業務委託で飲食店のオペレーションを改善 委託内容や注意点とは?
中野 裕哲(なかの ひろあき)起業コンサルタント(R)
飲食店のオーナーの中には、店舗の業務効率化や収支改善が思うようにできないと頭を悩ませている人も多いのではないでしょうか。お店の課題を解決するには業務委託という方法があり、オペレーション改善のために活用する会社が増えています。ここでは、業務委託の内容やメリット、注意点などの概要を解説します。基礎知識を身につけ、業務改善の選択肢のひとつに加えましょう。
この記事の目次
飲食店の業務委託とはどういうもの?
飲食店の業務改善・効率化を進める方法には、お店のマネジメント(管理)やオペレーション(運営)を外部業者に任せる業務委託という選択肢があります。
飲食店の業務委託の特徴を見ていきましょう。
どんな課題を解決できる?
業務委託は以下のような課題を解決したいときに有効です。
- 収益を安定させたい
- 店舗スタッフが足りない
- 店長やマネージャークラスの人材が育たない
- サービスを向上させたい
- 効果的な販売促進を行いたい
- コストを削減したい
何を委託できるの?
委託内容は、課題に合わせて以下のようなパターンから選ぶことができます。
- 店舗運営全体を委託
- 店長を派遣
- 料理長を派遣
- 店舗スタッフを派遣
必要に応じてマニュアルやメニューの見直しが行われることもあります。
業務委託の契約は、チェーン展開している複数のお店全体ではなく、個店単位で契約するケースがほとんどです。そのため、お店固有の課題を解決しやすいでしょう。
飲食店が業務委託を利用するメリットとは?
飲食店の業務委託は、店舗や商標を残したまま経営改善を図ることができる他、以下のようなメリットがあります。
プロのノウハウを活用できる
飲食店の業務委託専門の業者には、販促施策やコスト削減、サービス向上などのノウハウが蓄積されています。これまで手が回らなかった部分にプロのノウハウを取り入れるため、業務効率や収支改善が期待できるでしょう。
オーナーはコア業務に注力できる
オーナーは日々の経理や労務管理などのルーティン業務に忙殺されることがなくなり、新しいサービスや新規店舗開発などの経営業務に集中することができます。
業務委託の注意点とは?
業務委託の注意点として、以下のポイントを確認しましょう。
中途解約が難しい
飲食店の業務委託契約は6ヶ月や1年などの中・長期契約が多いため、合理的な理由がない限り、中途解約するのは難しいでしょう。
既存スタッフとの賃金格差
契約内容にもよりますが、人材派遣の場合は他のスタッフと賃金格差が生じることがあります。憶測や誤解を招かないよう、既存スタッフにはあらかじめ業務委託の目的や内容について説明しておくと良いかもしれません。
FLRコストをチェックしよう
飲食店の経営は、売上に対するコストの割合を示すFLRコストという指標が重要だといわれています。FLRとは以下のような項目で、合算コストが売上の70%以内に収まることが安定経営の目安です。
- Food(原材料費)
- Labor(人件費)
- Rent(家賃)
また、原材料費と人件費を合わせたFLコストは多くても60%以内が目安ともいわれています。
業務委託契約を検討する際は、課題や目標値を業者と共有するため、FLRコストや営業利益率を算出し、オーナーとしてお店の現状を把握しておくことも大切です。
飲食店の経営については以下の記事もチェックしましょう。
飲食店にマニュアルはなぜ必要?マニュアル作成と活用法のいろは
リピーター続出!メニュー開発を工夫するだけで、お店はもっと繁盛する!
まとめ
飲食店の業務委託についておさらいしましょう。
- 収支改善や人材不足など店舗の課題に合わせた契約ができる
- プロのノウハウを活用でき、オーナーは本来の経営業務に専念できる
- 中途解約は難しいため、契約内容は慎重に検討する必要がある
業務委託の契約パターンは多岐にわたりますが、上記のような基本ポイントを知っておくと業務改善を本格的に検討する際の予備知識になるでしょう。
※この記事は公開時点、または更新時点の情報を元に作成しています。
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この記事を書いた人
Airレジ マガジン編集部
自分らしいお店づくりを応援する情報サイト、「Airレジ マガジン」の編集部。お店を開業したい方や経営している方向けに、開業に向けての情報や業務課題の解決のヒントとなるような記事を掲載しています。
中野 裕哲(なかの ひろあき)起業コンサルタント(R)
起業コンサルタント(R)、税理士、特定社労士、行政書士、CFP(R)。起業コンサルV-Spiritsグループ/税理士法人V-Spirits代表。年間約200件の起業相談を無料で受託し、起業家をまるごと支援。起業支援サイト 「DREAM GATE」で6年連続相談数日本一。「一日も早く 起業したい人が『やっておくべきこと・知っておくべきこと』」など、起業・経営関連の著書・監修書多数。http://v-spirits.com/