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【飲食店】顧客管理に重要な「顧客リスト」の集め方や活用方法を解説

笠岡 はじめ(かさおか はじめ)販売促進士/飲食マーケター

顧客管理の仕組みを作る_飲食

たくさんのお客様に来店していただくために、今後の飲食業界で非常に重要になってくるのが、顧客を管理し関係性を深めていくのに不可欠な顧客リストの活用です。「難しそう……」と思われる方もいるかもしれませんが、たとえばブログやSNSも顧客リストの一環で、すぐに始められることはたくさんあります。
この記事では、顧客リストの集め方と活用方法を、具体的な事例を交えながら解説します。

この記事の目次

顧客リストが今後ますます重要になる理由

「お客様と名刺交換したけど、しまいっぱなし」という方も多いのではないでしょうか?

実は飲食店の中で、顧客リストを重要視してしっかり管理・活用できているお店の割合はそこまで多くありません。なぜならお店にお客様が直接訪れてくれるため、わざわざリスト化しなくても、と思ってしまいがちだからです。

しかし、どんな業界でも商売の基本ともいえる顧客リストは、これからの時代ますます重要になってくると考えられます。まずは、その主な2つの理由についてご説明します。

理由その1:店外売上が必要な時代だから

新型コロナウイルス感染症の流行以降、来客数が減ってしまったお店も少なくありません。そんな中で、店内飲食以外の「店外売上」も注目されるようになりました。テイクアウトの場合はお客様がお店に来てくれますが、デリバリーや通販をおこなう場合はお客様と直接会うことはありません。
会えない人との関係性を作るには、お客様(またはお客様になってくれそうな方)の情報とコンタクトをとれる手段が必要です。顧客リストは、これらがまとまったもののことをいいます。

理由その2:客数と来店頻度が減ることが予想されるから

「うちはデリバリーもやってないし、店内飲食だけだから」という方も安心はできません。今の日本の人口ピラミッドからすると、これから人口は減っていき高齢化も進むものと考えられます。2040年には65歳以上の割合が35%ほど、2060年には40%近くなるとの予測(※)もあり、長い目で見ると飲食店を頻繁に利用する年代の人口が目減りしてしまうことは避けられません。
(※)参考:国立社会保障・人口問題研究所「日本の将来推計人口(平成29年推計)」より

このように、新規顧客を求めるのが難しいとなると、必然的にリピートするお客様を増やしていかなければなりません。リピーターになってもらうには、こちらからお客様に積極的な働きかけが必要です。その働きかけをするにあたって、やはり顧客リストが重要になるのです。

押さえておくべき顧客リストの種類

顧客管理の仕組みを作る_飲食

顧客リストには、大きく分けて「参加型」と「囲い込み型」の2タイプがあります。

参加型顧客リストは、一言でいうと「連絡先が分からないけどコンタクトをとれるお客様のリスト」です。主にTwitterやInstagramなどのSNSで、自分のお店のアカウントにフォローしてくれた人がそのまま顧客リストとなります。

一方、囲い込み型顧客リストは、「連絡先が分かるお客様のリスト」です。郵送や電話、メールなどで連絡ができる分、参加型顧客リストよりも深い関係構築に期待ができます。そのため、参加型から囲い込み型へ誘導できると良いです。例えば、Instagramを見て来店してくれたお客様にLINEの登録をお願いする、などが挙げられます。(LINEは他のSNSよりも「連絡ツール」としての意味合いが強いため、囲い込み型に分類しています。)

タイプ 意味合い 種類
参加型

連絡先が分からないけどコンタクトをとれるお客様のリスト

  • Twitter
  • Instagram
  • Facebook
  • ブログ
  • TikTok

……など

囲い込み型 連絡先が分かるお客様のリスト
  • LINE(登録してくださったお客様)
  • メルマガ(登録してくださったお客様)
  • 名刺(交換してくださったお客様)
  • 予約システム(予約されたお客様)
  • 通販・デリバリー(利用されたお客様)
  • アンケート(回答してくださったお客様)

……など

顧客リストの集め方

顧客管理の仕組みを作る_飲食

「できることから」「コツコツと」やるしかありません。例えば、来店してくれたお客様一人ひとりに直接声をかけてLINEの登録をお願いする、オーナーや店長自身が日常的にTwitterを利用しているなら、フォロワーを増やすため地道にお店の情報を発信する、などです。残念ながら、顧客リスト集めに魔法はないのです。

もちろん、先に挙げた顧客リストの種類を複数駆使して多くのリストを集めるのが理想ですが、現実的には難しいお店がほとんどでしょう。なぜなら飲食店は、毎日の業務だけでも忙しいため顧客リスト集めに充てる時間が確保できないことが多く、SNSは使い方を熟知しているスタッフがいないと上手くいかないからです。

ちなみに、現在(2022年2月時点)LINEの費用対効果が高いので、何をやれば良いか分からないという方はとりあえずLINEから始めてみるのをおすすめします。

顧客リストの活用方法を事例交えて解説

ここからは、集めた顧客リストをどう活用するか解説していきます。

顧客リストを活用するにあたって、一番大事にして欲しいことがあります。それは、「お客様にお店のことを思い出してもらう」ということです。

みなさんが外で食事をしようとなったとき、頭の中でどのように考えるかを思い出してみてください。多くの方が次のように考えるのではないでしょうか?

「焼肉を食べたい」→「焼肉だったらA店かB店かな」→「今日はA店にしよう」

このように、(行ったことのないお店を開拓するケースを除いて)大抵は「自分の頭の中にあるお店リスト」の中から行くお店を選んでいるのです。つまり、飲食店は何よりも「忘れられないこと」が重要で、お客様の脳内リストから外れないよう働きかけなければなりません。

「どういう内容なら来店してもらえるか?」とか「どういうキャッチコピーなら購入してもらえるか?」とか「どんな写真ならウケてもらえるか?」などを考えると、それがプレッシャーになり顧客リストの活用が止まってしまいます。だから、まずはお客様にお店のことを思い出してもらうことを意識しましょう。

「思い出してもらう」ためには、SNSやメルマガで定期的な情報発信をしてお客様との接点を持ち続けることです。とはいえ「具体的にどんな情報を発信すれば良いか分からない」という方も多いと思いますので、印象に残りやすい投稿の「ネタ」をご紹介します。

飲食店のSNS投稿ネタ20選

飲食_顧客管理の仕組みを作る

上図が、飲食店におけるSNS投稿ネタ20選です。この中から選んで投稿することで、ネタ切れに困ることも少なくなりますし、情報発信のハードルがぐっと下がります。

ちなみに、スタッフ紹介やまかない紹介など、「来店するだけでは分からないお店の裏側」情報は人気が出ることが多いです。美味しそうなまかないを紹介したことで、見た方が「このまかない食べてみたいです」と来店したケースもあります。「自分のお店らしさ」を意識して投稿内容を考えると良いでしょう。そして、どんな投稿も写真または動画は載せるべきです。シンプルに「美味しそう」「食べてみたい」と思ってもらうことが、来店につながるきっかけとなりやすいからです。

SNS投稿の仕組み化

また、以下のように投稿を「仕組み化」することで、継続的に発信できるようになります。思い出してもらうことが一番の目的であれば、慣れるまでは月4回の投稿のうち3回は同じ内容にして継続することを優先してください。そして、下記の「毎月同じ内容」のテーマは、SNS投稿ネタ20選からあなたのお店に合ったものを選ぶと良いでしょう。

(例)週1回の配信で、3週目以外は毎月投稿内容を固定する

  • 1週目:自店のコロナ対策について(毎月同じ内容)
  • 2週目:自店の看板メニューのこだわりアピール(毎月同じ内容)
  • 3週目:(給料日が近い3週目だけ力を入れて毎月違う内容を投稿する)
  • 4週目:来月の営業カレンダー(毎月同じ内容)

ここまで紹介した「ネタ」と「仕組み化」を使って発信を続けて、常にお客様の頭に自分のお店がいる状態を作っていきましょう。

【情報発信頻度の目安】

SNSやメルマガをどれくらいの頻度で投稿するかは、参加型顧客リストか囲い込み型顧客リストによって変わるので、以下を参考にしてください。

  • 参加型顧客リスト:できれば毎日
  • 囲い込み型顧客リスト:月4回(週1回)を上限の目安とする

※LINEやメルマガなどの囲い込み型は、見る人へ「通知」が行くため、頻度が高すぎるとかえって煩わしいと感じられてしまうため、上限を決めましょう。一方、Twitterなどの参加型は通知が行かないので、毎日投稿しても問題ありません(設定によっては通知が届く場合があります)。

まとめ

  • 今後顧客リストがますます重要になる
  • 顧客リストは「参加型」「囲い込み型」の2タイプに分けられる
  • 顧客リストは地道に集める他ない
  • 「ネタ」と「仕組み化」で継続的な情報発信を

顧客リストはそれ自体に価値があるのではなく、あくまでお客様との距離感を縮め、関係性を構築するための手段。お客様に「このお店のことが好き」と思ってもらうことが、売上につながるのです。好きになってもらうために、顧客リストを上手く活用してください。まずはLINEやSNSの1投稿など、できることから始めてみませんか。

※この記事は公開時点、または更新時点の情報を元に作成しています。

この記事を書いた人

古閑 信気(こが としき)編集者・ライター

広告代理店勤務を経て、現在は編集プロダクションにて編集・執筆に従事。旅行、ライフスタイル、恋愛からビジネスまで幅広いジャンルの記事に携わる。「読者が記事を読んだ後に、刺激を受けて行動に移すこと」を目指してコンテンツ制作に取り組んでいます。

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笠岡 はじめ(かさおか はじめ)販売促進士/飲食マーケター

飲食店販売促進コンサルタントを育成する一般社団法人販売促進士日本フードアドバイザー協会代表理事。同協会にて飲食店販売促進コンサルタント育成のための資格講座と飲食店販売促進コンサルタントである「販売促進士」を認定する資格の提供している。また、年間3桁の全国の飲食店の売上・収益アップのコンサルティングや開業支援、業態開発、業態転換、通販事業構築などを行う。著書に「売れまくるメニューブックの作り方(日経BP社)」等。セミナー・研修は年間30〜100本。メディア掲載も年間数十件。ITコーディネータとしてITの専門家としても活躍中。また、飲食店専門コンサルティング会社の株式会社飲食店繁盛会の代表でもある。(「販売促進士日本フードアドバイザー協会」、「飲食店繁盛会」FacebookやTwitterでの友達申請歓迎)