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飲食店の売上管理とは?見るべき項目や効率的な管理システムを解説

記事のメイン画像:飲食店(カフェ)のカウンターでエプロン姿のスタッフがタブレット型POSレジを操作し売上管理をしている様子

飲食店経営において「売上管理」は重要な指標でありながら、感覚や経験だけで管理されがちな分野でもあります。「今日は忙しかった」「今月は売上が良さそう」といった印象論だけでは、利益が出ない原因や改善点を正確に把握することはできません。
特に、これから店舗を開業する方や、すでに経営しているものの数字管理に不安を感じている方にとって、売上管理の基礎理解は欠かせないテーマです。
本記事では、飲食店の売上管理とは何かという基本から、なぜ重要なのか、さらに日々の業務で実践しやすい分析・改善方法までを、飲食店専門の経営コンサルタント視点から、わかりやすく解説します。効率的な売上管理を実現し、安定した店舗経営につなげるヒントをお伝えしますので、ぜひ参考にしてください。

この記事の目次

飲食店の売上管理とは?

飲食店の売上管理とは、ただ日々の売上金額を記録するだけのものではありません。売上結果を整理し、経営改善に活かすための管理が必要です。
具体的には、日次・週次・月次の総売上に加え、客数や客単価、時間帯別・メニュー別の売上などを把握し、課題や強みを見える化することが目的となります。

飲食店の売上は、基本的に下記の式で考えます。

売上=客数×客単価

さらに、店舗に利益を残すためには、売上だけでなく原価や人件費などのコストもあわせて確認する必要があります。

利益=売上−原価−人件費−その他経費

つまり飲食店の売上管理では、「売上がいくらあったか」だけでなく、「客数が増えたのか」「客単価が上がったのか」「売上に対して原価や人件費が適正か」まで分解して見ることが重要です。

なお、売上管理と混同されがちなものに「販売管理」があります。販売管理が仕入や在庫、受発注まで含めた業務の管理であるのに対し、売上管理は売上実績を中心に分析・改善につなげる点が特徴です。

売上管理や利益率の定義や基本的な考え方については、下記の関連記事もあわせて参考にしてください。

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利益率とは?計算方法や業種別の目安・改善策を解説

飲食店が売上管理をすべき4つの理由

前述のとおり、飲食店で売上管理を行う目的は、数字を記録すること自体ではありません。売上を正しく把握・分析することで、経営判断のスピードが上がり、利益改善や現場オペレーションの見直しにもつながります。
ここでは、売上管理によって具体的に何ができるのか、飲食店ならではのメリットを4つの視点で解説します。

1.経営状況の正確な把握と迅速な意思決定

飲食店が売上管理を行う最大のメリットは、店舗の経営状況を数字で正確に把握できる点です。例えば、売上が伸びているように見えても、客数が減っていて、客単価だけでカバーしているケースや、特定の曜日だけ極端に売上が落ちているケースもあります。

こうした状況は感覚では気づきにくく、売上データを見てはじめて把握できます。日次・週次で売上を確認することで、キャンペーンの効果検証や価格改定の判断も迅速に行えるようになり、「なんとなく」ではない、根拠ある意思決定が可能になります。

2.利益率の向上と不必要なコスト(経費)の削減

売上管理は利益改善にも直結します。売上データとあわせて原価や人件費を確認することで、どのメニューが利益を生んでいるのか、どこに無駄なコストが発生しているのかが明確になります。

例えば、売れているが原価率の高いメニューを見直したり、売上に対して人件費が過剰な時間帯を把握したりすることが可能です。結果として、仕入量の適正化やシフト調整につながり、売上を大きく伸ばさなくても利益率を改善しやすくなります。

3.店舗オペレーションの改善とスタッフ教育・評価への活用

売上管理は現場改善や人材育成にも活用できます。時間帯別・曜日別の売上を分析すれば、忙しい時間帯に人手が足りているか、逆に閑散時間に過剰配置になっていないかが見えてきます。

また、スタッフ別の売上や客単価を確認できれば、接客力の高いスタッフの特徴を共有したり、教育ポイントを明確にしたりすることも可能です。数字を共通言語にすることで、感情論ではなく納得感のある評価や指導ができ、現場のモチベーション向上にもつながります。

4.確定申告・税務処理の効率化と正確性の向上

日々の売上管理を徹底しておくことは、確定申告や税務処理の負担軽減にも大きく役立ちます。売上データが整理されていないと、申告時期にまとめて集計する必要があり、ミスや計算漏れが起こりやすくなります。

一方、日次・月次で売上を管理していれば、必要な数字をすぐに確認でき、会計ソフトへの入力もスムーズです。結果として、税務処理の正確性が高まり、経営者が本来注力すべき店舗運営や改善に時間を使えるようになります。

飲食店の売上管理でチェックすべき項目とは?

写真:パソコンや電卓で飲食店の売上データの管理や分析をしている手元の様子

飲食店の売上管理では、総売上だけを見ていても改善にはつながりません。売上を構成する要素やコスト、時間帯・販路ごとの違いを分解して把握することで、具体的な改善策が見えてきます。
ここでは、飲食店経営で必ず押さえておきたい売上管理でチェックすべき項目を解説します。

総売上(日次、月次)

総売上は売上管理の基本となる指標です。日次では営業状況の変化や異常値を把握し、月次では店舗全体の成長や季節要因を確認します。単に前年同月比を見るだけでなく、営業日数やイベント有無も考慮することが重要です。

例えば、月次売上が伸びていても、繁忙日の売上増に依存している場合は、平日の集客改善が課題になります。総売上はあくまで起点とし、客数や客単価、時間帯別売上などの分析につなげる視点が欠かせません。

客数・客単価・客層

売上は「客数×客単価」で成り立っています。売上変動の原因を把握するためには、この2要素を分けて管理することが重要です。

例えば、売上が下がった場合、客数の減少なのか、客単価の低下なのかで対策は大きく変わります。客数が減っているなら、店頭看板の見直しやSNSでの発信など、お店に足を運んでもらうための「集客」に力を入れます。客単価が下がっているなら、トッピングのおすすめやセットメニューの提案など、「もう一品」の注文を促す工夫をするなどです。

また、ランチとディナー、平日と週末など客層ごとに分析すると、価格設定やメニュー構成の見直しにも活かせます。客数・客単価・客層をセットで見ることで、効果的な集客施策が打てるようになります。

人件費・家賃・水道光熱費(固定費・変動費)

売上管理ではコストの把握も欠かせません。アルバイト人件費や食材費、使用量に対する水道光熱費は売上に応じて変動する一方、正社員人件費や家賃、水道光熱費の基本料金は固定費として毎月発生します。

特にアルバイト人件費は売上とのバランスが重要で、時間帯別売上とあわせて見ることで適正なシフト調整が可能になります。売上が伸びても利益が残らない場合は、固定費・変動費の構造を見直すことで、無理なく利益が残る店舗運営に近づけます。

FL比率

FL比率とは、食材原価(Food)と人件費(Labor)の合計が売上に占める割合を示す指標です。業態や価格帯によって適正値は異なりますが、一般的に飲食店ではFL比率60%前後が目安とされ、これを超えると利益が出にくくなります。

FL比率(%)=(食材費(F)+人件費(L))÷売上高×100

FL比率を確認することで、「原価が高いのか」「人件費が過剰なのか」といった課題を切り分けやすくなります。
なお、近年は家賃(Rent)を含めた「FLR比率」で収益の指標を把握する考え方も広がっています。食材原価や人件費だけでなく、家賃などの固定費も踏まえて、最終的に利益が残る構造になっているかを確認することが重要です。

FL比率の考え方や詳細の計算方法、改善策については、下記の関連記事もあわせて参考にしてください。

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飲食店のFLコスト・FL比率とは?計算方法や目標値、改善策まで解説

時間帯別・曜日別・天気別の売上推移

飲食店の売上は時間帯や曜日、天候の影響を大きく受けます。ランチとディナー、平日と週末で売上を分けて分析することで、強みと弱みが明確になります。

例えば、雨の日に売上が落ちやすい店舗であれば、テイクアウト強化などの対策が考えられます。こうしたデータを蓄積することで、売上の傾向を予測しやすくなり、仕込み量や人員配置の精度も向上します。

画像:Airレジの「時間帯別表示」画面

メニュー別売上構成(ABC分析)

メニュー別の売上構成を整理する方法として、飲食店でもよく用いられるのが「ABC分析」です。ABC分析では、売上構成比を基準に、売上への貢献度が高いAメニュー、次に続くBメニュー、貢献度の低いCメニューに分類します。Aメニューは品切れ防止や価格の最適化、Cメニューは改良や入れ替えの検討などに活用できます。

ただし、「売上が低い」という理由だけで安易にCメニューと判定してしまわないように注意しましょう。原価率や利益貢献度、集客効果などもあわせて確認し、店舗全体の収益にどのような役割を果たしているかを総合的に判断することが重要です。
このように、感覚ではなく数字で判断することで、メニュー戦略の精度が大きく高まります。

画像:Airレジの販売商品別売上画面

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【飲食店の経営指標】「ABC分析」とは?売れ筋・死筋商品を見極めよう

座席回転率

座席回転率は「一定の時間内に、何回席が使われたか」を示す指標です。一般的には、「来店客数÷座席数」で算出します。

売上が頭打ちの場合、客単価を上げるだけでなく、回転率改善も有効な施策になります。提供スピードや会計動線の見直しによって回転率が上がれば、同じ席数でも売上増が期待できます。特にランチ帯など時間制約のある営業では重要な指標です。

販売チャネル別売上(イートイン/テイクアウト/デリバリー)

近年はイートインだけでなく、テイクアウトやデリバリーを併用する店舗も増えています。売上管理では、チャネル別に売上と利益率を分けて把握することが重要です。

例えば、デリバリーは売上が立ちやすい反面、手数料で利益が圧迫されるケースもあります。チャネルごとの特徴を数字で把握することで、注力すべき販路や改善点が明確になります。

決済別売上・現金過不足

飲食店では、現金、クレジットカード、電子マネー、QR決済など、複数の決済方法が使われることが一般的です。そのため、総売上だけでなく、決済方法ごとの売上も分けて管理しておくことが重要です。

特にキャッシュレス決済は、実際に入金されるタイミングが現金売上とは異なります。決済別に売上を把握しておけば、資金繰りや会計処理の確認がしやすくなります。

また、レジ締め時には、帳簿上の現金残高と実際のレジ内現金が一致しているかを確認し、差額がある場合は「現金過不足」として記録します。現金過不足を毎日記録することで、会計ミスや不正の早期発見にもつながります。

飲食店の売上管理方法と特徴比較

飲食店の売上管理は、店舗規模や経営フェーズによって最適な方法が異なります。それぞれの特徴を理解したうえで、自店にあった方法を選ぶことが重要です。

売上管理方法別のおもな特徴
管理方法 特徴 向いている店舗
手書き管理 低コストだが集計や分析に手間がかかる 1日の客数が極めて少ない店舗
Excel管理 自由度が高く分析可能だが入力・管理の手間が発生 独自の複雑な分析を行いたい店舗
POS管理 自動集計・分析が可能で業務効率が高い 管理作業負担を減らし効率的に管理したい店舗

実際の現場では、手書きやExcelで売上管理を始めたものの、店舗が忙しくなるにつれて入力や集計が追いつかなくなるケースも少なくありません。特に客数やメニュー別売上など複数の指標を管理する場合、手作業では継続が難しくなるでしょう。
そのため、店舗規模の拡大や業務効率化を考えるタイミングで、POSレジなどのシステム導入を検討する店舗も多くみられます。

ノートや売上日報への手書き管理

手書き管理は、ノートや日報に売上金額を記録する最もシンプルな方法です。初期費用がかからず、開業直後でもすぐ始められる点がメリットです。

一方で、日次・月次集計や分析を行うには手作業が必要となり、時間と手間がかかります。
また、客数やメニュー別売上など、詳細な分析には不向きです。1日の客数が極めて少ない店舗などで活用するケースが多い管理方法です。

Excelや無料テンプレートを活用した管理

Excel管理は、売上や客数、原価などを自由に設計・分析できる点が強みです。関数を使えば月次集計や簡単なグラフ化も可能で、手書きよりも管理レベルを高められます。

ただし、毎日の入力作業が必要で、入力ミスや属人化が起こりやすい点には注意が必要です。独自の複雑な分析を行いたい店舗や、バックオフィス業務を専任で担える体制がある店舗などに向いている方法です。

お店の売上予測ができる自動計算Excelシート

客単価や回転率、坪数などを入力するだけで、売上・損益計画を自動計算できるExcelテンプレートもあります。無料ですぐにダウンロードできますので、ぜひお役立てください。

POSレジ・売上管理システム・アプリによる自動管理

POSレジなどのツールやアプリを活用した売上管理は、会計と同時に売上データを自動集計できる点が最大のメリットです。時間帯別・メニュー別・チャネル別などの分析も容易で、経営判断のスピードが大きく向上します。

入力の手間がなく、スタッフの負担も軽減できるため、売上管理を継続しやすいのも特長です。業務効率化と経営改善を両立したい飲食店に適した管理方法といえます。

【選び方のコツ】店舗スタイル別の売上管理方法

売上管理の最適な方法は、店舗規模や営業スタイルによって異なります。高機能な仕組みが必ずしも正解とは限らず、自店の運営実態に合っているかが重要です。
ここでは、店舗スタイル別に押さえておきたい売上管理方法の選び方を解説します。

個人経営・小規模店は「シンプルさと低コスト」

個人経営や小規模店では、「費用」だけでなく「時間や手間」をかけすぎないことが重要です。開業直後などは初期費用を抑えるために手書きやExcelから始めるケースもみられますが、毎日の集計作業が徐々に店主の負担となり、結果的に入力や分析が続かなくなる失敗がよく起こります。

そのため、小規模店においては、無料で使えるタブレット型のPOSレジアプリなどを導入し、集計の手間を省くことが現実的な選択肢の一つといえます。操作が直感的なシステムを選ぶことで、数字管理に不慣れな経営者でも、本業である料理や接客に集中しながら無理なく運用できるでしょう。

中~大規模・複数店は「店舗間共有のしやすさ」

中~大規模店や複数店舗を運営している場合、売上管理では「情報共有のしやすさ」が重要です。店舗ごとに管理方法がバラバラだと、全体の比較や課題把握に時間がかかってしまい、効率的ではありません。リアルタイムで売上状況を確認できる仕組みがあれば、本部と現場の意思疎通もスムーズです。

クラウド型POSシステムなどで売上データを一元管理し、店舗別・時間帯別のデータを横断的に分析できる環境を整えることで、経営判断の精度が高まります。

テイクアウト・デリバリー併用店は「販路別の売上・利益率管理」

イートインに加えてテイクアウトやデリバリーを行う店舗では、販路別の売上管理が欠かせません。売上金額だけを見ると好調でも、デリバリー手数料や容器コストによって利益が圧迫されている場合があります。チャネルごとに売上・原価・利益率を把握することで、注力すべき販路や改善点が明確になります。

例えばPOSレジなどを活用すれば、イートイン・テイクアウト・デリバリーといったチャネル別の売上を自動で集計できるため、管理の負担を減らしながら分析を行いやすくなります。複数チャネルを運営する店舗ほど、売上管理の仕組み選びが経営成果に直結します。

売上管理システムを選ぶ際のポイント

売上管理システムは、導入すれば終わりではなく「使い続けられるか」が重要です。機能や価格だけで判断すると、現場で使われず形骸化するケースも少なくありません。
ここでは、飲食店が売上管理システムを選ぶ際に押さえておきたいポイントを解説します。

導入コスト・月額費用と費用対効果のバランス

売上管理システムを選ぶ際は、初期費用や月額費用だけでなく、得られる効果とのバランスを考えることが重要です。安価でも集計や入力などの作業に時間がかかってしまうと、その分人件費が増え、結果的にコストが増えることもあります。
反対に、多少コストがかかっても自動集計や分析で業務時間が削減できれば、十分な費用対効果が見込めるでしょう。

自店の売上規模や運営体制を踏まえ、長期的な視点で判断することが大切です。

現場スタッフが迷わず使える操作性とUI

売上管理システムは、経営者だけでなく現場スタッフも日常的に使うものです。操作が複雑だと入力ミスや運用ルールの形骸化につながります。

会計やオーダー操作が直感的で、研修に時間をかけなくても使える操作画面(UI)かどうかは重要な判断基準です。現場でスムーズに使える仕組みを選ぶことで、正確な売上データが自然と蓄積されます。

飲食業特化の機能(オーダー・棚卸・分析)の充実度

飲食店では、一般的な売上管理機能だけでなく、オーダー管理や棚卸、メニュー別分析など業態特有の機能が求められます。

例えば、メニューごとの原価管理や時間帯別分析ができれば、売上と利益の関係をより具体的に把握できます。飲食業に特化した機能が充実しているシステムほど、現場改善や利益向上につながりやすくなります。

会計ソフトや予約システムなど他サービスとの連携性

売上管理は単体で完結するものではありません。会計ソフトや予約管理システム、勤怠管理などと連携できるかどうかで、業務効率は大きく変わります。データ連携ができないと二重入力が発生し、ミスや手間が増えてしまいます。

日々の業務全体を見渡し、どのサービスとつなげたいかを事前に整理しておくことが重要です。

トラブル時に安心なサポート体制の有無

システムトラブルは、会計や営業に直接影響するため、迅速なサポート体制が欠かせません。問い合わせ方法や対応時間、サポート内容を事前に確認しておくことで、万が一の際も安心して運用できます。

特にITに不慣れなスタッフが多い店舗では、サポート体制の手厚さが継続利用の大きなポイントになります。

なぜ続かない?飲食店売上管理でよくある失敗例

飲食店で売上管理が続かない原因の多くは、仕組みそのものではなく「運用方法」にあります。売上データを記録していても、それが経営改善に活かされていなかったり、現場の負担が大きくなりすぎたりすると、次第に管理が形骸化してしまうことがあります。
ここでは、飲食店でよくみられる、売上管理が続かなくなる原因を整理して解説します。

管理項目を増やしすぎてしまう

売上管理をしっかり行おうとして、管理項目を増やしすぎてしまう店舗は少なくありません。売上、客数、メニュー別売上、原価、人件費など多くのデータを手作業で入力する必要があると、忙しい営業の中で入力作業が負担になり、次第に管理が続かなくなってしまいます。

特に開業直後の店舗では、基本的な売上指標を確認する習慣をつけるところから始めることをおすすめします。最初から細かいデータまで管理しようとすると、運用が複雑になり、結果として売上管理そのものが定着しづらくなってしまうので、注意しましょう。

売上データが経営判断に活かされていない

売上データを記録していても、それが具体的な経営判断につながっていない場合、売上管理は次第に形骸化してしまいます。

例えば、売上が下がっていることは分かっていても、「客数が減っているのか」「客単価が下がっているのか」などを分析していなければ、具体的な改善策を考えることはできません。こうした状態が続くと、売上管理をしていても経営改善につながっている実感が得られにくくなり、次第に管理そのものが続かなくなってしまうことがあります。

無理のない運用ルールを整え、日々の店舗運営の中に自然に組み込むことが、売上管理を定着させるポイントです。

売上管理を利益最大化につなげる運用のコツ

ここまで、売上管理を本当の意味で経営改善に活かすには、数字を「見る」だけでなく「使う」ことが重要であることを解説してきました。では、日々の売上データをどのように活用すれば、利益最大化につなげられるのでしょうか。
ここでは、売上管理の具体的な運用ポイントを解説します。

予実管理(目標と実績のギャップ)を週次で振り返る

売上管理を効果的に活用するには、売上目標と実績の差(予実差)を定期的に確認する体制を整えることが重要です。月次だけで振り返ると改善までに時間がかかるため、週次など短いサイクルでチェックすることをおすすめします。

例えば、今週の売上目標に対して客数が不足しているのか、客単価が想定より低いのかを把握すれば、翌週の打ち手をすぐに調整できます。短いサイクルで振り返ることで、売上管理が「結果確認」ではなく「行動改善の指標」として機能するようになります。

スタッフと数字を共有し「自分事」にしてもらう

売上管理を経営者だけのものにしてしまうと、改善スピードは上がりません。売上目標や客単価など、現場に関係する数字をスタッフと共有することで、行動が変わりやすくなります。

例えば、「今日は客単価を○円上げる意識をしよう」と具体的に伝えるだけでも、声かけや提案内容が変わります。数字を評価や教育に活用することで、スタッフが売上管理を自分事として捉え、店舗全体で改善に取り組める環境が整います。

売上の「見える化」に役立つBIツールとの連携

POSシステムで収集したデータを分析し、グラフなどで直感的に可視化するのが「BIツール」です。一般的に、POSシステムに標準的な分析機能は備わっていますが、BIツールを連携させることで、さらに詳細で多角的な分析が可能になります。

例えばPOSレジアプリの『Airレジ』とBIツールの一つである経営サポートサービス『Airメイト』を連携させることで、「売上分析」「商品分析」はもちろん、「曜日・時間帯別分析」「日ごとの人件費分析」「リアルタイム営業状況把握」といった詳細な分析がカンタンにできます。レポート作成機能もあり、印刷すればそのまま経営会議の場で共有することも可能です。

飲食店の売上管理に関するよくある質問(FAQ)

飲食店の売上管理については、運用頻度や担当者、利益との関係など、経営者から多くの質問が寄せられます。ここでは、実際の現場でよくある質問を取り上げ、飲食店経営の視点からわかりやすく解説します。

Q.飲食店の売上管理は毎日行う必要がありますか?

A.毎日行うことが理想ですが、必ずしも細かい分析まで日次で行う必要はありません。日次では総売上や客数など最低限の数値を把握し、異常がないかを確認することが重要です。詳細な分析や改善検討は、週次・月次でまとめて行っても問題ありません。重要なのは頻度よりも「継続できる仕組み」を整えることです。無理のない運用設計にすることで、売上管理が形骸化せず、経営改善につながりやすくなります。

Q.飲食店の売上管理表には何を入れればよいですか?

A.営業日、曜日、天気、総売上、客数、客単価、決済別売上、現金過不足、営業メモを入れるとよいでしょう。余裕があれば、時間帯別売上、メニュー別売上、チャネル別売上、原価、人件費まで管理すると、売上改善や利益改善に活用しやすくなります。

Q.売上は伸びているのに利益が残らないのはなぜですか?

A.売上が伸びているのに利益が出ない原因として、原価や人件費などのコストが売上以上に増えているケースが多くみられます。特に、売上増に対応するための人員増加や、原価率の高いメニューが売れている場合は注意が必要です。また、デリバリー手数料など販路特有のコストも利益を圧迫する原因となりがちです。
売上管理とあわせてFL比率やチャネル別利益を確認することで、利益が残らない原因を特定し、具体的な改善策を打てるようになります。

Q.小規模な飲食店ならExcel管理で十分ですか?

A.開業直後や客数が少ない店舗であれば、Excelやスプレッドシートでも売上管理は可能です。ただし、毎日の入力や集計が負担になる場合は、管理が続かなくなることがあります。時間帯別売上やメニュー別売上まで分析したい場合は、POSレジや売上管理アプリを使った方が効率的です。

Q.売上管理は店長や別のスタッフに任せても問題ないですか?

A.店長や別のスタッフに任せること自体は問題ありませんが、丸投げは避けるべきです。売上管理の目的や見るべき指標が共有されていないと、数字が正しく活用されません。経営者は最低限、月次の売上や利益構造を把握し、現場と定期的に数字を確認する場を設けることが重要です。役割分担と共有ルールを明確にすることで、現場と経営のズレを防ぎ、売上管理を経営改善に活かしやすくなります。

POSレジアプリの『Airレジ』なら無料で売上管理が可能

写真:0円で使えるPOSレジアプリ『Airレジ』のイメージ

これまで解説してきたように、売上管理は店舗経営に不可欠ですが、「日々の記録や集計に手間がかかる」「分析方法がわからない」といった課題を抱えている方も多いのではないでしょうか。

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まとめ

  1. 飲食店の売上管理は、金額把握ではなく「改善につなげること」が目的
  2. 客数・客単価・FL比率など、飲食店特有の指標を分解して見ることが重要
  3. 管理方法は店舗規模やスタイルに合わせて選ぶ必要がある
  4. 利益を改善させるためには、継続できる仕組みづくりをすることが重要

飲食店の売上管理は、正しく行えば経営判断の精度を高め、安定した店舗運営につながります。一方で、管理が複雑すぎると現場の負担となり形骸化しがちです。自店に合った管理方法と運用ルールを選び、数字を「使う」習慣をつくることが重要です。
飲食店の売上管理を効率化したい場合、無料で使えるPOSレジアプリ(『Airレジ』など)を活用することは有力な選択肢です。初期費用・月額費用がかからず、会計と同時に売上データを自動で集計できるツールを選ぶと、手書きやExcel管理に比べて大幅に手間を削減でき、経営改善に活かしやすくなります。
飲食店に特化した売上管理システムを導入して、長く続けられる飲食店を目指していきましょう。

※この記事は公開時点、または更新時点の情報を元に作成しています。

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この記事を書いた人

顔写真:成田 良爾(なりた りょうじ)

成田 良爾(なりた りょうじ)飲食店専門経営コンサルタント

ヴィガーコーポレーション株式会社代表取締役。厚生労働省公認レストランサービス技能士(国家資格)、文部科学省後援サービス接遇検定準1級、食生活アドバイザー2級など。ミシュランガイド掲載の高級レストランから個人経営の小さな大衆店まで幅広いジャンルの飲食店に携わり、その経験に基づく統計解析および枠にとらわれないアイデアで多くの赤字店を黒字化。「100年続く店づくり」をモットーに、次世代の育成や飲食業の働き方改革などにも力を入れている。食文化普及活動や職業訓練校講師(フードビジネス科)、子育て女性就職支援事業講師なども歴任。メディアへの出演や執筆活動も精力的に行いながら、現在も多くの飲食店経営者のサポートを手がける。オフィスヴィガー http://with-vigor.com/

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