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今日から実践できる『商売を長続きさせる』5つのコツ――店舗オーナー向けAirレジ ミニセミナー開催

渡辺まりか (わたなべまりか)ライター

0円でカンタンに使えるPOSレジアプリの「Airレジ」が、7月10日に開催した「店舗オーナー向け Airレジ ミニセミナー」。第1回目は「〜開業3年未満のオーナーさん必見〜飲食・小売店オーナーが知っておくべき“いまさら聞けない”『商売長続き』5つの基本」と題し、100件以上もの店舗の立て直しを手掛けた店舗コンサルタントの植竹剛氏が講師を務めました。

自身も店舗を経営する植竹氏。約1時間、店舗経営を長続きさせる“コツ”を披露しました。

この記事の目次

“知っていること”と“できていること”は違う――「持ち帰ったら即実践」のススメ

本題に入る前に植竹氏は、本講座のゴール「一説では3年で7割が閉店するといわれている中で、3年以上継続して経営をしているオーナーが行っていること、心がけていることなど、お店を長続きさせるための“コツ”を知るもの」と設定。「とはいえ、真新しいことや難しいことがこの講座で話されるわけではない」と言います。

「聞きながら、『自分にすぐできることは何か』を想像していただき、話だけでなく浮かんだアイデアもメモしていただいて、帰ったらすぐにやっていただきたい」というのがその理由。「わかっていることとできているということは違う。帰ったらすぐにやる、それが今日のキモなのです」。

売上が下降気味のときこそしっかり休もう

プロローグとして植竹氏は、「オーナーはいつ働き、いつ休む?」という疑問を参加者に投げかけました。まったく定休日を設けていないと答えた飲食店のオーナーの理由は、「曜日ごとの集客の動向が一定していないから」というもの。とはいえ、定期的に定休日を設けているオーナーが多数を占めました。

植竹氏自身は「定休日を作るのが怖かった」と告白。しかし休みがなかったため「顧客ニーズが拾えなかった」と言います。

どう関係があるのでしょうか。「お客様が求めてこられるニーズは常に変化しているのです。どう変わっているのかを調べたり観察したりする時間が必要だったんですよ」と植竹氏。「いったん頭の中を解放してあげてリラックスした環境に置いてあげないと、新しい風は入ってこないしアイデアは出てこない。利益が出ない、売上が下降気味――そういうときこそ月に1度でもいいので考える時間、好きなことに没頭してストレスから解放される時間を2時間×2回の合計4時間は取るようにしましょう」と自身の経験を元に、参加者にすすめました。

さらに「遊び上手になりましょう」とも提案。「自分が客としてどこかに遊びに行くことで、顧客目線で考えられるようになります。こういうサービスがあったらいいのに、と考えられます。その効果は必ず現れてくるので、十二分に時間を作るようにしましょう」と説明しました。

「それって氷山の一角かも?」――埋もれている才能を活用しよう

セミナー本題の1番目のコツは「経営資源を知り、活用する」というものです。

植竹氏が経営資源としてあげたのは次の5つでした。

  1. ヒト
  2. モノ
  3. カネ
  4. 情報
  5. ノウハウ

ヒトに関して植竹氏は、「アルバイト、パートタイム、有期、無期関係なく、雇っている人の見えている良いところを評価するだけでなく、海面下にあって埋もれているもの、氷山の一角としてしか見えていないその人の才能・得意分野を引き出せるようにしましょう」とアドバイス。ノウハウについては「レシピなど、すでに貯まっている知識は“門外不出”ともったいぶらずに共有しましょう。むしろ、それを見つけ出すプロセスが門外不出なんです」と語りました。実業務のノウハウを共有することによって、業務の属人化を防ぎ、何かあった場合に備えられる、というわけです。

情報については、収集のためのルーティーンを決めておくことを提案。カネについては後ほど詳しく解説する旨説明されました。

整理整頓して“見える化”すれば、時間もお金もロストしない

2番目にあげた「モノ」は商品ではなく、店舗に置いてある備品などのことでした。植竹氏が強く勧めたのは「モノの定位置管理」。「モップがけしておいて、と新人にお願いしても、そのモップの位置がわからないということが続くとそれがストレスになって辞めてしまう。辞めちゃったら採用募集費が余分にかかる。ならば、探さずに済むように“定位置管理”をしっかりしたほうがよいでしょう」ということです。

加えて「モノの見える化」も重要だといいます。「“両面テープ”の入っている引き出しがある。定位置管理されているようでも開けるまで入っているか入っていないかわからないのでは時間が無駄になる。開ける時間、探す時間、それぞれお金に換算してみてください。5分探し回ったら時給1000円の人なら83.3円無駄にしたことになるんです。備品の発注などに関しても同様で、ピンポイントで型番まで指定してあげれば、発注したい備品を探さずに済むわけです」と説明。定位置管理とともに見える化が時間のロス、それに連動した資金の損失も防げるということでした。

コストゼロでできる資源の活用方法

いずれにせよ、「すべての資源を活用するのに最も重要で必要、かつかける費用が0円でできるのがコミュニケーション」という植竹氏。「ヒトもモノもノウハウもカネも情報も、『あの人に任せておけば大丈夫』という不明確な責任の所在によって、どんどんあいまいになってしまって、お互いに細かいストレスを抱えてしまうケースが結構ある。二人以上の組織の場合、定期的にミーティングするなどしてコミュニケーションを強制し、習慣化するようにしましょう」と提案しました。

なお、このコツに付けられていたのは「お店の財産を掘り起こす」というサブタイトル。つまり、これらの経営資源はすでにそこにあるものだということ。そして、そこに“ある”ことを“知っている”ことと“活用できている”ことはやはり異なるのです。「経営資源として、活用できるところまで昇華させるヒントとして、ここでお話したことを持ち帰っていただければ」と植竹氏は述べて、ひとつ目のコツについて解説を終えました。

原点に立ち返るのに有効な“ポリシーの貼り出し”

2番目のコツとして植竹氏があげたのは「ポリシーを毎日読み上げること」です。植竹氏自身の名刺をスクリーンに映しながら「この右上に書いてあるのがわたしの創業理念であり、経営理念。これをわたしは事務所に貼り出して毎日声に出して読んでいます。そうするとやる気スイッチが入るんですよね」と説明。「人間なので疲れたり落ち込んだりすることがある。そんなとき、迷いを払拭したり、原点に立ち返ったりでき、モチベーションをアップさせられる」効果があるといいます。

そのため「ご自身でポリシーを書き出してラミネート加工してお店のバックヤードに貼りましょう。もしまだ経営理念がないのなら作りましょう。これから開業しよう、独立しようという人は、理念を作ることを忘れないでください」と強く勧めていました。「相当効果ありますから。わたしはこれを声に出して読むことで、どんなに二日酔いでもけっこう収まります」と語り、会場を沸かせていました。

お店の1日の家賃はどれぐらい?――日ごとに損益計算を出して勘を養う

3番目のコツは「損益計算は毎日〜お店の通信簿を作る〜」というもの。

ここで、植竹氏は参加者に「お店の1日の家賃がいくらかご存知ですか。では、1日の人件費は?」と質問をしました。月単位では把握していても、1日単位では把握していないオーナーがほとんどだったため、会場内にはどよめきが起こりましたが、植竹氏は「意外とこの答え、出ないんですよね」とその結果に理解を示しました。
とはいえ、「資本金が3億円ある! などであればキャッシュについてそれほど神経質にならなくてもいいかもしれませんが、そうでないのなら、1日単位で見るようにしましょう。そして3日間の売上で家賃を回収できるぐらいの売上計画を立てましょう」とアドバイス。「家賃、人件費、水道光熱費など――毎月かかる費用を30で割り、日ごとにいくらの売上を出せば経営が成り立つのか、利益が出るのかを考える。もちろん、仕入原価もあるので、経費を売上が上回っていなければなりません」と解説しました。

「1日ごとに捉えていけば、ヤマカンではない、経営の勘が育っていきます。数字の実績に伴う勘が養われていくんです」と植竹氏。加えて「電気ガス水道のメーターも毎日見て記録しておきましょう。売上との関係性も見えてきますし漏水などイレギュラーも発見しやすくなりますし、これによっても勘が養えます」と提案しました。

植竹氏が特に勧めたのは、箇条書きレベルでいいので日記を書くこと。「iPhoneならSiriがあるので、話しかけるだけでテキスト化してくれます。何月何日何曜日、その日の天気、そして『ゲリラ豪雨のため客数30の予定が5』のように2〜3行でいいので記録しましょう。時間にしてほんの1〜2分。簡単でいいんです。そうすれば、次の年の同じ月の営業計画を立てるのも容易になりますから」。

営業日報に代わる“日記”は短く済ませることを勧めた植竹氏でしたが、「売上計画と実績の検証には時間を使ってください」と言います。「“毎月の”ではなく“毎日の”売上目標を立て、実績との乖離率が3%未満になるように設定しましょう。もし1日を振り返ってみてそれが達成されていなければなぜなのか、どうすればいいのか、ということに3時間ぐらいかけてでも納得いくまで考えていただきたい。それがお店を長続きさせるコツでもあるのです」と説明していました。

ライバルは同業他社ではない――“コト”を売る時代に顧客ニーズを探る

植竹氏は4番目のコツとして「顧客の心理を読む〜これからは“コト”を売る〜」というもの、そして5番目に「お手本になる店を10知っておく〜実際の競合はどこなのか〜」というものをあげました。
いずれも共通しているのは「コト」つまり経験です。

例えば、ビールを飲むだけであれば1本200円の缶ビールを買って家で飲めば安くあがります。しかし「ウサを晴らしたい、同じ話材を持っている同僚と仕事でしんどいことや、上司の話などで語り合いたいから居酒屋に飲みに行くんじゃないですか」と植竹氏は問いかけました。「お金がかかっても、そういう経験をしたい。これがコトを買いたい顧客の心理なんです」。

また、「焼き鳥店や和バルのライバルは同業の居酒屋や割烹料理店ではなく、スーパー銭湯だ」とも言います。「リラックスして気持ちが解放された状態で食事が出てくる。片付けもしなくていい。そういう体験をしたくて行く、と考えると、その両者がライバルになるんです」と植竹氏は説明しました。

「時間を作ってください、遊び上手になってください、とお話しました。これは、競合店として皆さんが捉えていらっしゃる同業他社を調査するだけでなく、こういう別の視点で考えていただきたいからなのです。コトとモノをミックスして考えたときに、本当の商機が生まれるのです」

さらに、「コトを売るときには(1)何を(2)誰に(3)どのように、売るのかを具体的に設定してください」とアドバイス。「ターゲットを“この人”と決めてしまえば、その人のニーズが見えてきて、ほかの店との差別化が図れ、唯一無二のお店としてビジネスチャンスが広がっていくんです」と説明しました。

そして、最後に「これからの店舗の経営スタイルはリアルとバーチャルを組み合わせたものになるでしょう」と述べてから、具体的には「新規顧客を集めるにはブログを、既存顧客のリピート率を上げるにはFacebookを、二十代をメタンターゲットに据えたいのであればInstagramを活用しましょう。パソコンが苦手だというのであれば、今すぐ自分に投資してパソコンが得意になるような策を講じてください」と勧めました。

「でも、最後は人材力が結果を変えるのです。なのでリアルのお店を持っている皆さんには、必ずビジネスチャンスがあるはずです。『人材によって経営は立て直せる』。すでにある経営資源を活用して、成功者の一人になりましょう」と力強い激励の言葉を述べてから、植竹氏のセミナーは終了しました。

登壇者による個別アドバイスも!――同じ悩みを持つもの同士、話も弾む懇親会

セミナー後、参加者は登壇者の植竹氏から個別にアドバイスを受けたり、同じテーブルについていた店舗経営者と名刺交換をしたりして、情報交換を行っていました。その機会に参加者のうち幾人かからセミナーの感想を聞くことができました。

これから飲食店を立ち上げようとしていた女性は「まだどんな店を作るのかは具体的に決めていないが、さまざまな店舗をリサーチして回っている中で、なってる店、なってない店があり、不思議に思っていた。でも、今日の話を聞いて腑に落ちるところがあった。これを参考にして、長続きするお店を立ち上げたい」と話していました。

また、すでに2年間バルを経営している夫婦は、「夫婦であっても二人以上が関わっているのだからコミュニケーションを取らないといけない、というのは目からウロコが落ちるようだった。日々のコストについては『やらなくちゃなぁ』と考えていたところだったので、今日のセミナーを聞いて弾みがついた」とイベントで得られた効果を語ってくれました。

そのほかにも「日報を書いていたが面倒くさかった。簡単な日記で良い、と聞いて気分が楽になった」「目の前にあるのに『あれ、どこにいった?』ということが頻繁に起きていたので、定位置管理のススメは参考になった。これで日々のちょっとしたストレスから解放されそうだ」など、参加者たちは持ち帰ってすぐに実行できる提案をしっかりと心に留めているようでした。

※この記事は公開時点の情報を元に作成しています。

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この記事を書いた人

渡辺まりか (わたなべまりか)氏

渡辺まりか (わたなべまりか)ライター

ガジェットをこよなく愛するフリーライター。福島県郡山のビジネス専門学校で約10年、MS-Accessなどの講師を務めた経験あり。自ら足を運び、目で見て、手で触って取材するのが好きな行動派。小型船舶操縦士免許2級、乗馬5級、普通自動二輪免許取得を取得するなど趣味多し。

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