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領収書の宛名は? 経営者初心者が知っておきたい領収書のトラブルとリスク

Airレジマガジン編集部

中野 裕哲(なかの ひろあき)起業コンサルタント(R)

「領収書お願いします。宛名は何も書かなくていいです」とお客様に言われて領収書を作成したことはありませんか?宛名なしの領収書は本当に大丈夫なのか誰でも心配になってしまうものです。今回は領収書の宛名や会社名の書き方、収入印紙の貼り方といった領収書に関するトラブルとリスクを解説します。領収書の正しい書き方がわかれば安心して店舗経営できるようになります。

この記事の目次

領収書はどう書くの?

領収書に記入すべき内容は下記の6点です。

①領収書発行者の氏名や名称

領収書を発行する店舗の情報を記入します。ゴム印を押印することで記入に代えることもできます。発行者の印鑑は必須ではありませんが角印や担当者印などを押印することによって原本であることを証明することができます。企業によっては印鑑がなければ領収書として認めてもらえないこともあります。お客様の要望に応じて柔軟に対応する姿勢が必要となります。

②領収書発行日付

領収書を発行した日付(=代金を受け取った日付)を記入します。後日領収書発行の依頼を受けた場合などは備考欄へ代金受領日を記入しておくと安心です。また代金を受け取っていないにも関わらず領収書を発行してしまうと代金を受け取ったことになってしまいます。代金請求のトラブルに発展することもあるため必ず代金を受け取った取引の領収書だけを発行するようにしましょう。

③但し書き

どのような取引が行われたのかを記入します。業種ごとの具体例は下記のとおりです。

  • 飲食店の場合は飲食代として
  • 小売店の場合はお品代として

購入点数が複数ある場合は単価や数量などを明確にし、できるだけ具体的な内容を記入することを心がけましょう。

④金額

取引金額を税込で記入します。領収書の金額は下記のような書き方が必要となります。

  • ¥100,000※
  • ¥100,000-

金額の前後に\や※、-を付けたり、3ケタごとに,を付けたりすることで改ざんを防止する役割を果たしています。

⑤宛名

会社名は(株)と省略せずに株式会社と記載するようにしましょう。聞き取りにくい社名や・(なかぐろ)が入っている社名などお客様から名刺をいただく場合があります。お借りした名刺と同じ社名を領収書の宛名に記入した後、作成した領収書と一緒に名刺をお返しします。また消費税法では下記の事業者は宛名なしの領収書を発行することが認められています。

  • 小売業
  • 飲食店業
  • 写真業
  • 旅行業

レシートには宛名の記載がありませんが証拠証書としての効力があるのはそのためなのです。

⑥受取事実を証明するための一文

下記のような受領を明らかにする文章がなければ領収書としての役割を果たすことはできません。

  • 上記正に領収いたしました
  • 上記の通りに領収いたしました

知っておきたい領収書のトラブル

経営初心者が知っておきたい領収書のトラブルは4つあります。

①領収書偽造トラブル

いくらお得意のお客様からの依頼とはいえ、事実とは異なる内容の領収書を作成することは許されません。 事実とは異なる内容の領収書を作成した場合、刑法第159条の私文書偽造等の罪に問われるからです。

②領収書の二重発行トラブル

領収書の二重発行は再発行となるため不正使用のリスクを抱えることになります。 一度発行した領収書をもう一度発行することは売上が2回あったことになるため、架空取引を行うことを意味します。 領収書の二重発行には応じることができない旨をあらかじめ領収書に記載しておくことによって、二重発行トラブルを未然に防ぐことができます。

③印紙税法違反トラブル

収入印紙の貼り忘れは過怠税が課税されます。 領収書に記載された金額が49,999円までは収入印紙は必要ありませんが、50,000円以上からは収入印紙が必要となります。 実は収入印紙を貼り付けただけでは印紙税を納税したことにはなりません。 領収書に収入印紙を貼り付けて消印をしなければならない点で注意が必要です。

④税額控除に関するトラブル

領収書の記載事項に漏れがあった場合、お客様のほうで消費税の仕入税額控除を受けることができない可能性があります。 消費税の仕入税額控除を受けるための要件には、下記の事項が記載されていることが要件となっているからです。

  • 書類作成者の氏名や名称
  • 取引発生年月日
  • 取引内容
  • 取引金額(税込)
  • 宛名

小売業や飲食店業等は宛名はなくても有効となっていますが、手書きの領収書を発行する場合は念のため記載しておくと安心です。

知っておきたい宛名なし領収書のリスク

宛名なし領収書とは下記の領収書をさします。

  • 宛名に何も書いていない領収書
  • 宛名に上様と記入されている領収書

宛名なし領収書を発行した場合に、どのようなリスクを抱えることになるのでしょうか。

紛失による第三者に悪用されるリスク

お客様が宛名なし領収書を紛失した場合、それを拾ったまったく関係のない人が悪用する可能性があります。領収書を拾った本人がその領収書を使って架空経費を計上することで税金を減らすことができるからです。宛名をしっかりと記入することによってお客様が紛失したとしても、第三者に悪用されるリスクを低くすることができます。

トラブルに巻き込まれるリスク

宛名なしの領収書ばかり作成することで税務署から反面調査が入る可能性があります。反面調査とは取引先の不正行為に対する本調査を補うために行なわれる税務調査の一種です。宛名なし領収書を発行したお店として反面調査に応じるリスクが高くなってくるのです。

脱税ほう助の罪に問われるリスク

脱税を手助けしたと誤解される恐れがあります。宛名なしの領収書を発行することは相手の都合のいいように経費を使えるようにしたことになります。結果として脱税を手助けしたとみなされ脱税ほう助の罪に問われるリスクを抱えることになるのです。

まとめ

経営初心者が知っておきたい領収書のトラブルとリスクは下記の3点です。

  • 領収書の記載ルールを無視すると私文書偽造罪に問われるかもしれない
  • 領収書の発行ルールを無視すると架空計上や印紙税法違反になってしまうかもしれない
  • 宛名なし領収書を発行すると脱税を手助けしたと思われるかもしれない

領収書1枚とってみても、これだけ多くのトラブルやリスクを抱えることになります。領収書を正しく発行すれば万が一のことがあっても安心して店舗を運営することができるのです。

※この記事は公開時点の情報を元に作成しています。

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この記事を書いた人

Airレジマガジン編集部

「0円でカンタンに使えるPOSレジアプリ『Airレジ』」のメディア「Airレジ マガジン」の編集部。お店を経営している方向けに、業務課題の解決のヒントとなるような記事を制作しています。

中野 裕哲(なかの ひろあき)氏

中野 裕哲(なかの ひろあき)起業コンサルタント(R)

起業コンサルタント(R)、税理士、特定社労士、行政書士、CFP(R)。起業コンサルV-Spiritsグループ/税理士法人V-Spirits代表。年間約200件の起業相談を無料で受託し、起業家をまるごと支援。起業支援サイト 「DREAM GATE」で6年連続相談数日本一。「一日も早く 起業したい人が『やっておくべきこと・知っておくべきこと』」など、起業・経営関連の著書・監修書多数。http://v-spirits.com/

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