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フリーランスとは?定義やメリット・デメリット、始め方を解説

渋田 貴正(しぶた たかまさ)税理士・司法書士・社会保険労務士

フリーランスの始め方を解説する記事のメイン画像。タブレットを持って屋外を歩く女性の姿で、時間や場所に縛られない自由な働き方を表現

近年、働き方の多様化が進むなかで、「フリーランス」という言葉を耳にする機会が増えました。会社や組織に属さず、個人で仕事を請け負うこの働き方は、場所や時間の自由度が高く、自分のスキルや得意分野を活かして稼げるため注目されています。
この記事では、フリーランスの基本的な定義から、メリット・デメリット、活動を始めるためのステップまで、網羅的に解説します。これからフリーランスを目指す方はもちろん、副業としてフリーランスに興味がある方も、ぜひ参考にしてみてください。

この記事の目次

「フリーランス」の定義と似ている働き方との違い

はじめに、「フリーランス」とは具体的にどのような働き方を指すのか、その定義を明確にしていきます。また、混同されやすい「個人事業主」や「自営業」、「フリーター」といった言葉との違いについても整理していきましょう。

フリーランスとは?

フリーランスとは、特定の企業や団体に所属せず、独立して仕事を請け負う働き方、またはそのように働く人を指します。総務省の定義では「実店舗がなく、雇人もいない自営業主又は一人社長であって、その仕事で収入を得る者」となっています。
英語では「Freelance」と表記します。自由を意味する「Free」と、槍を意味する「Lance」を組み合わせた言葉です。語源は中世ヨーロッパの傭兵団に属さない槍兵「フリーランサー」に由来するといわれています。組織に縛られず、自らの専門スキル(槍)で報酬を得るという点が現代のフリーランスにも通じていますね。
企業との間で雇用契約を結ぶ会社員とは異なり、フリーランスは仕事ごとに業務委託契約などを結びます。そのため、働く時間や場所、仕事の進め方などを契約者と相談しながら比較的自由に決められるのが特徴です。自身の専門性やスキルを直接的に収入に結びつけることができるため、高い能力を持つ人にとっては大きな収入アップの機会が期待できます。
一方で、会社員のように毎月決まった給与が保証されていない点に注意が必要です。社会保険や福利厚生なども自身で管理する必要があるなど、自由と引き換えにともなう責任も大きくなります。

個人事業主・自営業・フリーターとの違い

フリーランスと混同されやすい言葉に「個人事業主」「自営業」「フリーター」があります。これらの言葉は、それぞれ意味合いが異なります。定義や税務上の扱い、社会保険などの観点から、その違いを確認していきましょう。

<フリーランス・個人事業主・自営業・フリーターの定義や特徴>
区分 フリーランス 個人事業主 自営業 フリーター
定義 企業や組織に属さず、独立して仕事を請け負う働き方、またはそのように働く人 税務上の区分で、法人を設立せずに個人で事業を営む人 独立して事業を営む人全般(個人事業主や法人経営者も含む) アルバイトやパートタイマーとして生計を立てる人
働き方の特徴 案件ごとに契約を結び、専門スキルを提供する。時間や場所に縛られないことが多い 事業計画にもとづき、継続的に事業を運営する 自身の事業を経営する。店舗経営や従業員を雇用するケースもある 企業や店舗に雇用され、シフト制などで働くことが多い
契約形態 業務委託契約など 業務委託契約など 業務委託契約、雇用契約(従業員がいる場合)など 雇用契約
税務 多くの場合、個人事業主として開業届を提出し、確定申告を行う 開業届を提出し、確定申告を行う 個人事業主の場合は確定申告(毎年3/15まで)、法人の場合は法人税の申告(決算月より原則2カ月以内) 給与所得者として年末調整または確定申告を行う
売上金額によって消費税申告が必要 売上金額によって消費税申告が必要 売上金額によって消費税申告が必要 消費税申告なし
社会保険 国民健康保険、国民年金に加入(一部、任意適用事業所として厚生年金・健康保険に加入可) 国民健康保険、国民年金に加入(一部、任意適用事業所として厚生年金・健康保険に加入可) 個人事業主は国民健康保険・国民年金、法人は厚生年金・健康保険に加入が原則 勤務先の社会保険に加入(加入条件を満たす場合)、または国民健康保険・国民年金に加入

フリーランスと個人事業主の関係

フリーランスの多くは、税務上「個人事業主」として活動します。つまり、「フリーランス」は働き方を指す言葉であり、「個人事業主」は税法上の区分を指す言葉という関係性です。

自営業の広義性

「自営業」は最も広義な言葉で、個人事業主だけでなく、法人を設立して事業を営む社長なども含みます。フリーランスや個人事業主は、自営業の一形態ともいえるでしょう。

フリーターとの明確な違い

フリーターは企業に「雇用」されて働くのに対し、フリーランスは企業と「契約」して対等な立場で仕事をする点で大きく異なります。また、フリーターは一般的に時間給で働くことが多いですが、フリーランスは成果物に対して報酬を得るのが基本です。

フリーランスの基本属性

総務省の発表している統計情報によると、総数の約7割が男性で、年齢は「45~49歳」が24.5万人で最も多く、次いで「50~54歳」が24.4万人となっています。
副業のみの場合で見ると、「35~39歳」が最も多くなっています。

参考:総務省統計局「基幹統計として初めて把握したフリーランスの働き方」

なぜ増えている?フリーランスが注目される背景

近年、日本国内でもフリーランスとして働く人の数は増加傾向にあります。なぜ今、フリーランスという働き方がこれほどまでに注目され、選ぶ人が増えているのでしょうか。その背景には、いくつかの社会的な変化がありそうです。おもな背景としては、下記の点が挙げられます。

働き方の多様化と価値観の変化

終身雇用制度や年功序列といった従来の日本型雇用システムが変化し、個人のキャリア観が多様化しています。「組織に縛られず、自分の裁量で働きたい」「ワークライフバランスを重視したい」といった価値観を持つ人が増えています。

テクノロジーの進化とインターネットの普及

クラウドソーシングやコミュニケーションツール(Slack、Zoomなど)の普及で、時間や場所を選ばずに仕事をすることが容易になりました。個人のスキルや実績をオンラインで発信しやすくなったことも、フリーランスの活動を後押ししています。

企業のニーズの変化

企業側も、社員として常時雇用するよりも、必要なときに必要なスキルを持つ人材を柔軟に活用したいというニーズが高まっています。特定のプロジェクトや専門業務を外部のフリーランスに委託することで、人件費の抑制や業務効率化を図る動きが活発化しています。

政府による働き方改革の推進

企業の副業・兼業の容認や、多様な働き方を推進する政府の方針も、フリーランスという選択肢を後押しする一因となっています。

専門スキルの需要増加

IT技術の高度化やDX(デジタルトランスフォーメーション)の進展にともない、プログラミング、Webデザイン、デジタルマーケティングといった専門スキルを持つ人材の需要が高まっています。これらのスキルを持つ人がフリーランスとして独立するケースが増えています。
これらの要因が複合的に作用し、フリーランスは個人のキャリア選択肢として、また企業の人材活用戦略として、存在感が増しています。

男女別に見るフリーランスを選んだおもな理由

次に男女別にフリーランスを選んだ理由を見てみましょう。
総務省統計局の「令和4年就業構造基本調査」によると、男性の場合は「専門的な技能等を生かせるから」が最多になっています。会社員や独自に培ったスキルを活用して働きたいと考える人が多いのでしょう。
女性の場合は「自分の都合のよい時間に働きたい」が一番多い理由ですが、男性と比較して「家事・育児・介護等と両立しやすい」という理由が多いのも特徴的です。ライフステージの変化に合わせて、時間や場所など柔軟に働けるフリーランスを選択しているともいえるでしょう。

<男性が本業でフリーランスを選んだ理由>
理由 割合
自分の都合のよい時間に働きたいから 27.7%
家計の補助・学費等を得たいから 4.8%
家事・育児・介護等と両立しやすいから 1.8%
通勤時間が短いから 1.0%
専門的な技能等を生かせるから 35.7%
正規の職員・従業員の仕事がないから 4.1%
その他 24.8%
<女性が本業でフリーランスを選んだ理由>
理由 割合
自分の都合のよい時間に働きたいから 33.5%
家計の補助・学費等を得たいから 7.6%
家事・育児・介護等と両立しやすいから 14.2%
通勤時間が短いから 0.4%
専門的な技能等を生かせるから 25.2%
正規の職員・従業員の仕事がないから 2.2%
その他 17.0%

出典:総務省統計局「令和4年就業構造基本調査」

フリーランスで働くメリット・デメリット

フリーランスという働き方は、多くの魅力がある一方で、会社員とは異なる厳しさや注意点も存在します。ここでは、フリーランスとして働くことのメリットとデメリットをみていきましょう。

フリーランスで働くメリット

フリーランスとして働くことには、会社員では得られない多くの魅力があります。代表的なメリットは下記の4つです。

働き方の自由度が高い

フリーランスの最大の魅力の一つは、自分の裁量で働き方を選べることです。
納期やクライアントとの打ち合わせ時間を守れば、いつ、どこで働くかは基本的に自由です。朝型の人も夜型の人も自分のペースで仕事ができ、自宅やカフェ、コワーキングスペースなど、集中できる環境を選べます。育児や介護との両立もしやすいでしょう。
また、会社の就業規則による制約もないため、基本的に仕事中服装や髪型に気を使う必要はありません。
加えて自分のキャパシティやライフスタイルに合わせて、受注する仕事の量を調整できます。一年の間で集中して働く期間と長期休暇を取る期間を分ける、といった働き方も可能です。

収入アップのチャンス

フリーランスは、自分のスキルや努力次第で収入を大きく伸ばせる可能性があります。会社員の場合、個人の成果が給与に反映されるまでには時間がかかったり、評価制度に左右されたりすることがあります。一方、フリーランスは提供するサービスの質や実績が直接報酬に結びつきます。高単価の案件を獲得したり、複数のクライアントと契約したりすることで、会社員時代以上の収入を得ることも夢ではありません。
また、仕事に関わる支出(PC購入費、通信費、書籍代、交通費など)を経費として計上できるため、節税効果も期待できます。

やりたい仕事を選べる

会社員の場合、必ずしも自分の希望する業務やプロジェクトに携われるとは限りません。しかし、フリーランスは基本的に自分で仕事を選べます。
自分のスキルセットやこれまでの経験、そして何よりも「やりたい」と思える分野の仕事を中心に受注することができます。
また、企業文化や担当者の考え方など、自分と合わないと感じる相手とは無理に仕事をする必要がありません。良好な関係を築けるクライアントと仕事をすることで、ストレスを軽減し、よりよい成果を生み出すことにもつながります。
自分の意思で仕事を選択できることは、仕事の満足度を高め、キャリア形成においても主体性を持つことにつながります。

成長につながる自己裁量

フリーランスは、仕事の進め方から事業運営に関わることまで、あらゆることを自分で決める権限(自己裁量)を持っています。これは大きな責任をともないますが、同時に自己成長の機会にも溢れています。
一人で営業、経理、法務、マーケティングなど行うため、事業を運営していくうえで必要な知識やスキルを実践のなかで学ぶことができます。
また、常にコスト意識を持ち、どのようにすれば収益を最大化できるか、事業を継続・発展させていけるかを考えるようになるため、経営者としての視点も身につくでしょう。

フリーランスで働くデメリット

自由で魅力的に見えるフリーランスですが、もちろんデメリットも存在します。ここでは、フリーランスとして働くうえで覚悟しておくべき代表的なデメリットを4つご紹介します。

収入変動のリスク

フリーランスの収入は、会社員のように毎月固定ではありません。案件が途切れてしまえば収入も途絶えます。特に独立当初や景気変動時には、収入が不安定になりやすいです。
また、会社員であれば有給休暇や傷病手当金などの保障がありますが、フリーランスは自身が働けなくなると直接的に収入減につながります。
これらのリスクに対応するためには、日頃から貯蓄を心がける、複数の収入源を確保する、万が一に備えて所得補償保険に加入するなどの対策が必要です。

自分で社会保険・年金などの手続きを行う

会社員であれば会社が行ってくれる社会保険や年金手続きも、フリーランスはすべて自分で行う必要があります。
例えば、国民健康保険と国民年金も、自分で加入手続きを行い、保険料も全額自己負担します。会社員と比較して、保障内容が手薄になる場合や、保険料の負担が増えるケースがあります。
年金も厚生年金に加入している会社員と比較して、国民年金のみのフリーランスは将来受け取れる年金額が少なくなる傾向があります。そのため、iDeCo(個人型確定拠出年金)や国民年金基金などを活用し、自身で老後資金を準備する必要があります。

確定申告や経理業務をすべて自分で

日々の帳簿付け、経費に関わる領収書や請求書などの整理、確定申告及び納税もすべて自分で行います。原則として課税売上高が1000万円以下であれば消費税の納税義務はありませんが、取引先からの要請などでインボイス発行事業者(適格請求書発行事業者)になった場合は、消費税の納税も必要です。こういった作業は、慣れないうちは時間と労力を要するでしょう。
税法に関する知識もある程度必要になります。これらの経理業務を効率化するために、会計ソフトを導入したり、税理士に依頼したりするフリーランスも多くいますが、その分の費用が発生します。

孤独を感じやすい環境

会社員であれば職場で同僚などと気軽に相談できますが、フリーランスは基本的に一人で仕事を進めることが多いため、孤独を感じやすいという側面もあります。
仕事上の悩みやトラブルが発生した際に、一人で抱え込んでしまうと、精神的に不安定になることもあるでしょう。
また、自己管理が甘いと、つい怠けてしまったり、逆に働きすぎてしまったりと、オンオフの切り替えが難しくなることがあります。
孤独感を解消するためには、コワーキングスペースを利用してほかのフリーランスと交流したり、オンラインコミュニティに参加したり、積極的に外部との接点を持つことが大切です。

フリーランスに多い仕事とは?

フリーランスと一口に言っても、職種は多岐にわたります。ここでは、特にフリーランスとして活躍する人が多い代表的な仕事のカテゴリーと、それぞれの具体的な職種についてご紹介します。

Web系・IT系(プログラマー、エンジニアなど)

現代のビジネスに不可欠なWebサイト制作やシステム開発、アプリケーション開発などを担うのがこの分野のフリーランスです。高い専門スキルが求められ、実績を積むことで高単価案件を獲得しやすいのが特徴です。技術の進歩が速いため、常に新しい知識やスキルを学び続ける姿勢が重要です。

<Web系・IT系のおもな仕事>
職種 おもな仕事内容
プログラマー/システムエンジニア(SE) Webアプリケーション、スマートフォンアプリ、業務システムなどの設計・開発・テスト・運用保守など
Webデザイナー Webサイト全体のデザイン、UI/UX設計、コーディング(HTML、CSS、JavaScript)など
フロントエンドエンジニア/バックエンドエンジニア ユーザーが直接触れる部分(フロントエンド)や、サーバーサイドの処理(バックエンド)を専門に担当
インフラエンジニア サーバーやネットワークの設計・構築・運用保守を担当

言語を扱う仕事(ライター、翻訳者、編集者など)

言葉を扱うプロとして、Webメディアや出版物、企業の広報物など、さまざまな媒体で活躍します。文章力はもちろん、読者のニーズを捉える力や、正確な情報伝達能力が求められます。

<言語を扱うおもな仕事>
職種 おもな仕事内容
Webライター/SEOライター Webサイトの記事コンテンツ作成、ブログ記事作成、商品紹介文作成など。特にSEOを意識したライティングスキルは需要が高い
コピーライター 商品やサービスの魅力を短い言葉で伝える広告コピーやキャッチフレーズを作成する
テクニカルライター 製品の取扱説明書や仕様書など、専門的な内容をわかりやすく記述する
翻訳者 外国語の文章を日本語に、または日本語を外国語に翻訳する。ビジネス文書、出版物、映像コンテンツなど、扱う分野は多岐にわたる
編集者 企画立案、ライターやデザイナーへのディレクション、原稿の校正・校閲など、コンテンツ制作全体の進行管理を行う
校正・校閲者 原稿の誤字脱字や事実誤認、表現不備などを確認し、文章の品質を高める

経営課題解決や事業成長を支援する仕事(コンサルタント、マーケター)

企業の経営課題の解決や事業成長を支援する専門家です。豊富な知識や経験、分析力、提案力が求められ、企業の戦略パートナーとして重要な役割を担います。

<経営課題解決や事業成長を支援するおもな仕事>
職種 おもな仕事内容
経営コンサルタント 企業の経営戦略、事業戦略、組織改革など、経営全般に関するアドバイスや支援を行う
ITコンサルタント 企業のIT戦略立案やシステム導入支援など
Webマーケター/デジタルマーケター SEO、SEM(検索エンジンマーケティング)、SNSマーケティング、コンテンツマーケティング、広告運用など、Webを中心としたマーケティング戦略の立案・実行・効果測定を行う
人事コンサルタント 採用戦略、人材育成、評価制度構築など、人事領域の課題解決を支援する
広報・PRコンサルタント 企業のブランドイメージ向上やメディアリレーションズ構築などを支援する

クリエイティブ系の仕事(イラストレーター、動画クリエイターなど)

独自の感性や表現力を活かして、視覚的なコンテンツやエンターテイメントを提供する仕事です。ポートフォリオ(作品集)が自身のスキルを証明するうえで非常に重要になります。

<クリエイティブ系のおもな仕事>
職種 おもな仕事内容
イラストレーター 書籍、雑誌、Webサイト、広告、ゲームキャラクターなどのイラストを制作
グラフィックデザイナー ポスター、チラシ、ロゴ、パッケージやWebサイトのデザインを行う
動画クリエイター/映像編集者 YouTube動画、企業PR動画、CM、ミュージックビデオなどの企画・撮影・編集
フォトグラファー 人物、商品、風景、イベントなどの写真を撮影。広告、報道、ブライダルなど、専門分野はさまざま
サウンドクリエイター 楽曲制作、効果音制作など

美容系の仕事(美容師、ネイリストなど)

専門的な美容スキルや知識を活かして、個人に対してサービスを提供したり、指導を行ったりする仕事です。対面でのコミュニケーション能力や、お客さま満足度を高めるためのホスピタリティが重要です。これらの職種は、専門スキルに加え、お客さまとの信頼関係を築くことがリピーター獲得や口コミにつながり、安定的な収益確保に不可欠です。

<美容系のおもな仕事>
職種 おもな仕事内容
美容師/ヘアメイクアップアーティスト フリーランスの場合、店舗を持たずに、出張や業務委託でヘアカット、スタイリング、メイクアップなどを行う
ネイリスト/アイリスト 自宅サロンや出張で、ネイルケアやまつ毛エクステンションなどの施術を行う
エステティシャン フェイシャルやボディトリートメントなどの施術を提供
ヨガ講師/パーソナルトレーナー 個人の体力レベルや目標に合わせたトレーニング指導を行う

フリーランスに必要な能力とは?

会社員であれば組織がカバーしてくれる部分も、フリーランスは基本的に一人で対応しなければなりません。ここでは、フリーランスとして活動していくうえで重要なスキルを6つご紹介します。

コミュニケーション能力(ヒアリング力、伝える力、提案力など)

フリーランスには、相手の意図を正確に汲み取り、自身の考えを的確に伝えるコミュニケーション能力が不可欠です。
クライアントの要望をヒアリングする際は、丁寧な対話で意図を正確に把握し、認識の齟齬を防ぎましょう。要望に応えるだけでなく、期待を超える提案力も重要です。報酬や納期、業務範囲ではクライアントと対等な立場で交渉し、自身の価値や希望を明確に伝える力も求められます。さらに、ほかのフリーランスや業界関係者と積極的に交流し良好な関係を築くことで、情報交換や仕事の紹介につながるでしょう。

情報を収集し分析する力

変化の速い現代において、フリーランスは常に新しい情報を捉えたり、クライアントのニーズをいち早くキャッチして、ビジネスに活かす情報収集・分析力が必要です。また、フリーランスを始める前に、自身のスキルやサービスの市場価値、適正価格を調査・分析する能力も重要です。

時間や体調管理の能力

フリーランスは働く時間や場所を自由に決められる反面、自己管理能力が厳しく問われます。納期厳守のための効率的なスケジュール管理と、作業時間と休息のバランスを保つ自己規律が不可欠です。
体が資本であるため、規則正しい生活、バランスの取れた食事、適度な運動による体調管理も重要でしょう。

案件ごとに柔軟に適応する力

フリーランスは多様なクライアントやプロジェクトに関わるため、状況に応じた適応力が求められます。クライアントごとに異なる仕事の進め方や成果物の仕様を理解し、柔軟に対応する能力が必要です。

チャレンジ精神と行動力

フリーランスとして道を切り拓くには、現状に満足せず新しいことに挑戦し続ける意欲と実行する行動力が不可欠です。現状維持ではなく、目標を持って積極的に行動しましょう。失敗しても学びとして次に活かす精神、そしてアイデアを具体化する実行力が、フリーランスとしての成長と可能性拡大につながります。

新しい知識やスキルを学び続ける力

フリーランスの市場価値維持・向上には、専門知識やスキルを常に更新する学習意欲が不可欠です。
自分のコアスキルを磨きつつ関連分野や新技術も習得し、業務の幅と価値を高めます。業界トレンドやニーズ変化を捉え、マーケティング等のビジネススキルも学び事業を安定させましょう。

どうやって仕事を取る?案件獲得の基本

フリーランスとして独立したものの、どのように仕事を見つければよいのか、という点は多くの方が最初に直面する課題でしょう。ここでは、フリーランスが案件を獲得するためのおもな方法を4つご紹介します。

企業への直接営業・提案

自分から企業に直接連絡し、スキルやサービスを提案するというもっともシンプルな方法です。具体的な進め方としては、まず提案したい企業や業界をリサーチして担当者を探します。次に、自身の強みや提供できる価値をまとめた資料(ポートフォリオなど)を用意し、アポイントを取って提案するという流れです。
このアプローチのよい点は、間に業者を挟まないため成功すれば報酬が高くなる可能性があることです。また、クライアントの要望を直接うかがえるので、的確な提案ができます。
一方で、十分な営業力や提案、そしてこれまでの実績がないと、なかなか提案を聞いてもらえなかったりするなど契約まで結びつけるのが難しい場合もあります。

知人や元勤務先からの紹介

独立前の会社の人や取引先といった人脈から、仕事を紹介してもらう方法です。信頼関係が既にあるため話がスムーズに進みやすく、あなたのスキルを理解したうえでの紹介なのでミスマッチも少ないのが大きな利点です。
ただし、この方法だけに頼ると人脈が尽きた際に困る可能性があり、また紹介者の立場から条件交渉がしにくいこともあります。

クラウドソーシングやエージェント活用

インターネット上のマッチングサイトや、フリーランス専門のエージェントを通じて仕事を探す方法です。
クラウドソーシングは、未経験でも応募しやすい案件で実績を積める一方、一般的に単価が低めのケースが多いです。フリーランスエージェントは、営業活動を代行してくれ、比較的高単価の非公開案件を紹介してくれることもありますが、一定のスキルや実績が求められ、手数料も発生します。

SNSやポートフォリオサイトでの営業

SNSや自身の実績をまとめた個人のウェブサイトで情報発信し、仕事の獲得につなげる方法です。このやり方は、自分の専門性や人柄を広くアピールし、見込み客から直接、指名で仕事の依頼が来る可能性があるのが魅力です。
ただし、成果が出るまでには時間がかかりますし、継続的な情報発信も不可欠です。

独立する前にやるべき準備と手続き

フリーランスとして成功するためには、事前の準備が非常に重要です。ここでは、独立前に必ずやっておくべき準備と、必要な手続きについて解説します。

自分の強みの整理と市場調査

まず、自分自身がフリーランスとして何を提供できるのか、その価値は市場でどの程度求められているのかを客観的に把握する必要があります。

  • スキルの棚卸し:これまでの職務経歴や実績、保有資格、得意なこと、好きなことなどをリストアップし、自分の強みや専門性を明確にします。
  • ターゲットの設定:自分のスキルやサービスをどのようなお客さまに提供したいのか、ターゲット層を具体的にイメージします。ターゲットのニーズや課題を理解することが、効果的なサービス検討につながります。
  • 市場調査と競合分析:自分の専門分野において、市場での需要や将来性、競合となるほかのフリーランス、一般的な報酬相場などを調査します。そうすることで、自分のポジショニングや料金設計の参考にすることができます。
  • 提供価値の明確化:上記を踏まえ、「自分はお客さまにどのような価値を提供できるのか」を明確な言葉で表現できるようにしましょう。これが、営業時の提案の核となります。

コミュニティや勉強会への参加

フリーランスは孤独になりがちですが、同じように活動する仲間や先輩とのつながりは非常に貴重です。独立前から積極的にコミュニティや勉強会に参加することをおすすめします。

  • 情報収集や知識習得:フリーランス向けの勉強会やセミナーに参加することで、業界の最新情報やノウハウ、フリーランスとして活動するうえでの注意点などを学ぶことができます。
  • 人脈形成:同じ志を持つ仲間や、すでにフリーランスとして活躍している先輩とつながることで、情報交換をしたり、悩みを相談したりすることができます。ときには、そこから仕事の紹介につながることもあるでしょう。
  • 相談相手の確保:独立後の疑問点や困ったことが出てきた際に、気軽に相談できる相手を見つけておくことは心強いです。

事業計画&資金計画を練る

フリーランスとして独立するということは、個人で事業を始めることと同じです。そのため、しっかりとした事業計画と資金計画を立てることが不可欠です。

  • 事業計画の具体化:誰に、どのようなサービスを、いくらで提供するのかを具体的に記述します。
  • 必要資金の見積もり:事業を始めるための初期費用(PC購入費など)と、当面の生活費を含む運転資金がいくら必要かを見積もります。
  • 資金調達の検討:自己資金で不足する場合の、融資や補助金といった資金調達の方法を検討します。

なお、事業計画書の書き方や開業資金については下記の記事を参考にしてください。

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開業届の提出(個人事業主としてのスタート)

フリーランスとして事業を開始したら、原則として1カ月以内に税務署に「個人事業の開業・廃業等届出書(開業届)」を提出する必要があります。これにより、あなたは正式に「個人事業主」として認められます。

なお事業開始時点から青色申告とするのも選択肢の一つです。原則として青色申告しようとする年の3月15日まで(1月16日以後に新規開業する場合には、開業から2カ月以内)に「青色申告承認申請書」を提出する必要があります。
青色申告は複式簿記が必要といったハードルはありますが、青色申告特別控除が受けられるなどの複数のメリットがあります。

青色申告のおもなメリット

  • 青色申告特別控除が受けられる
  • 純損失の繰越控除(3年間)
  • 青色事業専従者給与が適用できる
  • 少額減価償却資産の特例が受けられる
  • 一括評価による貸倒引当金の計上ができるなど
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フリーランスで収入アップを目指すコツ

ここでは、やっておくと収入アップが目指せるコツを解説します。

需要の高いスキル、ニッチなスキルを探す

需要の高いスキルを極めたり、複数のスキルを組み合わせることで独自の魅力がある人材を目指しましょう。また、ニッチな分野での専門性を高めることでも、高単価な案件を獲得しやすくなります。

SNSやブログでの自己ブランディング

SNSやブログを活用して自身の専門性、経験、価値観などを発信し、「あなたというブランド」を確立(自己ブランディング)する方法です。これまでの実績をまとめたポートフォリオを作成しておきましょう。

営業力とコミュニケーション能力の強化

どれだけ高いスキルを持っていても、それを必要としている人に届けられなければ仕事にはつながりません。フリーランスにとって、営業力とコミュニケーション能力は収入を左右する重要なスキルです。直接営業し獲得できれば中間手数料もありません。依頼を待つだけでなく、自ら積極的に新しいクライアントを開拓していく姿勢が重要です。

フリーランスを手助けしてくれるサービス&コミュニティ

フリーランスとして活動する際には、事務作業の煩雑さ、資金繰りの悩み、ときには孤独感といった課題に直面することもあります。最近は便利なサービスやコミュニティが多数存在しますのでこれらを上手に活用しましょう。

会計ソフト・開業支援ツール

確定申告などの煩雑な経理業務は、会計ソフトを導入することでラクになります。簿記の知識がなくても日々の取引入力や帳簿作成、申告書類の作成が比較的簡単に行え、時間と手間を大幅に削減できます。また、店舗開業の準備であれば「Air ビジネスツールズ」の「開業支援セット」を利用するとスムーズに進められます。

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予約管理システム

個人事業主やフリーランスは、お客さまからの予約やキャンセル対応も自分で管理する必要があります。例えば『Airリザーブ』なら、ネットで自動的に予約受付やキャンセル対応ができるため、業務負荷の大幅な軽減につながります。

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フリーランス協会などのコミュニティ

一人で活動することが多いフリーランスにとって、情報交換や相談ができる仲間や支援団体は心強い存在です。フリーランス協会のような団体は、業務上の賠償責任保険の提供、福利厚生サービス、法律相談窓口の紹介など、多岐にわたるサポートを提供しています。また、オンラインコミュニティやコワーキングスペースが主催するイベントなども、同じ立場の仲間とつながり、有益な情報を得たり、人的ネットワークを広げたりするよい機会となるでしょう。

まとめ

  • フリーランスは企業や組織に雇用されるのではなく、個人として案件ごとに契約を結び、自らのスキルや専門知識を提供して収入を得る働き方
  • 働く時間や場所、仕事内容を自分で選べる自由度の高さや、努力次第で収入アップを目指せるのが魅力
  • 独立前には、自身の強みの分析、市場調査、事業計画・資金計画の策定、開業手続きなどが必要
  • 継続的なスキルアップ、実績の積み重ね、自己ブランディング、営業力やコミュニケーション能力の強化、そして人脈形成が、収入アップの鍵
  • フリーランスとしての活動を手助けしてくれるツールやサービス、コミュニティを積極的に活用するのも重要

フリーランスという働き方は、まさに「自由さ」と「自己責任」を両輪として、自分らしいキャリアを築いていく道といえるでしょう。会社員時代には得られなかった裁量権や、成果がダイレクトに報酬に反映される達成感は、何物にも代えがたい魅力です。
独立後は、主体的な案件獲得努力やSNSなどを活用した自己ブランディングが収入向上につながります。また、便利なシステムの導入やフリーランス向けコミュニティへの参加は、フリーランスとして活動するうえで役立つでしょう。変化を恐れず学び続ける姿勢で、フリーランスとしてのキャリアを築いてください。

※この記事は公開時点、または更新時点の情報を元に作成しています。

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この記事を書いた人

Airレジ マガジン編集部

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執筆者プロフィール画像

渋田 貴正(しぶた たかまさ)税理士・司法書士・社会保険労務士

株式会社ユーミックプロデュース 代表取締役、司法書士事務所V-Spirits代表、税理士法人V-Spirits社員税理士。東京大学経済学部卒後、大手食品メーカーや外資系専門商社にて財務・経理担当として勤務。 在職中に税理士、司法書士、社会保険労務士の資格を取得。2012年独立し、司法書士事務所開設。 2013年にV-Spiritsグループに合流し税理士登録。現在は、税理士・司法書士・社会保険労務士として、税務・人事労務全般の業務を行う。