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客単価2万円以上の天ぷらの名店「天孝」は、なぜカジュアルな「あら井」を新規出店したのか

高根千聖(たかね ちさと)編集者

神楽坂の老舗天ぷら店「天孝」が、リーズナブルな価格帯の姉妹店「あら井」を2016年7月にオープンさせました。

お座敷で揚げる天ぷらが有名で、格式の高い「天孝」は、なぜ手頃な価格で天ぷらを楽しめる「あら井」を作ったのでしょうか。そこには、二代目店主・新井均さんの「あら井」に込めた天ぷらや、神楽坂という街への想いがありました。

この記事の目次

天ぷらを通じて、神楽坂の魅力を伝えたい

あら井店主 新井 均さん(あらい ひとし)
天ぷらの老舗、神楽坂「天孝」二代目店主。リーズナブルな価格帯のセカンドブランド「あら井」を2016年7月にオープンさせた。天ぷら職人の育成にも力を入れている。

「天孝」や「あら井」のある神楽坂は、新橋、向島、赤坂、浅草、柳橋芳町と並ぶ東京六花街の一つ。芸者さんとお座敷遊びをする花街文化の息づく街で、表通りから一歩足を踏み入れると料亭や芸妓置屋などがあります。私自身、幼少時代から父の働く文化の豊かなこの街が大好きでした。

一方で若い世代のお客さまからはその格調高いイメージゆえに足を踏み入れにくい場と思われていることもまた事実。

しかし、若い世代にも受け入れられなくては、街は衰退してしまいます。神楽坂という街を後世に残すためにも、私は天ぷらを通じて神楽坂の魅力を多くの人に伝えたい。神楽坂という街に商売をさせてもらっているので、街への恩返しをしたいのです。

「あら井」はいわば、街になじみのない人でも気軽に入れる、神楽坂という街を知るためのファーストステップなのです。

本物の天ぷらの魅力を伝えるため、カジュアルな姉妹店「あら井」の開店を決める

「あら井」のルーツである神楽坂「天孝」の成り立ちからお話します。「天孝」一代目店主である私の父は神田猿楽町の名店「天政」で修行した天ぷら職人。天政で働いていたときに腕の良さを買われて西新宿の天ぷら店に移籍。建て替えでその天ぷら店の閉店が決まったときに常連だった芸者さんの口添えで、40年前、神楽坂に「天孝」をオープンします。

「天孝」は芸者さんの自宅を改装して作ったお店です。客室はお座敷。床を掘り下げることができず、揚げ場の前に正座して天ぷらを揚げ、朱塗りの長いお箸でテーブルに出す。お座敷天ぷらスタイルのお店でした。

現在は改修され正座して天ぷらを揚げることはなくなっているものの、客席数は少ない

そのため、一度に多くの方を相手にすることが難しく、価格帯は決して安価ではありません。メインのお客さまは、主に接待などに利用する社会的地位の高い方々。ハイクラス向けの飲食店としてこれまで40年間、相応のサービスを提供してきました。しかし、最上級の天ぷらを味わうことは贅沢であり、日常使いには厳しいお店だと考えています

接待文化が下火となっている昨今、ますます本格的な天ぷらは手の届きにくい存在となりつつあります。その流れのなかでも私自身が抱いていたのは、より多くの人たちにも本物の天ぷらを楽しんでもらいたいという想いです。それを実現させるため、カジュアルスタイルの店舗「あら井」をオープンしようと決めたのです。

お客さまの好みを把握して、最高の接客を

2016年にオープンした「あら井」。「本物の天ぷらを多くの人に楽しんでもらいたい」、「天ぷらを通じて神楽坂の魅力を多くの人に伝えたい」という想いを実現させるには、まず「天孝」同様、高い接客の質を保持する必要があります。

これを実現させるために活用しているのが「Airレジ」です。Airレジを活用しているとお客さまのデータが貯まっていきます。前回の来店から時間が空いたお客さまについても以前オーダーしたメニューから苦手なもの、好きな食材を事前に把握することで、きめ細やかな気遣いが可能となるのです。また、「あら井」から徒歩5分ほどの位置にある「天孝」にいるときでも、iPhoneで予約状況を確認し、お客さまの来店に合わせて「あら井」へ挨拶を行くこともできる。一見さまはもちろん、常連さまとの関わりも大切にしたいので、これらの機能があるのは助かっています。

従業員を育てるための売上の可視化

次の世代の教育もお店を続けていくためには必要となります。もともと天ぷら職人は徒弟制度で希望者も少ないもの。後継者不足は深刻な問題です。

そこで「あら井」は将来を担う人材を育成する場としての役割も期待しています。従業員が成長するためには、調理や接客の技術はもちろん、お店の売上や目標を自分ごと化し、改善策を考えるといったことまで身につけてもらいたいと考えています。

Airレジを使用すると簡単に従業員が売上の数字を目の当たりすることができますので、「もう少し売り上げないとマズイな」など目標売り上げを自分たちで設定したり、より店舗経営を自分ごと化し、モチベーションを上げることに繋がるのではないでしょうか。

さらに、店舗の数字を追う経験は、今後彼らが独立したときでも活かせるスキルになると考えています。

地産のものを取り入れたグローバル展開で天ぷらの可能性を広げたい

あら井のカウンターの奥にはさまざまな皿が並ぶ

開店当初、フォーマルな場面では「天孝」、普段使いでは「あら井」というようにお客さまのシチュエーションに応じて使い分けて欲しいと考えていました。しかし最近では「天孝」を知らずに、雑誌などのメディアを見て来店する20代〜30代のお客さまも増え、客層の広がりを感じています

「天考」の常連様の中にも、気軽に来店できるからと「あら井」にマメに来てくださるようになった方もいます。昔から来てくださっているお客さまにも、「天孝」と「あら井」、どちらも受け入れられているのは嬉しいですね。

本流である「天考」はもともと父が作った店。ブランドとしての品格を落としたくないという思いはありますが、「あら井」ならスタイルに固執せず、さまざまなチャレンジができます。

将来的な目標として掲げるのは、ニューヨークやシンガポールなどへの海外展開。“オール・メイド・イン・ジャパン”にこだわるのではなく、地産の食材を取り入れて、その国にそったやり方で、本物の天ぷらの魅力を世界に広げていきたいと考えています。

まとめ

「天孝」二代目店主の新井さんは、「あら井」にてカジュアルな価格帯で天ぷらを提供し、神楽坂の魅力と本物の天ぷらを多くの人に伝えることに注力されています。今後の発展に向けて従業員育成をおこない、海外展開も視野にいれながら天ぷらの味を世界に発信されていくのではないでしょうか。

(参考)「あら井」のAirレジ導入事例はAirレジのWebサイトで詳しく紹介しています。

あら井
2016年にオープンした、1982年創業・天ぷらの老舗店「天孝」の姉妹店。カウンター12席でシンプルな和モダンの空間が広がる隠れ家的お店。若い世代からシニア層まで、幅広い年齢層の客で賑わう。

※この記事は公開時点の情報を元に作成しています。

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この記事を書いた人

高根千聖(たかね ちさと)編集者

株式会社ZINEの編集者。編集プロダクションで週刊誌の編集・ライター業務に従事。その後、制作会社にて紙媒体やWEBサイトのディレクション、編集・ライター業務に携わる。得意ジャンルはビジネスやグルメ、芸能など。

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