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カフェ・喫茶店経営に必要な開業資金や資格・魅力や失敗しないためのノウハウやコツ

中野 裕哲(なかの ひろあき)起業コンサルタント(R)

カフェ開業を目指しているものの、「資格はいる?」「経営には何が重要?」など分からないことが多くて困っていませんか? 経営の基礎知識がなく計画がぼんやりしていると、失敗するリスクが高まってしまいます。ここでは、カフェ経営に必要な資格や3つの基本ポイントについて解説します。事例に基づいた成功・失敗の要素についても触れるので、基礎知識を具体的に学びつつ、失敗しにくく現実味のある計画を立てましょう。

この記事の目次

カフェ・喫茶店の経営や開業の魅力

カフェや喫茶店を開業する魅力は、自分の価値観やコンセプトを表現しやすい点ですね。共感してくれた顧客がファンになり、顧客との関係性をより高めている方が多くいらっしゃいます。

カフェ・喫茶店の経営に必要な資格と申請

食品衛生責任者資格

カフェ開業にあたっての必須資格は食品衛生責任者資格です。カフェのように飲食店として営業する施設では、オーナー自身または従事者から食品衛生責任者を必ず1名選任し、保健所に申請することが食品衛生法で義務づけられています。

食品衛生責任者資格は、特別な資格がなくても食品衛生責任者養成講習会を受講すれば取得可能です。

合計約6時間の講習では以下の内容について学び、確認テストが行われる場合もあります。

  • 公衆衛生学(伝染病、疾病予防、環境衛生、労働衛生など)
  • 衛生法規(食品衛生法、施設基準、管理運営基準、規格基準、公衆衛生法規など)
  • 食品衛生学(食品事故、食品の取扱い、施設の衛生管理、自主管理など)

講習会は全国の各自治体が実施しているため、実施要項などの詳細はお住まいの都道府県や市のHPを確認して下さい。東京都の場合、費用はテキスト込みで10,000円です。

防火管理者の選定

防火管理者は、建物の収容人数が30人以上の複合商業施設などの場合は必要ですが、収容人数が30人未満の小さな建物の場合は必要ありません。防火管理者は消防署や日本防火・防災協会などが主催する防火管理者講習を受講すれば取得できます。

喫茶店営業・飲食店営業許可などの申請

お店の許可として飲食店は調理業に該当します。調理業は喫茶店営業許可と飲食店営業許可にわかれます。

カフェや喫茶店の場合、喫茶店営業で申請する場合が大半ですが、例えばケーキを作ってお客さんに提供する場合は、喫茶店営業ではなく飲食店営業許可が必要です。申請書や図面などを保健所に届け出て許可をもらいます。事前相談が可能ですので、工事を行う前に図面を持って相談に行きましょう。

カフェでスイーツをつくり、テイクアウトを行う場合には菓子製造業の営業許可も必要です。こちらも保健所が申請窓口となります。

カフェ・喫茶店に必要な開業資金

カフェ・喫茶店の開業には次のような費用がかかります。

  • 物件取得費用 200万円
    お店を借りるために、敷金や保証金、仲介手数料、当初数か月分の家賃、火災保険などがかかります。概ね家賃の5~10か月分くらいを見ておきましょう。
  • 内外装工事 300万円
    通常店舗を借りるとスケルトンという何もない状態で引き渡されます。そのままでは営業できないので、床や造作、給排水、壁、看板などの工事を行います。
  • 備品 200万円
    キッチンの中にある冷蔵庫や製氷機、コーヒーマシンやエスプレッソマシンといった厨房設備や、テーブルやカウンター、イスといった接客スペースの備品などを取りそろえます。
  • 運転資金 150万円
    店舗の家賃やスタッフの人件費、水道光熱費、食材費などが必要です。概ね3か月分を見ておきます。
物件取得費用 2,000,000円
内訳 敷金 1,000,000円
礼金 200,000円
仲介手数料 200,000円
前払い家賃 600,000円
内外装工事 3,000,000円
内訳 内装工事 2,800,000円
看板工事 200,000円
備品 2,000,000円
内訳 冷蔵庫 200,000円
製氷機 200,000円
コーヒーマシン 400,000円
エスプレッソマシン 1,000,000円
テーブル 100,000円
イス 100,000円
運転資金 1,500,000円
内訳 人件費 600,000円
家賃 400,000円
食材 200,000円
消耗品など 300,000円

カフェ・喫茶店の経営に重要な3つのポイント

カフェ経営にはコンセプト・立地・経営計画が重要です。

①コンセプト

店舗づくりはコンセプトに沿って進めます。カフェの特徴・雰囲気を決定づける以下項目の基本指針となるため、まずはコンセプトを策定しましょう。

  • ターゲット
  • メニュー
  • 出店エリア
  • 外装・内装

②立地

ターゲットが集まりやすいエリアを選定するのが基本です。主婦層に来てもらいたいのにサラリーマンが多いエリアに出店しては集客が見込めません。

  • 競合店の出店状況
  • 店舗前の道の通行量・交通量

他にも、上記のような点について実際に現地に足を運んで調査し、ターゲットが来やすい立地か分析しましょう。

③経営計画

売上・利益が出ないとお店は存続できません。年間の収益目標を立て、月間・週間・デイリーと落とし込むと現実的な目標値を把握できます。目標達成には、人件費やプロモーション費用などのコスト管理も重要です。

カフェ・喫茶店経営の失敗例から学ぶ注意点

立地が良くコンセプトが明確でも、カフェ経営は一筋縄ではいきません。失敗事例をご紹介します。

  • 駅近で人通りの多い好立地の賃貸店舗にアート作品を展示するカフェを開業したものの、固定費(家賃・光熱費・駐車場代)が負担となり数年で閉店。
  • 富裕層が多いエリアにペット同伴OKのカフェを開業。犬連れのお客様でいつも満席なのに、数百円のコーヒー1杯で滞在時間が長いため売上げが伸びない。

失敗したポイントは、どちらも売上が計画よりも低かったからです。一般的に家賃の10倍くらいの月商が必要と言われています。売上がしっかり上げられれば、たとえ固定費が高かったとしても、賄うことができます。売上げとコストのバランスを考えた経営計画や、ターゲット特性を踏まえて店内滞在時間や客単価を予測することも大切です。

カフェ・喫茶店経営のノウハウやコツ

一方、3年で9割のカフェが閉店すると言われる中、カフェ×医療などのテーマを設定し、年間数百回以上開催する多彩なイベントが重要な収益源になっているカフェもあります。また、SNSによる情報発信もリピーター確保につながっています。

この例では、積極的なイベント開催と情報発信によりリピーターを獲得し、固定費を賄える安定的な売上が確保できている点がポイントです。売上をどう上げていくか、売上がすべての源泉なのです。

まとめ

カフェ開業・経営にあたっては、

  • 「食品衛生管理者資格」や「飲食店営業許可」を取得する必要がある。
  • 開業資金を把握することが重要
  • カフェ経営を軌道に乗せるには「コンセプト」「立地」「経営計画」が重要
  • 3年で9割のカフェが閉店すると言われる中で安定した売上を獲得するには+αの工夫が必要
  • 売上がすべての源泉である

このような点を踏まえると、失敗リスクが少なく現実味のある計画が立てられます。「カフェのオーナーになりたい」という夢をカタチにするために基礎知識を少しずつ身につけて、長く愛されるお店づくりを目指しましょう。

※この記事は公開時点、または更新時点の情報を元に作成しています。

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この記事を書いた人

Airレジ マガジン編集部

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この執筆者の記事一覧
中野 裕哲(なかの ひろあき)氏

中野 裕哲(なかの ひろあき)起業コンサルタント(R)

起業コンサルタント(R)、税理士、特定社労士、行政書士、CFP(R)。起業コンサルV-Spiritsグループ/税理士法人V-Spirits代表。年間約200件の起業相談を無料で受託し、起業家をまるごと支援。起業支援サイト 「DREAM GATE」で6年連続相談数日本一。「一日も早く 起業したい人が『やっておくべきこと・知っておくべきこと』」など、起業・経営関連の著書・監修書多数。http://v-spirits.com/