、国民年金保険料を納めていた期間としてカウントされます。

事業主側の加入について

厚生年金保険への加入条件は、会社が厚生年金保険の適用事業所に該当するかがポイントです。厚生年金保険の適用事務所には以下の2種類に大別されます。

強制適用事業所

株式会社をはじめ、法人登記された事業所は、事業内容に関わらず厚生年金保険へ強制適用されます。つまり、厚生年金保険へ必ず加入しなくてはならないのです。社長1人だけの会社でも強制加入対象です。 個人経営の事業所に関しては、下記の任意適用事業所を除く業種に該当し、常時5人以上の従業員がいる場合に強制的に適用されます。

任意適用事業所

強制適用事業所にならない個人経営の事業所でも、従業員の半数以上が同意し、事業主が適切に申請すれば厚生年金保険に加入できます。具体的な要件は、常時5人未満の事業所や、以下の業種に該当する従業員が5人以上の事業所です。

  • 農林水産業
  • サービス業
  • 士業
  • 宗教業

強制適用事業所であるにも関わらず厚生年金保険に未加入の場合は、至急加入手続きを行いましょう。

厚生年金保険の被保険者(従業員側)の種類と加入条件

厚生年金保険に加入できる被保険者のパターンは、主に以下の4種類に分けられます。

当然被保険者

厚生年金保険の適用事業所に常時雇用される70歳未満の人は、国籍や性別を問わず被保険者となります。

任意単独被保険者

適用事業所以外の事業所で雇用されている70歳未満の人は、事業主が同意し、厚生労働大臣から認可を受けた場合、単独で加入可能です。

高齢任意加入被保険者

要件をクリアせず、70歳を超えても老齢基礎年金や老齢厚生年金保険を受給できない場合、厚生年金保険に加入することにより受給権が得られるケースです。

高齢任意加入被保険者になるには、70歳以上であることが加入条件で、適用事業所に勤務していればOKです。勤務先が適用事業所でない場合、事業主の同意と厚生労働大臣の認可を受けられれば高齢任意加入被保険者になることができます。

パート・アルバイト

雇用形態が非正規であるパートやアルバイトの場合、事業所に常時雇用されていれば厚生年金保険の被保険者となります。常時雇用されているかどうかは、原則的に、労働時間および労働日数が正規社員の4分の3以上かどうかが目安です。

パート・アルバイトの厚生年金保険の加入条件

たとえば、1週間の所定労働時間が40時間の場合、30時間以上働くようなパートタイマーが該当してきます。

被保険者とされないケース

厚生年金保険の被保険者になるには、常時雇用されているかが基本的な要件ですが、以下のケースは被保険者の対象から外されています。

  • 日雇いで雇用される場合
  • 2ケ月以内の有期雇用の場合
  • 雇用される事業所の所在地が一定しない場合
  • 4ケ月以内の季節的な業務に雇用される場合
  • 6ケ月以内の臨時的な事業をおこなう事業所に雇用される場合

上記のケースでも、雇用形態が変わり一定期間以上雇用されるようになった場合、被保険者になることができます。ただし、所在地が一定しない事業所のケースは、いかなる場合も被保険者と認められません。

平成28年10月に加入対象が拡大

厚生年金保険の加入条件は、基本的に労働時間が週30時間以上の場合とされていましたが、平成28年10月以降、以下を満たすケースも加入対象となりました。

  • 従業員501人以上の企業であること
  • 所定労働時間が週20時間以上であること

なお、以下は対象外となります。

  • 予定される雇用期間が1年に満たない
  • 75歳以上
  • 1ケ月あたりの賃金(賞与・残業代・手当を含まない)が88,000円以下

厚生年金保険の加入対象の拡大について、詳細は以下のサイトをご参照ください。

平成28年10月から厚生年金保険・健康保険の加入対象が広がっています!(社会保険の適用拡大)

従業員の扶養家族は適用される?

家族集合写真

厚生年金保険に加入する従業員が扶養している配偶者は、20歳以上60歳未満であり収入面の条件を満たすと被保険者になることができます。健康保険の場合、被扶養者の範囲は比較的広いですが、厚生年金保険では配偶者のみとなります。

被保険者の収入によって生活が成り立っている人が被扶養者として認定されるには、年間収入130万円未満が基本的な要件です。障害がある人の場合は年間収入180万円未満とされます。また、被扶養者の年間収入は扶養者(厚生年金保険に加入する従業員)の2分の1未満でなくてはなりません。

このような条件をクリアすれば、従業員の配偶者は自身で保険料を負担せずに第3号被保険者として年金を受給する権利が得られます。

厚生年金保険の新規適用手続き

厚生年金保険に新規で加入する場合、事業主は所定の新規適用届を提出しなくてはなりません。具体的な提出方法は以下の通りです。

  • 提出時期:加入すべき要件を満たした事実が発生してから5日以内
  • 提出先:事業所の所在地を管轄する日本年金機構の事務センター
  • 提出方法:電子申請、郵送、窓口持参

法人事業所の場合、新規適用届に加えて法人登記簿謄本の原本を添付します。個人経営の事業所で強制適用事業所に該当する場合は、事業主のすべての世帯構成員の住民票(原本)を添付します。

なお、厚生年金保険の適用事務所に新たに従業員を雇用し、加入条件を満たす場合は被保険者取得届を提出しなくてはなりません。

厚生年金保険の新規適用および従業員を雇用した場合の手続きの詳細は、以下を確認してください。

新規適用の手続き|日本年金機構

従業員を採用したときの手続き|日本年金機構

任意適用事業所として加入申請する場合

任意適用事業所として申請する場合は、所定の新規適用届および任意適用申請書と共に、従業員の半数以上の同意を得たことを示す書類を添付する必要があります。

任意適用申請のための所定の書類や同意書の例は、以下のページから確認できます。

任意適用申請の手続き|日本年金機構

個人事業主は厚生年金保険に加入できるの?

厚生年金保険は、適用事業所で使用される者が加入します。個人事業主自身は使用する者なので、たとえ強制適用事業所だったり、任意加入したとしても、厚生年金保険に加入することはできません。個人事業主の事業所が、強制適用事業所や任意適用事業所として厚生年金保険に加入した場合には、従業員については、フルタイムであれば加入義務が生じますし、パートタイマーであれば、労働時間などに応じて加入義務が発生する点は会社と同じです。

まとめ

厚生年金保険の加入条件に関するポイントをまとめると、以下のようになります。

  • 厚生年金保険に加入するには、厚生年金保険の【強制適用事業所または任意適用事業所】に該当しなくてはならない。
  • 厚生年金保険の被保険者になる条件は主に4種類あり、パート・アルバイトでも常時雇用されるケースに当てはまれば適用される。
  • 厚生年金保険へ加入するには、【新規適用届】を日本年金機構の事務センターに郵送にて提出、または管轄の年金事務所の窓口に提出する必要がある。
  • 厚生年金保険に加入している従業員の扶養家族は、配偶者のみ条件をクリアすれば被保険者になることができる。
  • 個人事業主自身は、厚生年金保険に加入することはできない。

厚生年金保険の加入についての基本ルールを知っておくと、厚生年金保険への加入可否を判断しやすくなり、加入手続きが適切にできるようになります。また、従業員を新たに雇う場合や、従業員が結婚して扶養家族として配偶者ができた場合の対応もスムーズになるでしょう。

※この記事は公開時点の情報を元に作成しています。

メールにて「労務管理カンタンガイド」のダウンロードリンクをお送りします。

この記事を書いた人

Airレジマガジン編集部

「0円でカンタンに使えるPOSレジアプリ『Airレジ』」のメディア「Airレジ マガジン」の編集部。お店を経営している方向けに、業務課題の解決のヒントとなるような記事を制作しています。

中野 裕哲(なかの ひろあき)氏

中野 裕哲(なかの ひろあき)起業コンサルタント(R)

起業コンサルタント(R)、税理士、特定社労士、行政書士、CFP(R)。起業コンサルV-Spiritsグループ/税理士法人V-Spirits代表。年間約200件の起業相談を無料で受託し、起業家をまるごと支援。起業支援サイト 「DREAM GATE」で6年連続相談数日本一。「一日も早く 起業したい人が『やっておくべきこと・知っておくべきこと』」など、起業・経営関連の著書・監修書多数。http://v-spirits.com/

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