居心地のよいカフェを作る内装デザインのポイントは?内装の種類、費用相場、レイアウトのコツも解説
街に個性的なカフェが増え、その店のドアを開けてみたいと思うこともあるでしょう。また、SNSで見かけた1枚の写真をきっかけに、いつか訪れてみたいと感じることもあるかもしれません。こうした印象を与える背景には、コーヒーや料理の魅力だけでなく、空間そのものの力があります。
本記事では、インテリアコーディネーターの視点から、居心地のよいカフェづくりに欠かせない内装デザインの種類やレイアウトのポイントを整理して解説します。
開業準備を進める方や、内装の見直しを検討している方は、ぜひ参考にしてください。
この記事の目次
カフェにおける内装の重要性と基本の考え方
カフェの内装は、味やサービスと並び、店舗の印象やリピート率に影響を与える重要な要素です。ドアを開けた瞬間の高揚感や、着席したときの落ち着きといった体験は、空間づくりによって形づくられます。
まずは、カフェにおける内装の重要性と、基本となる考え方を整理していきましょう。
内装デザインが集客・売上に与える影響
SNSという個人の発信ツールが広く普及した現在、来店者がお店を気に入った場合、写真付きで多数の人に向けて発信することは珍しくありません。
これまで既存のメディアや口コミに頼る面が大きかった集客も、店主が広告宣伝費をかけずとも、美しい室内や料理の写真が、思いがけないところまで届くようになりました。
内装デザインは、こうした「写真に撮りたくなる空間」を生み出す要素です。視覚的な魅力が拡散されることで新規来店のきっかけが生まれ、来店体験が満足度につながれば、リピートや客単価の向上も期待できます。
SNSをどのように活用するかという視点も含めて、内装デザインを検討することが重要です。
カフェと喫茶店の違いとは?営業許可や空間づくりの差
カフェと喫茶店は、かつては営業許可の種類がそれぞれ「飲食店営業」と「喫茶店営業」に分かれていました。しかし、2021年6月の食品衛生法改正により、喫茶店営業は飲食店営業へ統合され、現在では許可業種としての「喫茶店営業」は廃止されました。そのため、両者の法的な区別はほぼなくなっています。
現在では、おしゃれでトレンド感があるのが「カフェ」、レトロで落ち着いた雰囲気の「喫茶店」というイメージ的な違いが主流です。
内装設計の基本的な考え方と役割
内装設計は単なる装飾ではなく、店舗の価値を伝える重要な役割を担っています。
店主の思いや嗜好、つまり「こだわり」をわかりやすく具現化できるのが内装です。そのこだわりが来店者と一致したとき、その人はお店のファンとなり、リピーターへとつながります。また、SNSや口コミを通じて情報が広がることが期待できます。
こうした流れが生まれれば、店舗の魅力が自然に伝わり、集客の後押しにもなります。
限られた予算の中でも、コンセプトと整合した内装に比重を置くことは、カフェの開業において重要なポイントです。
どんなスタイルがある?カフェの内装デザイン一覧

カフェの内装デザインには王道のくつろぎを重視したスタイルから、個性を前面に押し出して差別化を図るスタイルまで、さまざまなものがあります。ここでは、代表的なスタイルをいくつか紹介しますので、ご自身のコンセプトやターゲットにあったカフェスタイルを見つけてみましょう。
【温かみ×定番】親しみやすさ・リラックス重視タイプ
カフェに求められる役割を考えると、色や素材で威圧感を与えないこと、そして、くつろぎの場になることは欠かせません。
木や植物などの自然の要素を上手に取り入れ、居心地のよい空間づくりを目指しましょう。
ナチュラルスタイル

明るい木目の家具や床材を多用するナチュラルスタイルは、老若男女を問わず好まれる王道デザインです。グリーン(観葉植物)との相性もよく、ほっとできる憩いの場を演出できます。
壁はホワイト系でまとめ、照明は電球色のペンダントライトなど、やわらかく優しいデザインを選ぶと、癒やしの場として最適です。誰もが気軽に立ち寄れる空間を目指す場合に適したスタイルといえるでしょう。
北欧スタイル

根強い人気を誇る北欧スタイルは、「自然との共存」を感じさせるシンプルで機能的なデザインが特徴です。特徴的なアイテムを取り入れることで、容易にそのスタイルが確立できます。ファブリクスやアート、照明などに大胆なアクセントカラーやグラフィカルな模様を取り入れ、ナチュラルスタイルとは異なる遊び心を感じさせます。
すっきりとした観葉植物や、いわゆる「名作椅子」と呼ばれるデザイナーズチェア、明るい色味の植物柄ファブリクスなどを取り入れることで、空間に北欧らしさが生まれます。リプロダクト品などを選べばリーズナブルに揃えることができるので、予算を抑えながらおしゃれな空間を実現したい場合にも取り入れやすいスタイルです。
ガーデン・ボタニカルスタイル

近年、特に注目されているのがガーデン・ボタニカルスタイルです。内と外が一体化したような、植物に囲まれた空間は、心身ともに癒やしを感じるため高い人気があります。
グリーンや花をふんだんに配置し、自然との共生を疑似体験できる空間を作ります。プランターに入れた植物を置くだけでなく、天井からつるしたり、壁に取り付けたりと、さまざまな演出が可能です。
特に、ガラス面が大きく自然光が入る物件や、吹き抜けのある空間とは相性がよいスタイルです。そのような物件に出会えた際は、ぜひ検討してみてはいかがでしょうか。
【温かみ×個性】世界観・ストーリー重視タイプ
極端な個性化は勇気が必要ですが、「どこか懐かしい」「既視感がある」といった個性であれば、むしろ居心地のよさにつながります。こうした世界観に共鳴したお客さまは、リピーターになる可能性が高いのも特徴です。
レトロ・ヴィンテージスタイル(昭和レトロ、古民家風、蔵、シャビーシックなど)

どこか懐かしさを感じさせるレトロ・ヴィンテージスタイルは、老若男女、幅広い層に受け入れられやすいデザインです。ターゲットを広く設定したい場合にも検討しやすいでしょう。
ただし、本物の古民家や古い建物を活用する場合は、想定以上に修繕費がかかるケースがあります。既存部分をどこまで活かせるかによって、初期費用は大きく変動します。
また予算に余裕がある場合は、庭と一体化した空間づくりができれば、地域の象徴的な存在になる可能性もあります。都市中心部よりも郊外立地との相性がよく、「わざわざ訪れたくなる店」を目指せるでしょう。
図書館スタイル

近年増えつつある図書館スタイルは、本に囲まれた静かな空間が特徴です。アンティーク家具や本棚にさりげなく並べられた雑誌や絵本、写真集などは、つい手に取りたくなるものです。
私語を控えてもらうルールを設ける店舗も多く、静かな雰囲気の中、照明はやや落とし気味で、手元灯を中心にした落ち着いた空間を演出できます。一人利用や少人数利用との相性がよいでしょう。
蔵書のセレクトに店主の思想やセンスが表れるため、共感するコアなお客さまとの結びつきが強くなりやすいのも特徴です。立地としては、大通り沿いよりも、ビルの2階や路地裏など静かな環境が適しています。
韓国スタイル

若い世代の女性を中心に支持を集めている韓国スタイルは、白や淡いグレーを基調とし、空間全体をやわらかな丸みのあるアイテムでまとめるのが特徴です。
店内を飾る小物は、ウェーブミラーや丸型の間接照明、クリア素材のアイテムなど、韓国インテリアの定番要素をポイントで取り入れると、統一感のある世界観を構築できます。
白や淡い色合いは、店内空間を広く軽やかに見せられる一方で、「汚れが目立ちやすい」という注意点もあります。テーブル天板には汚れをサッと拭き取れるメラミン素材を採用したり、椅子には防汚加工の生地を選んだりと、日々のメンテナンス性を意識した家具選定が重要です。
ミックススタイル

エクレクティックスタイルとも呼ばれるミックススタイルは、異なるジャンルや文化を融合させた個性的な空間です。例えば、重く武骨なインダストリアルテイストに白や明るい木材を加えて軽やかに仕上げた「ソフトインダストリアルスタイル」や、ガーデン・ボタニカルスタイルにヴィンテージ家具を組み合わせた「ボタニカルヴィンテージスタイル」など、組み合わせ方によって多様な空間演出が可能です。後述する「ジャパンディ」も、広い意味ではミックススタイルの一種といえるでしょう。
異なるテイストをバランスよく調和させる必要があるため、インテリアの難度は高めです。統一感がないと、雑然とした印象になるリスクもあります。
一方で、うまく世界観を構築できれば、自室のように居心地のよい、唯一無二の空間が生まれます。マニアックな魅力が現代ならではの強みとなり、常連客を獲得しやすいスタイルです。
【洗練×定番】上質感・大人向けリラックスタイプ
都市部で支持されやすい、落ち着きと上質感を兼ね備えたリラックススタイルです。流行に敏感な層が集まりやすく、SNSとの相性もよいタイプといえるでしょう。
このスタイルは「視覚的な派手さ」ではなく、「手触りや座り心地、光の陰影といった本物感(質感)」で魅力を伝える点が特徴です。そのため、フェイク素材のみで雰囲気を成立させるのが難しく、結果的にほかのスタイルと比べて内装費や什器費用がやや高くなる傾向があります。
和モダン・ジャパンディスタイル

近年、欧米などでも注目を集めているジャパンディスタイルは、現在も安定した人気があります。「ジャパン」と「ノルディック(北欧)」を組み合わせた造語で、名前自体は聞いたことがなくとも、そのデザインを一度はどこかで目にしたことがあるでしょう。
明るい木製家具を基調とした癒やし系の空間の中に、和紙や格子などの日本的な要素を取り入れ、全体は洋風にまとめることで、洗練さと居心地のよさを両立できます。
一方、ジャパンディよりも「和」の要素を強めた和モダンスタイルも根強い人気があります。提灯のような形の和紙を使った照明器具や、琉球畳、濃い茶系の木目柄などを活かした空間づくりは、特に年齢層が高めのお客さまに好まれる傾向があります。
シンプルモダン・ミニマルスタイル

白・グレー・黒などの無彩色を基調とし、直線的なデザインを多用するスタイルです。ガラスやスチール、ステンレスといった無機質な素材と相性がよく、都会的で洗練された印象を与えます。
装飾を極力省き、照明もデザイン性の高いペンダントライトより、スポットライトやダウンライトなど機能的でシャープなものを選ぶと統一感が出ます。ただし、無機質になりすぎると冷たい印象になるため、モダンアートなどの額絵(額は金属質の細いラインのものがベスト)や、観葉植物をアクセントとして加えることで、空間全体がアップグレードします。
ミッドセンチュリースタイル

1950年代前後に生まれたデザイン家具、いわゆるミッドセンチュリー期の名作家具を中心に構成するスタイルです。現在も人気が高く、デザインにこだわる層から支持を集めています。懐古的なポップな色やデザインの椅子などの家具は、モダンアートのような存在感を放ち、空間の印象を深める役割を果たします。
デザイン関係者や感度の高い層との親和性が高く、「いつか行ってみたい」と思わせる憧れの空間になることでしょう。
リゾートスタイル

リゾートスタイルにはさまざまな種類があり、代表的なものとして「バリリゾートスタイル」や「南国ビーチスタイル」などがあります。ヤシの木をシンボルツリーにしたり、シーリングファンを天井から吊り下げたり、籐(ラタン)家具を取り入れたりと、象徴的なアイテムで世界観を構築します。
海や東南アジアの雰囲気を好む人々の共感を呼び、非日常感を演出できる点が魅力です。都市部においては「日常の中のオアシス」というコンセプトが似合うスタイルといえるでしょう。
【洗練×個性】インパクト・差別化特化タイプ
近年注目されているのが、モダンな空間をベースに個性を強く打ち出した、インパクト重視のスタイルです。明確な世界観を前面に出すことで、競合との差別化を図ることに特化したデザインといえるでしょう。
空間そのものが話題になりやすく、SNSとの相性もよいのが特徴です。ここでは、特に印象に残りやすいスタイルを紹介します。
インダストリアルスタイル

鉄骨や配管、コンクリートなどの無機質な素材をあえて見せるデザインが特徴のインダストリアルスタイル。アイアンやレンガ、革といったヴィンテージ感のある素材とも相性がよく、工場や倉庫を思わせる空間を演出します。
武骨なデザインのペンダントライトや、レトロな雰囲気のテーブル・椅子を合わせることで世界観を演出します。黒や濃紺、深いブラウンやグリーンなど落ち着いた色味が似合い、やや男性的な印象を持つのも特徴です。
アメリカンスタイル(西海岸風、ダイナー風など)

アメリカンスタイルには、西海岸風やダイナー風など複数のタイプがあります。西海岸風スタイルは、前述のリゾートスタイルを洗練させた、ハリウッドのスターたちを彷彿とさせるようなスタイルです。白い壁や明るい木目、モンステラなどの観葉植物を取り入れた、開放的で爽やかな空間が特徴です。
一方、ダイナー風はネオンサインやレザーシート、チェック柄の床などを取り入れた、よりポップで印象的な演出が中心になります。
ラボスタイル(実験室)

フラスコやビーカーをモチーフにした食器、大きめのスクエアシンク、コンクリート製のカウンターなどを取り入れ、理科実験室のような雰囲気を演出するのがラボスタイルです。
ダークグレーなど暗めのカラーリングを基調とし、黒板やメタル素材の小物をアクセントにすることで演出効果を高めます。コーヒー豆の焙煎の様子を見ながら、自分のオーダーした商品を待つのも心躍る時間になるでしょう。
ユニフォームに白衣風の要素を取り入れるなど、接客スタイルまで含めて統一すると完成度が高まります。
カフェの内装の決め方&作り方5ステップ
前述したそれぞれの内装スタイルはいかがでしたか。ここでは、さらに踏み込んで、開業予定のカフェに最適な内装の決め方、作り方をステップごとに解説します。
STEP1.コンセプトの言語化とリサーチ
まずはコンセプトづくりからです。難しそうに感じるかもしれませんが、一言でいえば「どんなお店を作りたいか」「何を提供したいか」を明確にすることです。なぜカフェを作りたいと思ったのか、初心に返って言語化していきましょう。
コンセプトの言語化(「誰に」「何を」「どう過ごさせる」店か)
最初に、カフェづくりの核であるコンセプトを言語化するために、時間をかけて頭の中を整理していきましょう。
まず「誰に」向けたお店を作りたいのでしょうか。「〇〇(自分の娘の名前)のため」や好きな芸能人など、特定の個人を思い浮かべても構いません。できるだけリアルに、ターゲットとなるお客さま像を脳裏に描いてみましょう。
続いて「何を」を整理します。特別なコーヒーなのか、おいしい焼き菓子なのか、それとも癒やしの時間なのか。提供したい価値を自分の言葉で言語化しましょう。
そのうえで、「どのような時間をこの店で過ごしてもらいたいか」やカフェのキャッチコピーまで落とし込めると、内装の方向性がブレにくくなります。
競合店・周辺環境リサーチ、参考ビジュアルの収集(エリアに足りない「席」や「機能」を見つける)
希望する立地があるならば、その周辺を実際に歩いて確認しましょう。周囲にどんなお店があるかをリサーチすることで、そのエリアにあうインテリアスタイルや、求められている過ごし方が見えてくることがあります。
特に、「カウンター席が多いのか」「長時間滞在できる席が少ないのか」「電源やWi-Fiが不足していないか」など、エリアに足りていない席の種類や機能に目を向けてみましょう。
歩いてみると、思いがけない発見があったり、希望に沿った空き物件に出会えたりすることもあります。気になっているカフェはもちろん、異業種であっても実際に入ってみることをおすすめします。
また、SNSや雑誌などにもアンテナを張り、参考になるビジュアルを集めていきましょう。今の流行や定番の見せ方が分かり、コンセプトを形にするヒントが得られます。
必要な設備スペックの洗い出し(電気容量、ガス、排水の必要条件)
内装デザインとあわせて検討しておきたいのが、設備スペックです。電気容量やガス、給排水などの条件が満たされていなければ、理想とするカフェの内装が実現できないこともあります。
例えば、エスプレッソマシンを導入したいのに電気容量が不足している、アイランド型カウンターを作りたいのに給排水の位置が合わないといったケースがあります。オーブンを使うなら、ガス容量や排気経路の確認も欠かせません。
まずは「どんなカフェにしたいか」から逆算し、その内装や設備に必要なスペックを洗い出し、優先順位を決めていきましょう。
STEP2.物件選定と内装実現性ジャッジ
次は物件選定と、その物件で理想の内装が実現できるかの判断に進みます。夢が膨らむ段階ですが、冷静な視点をもつことが重要です。
判断に迷う場合や検討が長引く場合は、設計士や施工業者など専門家の客観的な意見を取り入れながら進めることをおすすめします。
スケルトンvs居抜きの選択
居抜き物件に出会えるかは偶然性もありますが、コンセプトに合う物件が見つかれば初期費用を抑えられます。近年はヴィンテージ感を押し出したインテリアも人気があるため、工夫次第では居抜き物件を有効に活用できることもあるでしょう。
ただし、使えない設備や什器、必要のない壁や床などの撤去費用が高額にならないかという点は、事前に確認しておく必要があります。
一方、スケルトン物件は自由度が高く、理想のレイアウトや世界観を実現しやすいことがメリットです。ただし、工期や費用が膨らみやすい傾向があります。どちらを選ぶかは、コンセプト・予算・スケジュールのバランスで判断しましょう。
インフラ調査(希望する厨房機器が使える電気・ガス容量があるか)
物件を検討する際は、希望する厨房機器や設備が実際に使用できるかどうかを確認します。特に、見た目だけでは判断できないインフラ条件については、契約前に管理会社やオーナーへ確認しておきましょう。
例えば雑居ビルなどでは電気容量の制限がある場合が多く、増設が可能かどうかも含めて確認が必要です。特に、加熱機器としてIHを導入する場合や空調設備を増やす場合は、電気容量が大きくなるためしっかりと確認しておきましょう。ほかにも、ガス容量、給排水経路などの確認も重要なポイントです。
ファサード(外観)の確認
カフェにおいては、お店の存在を外部に伝えるためにも、看板やサインなどの設置が必要です。どこまで外観に手を加えられるかは、物件選定の段階で必ず確認しておきたいポイントです。
看板の設置可能な位置や大きさなどは、管理規約やオーナーの方針によって制限されることがあります。また、共用部分や道路に面する場所に設置する場合は、法令や自治体のルールも確認が必要です。
外観と室内デザインの印象が大きく異なると、入りにくさにつながることがあります。ファサードはお店の第一印象となるため、内装コンセプトとの一貫性を意識して設計しましょう。
STEP3.設計・施工会社の選定と契約
十分な打ち合わせを重ね、信頼関係が築ける設計・施工業者と出会えたとき、内装づくりは大きく前進します。
また、契約内容の確認も非常に大切な手順です。あとから後悔しないよう、条件や責任範囲を丁寧に確認しながら進めましょう。
業者選びのポイントと相見積もりの取り方
業者探しの方法はさまざまです。口コミサイトの活用、友人や知人の紹介、同業者からの情報など、複数のルートを検討するとよいでしょう。
ただし、親戚や近しい関係者に依頼する場合は、意見を言いづらくなったり、断りづらくなったりすることもあります。ビジネスとして冷静に判断できる関係性かどうかも重要な視点です。
業者選びはカフェづくりの成功を左右するといっても過言ではありません。過去の施工事例は必ず確認し、自分の目指すテイストや業態の実績があるかをチェックしましょう。
相見積もりは、価格や提案内容を比較するために重要です。ただし相見積もりの数は、多ければよいというわけではありません。目安としては2〜3社程度に依頼すると、比較しやすく現実的です。価格だけでなく、提案力や対応スピード、説明の分かりやすさも判断材料にしましょう。
パートナー決定と契約
金額や内容に合意し、施工会社が決まったら、契約に進みます。工程表に沿って工事が進みますが、その前に契約内容を十分に確認することが重要です。
特に確認しておきたいのは、やむを得ない理由で工事が遅れたり、設備故障などの不測の事態があったりしたときに、どのように対応してもらえるかどうかです。例えば、私が懇意にしている業者では、トイレが壊れたらお正月でも駆けつけてくれます。万が一の際に迅速に対応してもらえる体制があるかどうかも、長く付き合えるパートナーかを判断するポイントです。
STEP4.プランニング
次は、プランニングの段階に入ります。これまでに集めた参考資料やカタログをもとに、専門家の意見も取り入れながら、理想のカフェを作り上げていきます。
気になっている点や不安な部分は、できるだけ早い段階でクリアにして、優先順位を整理しながら進めていきましょう。
ゾーニングと動線計画(厨房と客席の比率、スタッフ動線の確保)
ゾーニング(空間の区分け)は、売上やオペレーションに直結します。まずは希望を伝えたうえで、プロの意見を聞くことが大切です。なぜなら、経験にもとづく提案は、デザインだけでなく、機能面や安全性まで考慮されたものだからです。
一般的に、カフェでは厨房:客席=3:7前後が一つの目安とされますが、提供メニューや客単価によって最適な比率は異なります。席数を優先するあまり、厨房が狭くなりすぎると、必要な設備が置けなかったり、事故につながったりする恐れもあるため注意しましょう。
また、スタッフ動線が客席動線と交差しすぎないか、配膳やレジ対応がスムーズに行えるかも重要なポイントです。
配管・配線計画(コンセント位置、厨房の給排水、空調の配置)
あとで確認したらコンセントが足りなかった、という失敗は少なくありません。一方で、数だけ増やしても、什器の裏に隠れて使えなかったり、費用負担が大きくなったりする可能性もあります。必要な機器を具体的に想定し、高さや位置まで計画することが重要です。
厨房の給排水は、メンテナンス性も考慮して計画します。排水経路が複雑になると、後々のトラブル対応が難しくなることがあります。
また、空調の位置も重要です。入口ドアの開閉による空気の流れや、客席への風の当たり方などを確認しておきましょう。
予算オーバー時の減額調整
プランニングを進めると、ほとんどのケースで当初予算を超えた見積もりとなります。まずは希望内容をすべて見積書に反映させたうえで、優先順位に沿って調整していく方法が現実的です。無垢材をメラミン化粧板に変更したり、DIYにチャレンジしたりすることなども一つの方法です。
内装費用を抑えるポイントについては、記事の後半で詳しく解説します。
STEP5.着工・インテリア・引き渡し
プランと工事金額が確定したら、いよいよ着工です。打ち合わせ段階では理想が膨らみますが、ここからはスケジュールと品質管理が重要になります。
工程表を施工会社任せにせず、施主側も進捗を把握しながら進めることが、予定どおりのオープンにつながります。
着工と現場確認(図面どおりに進んでいるかの進捗確認)
オープン日から逆算して着工するのはもちろんですが、できれば余裕を持ったスケジュールを組みましょう。
設備工事や電気工事などインフラ関連で予期せぬ調整が発生することも考えられます。建材の納期遅延や近隣対応なども考慮が必要です。
工事責任者と定期的に打ち合わせを行い、図面どおりに施工が進んでいるか、工程に遅れが出ていないかを入念に確認しましょう。
家具・什器の選定と発注(テーブルサイズ、椅子の座り心地、耐久性)
家具や什器の選定は、デザイン性だけでなく機能性も重視します。
テーブルのサイズがレイアウトに適しているか、高さは椅子と合っているか(差尺が適切か)などは、居心地や満足度に直結します。椅子は座り心地と耐久性の両方を確認しましょう。
発注数が多い場合や輸入品の場合は納期に時間がかかることもあります。検査やオープン準備に間に合うよう、早めの手配を心がけましょう。
保健所・消防署の検査(営業許可取得のための立ち入り検査)
飲食店を営業するには、食品衛生法にもとづく「飲食店営業許可」の取得が必須です。飲食店営業許可を取得するためには、内装工事完了後に保健所へ申請し、施設基準に適合しているかの立ち入り検査を受ける必要があります。
不備があると許可がおりず、オープンが延期になる可能性もあるため、設計段階から保健所基準を踏まえて計画することが重要です。また、工事後に指摘が入らないよう、図面段階で保健所への事前相談をしておくことが欠かせません。
また、消防法にもとづく手続きも必要です。一定規模以上の店舗では「防火対象物使用開始届」の提出や、消防設備の設置確認が求められます。客席面積や収容人数によって必要設備が異なるため、所轄消防署に事前確認を行いましょう。
営業許可の取得と消防手続きが完了して初めて、正式にオープンできます。
施主検査と引き渡し(傷や不具合がないかの最終確認と手直し)
工事完了後は、施主検査を行います。可能であれば設計担当者にも同席してもらい、図面どおりに仕上がっているかを最終チェックします。
傷や不具合はもちろんのこと、設備の使い方(施工業者の施工の場合)などの確認も、この段階でしておきましょう。
また、手直しが発生した場合は、対応内容と完了時期を明確にしておくことが重要です。
居心地のよいカフェ内装&レイアウトのコツ6選
夢にまで見た自分のカフェをいかに居心地よく作るか、それによってお客さまの満足度は大きく左右されます。ここでは、内装とレイアウトの観点から、押さえておきたいポイントをご紹介します。
お客さまがくつろげる客席配置とパーソナルスペース
客席レイアウトを考える際、まず検討すべきは「何席必要か」です。何人掛けのテーブルが、どれくらいのサイズで、いくつ必要なのかを具体的に想定します。必要に応じてオーダーテーブルを検討することも選択肢の一つです。
隣席との距離は、カフェにおいては非常に重要なポイントです。詰め込みすぎると落ち着きのない印象になり、プライバシーを確保しづらくなります。
読書や作業を目的とするカフェでは、一人席の需要が高くなります。その場合、席数は制限されますが、「何を優先するか」を明確にしたうえで配置を決めることが重要です。
カフェの印象を左右する家具・インテリアの選び方
家具やインテリアを選ぶ際は、可能な限り現物を確認し、椅子であれば実際に座ってみることが望ましいです。
コストや時間の都合からオンラインで家具を選ぶ方も増えていますが、失敗してしまうケースは少なくありません。色やサイズが想定していたものではないことも多く、注文し直しとなってしまうと、その分コストも時間も倍かかってしまいます。
また、搬入経路の確認も重要です。大型家具が階段やエレベーターに入らなかったり、通路やドアを通らないというトラブルも少なくありません。
家具はカフェの印象を決定づける重要な要素です。デザインだけでなく、耐久性やメンテナンス性も含めて総合的に判断しましょう。
空間に奥行きと雰囲気を与える照明・照明計画
意外に見落としがちなのが、照明や照明計画です。配線ダクトとスポットライトを設置しておけばよいと考えがちですが、内装スタイルとの整合性が取れていないと、統一感のない仕上がりになることがあります。
最近は、単に明るいだけの空間よりも、明暗のコントラストを意識した照明が好まれる傾向があります。間接照明を取り入れると、やわらかく温かみのある雰囲気を演出できます。
また、ペンダントライトもおすすめです。テーブル上に低めに設置することで、空間にアクセントが加わります。
「五感」に訴えるデザインを意識する(素材、香り、色、音、味)
最近の傾向としては、デザインが五感にどのように訴えるかということが重視されています。カフェにおいて味覚はもちろん中心的な要素ですが、ほかにも天然木や石材などの素材もコンセプトを伝える要素になります。
また、香りも重要です。実際に、洗面室の石鹸の香りが人気で、SNSを賑わせているお店の例もあります。
ほかにも、色使いやBGMなども含めて、コンセプトにあったものを一つひとつ選定していきましょう。
小規模カフェでも開放的に見せる(天井を高く、壁は白く、など)
限られたスペースでも、工夫次第で開放的に見せることは可能です。
例えば、天井材を外して高さを確保する、あるいは天井と壁を同系色でまとめることで、視覚的に広がりを演出することもできます。明度の高い色(白系)を基調にすると、より広く感じられます。
一方で、天井を木目柄にすると空間が引き締まりますが、低く感じることもあります。開放感を重視する場合は慎重に選びましょう。
壁面にガラスやミラーなど透明感のある素材を取り入れると、視線が抜けて広く感じられます。ただしコストとのバランスを考慮する必要があります。
電源やWi-Fi、収納にも配慮する(リラックスだけではない、作業需要にもこたえる)
近年は、カフェを自分のオフィスのように活用する「ノマドワーカー」層の利用も増えています。そうした利用者にとって重要なのが、電源やWi-Fi環境です。利便性と居心地のよさを両立できれば、リピーター獲得にもつながります。
ノートパソコンを使用することを想定し、テーブルサイズや奥行きは余裕を持って設定しましょう。また、バッグや荷物を置くスペースも必要です。スペースの都合上難しい場合は、足元に荷物用カゴなどを設置するのもよいでしょう。
五感に訴える居心地のよさとあわせて、物理的な心地よさも満たすことが、これからのカフェには求められています。
【コラム】盲点になりがちな「レジまわり」のデザイン

心地よい時間を過ごしたお客さまが最後に立ち寄る場所が、会計をするためのレジではないでしょうか。レジまわりのデザインは意外と盲点になりがちですが、滞在した時間の感動を持ち帰れるように設計することが重要です。例えば、お店のオリジナル商品や関連商品をレジまわりに置いておくと、それが「お土産」となります。口コミにつながったり、客単価の向上につながったりする可能性が高まります。
一方で、従来型の大型レジや複雑な配線が視界に入ると、せっかく整えた内装の雰囲気を損なってしまうことがあります。バックヤード用品やコード類は極力見せない設計が理想です。
内装の雰囲気を壊さないための解決策として、タブレット型のPOSレジ(『Airレジ』など)を導入する方法があります。コンパクトでデザインを邪魔しにくく、配線も最小限で済むため、内装との一体感を保ちやすいのが特徴です。省スペースで設置できるうえ、導入コストを抑えやすい点も、小規模カフェには適しています。
カフェの内装工事にかかる費用相場と予算の内訳
カフェの内装工事費用は、立地や物件状態、規模、デザインのこだわりなどによって大きく変動します。ここでは、坪数別の一般的な目安と、予算の内訳を整理します。
【坪数別】内装工事費用の目安
居抜き物件は既存設備を活用できる分、費用を抑えやすい傾向があります。一方、スケルトン物件は自由度が高い反面、工事費は高額になりやすいです。
| 坪数 | 居抜き物件を選んだ場合の目安 | スケルトン物件を選んだ場合の目安 |
|---|---|---|
| 10坪(8~12席程度) | 300万円~600万円 | 600万円~1,000万円 |
| 15坪(12~18席程度) | 450万円~900万円 | 900万円〜1,500万円 |
| 20坪(18~24席程度) | 600万円〜1,200万円 | 1,200万円〜2,000万円 |
坪単価の目安は、居抜き物件の場合でおおよそ30万円〜60万円前後、スケルトン物件の場合は60万円~100万円前後といわれています。ただし、物件の状態や設備工事の内容、デザインのこだわりによって大きく変動します。
近年は資材価格や人件費の高騰の影響もあり、スケルトン物件では坪単価が100万円を超えるケースも珍しくありません。特に都市部では、デザイン性の高い内装や厨房設備を充実させる場合、想定以上に費用が膨らむ可能性があるため、余裕を持った資金計画が重要です。
内装工事費用のおもな内訳(解体・造作・設備・電気)
内装工事費用には、解体工事(スケルトンの場合は除く)、内装下地工事、造作工事、設備工事、電気・ガス工事などさまざまな工事が含まれます。
現況によって大きく異なりますが、スケルトン物件(10坪の場合)の内装工事費用の内訳は下記のとおりです。
| 区分 | 内容 | 目安金額 |
|---|---|---|
| 解体工事・下地工事 | 下地補修、軽微な解体など | 50万円~100万円 |
| 造作工事 | 壁・床・天井・カウンターなどの造作 | 250万円〜400万円 |
| 設備工事 | 給排水、トイレ、手洗器、空調、排気ダクトなど | 200万円〜300万円 |
| 電気・ガス工事 | 分電盤、照明、コンセント、ガス配管など | 100万円~200万円 |
スケルトン物件の場合は、給排水や排気ダクトなどの設備を一から整える必要があるため、設備工事の割合が大きくなる傾向があります。
それぞれの工事の総額が予算を上回ってしまった場合、優先順位を整理しながら調整します。また、見積り明細に「一式」とある場合は、何が含まれているかの内訳を必ず確認しておきましょう。
居抜き物件とスケルトン物件のコスト・メリット比較
前述のとおり、居抜き物件は、同業種であれば設備を活用できるため、多くの場合で工事費を抑えられます。ただし、不要な設備や什器の撤去費が発生すると、想定より費用がかさむこともある点に注意しましょう。
また、古い喫茶店仕様の場合、段差解消も含めた床の全面改修が必要になるケースもあります。床を張り替える場合は、壁や設備工事にも影響が及ぶため、結果的に大きな費用負担となることがあります。
一方、スケルトン物件は初期費用こそ高くなりやすいものの、レイアウトやデザインの自由度が高く、コンセプトに沿った空間を実現しやすいのが特徴です。
どちらを選ぶかは、コンセプト・予算・工期のバランスで判断することが重要です。
厨房設備・什器の導入費用と必要な設備リスト
メニュー内容や提供スタイルによって必要な設備は変わりますが、一般的なカフェでは下記のような設備が必要です。
カフェに必要なおもな厨房設備
- エスプレッソマシン
- コーヒーグラインダー(ミル)
- ドリップ機器
- 冷蔵庫
- 冷凍庫
- 製氷機
- 2槽シンク
- 食洗機
- コンロ
- オーブン・トースター
- 換気フード・換気扇
- ステンレス作業台
- 扉付き食器棚・収納棚
- コールドドリンクディスペンサー
カフェでは、エスプレッソマシンやグラインダーといった抽出設備のほか、冷蔵庫や製氷機、シンクなどの厨房設備が必要になります。さらに、軽食やデザートを提供する場合は、オーブンやトースターといった加熱機器なども必要になるでしょう。
設備構成によって費用は大きく変わりますが、一般的な小規模カフェでは厨房設備・什器でおおよそ150万〜300万円程度が一つの目安とされています。
カフェの内装費用を賢く抑えるためのポイント
前述のとおり、カフェの内装費用は多くのケースで、費用が当初の予算を上回ってしまいます。あとで慌てないためにも、事前にコストを抑えるポイントを把握しておくことが大切です。
相見積もりで最適な施工業者を比較・選定する
施工業者を選ぶ際には、複数社から相見積もりを取ることが基本です。ただし、見積書の内容は業者によって記載方法や項目が異なることも多く、建築や内装の経験がない場合、単純に金額だけで比較するのは難しいことがあります。
そのような場合には、設計者や内装コンサルタントなど、第三者の専門家に内容を確認してもらうのも有効です。客観的な視点で見積内容を整理してもらえるだけでなく、施主として聞きにくい点を施工業者に確認してもらえるメリットもあります。
スケルトン物件なら「インダストリアル」を狙うなど物件選びで工夫
物件の状態をうまく活かすことで、内装費用を抑えられる場合があります。例えば、RC構造の建物をスケルトンにした場合、コンクリートや配管をあえて見せる「インダストリアルスタイル」が成立することがあります。
ただし、予算がないからインダストリアルにするという考え方ではなく、店舗コンセプトと合うかどうかを踏まえて判断することが大切です。また、配管や設備を見せる仕上げにする場合でも、仕上げ処理などで費用がかかることもあるため、事前によく確認しましょう。
施主支給やDIYを一部取り入れる
家具や照明などの一部を施主支給にしたり、DIYで仕上げたりすることで、費用を抑えられることがあります。
ただし、未経験の作業を無理に行うと、仕上がりや安全面に問題が生じる可能性があります。特に電気工事などは資格が必要なため、専門業者に依頼する必要があります。DIYを取り入れる場合は、施工範囲や安全性を十分に確認したうえで進めましょう。また、施主支給の場合も工事担当者に可能かどうかの確認をしたうえで、発注することが望ましいです。
優先順位を決め、内装デザインを簡素化する
カフェの開業には、想像以上に多くの費用がかかります。すべてを理想どおりに実現するのが難しい場合は、優先順位を整理することが重要です。
店舗コンセプトやこだわりを整理したうえで、「必ず実現したい部分」と「あとから改善できる部分」を分けて考えると、予算内に収めやすくなります。設計者などの専門家と相談しながら、客観的な視点で取捨選択を進めていくことが現実的な進め方といえるでしょう。
創業融資や補助金・助成金の活用検討
自己資金だけでまかなうのが難しい場合は、創業融資や補助金・助成金の活用も検討するとよいでしょう。
代表的な創業融資としては、日本政策金融公庫の「新規開業・スタートアップ支援資金」があります。創業予定者や創業間もない事業者を対象とした制度で、無担保・無保証人で利用できる場合もあり、多くの開業者が利用しています。
また、自治体や国の制度として、「小規模事業者持続化補助金」などの補助金が活用できる場合もあります。制度内容は地域や募集時期によって異なるため、所轄の商工会議所や自治体、金融機関などで早めに情報収集を行うことが大切です。
先輩カフェオーナーの体験談を参考にするのも有益ですが、制度の条件や審査基準は時期によって変わることもあるため、あくまで参考程度にとどめましょう。
なお、融資や補助金の申請には事業計画書などの書類作成が必要で、想像以上に時間がかかることも少なくありません。開業直前になって慌てないためにも、資金調達の検討はできるだけ早い段階から進めておくことをおすすめします。
カフェ開業・内装決定チェックリスト
ここまで紹介してきた内容を踏まえ、カフェ開業や内装計画を進める際のチェックポイントを整理しました。コンセプト設計から工事、開業直前の準備まで、抜け漏れがないか最終確認に活用してください。
事業計画・コンセプトのチェックリスト
□コンセプトは他店と差別化できる内容になっているか
□資金繰りおよび借入れなどに無理はないか
□事業計画書などの関連書類は整っているか
立地・物件のチェックリスト
□立地はターゲットやコンセプトに合っているか
□物件の特徴(居抜き・スケルトンなど)を理解しているか
□看板や外観はふさわしいものが可能か確認しているか
□電気・ガス・給排水の容量は厨房設備に対応しているか
□IH機器使用時や空調設備の電気容量は十分か
レイアウト・動線のチェックリスト
□客席数と居心地のバランスは取れているか
□テーブルや椅子のレイアウトに問題はないか
□スタッフや来客の動線に無理はないか
□トイレの位置は配慮されているか
□収納スペースは十分に確保されているか
□非常口や避難経路は確保されているか
内装・設備(詳細設計段階)のチェックリスト
□内装はコンセプトに沿った素材や色になっているか
□照明計画は空間の雰囲気や用途に合っているか
□BGMのボリュームや選曲はコンセプトと合っているか
□空調の風向きや強さに問題はないか
□設備や什器はメンテナンスや交換のしやすさ、使い勝手を考慮しているか
□電源の位置や数は適切か
□必要な厨房設備が適切に配置されているか
□レジまわりの美観や物販スペースは設計されているか
内装工事・業者(契約段階)のチェックリスト
□複数社で見積り(相見積もり)を取ったか
□見積内容の「一式」表記の内容を確認しているか
□工期・引渡し日に問題はないか
□施主検査の方法やタイミングを確認しているか
□保証内容・アフターフォローは確認できているか
費用削減・注意点のチェックリスト
□居抜き物件の活用を検討したか
□DIYの導入に無理はないか
□施主支給について事前に確認しているか
□補助金・助成金・融資制度を把握しているか
最終チェック・開業直前のチェックリスト
□家具や什器の搬入経路は確保されているか
□Wi-Fi環境や通信設備は整備されているか
□看板・サインの視認性や配置を確認しているか
□食器・調理器具などの数、収納場所に不足はないか
□観葉植物の配置やメンテナンスは無理がないか
□消防・保健所などの検査で指摘事項はないか
カフェ開業・経営に役立つ関連記事
理想のカフェ空間がイメージできたら、次は具体的な開業手順や日々の店舗運営について知識を深めていきましょう。事業計画の立て方から、スタッフの接客マニュアル作成、利益を出すためのコスト管理まで、カフェ経営を成功に導くための実践的なノウハウをまとめた記事をご紹介します。あわせて参考にしてください。
まとめ
- カフェの成否は「コンセプトの明確化」と内装デザインで大きく左右される
- 内装はスタイル選びだけでなく、動線・照明・五感設計まで含めて総合的に考えることが重要
- 内装工事費用の目安は、居抜き物件で坪単価30〜60万円前後、スケルトン物件で60~100万円前後とされるが、物件条件や設備内容で大きく変動する
- 居抜きかスケルトンかの選択、設備スペック確認、業者選定が予算と完成度を左右する
カフェの開業は、憧れや情熱だけで実現できるものではありません。しかし、「誰に・どんな時間を過ごしてもらうか」というコンセプトを軸に、物件選定・内装設計・資金計画を着実に進めていくことで、理想のお店を形にしていくことができます。
居心地のよい空間づくりは、料理やコーヒーの魅力を最大限に引き出し、リピーターを生み、SNSで自然と広がる強い武器になります。まずはコンセプトの言語化と資金計画の整理から始め、唯一無二のカフェ作りを進めていきましょう。
※この記事は公開時点、または更新時点の情報を元に作成しています。
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下記フォームに必要事項をご入力いただき、ダウンロードページへお進みください。※店舗名未定の場合は「未定」とご入力ください。
この記事を書いた人
松田芳枝(まつだ よしえ)インテリアコーディネーター
『豊かな暮らしを創造する』をモットーに、東海地方を中心として30年にわたりインテリアコーディネーターとして活動している。新築住宅に加え、リフォームやリノベーションにも幅広く携わり、住宅(戸建て・マンション)だけでなく、商業施設や医療機関など様々な空間のインテリア・建築計画を支援。近年は、カタログやCM撮影用のセットデザイン、テーマパークのアトラクションなど、活動領域をさらに広げる。大学ではインテリア関連の授業を担当するほか、各種講演活動にも取り組む。