キッチンカーを開業するには?6つのSTEPで学ぶ始め方完全ガイド

近年、出店が増えつつあるキッチンカー。店舗の家賃がかからないコストの低さや販売場所・営業時間の自由度の高さから、今後開業を考えている人も多いのではないでしょうか。
この記事では、キッチンカーを開業するために必要なものや資格、資金計画とともに、開業までの流れを詳しく解説します。
この記事の目次
なぜ今、キッチンカー開業が熱いのか?
キッチンカー開業は、2つの理由から近年大きな注目を集めています。
まず実店舗に比べて開業資金を抑えられる点です。キッチンカーの営業は自動車と設備、商品さえ揃っていれば一人でも始められ、店舗の家賃や人件費がかかりません。
次に、自由度の高さです。より売上が上がりそうな条件を求めて、販売場所や営業時間を柔軟に変更できます。自己管理は必要ですが、イベントなどで稼げるときに一気に働き、休日はしっかり休むといった働き方も可能です。
また、キッチンカー運営者からは「お客さまとの会話が楽しい」といった声も聞かれます。特に地域密着型の営業ではお客さまとの距離が縮まりやすい点もキッチンカーの魅力といえるでしょう。
キッチンカーを開業するための6つのSTEP
キッチンカーの開業準備は大まかに下記6つのステップで進めます。
STEP1.コンセプトを決める
STEP2.事業計画を立てる
STEP3.車両と設備を準備する
STEP4.営業許可を取得する
STEP5.販売場所を確保する
STEP6.営業開始
また出店者の増加により販売場所の確保も難化しているため、時間に余裕を持った準備が肝心です。
STEP1.コンセプトを決める
キッチンカーで扱えるメニューは限られており、差別化が難しいため、コンセプト設計が重要です。ここで紹介する4つの要素について、詳細に考えておきましょう。
メニュー(何をいくらで販売するのか)
まずは、提供するメニューと価格を決めていきます。想定ターゲットの好みに合い、かつ利益を得やすいものがよいでしょう。一般的には、クレープやたこ焼きなどの粉ものは収益性が高いとされています。そのほか、セット販売で利益を確保するのも有効な手段の一つです。
また、食にこだわりのあるターゲットであれば、食材も地場野菜やオーガニック食材などが選択肢に入ります。
価格は食材費と市場調査の結果を考慮して決めましょう。
ターゲット(誰に食べてもらいたいのか)
メニューと同時に、どんな人に自分の商品を食べてもらいたいか、下記の要素を参考にリアルな人物像を描いていきます。
- 年齢層(子ども、30代、高齢者など)
- 性別
- 職業(学生、会社員など)
- ライフスタイル(流行に敏感、健康志向など)
- 居住地域・行動地域(◯◯駅近くの住宅街、✕✕駅のオフィス街など)
ターゲットを明確にすると、このあとの販売場所やブランディングの方針を定めやすくなります。
販売場所(どこで売るか)
キッチンカーの販売場所は下記の3点から総合的に判断します。
- ターゲットの行動範囲(住宅街、オフィス街、駅前など)
- 電源や給排水など設備の要件
- 出店手数料や売上見込みなど収益性
立地がよくても設備要件が合わない、出店手数料や競争率が高いといったケースもあります。複数の候補を持っておくようにしましょう。
ブランドイメージ(どんな雰囲気のキッチンカーにしたいのか)
ブランドイメージとは、お客さまが抱くお店(キッチンカー)への印象です。
飲食物を扱うため清潔感は大前提として、ターゲットや提供する商品との親和性を意識したうえで、下記をヒントに理想の雰囲気を考えましょう。
- 世界観(和風、アジアン風など)
- デザイン(シンプル、かわいい、レトロなど)
- 配色(暖色系、寒色系、パステルカラー、原色など)
- 接客スタイル(丁寧、フレンドリーなど)
また、インターネットやSNSで実際のキッチンカーの画像を検索してみると、具体的にイメージしやすくなります。
STEP2.事業計画を立てる
コンセプトが決まったら、実際にキッチンカー運営でしっかり収益を出せるよう、資金計画を立てていきましょう。
開業資金の算出
キッチンカーの開業資金は300万~500万円が相場といわれています。
キッチンカーの購入・改装費用のほか、厨房機器や調理器具の調達がおもな内訳です。
とはいえ、キッチンカーを新車で購入するのか、中古で購入するのかなどによって、必要な資金は大きく変わってきます。必ず自分で調べたうえで、必要な費用を算出してください。
資金調達
開業資金の調達には大きく4つの方法があります。それぞれみていきましょう。
自己資金
自身の預貯金はもっとも基本的な開業資金の準備方法です。ただし、副業ではなく個人事業主として開業する場合は特に、預貯金のすべてを開業資金にあてるのはおすすめできません。
安定的に売上を出せるようになるまで、キッチンカーを維持しながらでも生活できるよう3カ月~半年分の生活費は残しておくようにしましょう。
融資
自己資金で賄えない場合は、銀行や日本政策金融公庫などからの借り入れも選択肢に入ります。人によっては家族や友人からお金を借りるほうが簡単かもしれませんが、今後の人間関係を考えると金融機関から融資を受けるほうが無難です。
助成金・補助金
助成金・補助金は自治体や商工会議所などが提供する制度です。ただし、申請のための書類作成や申請作業の手間がかかるほか、申請しても必ず受給できるとは限りません。また、助成金や補助金の入金までには時間がかかることもあります。事前にある程度の自己資金が必要な点は頭に入れておきましょう。
クラウドファンディング
インターネットを通じて不特定多数から資金を募る方法です。
プラットフォームを利用すれば比較的スムーズにプロジェクトを開始できますが、必ずしも目標額を調達できるとは限らない点には注意が必要です。
収支計画
開業資金のほか、忘れてはならないのが将来の収支です。
キッチンカーの運営で見込める売上高と、運営費用を算出しましょう。運営費用には仕入れやガソリン代、融資を受ける人は月々の返済額などが含まれます。
売上高から費用を差し引いてどのくらいの利益を出せそうか、開業資金をどれくらいで回収できそうか、目標を立てていきましょう。
販売戦略
キッチンカーは固定の店舗を持たないため、住所や店舗外観の写真を掲載しづらく口コミサイトやグルメサイトへの掲載には向きません。したがってほかの集客戦略が重要です。
ホームページやSNSといったオンライン施策のほか、オフラインではイベント出店やクーポンつきのチラシ配布などが施策として考えられます。
また、キッチンカーそのものが「走る広告」になります。店名や商品が遠目で見てもわかるデザインにするとよいでしょう。
事業計画書の作成
事業計画書とは「自分の考えている事業が実現可能なもので、採算もとれること」を根拠とともに示すものです。STEP1、2で考えてきた内容を整理して、事業計画書に落とし込んでいきます。
融資を受ける際に必要になるほか、今後すべきことが明確になるため、ぜひ作成しておきましょう。
事業計画書の書き方は下記の記事で詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてください。
事業計画書の書き方は?飲食店などの店舗経営者向けに作成手順を詳しく解説
STEP3.車両や設備を準備する
ここからは、キッチンカー運営に必要なものを準備していく段階です。大きく分けてキッチンカー、厨房機器、レジの3つをそろえていきます。
車種の選定、購入
キッチンカーは新車を購入(製作)する以外に、中古を購入する方法もあります。
いずれにしても、キッチンカーの販売サイト(業者)を比較して選定しましょう。
新車の場合は必ず、複数の業者から相見積もりをとって価格を比較します。また中古の場合、安すぎるものは注意が必要です。購入後にメンテナンスが必要になるなど、結果として多くの費用が発生するおそれがあるためです。
厨房機器・調理器具の選定、購入
冷蔵庫や冷凍庫、卓上コンロなど、必要な厨房機器を揃えましょう。冷蔵庫と卓上コンロは5万円ほど、冷凍庫は10万円程度が相場です。
そのほか、フライパンや鍋などの調理器具、ゴミ箱、食材の保存容器、商品提供用の容器なども購入します。
レジの選定、購入
会計に使うレジの準備も忘れてはいけません。キッチンカーの限られたスペースで使用するなら、コンパクトなタブレット型のレジがおすすめです。
レジ端末(タブレット)のほか、キャッシュドロア、レシートプリンタが最低限必要で、キャッシュレス決済対応端末があると会計がよりスムーズになります。
STEP4.資格や営業許可を取得する
キッチンカーを営業するには、食品衛生責任者の資格と保健所の営業許可が必要です。それぞれみていきましょう。
食品衛生責任者の資格取得
調理師や栄養士の資格を持っている方は、食品衛生責任者資格を取得済みですが、無資格の方は保健所が実施する講習を受講して資格を得る必要があります。1日講習で取得できるため、まずは保健所の開講スケジュールを確認してみましょう。
保健所の営業許可を取得する
食品衛生責任者を取得し、キッチンカーが納車されたら、出店地域の保健所に「飲食店営業許可」の申請を出します。複数の出店場所を想定している場合は、出店先の自治体ごとに申請しましょう。
また、出店場所だけでなく仕込み場所についても営業許可が必要な地域があります。仕込み場所に関しては、自治体によって条件が異なるため、必ずご自身で確認してください。
STEP5.販売場所の確保(契約)
キッチンカーの販売場所は、スーパーマーケットや商業施設の駐車場、オフィス街などがメインです。
出店条件や出店料をよく確認したうえで出店場所(施設やビル)の管理者やイベントの主催者から営業の許可をもらい、契約手続きを進めましょう。
STEP6.営業開始
STEP1~5の準備が整ったら、いよいよ営業開始です。
最初は思うように売上があがらないかもしれませんが、キッチンカーは季節や天気、気温の影響を大きく受けます。
出店した場所、天気や気温、人通り、売上に関する記録をつけながら、販売場所、営業時間、メニュー、宣伝方法など、常に改善を繰り返しましょう。
開業前に知っておきたい注意点やよくある失敗事例
ここではキッチンカー営業の注意点や失敗事例を紹介します。あわせて対策も紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
販売場所が見つからない、決まらない
キッチンカーの出店数は年々増加しており、販売場所の確保が難しくなっています。また出店申込みから実際に営業できるまで、手続きの関係で2カ月待ちといったケースもみられます。
販売場所の目星をつけ、決めたらすぐに申請手続きを進めましょう。
お店のオペレーションが回らない
非効率なオペレーションは売上の低下に直結します。時間あたりの売上が少なくなるほか、お客さまが待ち時間の長さから帰ってしまうと機会損失も発生します。
事前にシミュレーションをしっかり行うのが重要です。最初は大きなイベントへの出店はせずに通常営業でオペレーションの修正を図りましょう。
大量の販売ロス、食材ロスが出てしまう
食材が切れて営業終了せざるを得なくなることもあれば、想定よりも商品が売れず、用意した食材が大量に残ってしまうことも、キッチンカーでよくある失敗例です。
同じ場所に何度か出店して、売上だけでなく天気や人通りなども詳細に記録し、できるだけ正確な売上予測を立てられるようにしましょう。
また、冷凍できる食材の活用も有効です。食材が足りなくなりそうなとき、早めに解凍しておけば極力食材を余らせずに使いきりやすくなります。
そのほか、キッチンカーの同業仲間をつくり、場所ごとの売れ行きなどについて情報交換するのもロスの削減につながります。
拘束時間が長すぎてダウン
キッチンカー販売の拘束時間は、営業時間だけではありません。仕込みや移動時間も忘れずに考慮しましょう。車の運転は神経を使うため思った以上に疲れます。またスタッフを雇うなら移動時間にも人件費は発生します。
無理のない営業スケジュールを組み、近場で営業するなど工夫しましょう。
なお、夏場の車内は外気温以上に暑くなります。調理で火を使うならなおさらです。扇風機を設置する、こまめに水分補給をするなど、健康管理も必ず行うようにしてください。
仕込み場所には条件がある
キッチンカー内での調理にはさまざまな制約があります。オペレーションの効率化を図る意味でも、事前の仕込みを必要とするケースは多いでしょう。
繰り返しになりますが、仕込み場所についても営業許可を要する自治体もあります。仕込み場所としての条件や必要な手続きを事前に確認し、適切な手続きをとりましょう。
キッチンカー開業成功の秘訣
では、キッチンカー運営を成功させるには、どのようなポイントがあるのでしょうか。成功の秘訣を5つ紹介します。
魅力的で差別化されたメニュー
キッチンカーで提供できるメニューは限られており、ほかと重複しやすいといえます。さらに客単価も低くなりやすい点もキッチンカーの課題です。
食材にこだわる、斬新なトッピングを用意するなど、他店にはない特徴を出すことが重要です。魅力的なメニューを開発し、セット販売で単価を上げるなどの工夫を凝らしましょう。
笑顔で明るい接客
キッチンカーは屋外での販売が多いため、夏は暑く冬は寒い中、お客さまは外で並ばなければなりません。こうした待ち時間のストレスを軽減するには、商品の味はもちろん、接客の質も重要です。
初めてのお客さまにも、笑顔で元気なあいさつをし、感じのよいコミュニケーションがとれるように心がけましょう。
スピーディーな商品提供
笑顔で明るい接客と同じくらい大事なのが、スピーディーな商品提供です。とくにランチタイムやビジネスパーソンを狙うのなら、時間が限られているお客さまも多いでしょう。
仕込みやオペレーションを改善し、少しでも提供時間を短縮できるように工夫しましょう。
効率的なレジの導入
お客さまをお待たせしないためにも、お会計の方法もしっかり考えておきましょう。現金だけでなく、タッチ決済、QRコード決済の対応など、素早く会計できるレジシステムを導入することも大切です。
例えば、『Airレジ』のようなタブレット型のレジは、コンパクトでスペースを取らず、多様な支払方法に対応できるのが特徴です。操作もカンタンで効率的に会計できるので「忙しい時間帯にレジ待ちの行列で大慌て」という状況も防ぎやすくなるでしょう。キッチンカーは調理や接客など一人で何役もこなすことが多い分、こうしたちょっとした仕組みづくりが日々の負担をグッと減らしてくれるはずです。
開業者向けのサービスを上手に活用
最後に、キッチンカーの開業準備を効率よく進めるために、便利なサービスを活用するのもポイントです。
例えば「Air ビジネスツールズ」の「開業支援セット」では、店舗開業に必要な機器やツールをまとめて導入できるほか、開業時のお悩みを相談することが可能です。さらに、カードリーダーが0円でもらえる「0円スタートキャンペーン」※が実施されている場合もあるので、導入コストをおさえたい方はぜひチェックしてみましょう。こうしたサービスを賢く取り入れることで、開業する際の手間を省き、営業に専念しやすい体制を整えられます。
※キャンペーンは数に限りがあり、予告なく変更や終了の可能性があります。キャンペーンの条件や注意事項をご確認ください。

まとめ
- 開業には、コンセプト設計、事業計画、車両・設備準備、資格・許可取得、販売場所確保、営業開始の6つのステップがある
- 提供できる食品が限られていて差別化が難しいため、コンセプト設計が重要
- 販売場所の確保が難化しつつあるため早めに行動を。仕込み場所の条件確認も忘れずに
- 効率的なレジの導入や開業者向けのサービスを上手に活用するのもポイント
開業費用の安さや販売場所・時間の自由さ、お客さまとのコミュニケーションが魅力であり、実際にキッチンカーを開業する人が増えています。
コンセプト設計や販売場所の確保、各種資格の取得や手続きなど準備は大変かもしれませんが、便利なサービスも上手に活用しながら、ポイントを押さえて一つひとつ進めていきましょう。
※この記事は公開時点、または更新時点の情報を元に作成しています。
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この記事を書いた人

紗冬えいみ(さとう えいみ)金融ライター・Webマーケター
1級FP・CFP保有。証券会社や公認会計士・税理士事務所での実務経験を活かして2020年より金融ライターとして活動。FP事務所のブログコンテンツや大手保険会社のオウンドメディア掲載コラムなどに携わり、年間250記事以上を執筆(2023年)。FP事務所のWebマーケティングのサポートも手がける。モットーは「お金の話は正しく、やさしく」