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飲食店の売上をアップするために、まずはこの3つを見直そう

笠岡 はじめ(かさおか はじめ)飲食店販促コンサルタント

飲食店経営者の皆さんは、「売上アップするためにどうすればよいか?」と日々考えていると思います。売上を上げるためには、部分ではなく店全体を見直して業務改善を行う必要があります。そして、改善ポイントは大きくわけて3つです。コロナ禍の中で、まとまった時間がとれているオーナーもいると思います。せっかくですからいま一度、ご自分のお店の状態がベストかどうか、確認してみましょう。

この記事の目次

まずは15項目を確認して現状把握

売上を改善したいと考えるとき、まず何をすべきか? 私がお店のコンサルティングをする時には、まずこの15項目を確認します。実際はヒアリングをしながら、もっとたくさんのことを確認していきますが、最低限の確認事項は次の通りです。

項目 確認事項 確認する目的・改善方法
1 店主の考える
コンセプト
お店のコンセプトが明確か? 今のお客様に合っているか? 短い言葉で表せるか? (例:20秒以内で自分の店が何屋さんかを言えるか)
2 主要顧客層 今の主要顧客層と、これからどこの顧客層を狙っていくかを決めることが目的です。
3 席数と坪数 坪数に対して席数に問題はないか? 席を増やす必要はないか? 坪月商の理想の売上と現状の売上を確認し指標を立てます。
(※ただし席数に関しては、現在ウイルス対策で席数を減らしているお店も多いため、この項目は対象外とすることもあります)
4 月商と最高月商 現在の月商、最近の売上の推移、季節指数などを確認。ただし、最近の売上は新型コロナウイルス感染症の影響で、情報価値が少ないので参考程度。その店の、高い方の売上目標として最高月商も確認します。
5 FLコスト FLコストが適正か? 必要に応じて目標設定をして、食材原価を減らすなどの対策が必要な場合があります。
6 家賃・家賃率 「家賃の10倍」を最低売上目標として、今後狙うべき売上目標の指標のひとつとします。家賃交渉も視野に入れます。
7 ウリの商品・看板商品 お店が考えるウリの商品・看板商品を確認して、その商品を伸ばすべきか、あるいは別の商品をブラッシュアップするか、他にウリの商品を作っていくべきかなど、商品戦略の方向性を考えます。
8 売れ筋商品 abc分析などで実際の売れ筋を確認します。お客様の利用動機やお店の使い方を確認しながら、なぜその商品が売れているかを分析し、今後の商品構成やメニューのリニューアルのヒントにします。
9 原価が高く、売れている商品 原価が高い・かつ売れている商品は、原価を下げる、注文率を下げる、価格を上げるなどの検討ができます。それによって粗利が増える可能性があります。
10 原価が低く、売れている商品 原価が低く、かつ売れている商品やそのようなポテンシャルのある商品は、商品のブラッシュアップや売り方を変えながら、さらに売っていくことを考えます。
11 オペレーションの負担が重い商品 オペレーションへの負担が重い商品は、メニューから削除するか、オペレーションを改善するか、メニューブックの表現を変えて注文数を減らすなどの対策が可能です。
12 ネット上の告知媒体 お客様の評価とお客様への告知内容を確認し、改善内容がないか検討します。Googleマイビジネス、食べログ、Retty、ホットペッパー、ぐるなび、そして、お店のホームページとSNSを確認します。
13 テイクアウト・宅配の売上比率 今のテイクアウト・宅配の売上比率を確認し、必要に応じて目標を設定します。また、緊急事態宣言時・外出自粛時の売上と通常時の売上の傾向も比べます。今後また感染者数が増えた際に効果的なテイクアウト・宅配対応をしていくための観点です。
14 テイクアウト・宅配の売れ筋と告知媒体 Uber Eatsや出前館をはじめとする、支援事業者のお店ページとお店で用意しているテイクアウトメニューなどを確認し、テイクアウト・宅配の商品構成や、告知方法を検討します。
15 今まで行った販促 今まで行った販促施策について確認します。特に、うまくいった販促・いかなかった販促、その理由をわかる範囲で確認します。一度振り返りを行った上で、今後の販促計画やコロナ禍に対応した販促について考えます。

これらの確認の際に最も大事なのは、数字で裏を取ることです。現場での実感値が、必ずしも正しいとは限りません。属人的な感覚による間違った情報を基に進めても、求めた結果にはなりません。「うまくいっている」「いっていない」などの判断に関しては、必ず数字で「本当に正しいか」を確認しましょう。

また、現在では、どうしても「コロナ禍」かそうでないかの違いに注目せざるを得ません。何が変わったのか? を明確にし、さらなる環境の変化に備えておきましょう。

改善1 コンセプトを見直そう

現状把握ができたら、お店のコンセプトを見直します。お店のコンセプトとは、簡単に言うと、「あなたのお店が何屋さんか」を短い言葉で伝える内容です。なぜコンセプトを見直す必要があるのかというと、売上が低迷しているお店では、「コンセプトが最初から曖昧」か、「長年営業してきてオープン時のコンセプトがブレてしまっている」ことが多いからです。飲食店の売上は、コンセプトによって6~7割が決まります。言い換えれば、売れるコンセプトを作ってしまえば、繁盛店作りのほとんどが完成したと言っても良いでしょう。

コンセプトを見直す際は、上記の4つの観点で考えます。それは①誰の ②どんな利用動機に対して ③何を ④どのように提供するか、です。

この4つを考える時、ほとんどのお店では複数のパターンが出てきます。
例えば

  1. 仕事帰りのサラリーマンの
  2. 同僚とのお疲れ様飲みに対して
  3. (ウリの商品)や(人気の商品)や(主要ドリンク)を
  4. 明るく元気な接客と活気のある店内の雰囲気の中で楽しんで頂く

というメインパターン。その他に

  1. テレワーク中の一人暮らしサラリーマンの
  2. 夕飯という利用動機に対して
  3. お弁当や夜の定食を
  4. 素早く提供する、

と、同じ店でも複数のパターンが出るのです。

4つの項目を明確にしたら、次に、コンセプトを短い文章で表します。およそ20秒くらいで話せる長さで文章を作っていきます。
さらに、繁盛店を作るためには、その短いコンセプトをあなたの友達に話した時、友達に「今度行きたい」と思ってもらえるか? という観点が重要です。

そして最後に、このコンセプトを一言で伝える言葉を考えます。これを「ショルダーネーム」といいます。ショルダーネームとは、店名の近くに置かれるサブタイトルのような存在です。実は、大手チェーン店や超有名店を除けば、お客様は店名ではなく、このショルダーネームで来店します。

ちなみにショルダーネームは、スグに「これだ!」というものが浮かんでこないことが多いです。最初は、キーワードを挙げるだけでも構いませんので、以下の2つめの改善、3つめの改善をしながら、ショルダーネームを形にしていくのが良いでしょう。

改善2 メニューを見直そう

コンセプトの次は、メニューを見直します。理由は、「新しいコンセプトに沿った形でメニュー(商品・メニューブック)を作る必要がある」からです。

飲食店の本質は、当然ですが「飲食」、つまり「食べ物と飲み物」です。それらをお客様に伝えて選んでもらうのが、メニューです。
メニューによって、改善1でブラッシュアップしたコンセプトを顧客体験として具現化していきます。

メニューの改善手法については、私の著書「売れまくるメニューブックの作り方(日経BP社)」に本1冊の分の項目がありますが、今日は、その中でも「この3つだけを考えればよい」というエッセンスをご紹介します。

1.ウリの商品を明確にする

まず、あなたのお店の「ウリの商品」を明確にしてください。あなたが決めたコンセプトを、お客様にキチンと体験して頂く一番の方法は、ウリの商品・看板商品を注文し、食べてもらうことです。ウリの商品がなければ、作ってください。ウリの商品がある場合は、その商品をより良い品にできないかを検討した上で、あらためてメニューブックに大きく載せる・写真の扱いをより魅力的に変更するなどして、お客様のオーダーをウリの商品へ促しましょう。

2.カテゴリを改善し、ターゲットを広げる

メニューブックは、カテゴリの見せ方により、お客様にいろんなメッセージを伝えることができます。例えば、「当店の名物料理」というカテゴリを作れば、「(あなたのお店の)名物料理はこれだ!」とお客様にメッセージを伝えることができますし、「御膳」カテゴリがあれば、お客様は「飲み会だけでなくクライアントとの軽い会食に使えそうだな」と思うでしょう。観光地で「地元の料理」というカテゴリを作った場合、旅行客に「これは頼まないと!」と思ってもらえるでしょう。

メニューブックに掲載する商品が決まったら、カテゴリ分けをゼロベースで見直しましょう。
あくまでもコンセプトに沿って、さらなる需要喚起が可能なカテゴリを追加してみましょう。それによって、メニューブックを利用しターゲット層を広げていくことが可能です。

3.メニューのストーリーを考える

メニューの見せ方で重要なのは、カテゴリ分けだけではありません。私がとても大切にしているポイントは、次の通りです。

  1. 表紙と裏表紙の使い方を考える
    ブック型メニューの場合、表紙と裏表紙は、メニューを開かなくてもお客様にアピールできるという特徴を持っています。この特徴をふまえて、表紙と裏表紙をどう使うかを考えます。通常は、表紙では、コンセプトやお店の特徴を伝えて、どんなお店かを覚えてもらう事を考えます。裏表紙は、デザート等追加の一品の訴求を意識します。
  2. 表紙の次の見開きページの使い方を考える
    ブック型の場合は、表紙を開いた次の見開きページ。紙一枚の縦書きなら右上など、メニューには必ずお客様が見るページや場所があります。そこは、いわばメニューの一等地です。この一等地で何を伝えるべきか? を考えましょう。
    最もメジャーな例は「ウリのメニュー・看板メニュー」の訴求です。他にもお客様が頼みやすいように、そして、お店側にとってはオーダーコントロールしやすいように、「コース」や「セット」、「人気ランキング」などを掲載することも多いです。
  3. 目線の動きに沿ってストーリーを考える
    1ページの中でも目線の動きに沿って、お客様が目にする順番でストーリーを考えます。例えば、横書きメニューの場合、最初にカテゴリ名、次に左上からZを描く視点の動きに沿って、最初にカテゴリの主役をアピール。その次に準主役。そして、最後に目が止まるところでは、お店のこだわり情報を掲載してお客様に軽くアピールしよう、などとストーリーを考えて配置しましょう。

ウリの商品を明確にして、カテゴリの見直しをする。そしてメニューでは、全体とページ毎にストーリーを考えて、どのように配置をしお客様にメッセージするか考える。お店側が「頼んでほしい」と考える商品にオーダーが入るメニューになれば、コンセプトがお客様に伝わるだけでなく、オペレーションや原価率なども改善されるでしょう。それが結果的に売上アップに結びついてきます。

改善3 ファサードを見直そう

3つめの改善は、ファサードを見直すことです。ファサードとは、店頭、入り口付近のことだと思ってください。中でも特に、各種看板を見直すことが大切です。

看板は、飲食店にとって一番の販促ツールです。看板を改善しただけで、その日から客数が30%アップしたとか、売上が15%アップしたという事例がたくさんあるのです。またコロナ禍によって、お客様が居住地に近いお店へ行く割合が増えた地域もあるでしょう。近所のお店を利用するとき、わざわざネットを閲覧したり予約はしません。そうすると、看板の役割がより重要となります。

実は、集客看板にはセオリーがあります。下記の3つのステップで、お店の看板を見直してみてください。

ステップ1.遠くから見える看板は業態認知。何屋さんかを伝える

最初に、遠くから見る看板の改善です。ロードサイドならポール看板など、町中であれば袖看板などがこれに当たります。
遠くから見える看板に多い失敗例は、「店名」を大きく伝えてしまうことです。
あなたのお店の名前が「田中」だとして、袖看板に「田中」と書いて、お客様は入りたくなるでしょうか?
コンセプトの段落でお伝えしたように、お客様は、店名でなくショルダーネームで来店するのです。遠くから見つけてもらうための看板は、「何屋さんか」がわかるよう、ショルダーネームを伝えることが基本です。店名はむしろ、なくても構いません。

ステップ2.入口で、目的に合った店か確認させる店頭看板

遠くから見える看板であなたの店を見つけて、興味があって近くに行きます。そこでお客様が取る行動は、お店の確認です。自分が求めているお店か? なんという名前か? などを確認します。店頭にある看板がこの役割を果たします。
ショルダーネームが変わった場合や、アルファベットや難しい漢字の店名でお客様が読めない等の場合は、改善したほうが良いでしょう。

ステップ3.最後のひと押し。立ち止まって見てもらう看板

そして3つめが、最後のひと押しをするための看板です。例えば、A型看板、スタンド看板、タペストリ、LEDポスターなどがこの役割を果たします。
スッと入ってこないお客様は、「このお店、興味あるな。でも、自分が入っていい店なのだろうか……」と躊躇していることが多いです。

多くのお客様が持つ共通の不安は、「予算が自分に合っているか? 今の財布の中身で飲み食いできるか?」「自分が入っても居心地が悪くないか?」自分と違う客層の人ばかりが店内にいて、居心地が悪かった……などの失敗を繰り返さないかを、気にします。
最後のひと押しとなる看板で、何がいくらで食べられるか? といったメニューの概要を伝えること、店内が見えない外観ならば、店内の写真を見せてあげることなどが、入店障壁を下げ、不安を解消してくれます。

まとめ

  • まずは、15の確認項目から現状を把握し、改善点を見つける
  • コンセプトは、①誰に ②どんな利用動機に対して ③何を ④どう提供するか? を明確にした上で、一言で伝わるショルダーネームに落としこむ
  • メニューを見直す際のポイントは、①ウリの商品を明確にする ②カテゴリを改善してターゲットを広げる ③メニューのストーリーを考える
  • 集客看板を改善する際は、①業態認知 ②店の確認 ③最後のひと押し の3つのステップを意識する

「“今”のお客様を知り、“今”のお客様に必要なお店になる。」
これは飲食店が長く繁盛するための原理原則だと、私は考えています。これからの時代は「行きたい」だけでなく「必要なお店」という要素を、コンセプトに加えていく必要があります。

変化に強いお店になるために、今のようなピンチを逆にチャンスに変えるべく、お店の一斉見直し・改善にトライしてみてください。その先はきっと、継続的な売上アップが実現するはずです。

※この記事は公開時点、または更新時点の情報を元に作成しています。

この記事を書いた人

笠岡 はじめ(かさおか はじめ)飲食店販促コンサルタント

飲食店コンサルティングの(株)飲食店繁盛会の代表。一般社団法人販売促進士日本フードアドバイザー協会代表理事。全国の飲食店の売上・収益アップのコンサルティングや業態開発、業態転換、通販事業構築などを行う。著書に「売れまくるメニューブックの作り方(日経BP社)」等。セミナー・研修は年間30〜100本。メディア掲載も年間数十件。ITコーディネータとしてITの専門家としても活躍中。(ホームページは「飲食店繁盛会」で検索。FacebookやTwitterでの友達申請歓迎)