【東京都】新型コロナウイルス感染症に関する制度融資や納税猶予の活用[2022年12月14日時点]
新型コロナウイルス感染症による企業経営への影響が続いています。こうした企業・経営者への支援策として、国だけではなく、東京都でも独自に様々な施策を矢継ぎ早に打ち出しています。緊急記事として、これからの経営に役立つ「東京都」の各種支援策をまとめました。
この記事の目次
緊急時における経営対策の考え方
新型コロナウイルス感染症による、緊急事態宣言やまん延防止等重点措置の影響により、中小企業や個人事業主の経営に引き続き影響が出ています。感染収束までいましばらく時間がかかりそうなため、「今後どのように経営をしていけばいいのか」頭を悩ませている方も多いのではないでしょうか。
この間、国や都道府県などの自治体もさまざまな支援策を講じてきました。経営者は自社のために利用できる制度や申請方法等について、スピードを持って理解/判断していくことが求められます。あらためて整理してみましょう。
- 休業、営業時間短縮、在宅勤務やその後の正常化など、直近での事業継続の方向性を決める
- 資金繰りが回るようにどの制度が使えるか、使っていないものがないか、あらためて確認し実行する
- アフター/ウィズコロナを睨み、今後の事業展開をどう変えるか決めて実行する
本記事では、それぞれの段階で役立つよう、「東京都」が現在打ち出している政策を解説します。
※国が打ち出している政策については、「新型コロナウイルス感染症に関する助成金や支払猶予の活用」をご覧ください
「東京都」が打ち出している政策一覧
対象:中小企業/小規模事業者/個人事業主
資金を増やす | |
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融資/貸付 |
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補助金/助成金 |
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支出を減らす | |
猶予 |
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制度融資[東京都]
国だけではなく、東京都でも独自に融資制度を打ち出しています。
- 新型コロナウイルス感染症対応融資(伴走対応)
新型コロナウイルス感染症により事業活動に影響を受けており、全国共通の制度である「伴走支援型特別保証制度(略称:伴走全国)」の融資限度額の範囲内では必要な資金調達額を賄うことができない東京都内の中小企業者の資金繰りの円滑化を図るとともに、金融機関が当該中小企業者に対して継続的な伴走型の支援を実施することにより、経営の安定化や生産性の向上を図ることを目的とした融資制度です。国の伴走支援型特別保証制度(略称:伴走全国)を先に利用し、融資金額が賄えない場合にこちらの伴走対応を利用します。
項目 | 内容 |
---|---|
適用期間/申請可能日程 | 2022年4月1日から2023年3月31日まで |
相談窓口 |
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対象者 |
中小企業者又は組合であること 融資対象の基本要件を満たすこと セーフティネット保証4号、5号に係る有効期限内の区市町村長の認定を取得していること 本制度の申込み時点で、既に伴走全国等の利用残高がある(本件と同時に融資実行をする場合を含む)こと |
支援内容 | 資金調達(融資) |
資金使途・融資期間 |
運転/設備資金10年以内(据置期間5年以内) |
融資利率 | 融資期間に応じて、1.7%~2.2%以内 ※責任共有制度対象外の場合、1.5%~2.0%以内 |
融資限度額 | 1億8千万円(無担保8千万円) |
信用保証料補助 |
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申請方法 |
|
参考:東京都「新型コロナウイルス感染症 支援情報ナビ 新型コロナウイルス感染症対応融資(伴走対応)」
補助金・助成金[東京都]
アフター/ウィズコロナへの対策についても、下記の補助金や助成金をうまく活用することができます。今後行おうとしていた経営に当てはまるものがないか、よく確認しましょう。
- 飲食事業者の業態転換支援事業(新型コロナウイルス感染症緊急対策)
- テレワーク促進助成金
- 新型コロナウイルス感染症緊急対策に係る雇用環境整備促進奨励金
飲食事業者の業態転換支援(新型コロナウイルス感染症緊急対策)
新型コロナウイルス感染症により、大きく売上が落ち込んでいる都内中小飲食事業者が、新たなサービスとして「テイクアウト」、「宅配」、「移動販売」を始める場合、経費の一部が助成されます。
項目 | 内容 |
---|---|
適用期間/申請可能日程 | 【第25回(最終)】2022年11月1日(火)~2022年12月31日(土)【当日消印有効】 ※ただし受付期間中でも予算終了の場合は受付終了 |
申請先 | 東京都中小企業振興公社 |
対象者 | 東京都内で飲食業を営む中小企業及び個人事業主 |
支援内容 | 補助金 |
主な助成対象経費 |
|
助成限度額 | 100万円 |
助成率 | 4/5以内 |
申請方法 | 申請書・添付書類を簡易書留等の記録が残る方法で、下記送付先へ送付 ※送付先 〒101-0029 東京都千代田区神田相生町1番地 秋葉原センタープレイスビル15階 公益財団法人東京都中小企業振興公社 業態転換事務局 宛 ※持参・FAX・電子メール等による提出は不可 |
参考:東京都中小企業振興公社「業態転換支援(新型コロナウイルス感染症緊急対策)事業」
飲食事業者の業態転換支援事業助成金や事業再構築補助金についてわかりやすく解説
テレワーク促進助成金
今般、新型コロナウイルス感染症の拡大防止策として、テレワークが急速に拡大しましたが、今後もアフターコロナ・ウィズコロナの時代の働き方として、テレワークをより一層活用していくことが重要になります。「新しい日常」の働き方であるテレワークの定着・促進に向け、都内の中小企業/個人事業主に対し、その導入に必要な機器やソフトウェア等の経費を助成するものです。
項目 | 内容 |
---|---|
適用期間/申請可能日程 |
2022年5月9日(月)~2023年1月31日(火)まで |
申請先 |
公益財団法人東京しごと財団 |
対象者 |
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支援内容 |
助成金 |
主な助成対象経費 |
|
助成限度額/助成率 |
30人以上999人以下 上限250万円 助成率1/2 |
申請方法 |
申請書・添付書類を簡易書留等の記録が残る方法で、下記送付先へ送付、または電子申請(電子申請は一般コースのみ可)により提出 |
新型コロナウイルス感染症緊急対策に係る雇用環境整備促進奨励金
非常時の勤務体制づくりなど、職場環境整備に取り組む企業に支給される奨励金です。新型コロナウイルス感染症の影響を踏まえた特例措置による、下記いずれかの助成金を利用している中小企業で、東京労働局管内に雇用保険適用事業所がある企業が対象です。
- 雇用調整助成金
- 緊急雇用安定助成金
- 産業雇用安定助成金
- 両立支援等助成金(新型コロナウイルス感染症小学校休業対応コース)
- 両立支援等助成金(介護離職防止支援コース(新型コロナウイルス感染症対応特例))
- 両立支援等助成金(育児休業等支援コース(新型コロナウイルス感染症対応特例))
- 新型コロナウイルス感染症による小学校休業等対応助成金
項目 | 内容 |
---|---|
適用期間/申請可能日程 | 2021年4月30日(金)~2023年3月31日(金) (消印有効) ※予算の範囲を超えた場合は、申請受付期間内でも受付を終了 |
申請先 | 東京しごと財団 企業支援部 雇用環境整備課 雇用安定化支援担当 (雇用環境整備促進奨励金担当) |
対象者 |
|
支援内容 | 助成金 |
助成限度額 | 10万円 ※1事業所につき、1回限り |
申請方法 | 申請書・添付書類を簡易書留等の記録が残る方法で、下記送付先へ送付 ※送付先 〒102-0072 千代田区飯田橋3-8-5 住友不動産飯田橋駅前ビル11階公益財団法人東京しごと財団 企業支援部 雇用環境整備課 雇用安定化支援担当(雇用環境整備促進奨励金担当) ※持参・FAX・電子メール等による提出は不可 |
参考:東京都「TOKYOはたらくネット 新型コロナウイルス感染症緊急対策に係る雇用環境整備促進奨励金」
納税猶予制度[東京都]
融資による資金調達の他に、納税猶予制度を活用することにより、資金繰りを楽にする方法もあります。適用される余地があるか確認しておきましょう。
通常の徴収猶予制度
項目 | 内容 |
---|---|
適用期間/申請可能日程 | 納期限まで |
申請先 | 都税事務所 |
対象者 | 失業/事業の廃止/収入が大幅に減少した等の理由から、都税を期限内に支払うことが困難になった中小企業/個人事業主 |
支援内容 | 徴収猶予 |
条件 |
新型コロナウイルス感染症の影響により、以下のようなケースに該当する場合
|
対象となる都税 | 全ての都税 ※自動車税環境性能割/狩猟税等を除く |
猶予期間 | 納期限から最長1年間 |
主な助成対象経費 | 申請書及び添付書類を、所轄の都税事務所に提出 ※専門的な内容のため、税理士に相談することをおすすめします |
東京都の「新型コロナウイルス感染症 支援情報ナビ」では、国の支援策も合わせて、探すことができます。それぞれの状況、目的に合わせた制度を検索しやすくなっていますので、活用するとよいでしょう。
まとめ
- 長引く新型コロナウイルス感染症の影響に対応するため、資金繰りの確認とアフターコロナに向けた補助金の活用がカギとなる
- 各種の融資制度を上手く使って、キャッシュを確保する
- 助成金/給付金も申請可能なものは全て対応する
- 税金や社会保険料の納税が難しい場合は、納税猶予制度や社会保険料の猶予制度を検討する
国、都道府県、市区町村と、引き続き新型コロナウイルス感染症に関する施策が発表されています。一つひとつの施策は難解なものが多く、膨大な書類と向き合わなければなりません。ただ、そのような中ですが、資金繰りやアフターコロナ向けた事業の対応は待ったなしです。自社では、どの制度を利用できて、どの制度を利用すれば、資金繰りが楽になるのか、アフターコロナに対応するのに有利かなど、しっかりと見極めたいですね。一人で悩まず、ぜひ、詳しい専門家に相談することをおすすめします。
※この記事は公開時点、または更新時点の情報を元に作成しています。
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この記事を書いた人
中野 裕哲(なかの ひろあき)起業コンサルタント(R)
起業コンサルタント(R)、税理士、特定社労士、行政書士、CFP(R)。起業コンサルV-Spiritsグループ/税理士法人V-Spirits代表。年間約200件の起業相談を無料で受託し、起業家をまるごと支援。起業支援サイト 「DREAM GATE」で11年連続相談数日本一。「一日も早く 起業したい人が『やっておくべきこと・知っておくべきこと』」など、起業・経営関連の著書・監修書多数。http://v-spirits.com/