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在庫の意味とは何か?小売店経営者が最初に考えたい在庫の基本

中野 裕哲(なかの ひろあき)起業コンサルタント(R)

小売店で開業をしようと考えている方は、【在庫】という言葉の持つ意味を正しく理解しているでしょうか。在庫の意味や必要性を正しく理解しておくことは、小売店の経営を成功させるためには必須となります。在庫を制する経営者こそが、小売店の経営を制するのです。在庫についてまずは基本を理解したうえで、在庫を適切に管理していけるようになりましょう。

この記事の目次

在庫とは何か?

小売店における在庫とは、販売するために仕入れた商品のうち、売り場に出さずに倉庫などの別の場所に保管しておいているもののことを言います。例えばアパレル店の場合には、店舗に出している洋服以外にもバックヤードに在庫として商品が保管されており、お客様が商品を購入する際には在庫分から売るようなことも当然出てきます。

小売業において、在庫を持つことは悪いことではありません。むしろ、「在庫切れ」でお客様に商品を売ることができない場合の方が問題であり、在庫を持っていない小売店は存在しないと言っても良いでしょう。ただ、在庫を持ちすぎて今持っている在庫が売れずに残ってしまうことは問題ですから、小売業において在庫は「持ちすぎず、持たなさすぎず」ということを目指していくことになります。

在庫は、会計上では棚卸資産というものに分類されます。棚卸資産とは、販売を目的とした資産のことであり、この棚卸資産を売買することで、小売業は利益を得ることになります。

在庫と経営の関係性

小売業において、在庫は適切な量を持っておくことが重要になります。具体的に、在庫を持ちすぎてしまった場合と在庫を持たないで経営した場合にどのようなことが起こるのか、見ていくことにしましょう。

在庫を持ちすぎてしまった場合

在庫は、基本的には持っている分を売り切ってしまうことが目的となります。在庫を持ちすぎてしまうと、当然売り切ることができずに大量に在庫が余ってしまうことになります。

商品が在庫として長らく売れないまま保管されていると、経年によって劣化したり何かの拍子に壊れてしまったりすることで、売り物にならなくなってしまうことがあります。この場合には、当然仕入れ分損をしてしまうことになります。

さらに、在庫を置いておくスペースや、保管のために要する費用など、在庫はただ保管しておくだけでもある程度の経費がかかります。在庫を長期間保管していると、この経費もかさんでしまい、結果的に何もしていないのに損をしてしまうことになるのです。

このように、経営に悪影響を及ぼすほど長期間にわたって保管されている在庫は不良在庫と呼ばれています。

在庫を持たなかった場合

特に小売業の場合には、在庫がない状態では商品を売ることができませんから、実質的に経営していくことが不可能になります。また、売れ行きが良すぎることで在庫がなくなってしまい、「品切れ」状態になってしまうことも問題です。お客様に商品を売る機会を逃してしまうことで、利益を十分に上げることができなくなってしまいます。

小売業では、不良在庫を持たず、品切れを防ぐことができるように、最適な在庫量をあらかじめ予想して発注などを行う必要があるのです。

在庫管理の意味

小売業において適切な数量の在庫を持つことは、経営を成功させるための近道となります。その適切な在庫数を持つための方法が、在庫管理なのです。在庫管理を正しく行うことで、最適な在庫数を持ち続けていくことが可能になっていくのです。

在庫管理は大きく分けて、「いま現時点における在庫数の把握」と、「売れ行きの予測とそれを基にした在庫数コントロール」の二つが必要になります。前者のことは在庫数管理、後者のことは在庫引当と呼ばれており、特に小売店経営の際にはこれらを適正に行っていくことが重要です。

在庫管理、在庫引当に関しては以下の記事も参照してみましょう。

在庫引当の目的と方法とは?小売店オーナーは押さえておこう

在庫管理をAirレジ機能を使って!無駄な時間を削減

まとめ

在庫を理解する際のポイントは、以下のようなものになります。

  • 在庫とは店舗が販売するために保管している商品などのことであり、棚卸資産に含まれるものである
  • 在庫を持ちすぎてしまうと売り切れずに「不良在庫」が発生し、持たなさすぎるとお客様に商品を販売することができなくなる
  • 主に、「在庫数管理」と「在庫引当」を適切に行うことで、最適な在庫数を抱えることが可能になる

小売店を経営していくうえでお客様に最大限満足していただくためには、在庫をリアルタイムに管理して、いつでもお客様が欲しいものをよい状態で届けることが必要になります。在庫について正しく理解し、在庫管理を行うことで、お客様の満足度もより大きなものとなっていくと言えるでしょう。

※この記事は公開時点、または更新時点の情報を元に作成しています。

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この記事を書いた人

Airレジ マガジン編集部

Airレジ マガジン編集部

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中野 裕哲(なかの ひろあき)氏

中野 裕哲(なかの ひろあき)起業コンサルタント(R)

起業コンサルタント(R)、税理士、特定社労士、行政書士、CFP(R)。起業コンサルV-Spiritsグループ/税理士法人V-Spirits代表。年間約200件の起業相談を無料で受託し、起業家をまるごと支援。起業支援サイト 「DREAM GATE」で6年連続相談数日本一。「一日も早く 起業したい人が『やっておくべきこと・知っておくべきこと』」など、起業・経営関連の著書・監修書多数。http://v-spirits.com/